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復讐編
ep32 大炎と虚ろ
しおりを挟む左腕の骨をバキバキに折られた河島は
弱りながらも
「なんでそんな事を聞くんだ?… 」
と喘ぐように聞いてきた
既に限界を超えているようでいい気味だった
「ライターを貸して欲しいからだよ」
そう自分は答えながら
奴の動き一つ一つを注視していた
奴は顔面の次は
身体中を引っ掻き始めて
部屋中に 奴の体液 が飛び散っている
「アノ時ッ、、 アノ時ニッ…!! 」
奴がそう叫んでいるなか
河島がポケットからライターを取り出し渡す
(やるしかないか、、)
受け取った自分は刀を 逆手 で持って走りだし
奴の右足の指元ら辺を狙って
思いっきり突き刺した
グジャッ…!!
足に刺さった刀はクギのような役目を担い
右足を床から離せないようだ
( よしっ… このままっ…! )
そのまま自分は半歩さがり
ガソリンの入ったポリタンクの蓋を開けて
勢いよくかけた後に
殺虫剤を拾い
ライターを奴の方に向けて着火した
そしてそのライターの火に向かって
殺虫剤のレバーを引くと、、
ボアアアアアッ……!!
火炎放射器のようになった
ライターの火が奴の身体を蝕んだ
「ガガガガッ、、、」
奴は燃えながらそう叫んで
刀が刺さっていて固定されている脚を
無理やり動かそうとしている
ズシャッ…!!
固定されていた右足が千切れ自由になった奴は
減速してはいるが自分に接近してくる
( なっ… コイツ、、!?!? )
自身の足首を犠牲にしてまで前進され
予想外な状況に固まってしまった自分は
ゴガッ…!
奴に首を掴まれて
締められながら上に持ち上げられた
「がっ… ぐあっ…… 」
首を絞められて
どんどん苦しくなっていく…………
大型ナイフに手を回そうとしても
首を掴まれる際に
落としたらしく手に取ることはできなかった
「コレデ、、終ワリダッ…!! 」
奴が自分の身体を投げようと
体制を整えた その時…………………
「終わらせねーよ、、」
意識が遠のくなかで
そう微かに河島の声が聞こえた
( 河島……? お前死ぬ寸前じゃ……… )
そして気がつけば
自分の首を締めていた奴の腕の物凄い圧迫感が消える
自分を掴んでいた 奴の左手首 が
河島の上段で切断され地面を転がっていたのである
~ ep32完 ~
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