マジックアイテム「すま~ほ」異世界だって稼ぎます!

八木小町

文字の大きさ
2 / 36
第一章 異世界で生き抜くチュートリアル

1 小説よりも・・・

しおりを挟む
 
 明日の終業式で冬休みに入るっていう学校からの帰り道、学生なら皆ウキウキしちゃっているだろう日に、私はそんな気分になれず…猫背な背中をさらに丸めて歩いていた。

「はぁ~~…今日の進路相談想定外だった」


 自慢じゃないけど、私江本えのもとアイリは普通の女子高生だと思う。
150センチそこそこの身長に痩せても太ってもいない。黒目黒髪。凹凸のない顔。

ザ・ジャパニーズスタイル。

 持久走も1キロ5分ぐらいだし、成績もクラスの平均点にはなんとかギリギリセーフ!

 そんな普通な私も、来年は高校3年生となり受験シーズン到来って事で2年生のこの学期末に進路相談があった…

 まだ2年生だし、とりあえず進学しま~す。ぐらいでいいのかな。とか思っていたら友達は皆ちゃんと考えててびっくり…進路相談で先生に具体的な進学先が決まってないとは言えなかった私は、

「進学するにしても方向性も決まってないのは江本さんぐらいです。」

 なんて言われて…衝撃を受けた。

 言われてみれば、教室での話題は好きなアイドルとか新しいコスメの話をしてたのが…予備校が~とか、志望校が~とか。最近話題が変わってた気がする…

 家ではパパに、「学歴社会なんだから大学出ているか出ていないかで初任給も変わるんだぞ!行ける環境なんだからとりあえず行っておけばいいんだ!」とか言われて

 まだ2年なのに、そんな進路とかわかんない!とかケンカしたばかりだけど

 私…のんびりしすぎだった?ちゃんと考えないといけない現実が急に壁みたいに出てきて、焦りと不安でいっぱいいっぱいになった。
 来年から受験生なんだから来年から始めたらいいのに…

いつもの通学路から家に帰るだけなのに気が重く、また、ため息が出てくる。

「はぁ~~、家に帰ったら今日の進路相談について聞かれる…世間はもうすぐクリスマスなのに私はアンハッピーだよ」

空を見上げれば、まさに今の自分の心のようにどんよりしていて今にも雪が降ってきそうだ。

「サンタさーん、お願いです。受験、学校、親、友達もぜーんぶないところに行きたいです!プレゼントしてー」

 しばらくひとりになりたいのー。そんな気持ちで思わず空に向かってサンタさんへ願ってしまい、

思わず空に向かって叫んでしまってから、近所の人に見られてたらハズイ!とダッシュでその場から逃げだした。



 
だから、気づかなかった…願いをかけたその時、どんよりした空のすき間に一瞬赤い何かがきらめいたことを。



一一一一一一一一


 走り出して早々に、息切れし…そこの角を曲がれば家って所で頭がクラっとしたと思ったら、ひどい耳鳴りがした。

 

     キーン…!!


 目の前が白くなり、ヤバいこれって貧血!?ちょっと走っただけで貧血とか私体力無さすぎ!

膝が震えて力が入らず、曲がり角に手をつき、目を閉じてぐらぐらする頭を下に向け、しばらくじっと耐えた。




 しばらくして、ぐらぐらした頭と耳鳴りが治まり、おそるおそる目を開けて最初に見たのは自分の履いているスニーカーで、所々汚れてなんかボロい…クリスマスプレゼントに可愛いのお願いしようかな、なんてスニーカーを見ていると、地面がアスファルトじゃない事に、気づいた

「なにこれ?砂?近所工事とかしてたっけ?やだー靴に砂入るー…」

 スニーカーについた砂を足でブンブン振り払いながらゆっくり顔をあげていく…私の目に映ったのは見慣れた景色ではなかった。


一一一一一一一

 いつも曲がり角の先に見える我が家は、35年ローンで購入したパパ自慢の青い屋根の一軒家ですごく可愛い外見をしている。
ママは庭がある家でのガーデニングが夢だったらしく今の我が家は冬野菜が良くできている。

 野菜ってガーデニング?菜園じゃん。と思うけど言うと怒るから黙ってる。楽しそうなママは機嫌もいいし。


 そんな我が家が私も大好きで、青い屋根が見えると帰ってきた!とちょっとホッとする。

 なのに…



 ザザーン。ザザーン。


 そこには、青い屋根でなく青い海が広がっていた。





「え?…」




 この日私は、人間驚き過ぎると言葉を失うということを本当の意味で知った。


一一一一一一一


 夢?私は今、夢を見ているのかも?

 だって、さっきまで家の近くにいたし…急に海ってありえない。

 青い海、白い砂浜、青い空には黄色い太陽がサンサンと輝いていて、そこには見慣れた街並みはどこにもなく波の音だけが聞こえてくる。

 思わず、ギュウ!と頬をつねってみたら痛くて、その場にヘナヘナとへたりこんだ。
体を支えるために手をついた砂浜がやけに熱くて、まぎれもなくリアルなんだって訴えていた。


 なにがなんだかわからず、もしかしたら元の場所に戻るかもしれない。とその場から動かずにしばらく待ってみたが何も変わらないまま時間だけが過ぎていく。


一一一一一一一

 そのまま待ち続けたが、だんだんと日が落ちてきた…暗くなってくる辺りに恐怖を感じる。

 このまま戻れなかったらどうしよう…

 夜になったら、もしかして真っ暗?こんな、どこかもわからないところで、ひとりぼっち!?

 絶望的な気持ちになりながらも、なんとかしなきゃまずいのはわかった。


 力の抜けた足に、なんとか気合いを入れて立ち上がり、周囲を見渡してみる、前に海!後ろに森!あとは砂浜ってか海岸。

 森!?まるでテレビで見る無人島みたいだな。と考えてまさか人がいないなんて事……ある?
自分の考えに、ただでさえ不安なのに真っ青になって大きな声で叫んだ。


「だ…誰かいませんかー!!」


………………………………………………………………………………………………………………………………………………………………


 反応はなかった………


「ど…どうしようっっ、いや!近くに居ないだけかも!」

 海岸には何も無いし、森に入ってみるしかない?でも、よくわからない森に入るとか危ないんじゃない??

 頭を左右に振って嫌な考えを振り払う!こんな時はまず落ち着くのよアイリ!まずは深呼吸。

 スーハー…スーハー。

 とりあえず今、自分にできることをするしかない。

 まずは、なんかないか見てみよう!使えるものがあるかもしれないし


通学リュックを肩から下ろして中を見る。

数学の参考書
ノート
ペンケース
飲みかけのペットボトル
食べかけのクッキー
ポーチ
スマホ
四角い箱

 四角い箱?こんなの持ってたっけ?見たことの無い箱に首をかしげたけど、ひとまずは

 リュックから、ペットボトルとクッキーを見つけた。ペットボトルはひとくち飲んでた。クッキーはフタが開いていて…

 クッキーフタ開けたままつっこむとか最悪!リュックの中はクッキーのカケラでザラザラしている…自分で自分が嫌になる。




 あ!!っていうか、スマホあるじゃん!通じるかも!

 電源を入れてロックを解除してっていつもの手慣れた動きで通話をタップしようとしたら

「え?なにこれ??」

 画面がいつもと違うんだけど…。

 毎日のように使っている、お気に入りのアプリたちがひとつもない!写真は?カメラは?私のSNSは!?ちょっとー!!なんなの…ショック過ぎて泣きそう…

変わりに、知らないアプリが5つならんでいる事に気づいた



(取説)

(nr)

(T)

(代神)

(∞)
 


「は??」




 意味わかんないよ、なんなの??とりあえずタップして中を見てみる…しかない??

 戸惑いながらも、見たことのないアプリの中身を確認してみる。
分かりやすく、「取説」ってやつからポチっ。取説っていうからには何かの説明書?




(取説)…マジックアイテム「すま~ほ」の使い方



「は?………はぁぁぁー!??」


1個目からツッコミどころ満載なんですけど!マジックアイテム「すま~ほ」って何!?



一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一一

ここまで、読んで頂きありがとうございました。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

異世界転生日録〜生活魔法は無限大!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
☆感想の受付開始しました。 【あらすじ】   異世界に転生したルイは、5歳の高熱を境に、記憶を取り戻す。一度は言ってみたい「ステータス・オープン」で、ステータスを見れることに気付いた。スキル「生活魔法∞(無限大)」を発見。その意味を知るルイは、仄かに期待を抱いた。  それと同時に、今世の出自である農家の四男は、長男大事な両親の態度に、未来はないと確信。  家族に隠れて、ステータスにあったスキルの一つ「鑑定」を使い、村のお婆(薬師)相手に、金策を開始。  十歳の時に行われたスキル鑑定の結果を父に伝えたが、農家向きのスキルではなかったルイは「家の役には立たない」と判断され、早々に家を追い出される。   だが、追放ありがとう!とばかりに、生活魔法を知るべく、図書館がある街を目指すことにしたルイ。  最初に訪れた街・ゼントで、冒険者登録を済ませる。だがそのギルドの資料室で、前世の文字である漢字が、この世界の魔法文字だという事実を知ることになる。  この世界の魔法文字を試したルイは、魔法文字の奥深さに気づいてしまった。バレないように慎重に……と行動しているつもりのルイだが、そんな彼に奇妙な称号が増えて行く。  そして、冒険者ギルドのギルドマスターや、魔法具師のバレンと共に過ごすうちに、バレンのお師匠様の危機を知る。  そして彼に会いにいくことになったが、その目的地が、図書館がある魔法都市アルティメットだった。  旅の道中もさることながら、魔法都市についても、色々な人に巻き込まれる運命にあるルイだったが……それを知るのは、まだ先である。 ☆見切り発車のため、後日変更・追記する場合があります。体調が不安定のため、かける時に書くスタイルです。不定期更新。 ☆カクヨム様(吉野 ひな)でも先行投稿しております。

40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです

カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私 とうとうキレてしまいました なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが 飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした…… スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます

ダンジョンを拾ったので、スキル〈ホームセンター〉で好き勝手リフォームします

ランド犬
ファンタジー
 異世界に転移した佐々木悠人は、召喚でも勇者でもなかった。ただ迷い込んだ先で見つけたのは、王都を望む郊外にひっそりと口を開けるダンジョン。足を踏み入れた瞬間、発動したスキルは ――〈ホームセンター〉 壁を張り替え、部屋を増やし、畑や牧場、カフェまで作れる不可思議な力だった。 気ままに始めたリフォームは、もふもふなネコミミ獣人の少女との出会いをきっかけに、思わぬ変化を呼び始める。 拡張され続けるダンジョンの先で、悠人が作り上げる“住める迷宮”とは――?

【大賞・完結】地味スキル《お片付け》は最強です!社畜OL、異世界でうっかり国を改革しちゃったら、騎士団長と皇帝陛下に溺愛されてるんですが!?

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
【第18回ファンタジー小説大賞で大賞をいただきました】→【規約変更で書籍化&コミカライズ「確約」は取り消しになりました。】 佐藤美佳子(サトウ・ミカコ)、享年28歳。死因は、過労。連日の徹夜と休日出勤の果てに、ブラック企業のオフィスで静かに息を引き取った彼女が次に目覚めたのは、剣と魔法のファンタジー世界だった。 新たな生を受けたのは、田舎のしがない貧乏貴族の娘、ミカ・アシュフィールド、16歳。神様がくれた転生特典は、なんと《完璧なる整理整頓》という、とんでもなく地味なスキルだった。 「せめて回復魔法とかが良かった……」 戦闘にも生産にも役立たないスキルに落胆し、今度こそは静かに、穏やかに生きたいと願うミカ。しかし、そんな彼女のささやかな望みは、王家からの突然の徴収命令によって打ち砕かれる。 「特殊技能持ちは、王宮へ出仕せよ」 家族を守るため、どうせ役立たずと追い返されるだろうと高をくくって王都へ向かったミカに与えられた任務は、あまりにも無謀なものだった。 「この『開かずの倉庫』を、整理せよ」 そこは、数百年分の備品や資材が山と積まれ、あまりの混沌ぶりに探検隊が遭難したとまで噂される、王家最大の禁足地。 絶望的な光景を前に、ミカが覚悟を決めてスキルを発動した瞬間――世界は、彼女の「お片付け」が持つ真の力に震撼することになる。 これは、地味スキルでうっかり国のすべてを最適化してしまった元社畜令嬢が、カタブツな騎士団長や有能すぎる皇帝陛下にその価値を見出され、なぜか過保護に甘やかされてしまう、お仕事改革ファンタジー。

バーンズ伯爵家の内政改革 ~10歳で目覚めた長男、前世知識で領地を最適化します

namisan
ファンタジー
バーンズ伯爵家の長男マイルズは、完璧な容姿と神童と噂される知性を持っていた。だが彼には、誰にも言えない秘密があった。――前世が日本の「医師」だったという記憶だ。 マイルズが10歳となった「洗礼式」の日。 その儀式の最中、領地で謎の疫病が発生したとの凶報が届く。 「呪いだ」「悪霊の仕業だ」と混乱する大人たち。 しかしマイルズだけは、元医師の知識から即座に「病」の正体と、放置すれば領地を崩壊させる「災害」であることを看破していた。 「父上、お待ちください。それは呪いではありませぬ。……対処法がわかります」 公衆衛生の確立を皮切りに、マイルズは領地に潜む様々な「病巣」――非効率な農業、停滞する経済、旧態依然としたインフラ――に気づいていく。 前世の知識を総動員し、10歳の少年が領地を豊かに変えていく。 これは、一人の転生貴族が挑む、本格・異世界領地改革(内政)ファンタジー。

神々の愛し子って何したらいいの?とりあえずのんびり過ごします

夜明シスカ
ファンタジー
アリュールという世界の中にある一国。 アール国で国の端っこの海に面した田舎領地に神々の寵愛を受けし者として生を受けた子。 いわゆる"神々の愛し子"というもの。 神々の寵愛を受けているというからには、大事にしましょうね。 そういうことだ。 そう、大事にしていれば国も繁栄するだけ。 簡単でしょう? えぇ、なんなら周りも巻き込んでみーんな幸せになりませんか?? −−−−−− 新連載始まりました。 私としては初の挑戦になる内容のため、至らぬところもあると思いますが、温めで見守って下さいませ。 会話の「」前に人物の名称入れてみることにしました。 余計読みにくいかなぁ?と思いつつ。 会話がわからない!となるよりは・・ 試みですね。 誤字・脱字・文章修正 随時行います。 短編タグが長編に変更になることがございます。 *タイトルの「神々の寵愛者」→「神々の愛し子」に変更しました。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

処理中です...