異世界:世界樹の根本で生活始めます。

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便利な能力使うに限るっ

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「これ、どーしよう」
現在、数匹のウサギを目の前にして困ってます。
おなかの空き具合は割とピークに達しているのですが、現在手持ちの食糧
・食べられる草
・食べられる木の実
・食べられると出た色鮮やかなキノコ
・生肉(未処理)
と、なっています。

(一番お腹いっぱいになりそうなのはお肉だけれども、なのだけど、そもそも現代日本で生きてきた私に解体するスキルは存在しない。するわけない。むしろ、そんなスキル持っている日本人のほうがレアだと思うの。うん。
てことは、今日食べれるのって・・・・)
「木の実と草とキノコのみ・・・か。」

あまり満腹には向かないラインナップだが、川などは近くにないようだしもう暗いし、そもそもお腹空いたしということで
しょうがないからとりあえず、焼いて食べることにした。
ウサギは外気が保存には向かないと思われる気温だし、ほかの動物に食べられるのも困るため冷凍してみる。
 (水で包んで・・・・・・風?冷たいイメージ?で・・・・・・覆う?)
ピキンッ
「あ、凍った。ふ~ん・・・」
先ほどの水といい今の魔法といい、どうやらこの世界の魔法は属性固定ではなく何事もイメージが大切のようである。
キノコを焼くために串になりそうな枝を探しつつ、空間魔法とかあると便利だな~とか何となく考える。
見つけた枝にキノコを刺しつつ、寝る前にステータスの鑑定をしてみようと決心する。
魔法で火を出しながら、いい感じに焼け始めたキノコが色のわりにおいしそうな匂いがするなぁとか思ったり・・・・・あれ、考えが食欲に負けた。

今日のメニュー
・焼きキノコ
・生野菜?
・デザートらしき木の実(鑑定曰く甘いらしいので)

(うん、主食・・・せめて主菜となるものが欲しかったな。)
無言でキノコを食べてみる・・・・・フツーにおいしい。
味付けしてないはずだけどバター炒めしたみたいな濃厚さがある。
生野菜を口にする・・・・・・食べれる。食べれるけどね、調味料が欲しい。なんか、草!って感じがする。
キノコと草で何となくおなかを膨らませて、【あけび】らしき木の実を手に取る。
今日は刃物もないので、爪で皮をむいて食べる。
(っ!これ好き。)
この世界に来て初めて気に入ったものが見つかった食事でした。

気に入った食材も見つかって、割と空腹も治まったら忘れていた眠気がドッと押し寄せてきた。
今日は布団など何もないから雑魚寝でいいやと、
その辺から持ってきた大きな枯葉いくつかを布団と毛布にして入る。
横になった瞬間に、今までの疲れと緊張もあったのかすぐに寝息をたて始めた。
先ほどの鑑定しようとかいう考えは眠気とともに吸い込まれていった。


~翌朝~
(・・・・・・・いや、絶対朝じゃないな)
枯葉の布団を抜け出して外に出るともうすっかり明るかった。
たぶん、頭の真上に太陽がある状態は昼過ぎなんだと思う。地球と時間間隔が変わっていなければだけれども。

洞窟の中に戻り、座って昨日の草と木の実の残りを口にしながら、自分のステータスを出してみる。
(〈開けゴマ〉・・・違う〈開錠〉・・・・〈レリーズ〉)

ヴィンッ

ステータス合図はどっかの魔法少女みたいなセリフだったらしい。
唱えないと出ないものでなくとほんとに良かったと思う。
改めて自分のステータスを確認してみる。

『向井 綾
 職業:魔術師
 レベル:50
 HP:2000
 MP:3500
 スキル:翻訳・・・どんな言語でも自動で読める・聞き取れるように変換する
          (転生者のみに絶対つけられる。)
    マップ(Lv.50)・・・自分や人・動物などの位置、地形などがわかる。検索もかけられる。
    複製(Lv.50)・・・イメージできる・見たことがある無機物の作成ができる。
               ただし、地球で言う電力の供給源は存在しないので注意すること。
    鍛冶(Lv.50)・・・武器や防具等の作成。
               あまり使われないが壁や家具の修理作成もできないことはない。
    鑑定(Lv.50)・・・見たものの詳細を知ることができる』

「・・・・・・・・え、平均値はどこ?」
昨日は、怒りと食欲と睡眠欲で見流していたものだが、
初期設定値がレベル50はおそらく一般的ではないのではなかろうか。
そもそも、職業魔術師だからMPは多くてもわからなくもないがHPもそんなにあるものなのか

「ステータスって鑑定できるのか・・・・・?」
自分のステータスウィンドウを表示させた状態で鑑定の照準を合わせてみる。

【レベル:本人の生まれつきの能力や経験値を考慮して増減する。
     その人の人生にもよるが20代平均は現在35ほどとなっている】
【HP:生命の耐久力を現した数値。寿命とは別でレベルにより増減する。 
   その人のレベル・職業にもよるが20代平均は現在1500ほどとなっている】
【MP:魔法を使用するのに使う魔力量を現した数値。レベルにより増減する。
   魔術師・勇者・聖女などは生まれつき多かったりする。職業、レベルによる。】
【魔術師:属性区分というものがない代わりに高度な魔法を利用出来る者の職業となる。
     能力にて生計を立てるものが多数。
     人類平均魔力量は750程。現存する魔王で2000ほどだったりする。】
【スキル:職業関係なく神より生まれつき与えられたものや、作業をすることにより得られるものもある。
     LvにもよるがMAXは100で半分もあればその能力のたいていのことは高精度でできるようになる】


「・・・・なんかこう・・・・凄すぎなのでは?これ。しかも、魔王いるんだこの世界。」
魔王がいるということは勇者とか冒険者などもいるのだろう。
もう、異世界という認識は嫌というほどさせられているが、何の危機にも陥らないため危ないという実感はちっともない。
別に、魔王討伐しようとか、この世界に平穏をとかいう志も持っているわけではないので別に何がいても安全ならそれでいいと思う。

(レベルとMPは街に入る時とかも隠せるかなぁ。見つかったらめんどくさそうだよね)
せめて平均値で能力は与えろと、自称神:ティーへ苦情を言いたいが、後の祭りである。どうしようもない。
レベル等がMAXとか∞とかレアスキルとかでなかっただけまだましだと思うことにする。

(・・・・・・・・・・・・考えるの疲れた)
「あーーーもういいやっ。あるものはあるもので便利に使おう、そうしよう。
今日中に洞窟内に部屋作って扉作って、明日街探して買い物行って、とっとと引きこもりライフを始めたいっ」

現在、おそらく午後2時くらいだと思うのが、今日中に作業は終わるのかと問われれるならば
そこは、それ。豊富な魔力量と属性縛りのないこの世界の特性。更には鍛冶・複製スキルを併用してサクサクと作業を進める。

風で木をカットして、机、いす、棚、ベッド、ついでに木の根の薄いところに窓用の穴と枠を作る。
床用の板と、扉も作成し設置する。
属性縛りがないのなら空間魔法もありなのでは?と、イメージしたらポッカリと空間に丸い穴が出てきたのだから全く素晴らしいものである。
全部作ったものを収納して中で出して作業をすることで、効率も上がったようだ。
布団・本・ガラスなど、地球で今まで見たものをいくつか複製してみる。詳細は知らないのにちゃんとここに出てくるのだからありがたい。
これで、中身や詳細まで知らないとどうしようもないとか言われたら私は泣いていたと思う。主に本に関して。

それらを好みの位置に設置して、木くずや虫などを追い払うところまでして、ちょうど夕方くらいの明るさになった。
それにしてもこれだけ魔法を乱用しているのに、10%も減っているように見えない・・・・どれだけチートなの。
ただ、ほとんど動いてないけど出来上がるって素晴らしい。短時間でいろいろと終わるのだから能力万歳だとは思う。

「うん、にわか知識なりに上出来じゃない?住める住める♪」

昨日作ったウサギの氷漬けが日中の光でちょうど溶け切ったのを、腐る前に異空間に放り込んで、
今夜も草食動物のような食事をとったのち
ふかふかの布団の中で、削りたての木の新築の香りを嗅ぎながら眠りに落ちた。

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