アレハタレドキ [彼は誰時]

えだまめ

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復讐編

ep21 夜明けと箱

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「グオ"オ"オ"オ"オ"ッ!!、、」



目の前の怪物が悲痛な叫びをあげる
藻掻き苦しんでいるその様に呆然としていると


「セイシロウさんっ… 走ってください……!!」


そう叫んでリータが走り寄って誘導してくれた
彼女の横には楽斗もいて


「とりあえず距離を取るぞっ……!!」


と大声で叫んでいる
疲れ果てた自分はフラフラになりながら走った
自分達のすぐ後ろには
奴が足を引きずって追いかけてきている



逃げ続けても倒せない……
なら この場 で奴を殺さないとっ………!!



そう思った自分が振り返ろうと足を止めると
間髪入れずに楽斗が自分の左腕を荒く掴み


「いいから走れってっ……!」


無理にでも逃げることを強要してくる
一本道を走り続けて体育館の横を通り過ぎた



体育館の横まで来たら校舎は目の前にある




そして自分達は正面玄関で立ち止まった
脚を引きずりながら追いかけてくる怪物とは
約7mほど距離があった


(距離がどんどん詰められていくっ……
ここに居たって時期に追い詰められるのなら… )


奴が体育館の横を通り過ぎて迫ってくる 
そして自分が奴に向かって走り出そうとすると


「 誠っ… だから落ち着けって…… 」


楽斗の安堵した声に理解が出来なかった
そしてその言葉の意味もである



ブォオオオンッ!!………



「 え、、? 」


この頃全く聞かなくなった
車のエンジン音を響かせながら
黒い大型の車が物凄い速度で奴に突っ込んだ



ドッッ…グジャァッ!!!………



奴は 突っ込んできた車と体育館の壁に
勢いよく挟まれて潰された



「ゴガガガガガァッ………!!」



最後の力を振り絞って奴は断末魔をあげる
胸部から腹部にかけてを一瞬で潰されたのだ
人間であったら即死なのは間違いないが…………
怪物だったらまだわからない



ブジュッ……ブビビビビィッ……!!



辺りに怪物の臓物と血液が飛び散る
一瞬にして道路が紅く染め上げられていった
そして悪臭が漂い吐き気がした 


「 やった………のか、、?」


車と体育館の壁に潰された怪物は痙攣し続ける
その生命力に改めて驚かされていると


車のドアが開き車内から東真が飛び出した
必死に走ってこっちに向かってきている

 
「東真よくやったっ!…… でも油断するな!
 みんなこれを投げ続けろっ……!!」



自ら声を出し指示を出す楽斗は
側に準備していたダンボールの中から瓶を取り出し
それを思いっきり投げつけた 


「 わ、わかりましたっ……! 」


リータや美九もそれに続いて投げ始める
宙を舞う瓶は奴の硬い頭に当たり



パリンッ……



破裂音を放ち液体が飛び散った
奴を溶かす為である



「やっぱり 塩酸 はあったんだね……」



悶え苦しむ怪物をじっと見つめながら
自分が呟くと美九が不思議そうに顔を覗かせて


「理科準備室って予め書いてくれてたから
結構簡単に見つけることができたんだよ??
よくそんなメモ用意してたね 誠ちゃん 」


「 いやっ…… 塩酸や硫酸がゾンビに有効なのか
試してみようかなって思って………… 」


疲労の限界だったのだろうその場で自分は倒れた
美九の悲鳴が微かに聞こえていたが
次第に聞こえなくなった



~~~~~~~~~~



目を覚ますと保健室のベッドの上だった



身体には丁寧に包帯とか絆創膏が貼ってあり
皆は 居なくてホワイトボードに



お前が寝てる間に 
あの20体ぐらいのゾンビは倒したぜ!
生活用品を盗ってくるから昼には帰るからな!



と書いていた
多分口調からして楽斗が書いたのだろう


自分はフラつきながら外に向かう
奴の死骸の方へ歩いていった



車は元の場所に戻されていて 
歪んだ怪物の死骸が残されたままだった



改めて見てみると 
本当に猛々しく立派な巨躯を有している


(よくこんなの相手に無茶したな……)


そんなことを考えていると


( んっ………?? )


怪物の腹部が妙に膨らんでいるのが気になり
大型ナイフを取り出して切ってみると


「これは、、、?」


そこに入っていた物を取り出し確認すると
自分はただ驚愕した


~ ep21完 ~


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