38 / 89
存命編
ep3 事実と協力
しおりを挟むしばらく黙ったあと
藤村は細い首を傾げながら口を開いた
「面白い話………? 」
予想通り俺の言葉に食いついた
僅かに彼女の表情に映っていた緊張がほぐれる
( 全て……話そう、、 )
そして俺は彼女に手帳に書かれていた内容
知っている範囲で全て話す
「納得できません
確かに本当だったら気にはなりますが
リスクの方が高いと思います 」
こちらが言い終わると同時に彼女は即答した
俺はしばらく何も言えないで
突っ立っていると
「では、、もう行くから 」
藤村はそう言って銃を下ろして
スタスタと歩いて行った
(やはり無理かっ… いや、待てよ?、、)
この手はあまり使いたくなかったが
俺は遠ざかっている藤村に
「岩見、、岩見 誠士郎 」
そう小さく呟いてみせる
すぐに彼女は振り返り
「彼が…生きてたの?…… 」
少し驚いたように訊いてきた
先程とはまるで違う反応で別人のようだった
(やっぱり食いつくか、、)
藤村と岩見は
時々話しているのを見ていたから確信はあった
岩見が少し羨ましかったのは内緒だ
「ああ、、 彼は生きていた 」
最近俺は数回ほど
岩見 誠士郎とその仲間達を目にしていた
以前彼らが スーパーマーケット周辺で
巨大なゾンビ達と戦っている所を目撃したのだ
彼は別人のように強くなっていて驚いた
声をかけようと近づこうとしたのだが
彼らは車でそのあと移動したため
俺はその機会 を見逃してしまった
そんなことを思い出しながら
「交換条件でどうだ?」
表情がイマイチわからない彼女に
俺はそう切り出す
「俺があんたと共に行動する代わりに
俺の知っている 情報 は全て渡す 」
「情報が嘘だったら?」
ペラペラと提案する俺が嘘臭く見えたらしい
用心深い彼女はそう訊いてきたので
「その時は
そのお得意さんを使って殺せばいい 」
俺はそう言って彼女のハンドガンに視線を向けた
その意図を読み取った彼女は
「いいよ 乗ろう 」
コチラに歩みながら微笑んで
「よろしく 」
こちらに歩み寄られて少し面食らった
そんな俺には気もくれずに
相変わらず短いフレーズを口にして握手を求める
その姿が綺麗で俺は少し見惚れてしまい
情けないほど小さな声で
「よろしく、、」
少し戸惑いながら答えたあと
彼女の小さく綺麗な手を握り返した
この世界で手を洗いたくないって初めて思った
~ ep3完 ~
0
あなたにおすすめの小説
復讐は、冷やして食すのが一番美味い
Yuito_Maru
ファンタジー
3度目の人生を生きるピオニー・レノドン。
1度目の人生は、愛した幼馴染と家族に裏切られ、無垢で無力のまま命を落とした。
2度目は、剣を磨き、王太子の婚約者となるも、1度目より惨めに死んでいった。
3度目は、微笑の裏で傭兵団を率い、冷たく復讐の刃を研ぐ。
狙うは、レノドン伯爵家、そして王家や腐った貴族たち。
「復讐とは、怒りを凍らせて成就する歪んだ喜びだ」――ピオニーは今、その意味を体現する。
-----
外部サイトでも掲載を行っております
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
サレ妻の娘なので、母の敵にざまぁします
二階堂まりい
大衆娯楽
大衆娯楽部門最高記録1位!
※この物語はフィクションです
流行のサレ妻ものを眺めていて、私ならどうする? と思ったので、短編でしたためてみました。
当方未婚なので、妻目線ではなく娘目線で失礼します。
処刑された勇者は二度目の人生で復讐を選ぶ
シロタカズキ
ファンタジー
──勇者は、すべてを裏切られ、処刑された。
だが、彼の魂は復讐の炎と共に蘇る──。
かつて魔王を討ち、人類を救った勇者 レオン・アルヴァレス。
だが、彼を待っていたのは称賛ではなく、 王族・貴族・元仲間たちによる裏切りと処刑だった。
「力が強すぎる」という理由で異端者として断罪され、広場で公開処刑されるレオン。
国民は歓喜し、王は満足げに笑い、かつての仲間たちは目を背ける。
そして、勇者は 死んだ。
──はずだった。
十年後。
王国は繁栄の影で腐敗し、裏切り者たちは安穏とした日々を送っていた。
しかし、そんな彼らの前に死んだはずの勇者が現れる。
「よくもまあ、のうのうと生きていられたものだな」
これは、英雄ではなくなった男の復讐譚。
彼を裏切った王族、貴族、そしてかつての仲間たちを絶望の淵に叩き落とすための第二の人生が、いま始まる──。
公爵令嬢アナスタシアの華麗なる鉄槌
招杜羅147
ファンタジー
「婚約は破棄だ!」
毒殺容疑の冤罪で、婚約者の手によって投獄された公爵令嬢・アナスタシア。
彼女は獄中死し、それによって3年前に巻き戻る。
そして…。
《完結》金貨5000枚で売られた王太子妃
ぜらちん黒糖
恋愛
「愛している。必ず迎えに行くから待っていてくれ」
甘い言葉を信じて、隣国へ「人質」となった王太子妃イザベラ。
旅立ちの前の晩、二人は愛し合い、イザベラのお腹には新しい命が宿った。すぐに夫に知らせた イザベラだったが、夫から届いた返信は、信じられない内容だった。
「それは本当に私の子供なのか?」
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる