マジックアイテム「すま~ほ」異世界だって稼ぎます!

八木小町

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第二章 異世界を生き抜くアウトプット

16 えっさほいさはお野菜好き

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 目標も決まり、必要なだけとっとと稼いで島脱出するぞー!と本日の採取に行く為、テントで準備をしようとした時…テントの横に小さいスギの木?が生えているのに気づいた。

「あ!そういえば忘れてた」

 夜光蜂を捕まえに行く前に(えっさほいさ)ってのをインストールしたら急に木が生えてきたんだった!なんだこれ!?と思ったけど時間がなかったので後回しにしていたんだった。

「んーっと、どうしよ…」

 たしか、妖精が畑を耕して野菜作ってくれるようなアプリだったはず…木には小さな扉が付いているのを見て、ひとまずノックしてみる。

 コン・コン

 ・
 ・
 ・
 ・

 反応無し。

 コン・コン

 ・
 ・
 ・
 ・

 反応無し…え?どうしよ

 小さな扉を見つめたまま困っていると、木の影から赤い何かが見えているのに気づいた

「あれ?木の後ろになんかあるかも?」

 姿勢を低くして木の後ろ側を覗き込んでみると、赤い三角帽子?がまず見えて、赤い長袖ワンピース?を着た、背中に蝶々の様な形の透けた羽が生えた小さなおじいさん?がいた…

「え??」

 真っ白な口ヒゲが顔の半分をおおっている…前髪?も真っ白で長く口ヒゲと同化してしまいそうで、どんな顔なのかわからない。髪は地面に付きそうに長い。

 見つめ合う…?ジー

 ・
 ・
 ・
 ・

 沈黙がつらい。

 これは一体…なに??いや誰??妖精??恐る恐る聞いてみる。


「あの~、あなたはこの木の妖精さんですか?」

 ジー

 ・
 ・
 ・
 ・

 どうしよ…

 またまた困って見つめ合っていると、視界の端に赤が走ったように見え、

 バッ!!と振り返って見えたのは、今自分と見つめ合っていたのと同じ赤い三角帽子のおじいさん達が、ふわふわ飛んでいたり、砂で遊んでいたりしている様子だった。

「え!?いっぱいいる!!1・2・3……5、5人!と木の後ろにいるから全部で6人!」

 もう一度木の後ろを見ると、そこにいたおじいさんはいなくなっていた。

「ん?ってことは、やっぱり5?いやいや、何人いるかは、とりあえずいいとして…なんだこれ!?どうしたらいいの??」

 どうしたらいいかわからず、その場に座り込んでしまった私に、おじいさん達が気付き1人近づいて来た!目の前まで来ると片手を上げて…


『ペヨ!』

「え!?」

『ペヨ!ぺー』

「ぺ、ペヨ?これは…話しかけられている?」

 話しかけてきた?おじいさんは木の扉を開き、中に入り、畳まれた紙を持って戻ってくると、その紙を私に渡してきた。

『ぺ!』

 一一一一一一一


【えっさほいさ契約書】

「け、契約書!?」

 甲…江本アイリ
 乙…えっさほいさ(5人)

 甲は土地を貸し出し、えっさほいさは労働力を提供する代わりに菜園収穫量の1/3を報酬として支払う。土地の大きさによってえっさほいさの人数は増減する



 な、なるほど…、土地を貸し出し、労働力を提供する代わりに作った野菜をくれってことね。

 小島の生活で基本フルーツメインで食べていて、そろそろフルーツばかりにも飽きてきて野菜とかないかな?と探してみて気軽に野菜を作れるアプリなのかも?と思ってインストールしたけど、契約書まで必要なものだったとは…

 まぁー、野菜を作ってくれる事は間違いないし現物支給ならお金用意しなくていいから楽かも。


「あー、了解です…待たせてごめんね。退屈させちゃったよね」

『ペッぺ!』
 首を横に振ってくれているので、怒ってはいないらしい…


「ありがとう、えーっと…それじゃあ早速だけど、ここだと作業はどう?海とか近くない方がいいのかな?」


 少し悩むようにアゴに手をあてると、その手が胸の前で大きくクロスした。


『ペぺ~』



「それは…バツ?ダメってこと?」


『ぺッぺ!』

 地面を叩いて、また腕をクロスしている。

「土がダメですか?砂浜も近いし、確かに…雑草が生えてる当たりとかは地面固そうかも?そうすると、良さそうな土壌を探しに行くしかないか、どうせなら美味しい野菜が食べたいし。」

 いい土壌の条件ってなんだろう?と考えながら

 いまだに土をいじりつつ、なんだか悲しそうにしているえっさほいさに声をかける。

「それじゃあ、別の場所を見に行こう!空いてる場所ならどこでもいいから、ここだと思ったら声かけてね」


『ぺー!!?』

 あ!目が開いた!すごいびっくりしているみたい。綺麗な空みたいな青い目をしている…おじいさんじゃないのかも?なんか顔シワとかもないし、よくわかんないけど。

『ペヨ!ペヨペヨぺー!!』

 残りの4人も駆け寄ってきて、なんだかバタバタしたり跳び跳ねたりしている。

「待った、待った!なんかすごい興奮してるのかな?落ち着いてね!土地はどこをどう使ってもいいよ、育てやすいとか育てにくいとか、貴方たちに任せるからさ」

 そう伝えると5人は集まって相談しはじめた。ペヨペヨ話している…しばらくすると1人が寄って来てくれて

『ペヨ!』
 大きくうなずいてくれている。

「それは…土地を見に行く?ってことかな?」

『『『『『ペッ!!』』』』』

 全員がジャンプした!やる気だ!やる気でいいんだよね??

「よ、よしいくぞー!!」

 私が立つと、後をチマチマ付いてくるので解釈は合っていたみたいでホッとした、くっついてくるのがちょっと可愛いくてほっこりする。

 ───────

 テントの周りから始まり洞窟や滝まで案内をして、もっと奥まで見たいか聞いた所、首を横に振った為案内はひとまずそこで終了した。


 5人で相談した結果、滝から流れる水を利用もできるのか川から少し離れた草木に囲まれているが日差しがよく入る土地を菜園の場所として貸し出す事になった。

「じゃあ、この場所でいいのね、良いところがあって良かったよ!」


『ぺぺ!』

 声をかけられ、そちらを見ると、地面に何か絵を書き出している。

「これは…木?」

『ペッぺ!』

 ………木?あ、なんか扉みたいなのがついてる!扉がついている木って最近見た気がするな。
 ・
 ・
 ・
 ・
「あー!わかった、木ね!あの生えたやつ!ここに移動したいの??」

『ぺ!』

 大きくうなずいているのを見て、テントの横に生えた扉付きのスギの木モドキ?を移動させた。

『ペヨ!』

 大変喜んでいるようで、5人に頭を下げられた。

「いやいや、気にしないで!美味しい野菜をいっぱい育ててね!あ、あと土地は好きなだけ使っていいから!」

『『『『『ペヨー!!!』』』』』

 またもや、目を大きく開いて驚いているのかわかる。

『べ、べべべ???』

 べ?驚きすぎて言葉にもならないの??

「だ、大丈夫?この島、私以外に住んでる人もいないし、なにげに貴方たちは島の住人登録2号!ってことで!そんな貴方たちには特別に土地使い放題!です」

 自分のものでもない島の土地だけどね…

 えっさほいさ達をよく見ると、震える者、目を見開く者、涙目になっている者までいる

「えーっと??ご、ごめん!もしかしていらない??いいよ、なんかそんな、土地なんて小さくてさ!本当に任せるから!!」

 無茶振りして泣かした!?

 焦って、訂正すると

『ベヨ…べッべ』

 首を振りながら、1人が涙を袖でふきながら答える…

『べ…べ!』

 5人は揃ってなんども頭を下げて、お礼をしているように見える??え?合ってるよね…これはありがとう的な感じですよね?

「い、いいのかな??土地はおまかせするし、あとは好きにしていいからね、頑張って!!開拓とかも?応援してる!」

 よくわからない応援をしつつ、えっさほいさを見つめる


『『『『『ぺー!!!!!』』』』』


 元気に返事をすると、早速作業に取り掛かりはじめた為、その場は任せて自分はいつもの採取に行くためテントに戻った。

 合ってたー!良かった…変な汗かいた。



 その後この菜園はものすごいことになるのだが、この時の私は、小さなおじいさん妖精との出会いと言葉の壁に疲れはて、とりあえず土地案内できて良かったくらいしか考えられていなかった。


 後日、全員えっさほいさではわかりづらいので、代表者に簡単な名前と名札を付けさせてもらったのと、採取だったりでテントにいないことも多いので直接渡せない場合はタイGOの回収BOXに入れてくれたらいい。と伝えた

 一一一一一一一

 スギの木モドキ 直径30cm

 ・小さな扉が付いており、そこからえっさほいさの里と行き来ができる。

 えっさほいさ 平均身長10cm程度

 ・背中に半透明な蝶々の羽が生えている。
 ・雌雄はなく、白い髪と白いヒゲが特徴。
 ・赤い三角帽子と赤いワンピースがトレードマーク
 ・お野菜大好き
 

 <えっさほいさ>は基本的に美味しい水があれば生きていけるが野菜が大好きな食いしん坊な妖精。
 <えっさほいさの里>では野菜を育てるのが難しい為、昔から大陸に土地を借りて野菜を育てたりしている。

 <えっさほいさ>は土地を豊かにすると言われ、昔は共存関係だったが時が経つにつれその存在は絵本や歴史書で見られるような伝説上のものとなり、今では土地を借りて野菜を収穫する事ができなくなっていた。

 今回神島の小島で土地を借りられて、とても喜んでいる、いくらでも土地を使っていい!と言ってくれたアイリの為にも美味しい野菜を育てる!と決意した。

 土地が十分にあり、環境も素晴らしいので一族での引っ越しをする事がこのたび確定した。

 敬意を込めてアイリを村長と呼んでいるがアイリ本人は気づいていない…

『ペペヨ!ぺ!』(村長!よろしく!)



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