アレハタレドキ [彼は誰時]

えだまめ

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存命編

ep4 夜と謎

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俺たちはその後
適当なコンビ二を見つけて中に入った


「雨が降ってきたね 」


と藤村が呟いている
確かにザーっと雨音が微かに聞こえている
俺たちはベストなタイミングで
店の中に入ったようだ


「なあ、、藤村 」


俺はそう話しかけると
それに応えるように彼女はこっちを見た
俺は続けて


「スーパーマーケット門田店 で俺は
彼を見たよ 」


彼の情報をサラッと伝えた
ここでの彼は 岩見 誠士郎 を指す


「それはいつの話?? 」


興味深そうな表情で訊いてくる
何処までも岩見が羨ましくて仕方がなかった


「2、3日前だよ 」


と俺は答える
あくまで紳士的に振る舞うのが鉄則だ


「なら雨があがるであろう明日に
そのスーパーマーケットに行こう!」


彼女は別人の様に元気な声を出すと共に
右腕を上に突き上げている


「わかった 」


そして俺らは 軽く食事をした後に
1時間交代の仮眠を取ることにした


「神田さん 」


とレジのカウンターの壁に
背中を付けて座る様にして寝ようとしている藤村に
呼ばれたので


「なに? 」


と返すと
彼女はウトウトしながら


「なんで今のこの世界って 大人 が
居ないんだろうね、、」


そう呟いた


(確かに……俺も藤村も大人を見ていない
 子供の俺らが生きているぐらいなのだから 
大人が生きていてもおかしくないのに、、)


何を言えばいいかわからず
つい彼女を見ると彼女は寝ていた
まるで目を瞑った人形のように見える



スー、、スゥー



微かに彼女の寝息が聞こえている


(疲れていたのだろうな、、)


そう思った俺は 
時間が来ても彼女を起こさずに
そのまま寝させた


~~~~~~~~~



ゴンッ!、、



「痛っ、、」


気づけば俺も寝ていたらしい
藤村に叩かれて目を覚ました


「昨日私を気遣うぐらいなら 
 自身の身体を気遣ってよっ…… 」


と拗ねたように言っている
その姿も正直可愛いかったが言えはしない
引かれるのが嫌だからね


「じゃ 行くか 」


「うん 」


俺らは朝食を済ませた後に
荷物を整理して外に出た

ここから門田店に行くには 
宮御川という結構大きな川に沿って
歩かなければならない

そのまま川沿いを歩いていると
目眩がして足下がフラついた


「大丈夫?? 」


「大丈夫 行こっ、、」


心配してくれた彼女にそう言おうとした瞬間
川の水面から何かが飛び跳ねてきた



ザパァッ!!、、



遅れるように水飛沫の音が聞こえる
その何かの影が藤村の後ろに着地して
藤村を襲おうとした


「あぶねぇっ……!!」


反射的に身体が動いて右手で藤村を押した
その衝撃で藤村は飛ばされて
結果的には奴の攻撃を回避した形になった


「なんだテメェ 」


俺は奴を見るとある事に気付いた
何か違和感があったのだ


「コイツ、、
普通のゾンビではないっ!、、」


明らかに俺が今まで逃げてきた奴らとは
外見が大きく違っていた


~ ep4完 ~


    
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