5 / 89
復讐編
ep4 躊躇と本音
しおりを挟む飛び出した先に視界は全部 赤 だった
それは火災の火や
ゾンビに殺された人の血でもあった
狭い道で
ゾンビたちに鉢合わせたくないから
道路沿いを走っていると
ゾンビが2体 前方に見えた
ゾンビは自分に気づいたのか
こっちに足を引きずりながら迫ってくる
「お前らよりも俺は速えんだよっ…!!」
気づけば無我夢中でそう叫んでいた
そして狙ったとおり
ゾンビが自分に触れる前に奴らの間を通り抜けた
今はなるべく戦わない
戦うにしろまずはあいつらの性質を知るべきだ
そう思いながら走り続ける
10分くらい走っただろうか…………?
辺りはやはり燃えている
流石に少し疲れて息が上がってきてたころ
美九の家が見えた
部屋の証明が付いているのに気づいた
その瞬間………
皿みたいなのが複数割れる音 と
少女を思わせるような高い悲鳴が鳴り響いた
美九が危ないのかっ……!?
そう思ったのと同時に
裸足のまま美九がドアから飛び出してきた
彼女の背後にはゾンビが1体迫っている
自分に気づいたのか
美九は泣きそうになりながらも必死に走った
「やるしか、、ないのかっ!……」
自分はリュックを素早く捨てるように手放し
木刀を持って全速力でゾンビに近づき
途中で美九とすれ違う
髪が靡いているせいか横顔は普段とは印象が違い
何故か新鮮に感じた
そして視線を前に戻すと
眼前に迫ってきたゾンビに
上段から木刀を思い切って振り下ろした
ドゴッッ …!!
鈍い音が木刀を通して腕に伝わってくる
幸いこのゾンビは
背が低く身体付きも細かったため簡単に倒れた
(トドメをっ……早くっ…!! )
そう思って腕に力を入れて
木刀を振り下ろそうとすると背後から………
「誠ちゃん やめてっ……!!」
彼女にそう叫ばれた
あまりの必死さに声が裏返っていた
何故? …
聞こうとするとその前に
「……私のお母さんなのッッ!!………」
顔を真っ赤にしてそう必死に叫んでいる
自分は1つ思い違いをしていた
それはというと
目の前にいるゾンビは
ゲームとかでよくある感染はしないと………
先ほど目にした見たあの男性の件から
勘違いしていたのだ
だからこれ以上増えないから
いずれこのゾンビ達は全滅するだろうと……
心のどこかでそれを望んでいた
非常にまずい…
躊躇っていたらゾンビが起き上がってしまった
それ以上に俺は……………
親友の前で
その親友の母親を殺すはめになるのか?…
~ ep4完~
0
あなたにおすすめの小説
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
悪役令嬢の慟哭
浜柔
ファンタジー
前世の記憶を取り戻した侯爵令嬢エカテリーナ・ハイデルフトは自分の住む世界が乙女ゲームそっくりの世界であり、自らはそのゲームで悪役の位置づけになっている事に気付くが、時既に遅く、死の運命には逆らえなかった。
だが、死して尚彷徨うエカテリーナの復讐はこれから始まる。
※ここまでのあらすじは序章の内容に当たります。
※乙女ゲームのバッドエンド後の話になりますので、ゲーム内容については殆ど作中に出てきません。
「悪役令嬢の追憶」及び「悪役令嬢の徘徊」を若干の手直しをして統合しています。
「追憶」「徘徊」「慟哭」はそれぞれ雰囲気が異なります。
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
裏切られ続けた負け犬。25年前に戻ったので人生をやり直す。当然、裏切られた礼はするけどね
竹井ゴールド
ファンタジー
冒険者ギルドの雑用として働く隻腕義足の中年、カーターは裏切られ続ける人生を送っていた。
元々は食堂の息子という人並みの平民だったが、
王族の継承争いに巻き込まれてアドの街の毒茸流布騒動でコックの父親が毒茸の味見で死に。
代わって雇った料理人が裏切って金を持ち逃げ。
父親の親友が融資を持ち掛けるも平然と裏切って借金の返済の為に母親と妹を娼館へと売り。
カーターが冒険者として金を稼ぐも、後輩がカーターの幼馴染に横恋慕してスタンピードの最中に裏切ってカーターは片腕と片足を損失。カーターを持ち上げていたギルマスも裏切り、幼馴染も去って後輩とくっつく。
その後は負け犬人生で冒険者ギルドの雑用として細々と暮らしていたのだが。
ある日、人ならざる存在が話しかけてきた。
「この世界は滅びに進んでいる。是正しなければならない。手を貸すように」
そして気付けは25年前の15歳にカーターは戻っており、二回目の人生をやり直すのだった。
もちろん、裏切ってくれた連中への返礼と共に。
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
冤罪で辺境に幽閉された第4王子
satomi
ファンタジー
主人公・アンドリュート=ラルラは冤罪で辺境に幽閉されることになったわけだが…。
「辺境に幽閉とは、辺境で生きている人間を何だと思っているんだ!辺境は不要な人間を送る場所じゃない!」と、辺境伯は怒っているし当然のことだろう。元から辺境で暮している方々は決して不要な方ではないし、‘辺境に幽閉’というのはなんとも辺境に暮らしている方々にしてみれば、喧嘩売ってんの?となる。
辺境伯の娘さんと婚約という話だから辺境伯の主人公へのあたりも結構なものだけど、娘さんは美人だから万事OK。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる