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街へ
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ふかふかとした感触に包まれつつ、窓からの朝日で目覚める。
なんてすばらしい朝でしょう。
過ごして3日目の朝にして気が付いたこと。
この世界樹の根本、温度がずーっと快適温度で保たれているみたいで、
寝苦しくも、寒くもないという素敵機能付きのお部屋になったようだ。
なんて、引きこもるのに最適な機能でしょうかと、気づいた時に喜んだ喜んだ。
喜びすぎて自分の足で足ひっかけて転んでしまったほどである。
さて、本日の予定
≪街に行く!≫
ということで、さっそくマップで付近の街を探す。
(この世界樹の森、広すぎてマップほとんど緑色してるんだけど・・・・・)
縮小を試みて、多少なりとも確認範囲の拡大を目指す。
少しだけ、全容が見え始めたくらいで右上に割と大きめの街を発見できた。
ただし、そこは運動不足の元OLおそらくこのまま真面目に歩いたら、体力と脚力不足で行き倒れそうな距離だと思う。
「私、この距離歩いたら死にそうだよね。・・・・・・・魔法で飛べないかな」
重力の原理や、羽で飛べる原理をちゃんと覚えている人なんてそうそういないと思う。
(でも、そこは魔法だし『浮く』というイメージで浮くことができるんじゃないかな。
もしくは風魔法でこう、ふんわりと・・・・・・)
外に出て、浮くというイメージをしてみるのだが、これがなかなか難しいもので上手くいかない。
髪は上がるけど体が上がるほどではないし、
かといって風は不安定な飛び方になるようだ
「移動手段・・・・どうしよう。」
もう、徒歩で行くという選択肢は心の片隅にすら存在しない。
絶対行き倒れる自信があるので・・・・・
(自転車くらいならいけるかな。さすがにバイクは出しても乗りこなせないし。乗って風で追い風にして、街が見えてくる前に収納する・・・・)
「・・・いけるか?」
馬車とか馬のみとかその辺の動物捕まえて乗るとかいろいろ考えてみたけど、そもそもそんなスキル持ち合わせていないのでできないという結論へ。
最終的に自転車での移動に落ち着いた。
街で誰かに飛ぶ方法は知らないか聞いてみようと思う。
「よーし。鍵もかけたし、お昼用の木の実も収穫OK!ついでに課金出来たらいいなということで薬草と数匹の動物の肉もOK!
では、初めての街までしゅっぱーつっ」
自転車に跨って、ペダルをこぎつつ追い風を発生させる。
風の勢いだけで進むので、電動自転車並みに軽快に進む。森であるのも何のそのというくらいなので、乗っている本人が一番驚いている。
デコボコ道は何処へ・・・・
木々をよけつつ、森を抜けるとそこからは草原である。
森を抜けたあたりで、もう一度地図を確認して街へ向かって進み始める。
特に何に遭遇することもなく街の門が見え始めたあたりで緑の草原の中に茶色いものが見える。
大きさ的には、人?子供サイズである。
(え、子供?行き倒れ?門、目の前なんだけど。)
異世界初の人類への遭遇が行き倒れからとはなんともついていないものである。
これが小説・漫画の世界なら、奴隷とか仲間とかになって旅に出るところだが、生憎綾には旅に出る気はない。
保存食と生活必需品をそろえて世界樹に引きこもる気満々なのである。
かといっておいていくのも良心が痛むわけで・・・・
(しょーがない。街までしか連れて行かないからね)
誰に向かって言っているのかわからないようなセリフを心の中で呟きながら自転車を収納する。
ついでに、収納が常識かわからないので来た時に持っていたカバンを一応持つ。
準備が整ったので子供に声をかけてみる。
「おーい、生きてるかーい?」
「・・・ぅうん。」
一応、反応はある。生きてはいるみたいだが、会話は難しそうだ。
とりあえず、子供を背負う。門まで連れて行ったらきっと誰かどうにかしてくれるだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・重っ。
意識を失った子供は思った以上に重かった。世の中の寝た子を背負った奥様方を改めて尊敬しなおす。
それでも、何とか背負ってよろよろと進み始める。
というか、目と鼻の先に門があるのに誰も気づかないってどういうことよ
門にたどり着いて誰も気づいていなかったわけが分かった。
寝てる。
門番らしき男性が2名昼寝をしている。
それでいいのか、門番よ。
「あのー、すみません。」
「zzzzzzzzzzzzzzz」
「あのぉ・・・」
「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」
(じーーーーーーーーっ)
「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」
さて、ここで深呼吸。
「あ、のおおおおおおおおおお。お、き、ろーーーーーーーっ」
全力で叫んでみると、目の前の門番がびくっと身震いして起きた。
ついでに、背負っている子も一瞬びくっとした気がする。実は起きているのでは?
なにはともあれ、寝ぼけまなこでこちらを見上げてくる門番に話しかける。」
「すみません。あの、、子供がそこで行き倒れ?していたのですがどうしたらよいでしょうか」
「んぁ?・・・あんた誰。」
いやいや、倒れた子供でなく私の名前かいっ
まあ、私自身が知らない奴だろうししょうがないか。
この世界に苗字なんて制度があるかわからないので、とりあえず名前だけ名乗る。
「失礼しました。私、綾と申します。」
「職業は?」
「一応魔術師です。」
「一応?」
「あまり、活動していないもので。」
「へ~。で?今日ここに来た理由は?
住んでる俺が言うのもなんだが、特に目立つものは何もないぜ?おかげで戦争とか襲撃とかは皆無だが」
「あーちょっと生活に入用なものをそろえに来まして。ついでに薬草とか肉とかを売ろうかと」
凄い質問攻めだ。それはいいが、腕がしびれてきた。
「身分証とかは?ある?」
「や、ないです。あのすみません、そこで子供拾ったんですけど。もうそろそろ腕が・・限界を迎えそうです」
「おお、なんか言ってたなそういえば。すまんすまん。代わる」
やっと受け取ってもらえた。やけにあっさり受け取ったが知ってる子かな?
「知り合いですか?」
「ああ、知り合いだ。というか親戚だな。気にしなくていいぞ、こいつは男のくせに体力もないし、
そのくせ門の外に出て草とか見るのが好きなんだとさ。よく疲れてその辺で力尽きてたりするからな」
「はぁ、そーなんですね」
どうやら、子供は少年でこれはいつものことらしかった。
(よかったぁ。知らないから引き取れとかいわれなくて)
「で、ねーちゃん。見慣れない格好してるがどこから来たんだ?
身分証もないようだし」
「ああ、東の端のほうの国からちょっと飛ばされまして」
「飛ばされた?」
「まあ、気にしないでください。で、どうしたら入れてもらえますか?身分証がないのはどうしようもないんですが」
ここで入れてもらえなかったら、次の街などを探さなければならない。
早くしてほしい。
「ああ、じゃあこの水晶に手を当てて魔力を流してくれ。」
「何か見えるんですか?」
「犯罪歴なんかを持っていないか見るんだ。」
「へー便利ですねぇ」
世間話をしながら水晶に魔力を流す。
こちらから見ると光ったようにしか見えないが、門番には文字的な何かが見えるらしい。
確認した後、いい笑顔で通してくれた。
ちなみに、もう一人の門番は最初から最後まで起きることはなかった(笑)
(ちょっと問答あったけど。街に来た~!!!)
なんてすばらしい朝でしょう。
過ごして3日目の朝にして気が付いたこと。
この世界樹の根本、温度がずーっと快適温度で保たれているみたいで、
寝苦しくも、寒くもないという素敵機能付きのお部屋になったようだ。
なんて、引きこもるのに最適な機能でしょうかと、気づいた時に喜んだ喜んだ。
喜びすぎて自分の足で足ひっかけて転んでしまったほどである。
さて、本日の予定
≪街に行く!≫
ということで、さっそくマップで付近の街を探す。
(この世界樹の森、広すぎてマップほとんど緑色してるんだけど・・・・・)
縮小を試みて、多少なりとも確認範囲の拡大を目指す。
少しだけ、全容が見え始めたくらいで右上に割と大きめの街を発見できた。
ただし、そこは運動不足の元OLおそらくこのまま真面目に歩いたら、体力と脚力不足で行き倒れそうな距離だと思う。
「私、この距離歩いたら死にそうだよね。・・・・・・・魔法で飛べないかな」
重力の原理や、羽で飛べる原理をちゃんと覚えている人なんてそうそういないと思う。
(でも、そこは魔法だし『浮く』というイメージで浮くことができるんじゃないかな。
もしくは風魔法でこう、ふんわりと・・・・・・)
外に出て、浮くというイメージをしてみるのだが、これがなかなか難しいもので上手くいかない。
髪は上がるけど体が上がるほどではないし、
かといって風は不安定な飛び方になるようだ
「移動手段・・・・どうしよう。」
もう、徒歩で行くという選択肢は心の片隅にすら存在しない。
絶対行き倒れる自信があるので・・・・・
(自転車くらいならいけるかな。さすがにバイクは出しても乗りこなせないし。乗って風で追い風にして、街が見えてくる前に収納する・・・・)
「・・・いけるか?」
馬車とか馬のみとかその辺の動物捕まえて乗るとかいろいろ考えてみたけど、そもそもそんなスキル持ち合わせていないのでできないという結論へ。
最終的に自転車での移動に落ち着いた。
街で誰かに飛ぶ方法は知らないか聞いてみようと思う。
「よーし。鍵もかけたし、お昼用の木の実も収穫OK!ついでに課金出来たらいいなということで薬草と数匹の動物の肉もOK!
では、初めての街までしゅっぱーつっ」
自転車に跨って、ペダルをこぎつつ追い風を発生させる。
風の勢いだけで進むので、電動自転車並みに軽快に進む。森であるのも何のそのというくらいなので、乗っている本人が一番驚いている。
デコボコ道は何処へ・・・・
木々をよけつつ、森を抜けるとそこからは草原である。
森を抜けたあたりで、もう一度地図を確認して街へ向かって進み始める。
特に何に遭遇することもなく街の門が見え始めたあたりで緑の草原の中に茶色いものが見える。
大きさ的には、人?子供サイズである。
(え、子供?行き倒れ?門、目の前なんだけど。)
異世界初の人類への遭遇が行き倒れからとはなんともついていないものである。
これが小説・漫画の世界なら、奴隷とか仲間とかになって旅に出るところだが、生憎綾には旅に出る気はない。
保存食と生活必需品をそろえて世界樹に引きこもる気満々なのである。
かといっておいていくのも良心が痛むわけで・・・・
(しょーがない。街までしか連れて行かないからね)
誰に向かって言っているのかわからないようなセリフを心の中で呟きながら自転車を収納する。
ついでに、収納が常識かわからないので来た時に持っていたカバンを一応持つ。
準備が整ったので子供に声をかけてみる。
「おーい、生きてるかーい?」
「・・・ぅうん。」
一応、反応はある。生きてはいるみたいだが、会話は難しそうだ。
とりあえず、子供を背負う。門まで連れて行ったらきっと誰かどうにかしてくれるだろう。
・・・・・・・・・・・・・・・重っ。
意識を失った子供は思った以上に重かった。世の中の寝た子を背負った奥様方を改めて尊敬しなおす。
それでも、何とか背負ってよろよろと進み始める。
というか、目と鼻の先に門があるのに誰も気づかないってどういうことよ
門にたどり着いて誰も気づいていなかったわけが分かった。
寝てる。
門番らしき男性が2名昼寝をしている。
それでいいのか、門番よ。
「あのー、すみません。」
「zzzzzzzzzzzzzzz」
「あのぉ・・・」
「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」
(じーーーーーーーーっ)
「zzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzzz」
さて、ここで深呼吸。
「あ、のおおおおおおおおおお。お、き、ろーーーーーーーっ」
全力で叫んでみると、目の前の門番がびくっと身震いして起きた。
ついでに、背負っている子も一瞬びくっとした気がする。実は起きているのでは?
なにはともあれ、寝ぼけまなこでこちらを見上げてくる門番に話しかける。」
「すみません。あの、、子供がそこで行き倒れ?していたのですがどうしたらよいでしょうか」
「んぁ?・・・あんた誰。」
いやいや、倒れた子供でなく私の名前かいっ
まあ、私自身が知らない奴だろうししょうがないか。
この世界に苗字なんて制度があるかわからないので、とりあえず名前だけ名乗る。
「失礼しました。私、綾と申します。」
「職業は?」
「一応魔術師です。」
「一応?」
「あまり、活動していないもので。」
「へ~。で?今日ここに来た理由は?
住んでる俺が言うのもなんだが、特に目立つものは何もないぜ?おかげで戦争とか襲撃とかは皆無だが」
「あーちょっと生活に入用なものをそろえに来まして。ついでに薬草とか肉とかを売ろうかと」
凄い質問攻めだ。それはいいが、腕がしびれてきた。
「身分証とかは?ある?」
「や、ないです。あのすみません、そこで子供拾ったんですけど。もうそろそろ腕が・・限界を迎えそうです」
「おお、なんか言ってたなそういえば。すまんすまん。代わる」
やっと受け取ってもらえた。やけにあっさり受け取ったが知ってる子かな?
「知り合いですか?」
「ああ、知り合いだ。というか親戚だな。気にしなくていいぞ、こいつは男のくせに体力もないし、
そのくせ門の外に出て草とか見るのが好きなんだとさ。よく疲れてその辺で力尽きてたりするからな」
「はぁ、そーなんですね」
どうやら、子供は少年でこれはいつものことらしかった。
(よかったぁ。知らないから引き取れとかいわれなくて)
「で、ねーちゃん。見慣れない格好してるがどこから来たんだ?
身分証もないようだし」
「ああ、東の端のほうの国からちょっと飛ばされまして」
「飛ばされた?」
「まあ、気にしないでください。で、どうしたら入れてもらえますか?身分証がないのはどうしようもないんですが」
ここで入れてもらえなかったら、次の街などを探さなければならない。
早くしてほしい。
「ああ、じゃあこの水晶に手を当てて魔力を流してくれ。」
「何か見えるんですか?」
「犯罪歴なんかを持っていないか見るんだ。」
「へー便利ですねぇ」
世間話をしながら水晶に魔力を流す。
こちらから見ると光ったようにしか見えないが、門番には文字的な何かが見えるらしい。
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