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存命編
ep11 無事と願望
しおりを挟む「どこに立っている?… そんなの………
あんたの目の前に俺は立ってるよ 」
期待外れというかなんというのか
割とあっさりと彼は答えた
(そういう事なの………?)
なんて私は思いながら
腹部の痛みを我慢して聞いていると
「ソウイウ事デハナイッ!……… 」
いきなり奴が怒鳴るように叫んだ
その気迫に私は押されてしまう
「オ前ノ 立場ノ 話ダ… 」
低い声でそう続けた
それを聞いた青年は少し心当たりが
あったのか少し考えた後に
「少なくとも…あんたらの仲間ではない 」
拒絶するかのように強く応えている
その発言の後に奴は質問を変えて
「劍 ヲ殺シタノハ 誰カワカルカ?」
文脈からして仲間を殺したのは誰か?
そのようなことを聞いていることだけはわかる
(ケン、、? 誰だろう? )
なんて私は思っていると
「悪いが知らねえな 」
やはり彼も知らなかった
その言い方から嘘もついてなさそうだ
今度は彼が
「どんな殺され方をしたんだ? 」
青年が続けて聞くと奴は静かに
「打撲ヤ火傷の痕、刃物ノ切リ傷ナド
カナリノ手練レニ 殺サレテイタ 」
そう続けたあとに
地面に刺さったままだった大斧を担いで
「 貴様ノ名ヲ 教エロ……… 」
「 ………ラシルだ 」
「ラシル… 覚エテオクゾ………
ソシテ今度ハ 全力デ殺シニイク 」
そう言って立ち去った
二人だけになると彼は私の方を見て
「とりあえず無事でよかったな
怪我の手当てを手伝うぜ 」
そう言って私の近くに座って
腹部の傷の処理をしようとした
「あなた、、怪我は、、??」
かなり重苦しい攻撃を受けていたのだ
軽傷なわけがない
「ん…? ないらしいな 」
彼はそう言って手を広げたあと
笑いながら続けて
「まぁ、、手錠は大変だったけどね 」
「あなた本当に……人 なの??…」
私はそう聞きながら
彼の病的に色白い肌を覗き込んでいた
今の私の中には疑問が沢山ある
何故手錠していたのか
その運動神経とあれだけ攻撃を受けて
無傷なのは どういう事なのか
さっきの奴が言っていた 立場 とは何か
そんな事を思いながら彼を見ると
見られた彼は視線を逸らして
「俺は白い部屋で育った
人間だという保証はないけど
俺は俺が人間であってほしいとは思うよ… 」
そう静かに告げた
その後私は包帯などで処置をしていると
「俺はラシル あんたの名前は? 」
「藤村…夏夜寧 、、夏夜寧と呼んで 」
そう言いながら何か違和感を覚えた
既視感があるのだ
(ラシル、、確かどこかで、、)
そんな事を思いながら
それが判明する記憶を探りだそうとしていると
「よろしくなっ… カヨネ! 」
ラシルがそう言って
手のひらを前に差し出してきた
私はその色白い手を握り
「助けてくれてありがとう ……………
この恩は必ず返すね 」
そう伝えた
彼は緊張したのか握ってる手がピクンと跳ねた
~ ep11完 ~
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