[完結]不実な婚約者に「あんたなんか大っ嫌いだわ」と叫んだら隣国の公爵令息に溺愛されました

masato

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20 さぁ、旅立つ準備をしましょうか

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卒業式まであと一週間。
私は着々とラジアンに行く準備を進めている。

荷物は馬車一台分は余裕で運んであげるわよ、とレティシア様が仰って下さったので、頑張って荷造りしている。
この家には2度と帰るつもりはないので、全ての私物を処分する。

ラジアンに持って行く物の荷造りはほぼ出来た。
後は日常的に使っている物とこの先着る為においてあるドレスを入れればいいだけだ。

持って行かない物は売れる物は全て売った。
新しい生活にお金は必要だものね。
出入りの商人を呼んで値の付く物は引き取ってもらい、残りはメイド達に下げ渡した。
みんな喜んで持って帰ったわ。
自分で使わなくても、貴族の持ち物だもの、品質は良いわ。
市井の店に持って行けばいいお小遣いになるんじゃないかしらね?

流石に両親に懸念に思われたけれど、気分転換で押し切った。
生活が変わるんだから、心機一転で色々片付けてるの、と言えば納得した。
私の部屋になんて来ないもの。
部屋の中が空っぽでも、荷造りの荷物が山積みでも気付きはしないわ。

嘘は言ってないわよね?
結婚ではなく、家を出る事で生活が変わるってだけよ。

すっかりガランとなった部屋を見回す。
16年間過ごした部屋だ。
寂しくないと言えば嘘になる。
けれど、不思議と迷いはない。

両親と妹とも、もう会うこともないだろう。
なのに、哀しいと感じない自分はきっと冷たい人間なんだろう。

けれど、と思う。

思い返してみれば、私は両親から微笑んで貰った記憶がほとんど無い。

母は自分にそっくりな妹を溺愛していて、お茶会やお買い物にとよくつれて出掛けていた。
私には、あなたは跡取りなのだから父の言う事をよく聞きいて努力なさい、と言うだけ。

父は跡取り教育にのみ熱心で、出来て当たり前、出来なければ叱責されていた。
それなのに、デヴィッド様を跡取りにすると決めた時に、私には何のフォローもなかった。
せめて、今までの努力が無駄になる事への労いくらいあっても良いと思うのに。
まぁ、そんな事を言えばまた叱責されるだけだわね。

虐待されてた訳じゃない。
けれど、愛された記憶もないだけ。

キャサリンとも仲が悪かった訳じゃないと思っていた。

、、、けれど、きっと、、、。


一週間後、卒業式の後にデヴィッドとロマロフ侯爵夫妻には我が家に来ていただく事になっている。
勿論両親とキャサリンも交えて、今後の話し合いだ。
表向きは、私達の結婚について。
本音は私がこの家を出て行く宣言の為に。
あら、でも婚約破棄も結婚についてであってるわね?
嘘は言ってないわ。

リディアム様とレティシア様も来てくださる。

私は自分の為の人生を生きると決めたの。



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