20 / 35
20 さぁ、旅立つ準備をしましょうか
しおりを挟む
卒業式まであと一週間。
私は着々とラジアンに行く準備を進めている。
荷物は馬車一台分は余裕で運んであげるわよ、とレティシア様が仰って下さったので、頑張って荷造りしている。
この家には2度と帰るつもりはないので、全ての私物を処分する。
ラジアンに持って行く物の荷造りはほぼ出来た。
後は日常的に使っている物とこの先着る為においてあるドレスを入れればいいだけだ。
持って行かない物は売れる物は全て売った。
新しい生活にお金は必要だものね。
出入りの商人を呼んで値の付く物は引き取ってもらい、残りはメイド達に下げ渡した。
みんな喜んで持って帰ったわ。
自分で使わなくても、貴族の持ち物だもの、品質は良いわ。
市井の店に持って行けばいいお小遣いになるんじゃないかしらね?
流石に両親に懸念に思われたけれど、気分転換で押し切った。
生活が変わるんだから、心機一転で色々片付けてるの、と言えば納得した。
私の部屋になんて来ないもの。
部屋の中が空っぽでも、荷造りの荷物が山積みでも気付きはしないわ。
嘘は言ってないわよね?
結婚ではなく、家を出る事で生活が変わるってだけよ。
すっかりガランとなった部屋を見回す。
16年間過ごした部屋だ。
寂しくないと言えば嘘になる。
けれど、不思議と迷いはない。
両親と妹とも、もう会うこともないだろう。
なのに、哀しいと感じない自分はきっと冷たい人間なんだろう。
けれど、と思う。
思い返してみれば、私は両親から微笑んで貰った記憶がほとんど無い。
母は自分にそっくりな妹を溺愛していて、お茶会やお買い物にとよくつれて出掛けていた。
私には、あなたは跡取りなのだから父の言う事をよく聞きいて努力なさい、と言うだけ。
父は跡取り教育にのみ熱心で、出来て当たり前、出来なければ叱責されていた。
それなのに、デヴィッド様を跡取りにすると決めた時に、私には何のフォローもなかった。
せめて、今までの努力が無駄になる事への労いくらいあっても良いと思うのに。
まぁ、そんな事を言えばまた叱責されるだけだわね。
虐待されてた訳じゃない。
けれど、愛された記憶もないだけ。
キャサリンとも仲が悪かった訳じゃないと思っていた。
、、、けれど、きっと、、、。
一週間後、卒業式の後にデヴィッドとロマロフ侯爵夫妻には我が家に来ていただく事になっている。
勿論両親とキャサリンも交えて、今後の話し合いだ。
表向きは、私達の結婚について。
本音は私がこの家を出て行く宣言の為に。
あら、でも婚約破棄も結婚についてであってるわね?
嘘は言ってないわ。
リディアム様とレティシア様も来てくださる。
私は自分の為の人生を生きると決めたの。
私は着々とラジアンに行く準備を進めている。
荷物は馬車一台分は余裕で運んであげるわよ、とレティシア様が仰って下さったので、頑張って荷造りしている。
この家には2度と帰るつもりはないので、全ての私物を処分する。
ラジアンに持って行く物の荷造りはほぼ出来た。
後は日常的に使っている物とこの先着る為においてあるドレスを入れればいいだけだ。
持って行かない物は売れる物は全て売った。
新しい生活にお金は必要だものね。
出入りの商人を呼んで値の付く物は引き取ってもらい、残りはメイド達に下げ渡した。
みんな喜んで持って帰ったわ。
自分で使わなくても、貴族の持ち物だもの、品質は良いわ。
市井の店に持って行けばいいお小遣いになるんじゃないかしらね?
流石に両親に懸念に思われたけれど、気分転換で押し切った。
生活が変わるんだから、心機一転で色々片付けてるの、と言えば納得した。
私の部屋になんて来ないもの。
部屋の中が空っぽでも、荷造りの荷物が山積みでも気付きはしないわ。
嘘は言ってないわよね?
結婚ではなく、家を出る事で生活が変わるってだけよ。
すっかりガランとなった部屋を見回す。
16年間過ごした部屋だ。
寂しくないと言えば嘘になる。
けれど、不思議と迷いはない。
両親と妹とも、もう会うこともないだろう。
なのに、哀しいと感じない自分はきっと冷たい人間なんだろう。
けれど、と思う。
思い返してみれば、私は両親から微笑んで貰った記憶がほとんど無い。
母は自分にそっくりな妹を溺愛していて、お茶会やお買い物にとよくつれて出掛けていた。
私には、あなたは跡取りなのだから父の言う事をよく聞きいて努力なさい、と言うだけ。
父は跡取り教育にのみ熱心で、出来て当たり前、出来なければ叱責されていた。
それなのに、デヴィッド様を跡取りにすると決めた時に、私には何のフォローもなかった。
せめて、今までの努力が無駄になる事への労いくらいあっても良いと思うのに。
まぁ、そんな事を言えばまた叱責されるだけだわね。
虐待されてた訳じゃない。
けれど、愛された記憶もないだけ。
キャサリンとも仲が悪かった訳じゃないと思っていた。
、、、けれど、きっと、、、。
一週間後、卒業式の後にデヴィッドとロマロフ侯爵夫妻には我が家に来ていただく事になっている。
勿論両親とキャサリンも交えて、今後の話し合いだ。
表向きは、私達の結婚について。
本音は私がこの家を出て行く宣言の為に。
あら、でも婚約破棄も結婚についてであってるわね?
嘘は言ってないわ。
リディアム様とレティシア様も来てくださる。
私は自分の為の人生を生きると決めたの。
620
あなたにおすすめの小説
愛を知らないアレと呼ばれる私ですが……
ミィタソ
恋愛
伯爵家の次女——エミリア・ミーティアは、優秀な姉のマリーザと比較され、アレと呼ばれて馬鹿にされていた。
ある日のパーティで、両親に連れられて行った先で出会ったのは、アグナバル侯爵家の一人息子レオン。
そこで両親に告げられたのは、婚約という衝撃の二文字だった。
夫婦という名の協力者、敵は令嬢
にゃみ3
恋愛
齢十二歳にして公爵夫人となった、セレスティア。
常に命を狙われる危険と、露骨な敵意に晒される立場。
同年代の令嬢たちからは妬みと侮蔑を向けられ、年長の貴婦人たちからは距離を置かれる。
そんな生活を送り始めて、早くも六年が経った頃。
「私、公爵様とお近づきになりたいんです!」
夫に好意を寄せる、自らが公爵夫人の座に就きたいと言い出した令嬢が現れて……。
黒く爛れた世界でたった二人の幼い夫婦が、どれほど苦しい思いをして生きてきたか。それは、当人である二人にしか分からないことだ。
とある侯爵令息の婚約と結婚
ふじよし
恋愛
ノーリッシュ侯爵の令息ダニエルはリグリー伯爵の令嬢アイリスと婚約していた。けれど彼は婚約から半年、アイリスの義妹カレンと婚約することに。社交界では格好の噂になっている。
今回のノーリッシュ侯爵とリグリー伯爵の縁を結ぶための結婚だった。政略としては婚約者が姉妹で入れ替わることに問題はないだろうけれど……
妹なんだから助けて? お断りします
たくわん
恋愛
美しく聡明な令嬢エリーゼ。だが、母の死後に迎えられた継母マルグリットによって、彼女の人生は一変する。実母が残した財産は継母に奪われ、華やかなドレスは義姉たちに着られ、エリーゼ自身は使用人同然の扱いを受ける。そんなある日――。
冷徹公に嫁いだ可哀想なお姫様
さくたろう
恋愛
役立たずだと家族から虐げられている半身不随の姫アンジェリカ。味方になってくれるのは従兄弟のノースだけだった。
ある日、姉のジュリエッタの代わりに大陸の覇者、冷徹公の異名を持つ王マイロ・カースに嫁ぐことになる。
恐ろしくて震えるアンジェリカだが、マイロは想像よりもはるかに優しい人だった。アンジェリカはマイロに心を開いていき、マイロもまた、心が美しいアンジェリカに癒されていく。
※小説家になろう様にも掲載しています
いつか設定を少し変えて、長編にしたいなぁと思っているお話ですが、ひとまず短編のまま投稿しました。
夏の眼差し
通木遼平
恋愛
伯爵令嬢であるティナの婚約者とティナの妹が恋仲になり、ティナは婚約を解消することになる。婚約者に対して特に思い入れはなかったが、姉妹の婚約のすげ替えについての噂と勝手なことばかり言う妹に気疲れしたティナは、昔から彼女を気にかけてくれていたイライザ夫人の紹介で夫人の孫娘リネットの話し相手として雇われることになった。
家から離れ、リネット共に穏やかな日々を過ごすティナは、リネットの従兄であるセオドアと出会う。
※他サイトにも掲載しています
籠の鳥
夜宮
恋愛
エリーは子爵家の跡取り娘だ。
まだ幼い頃に母を亡くしたものの、愛してくれる父と可愛い妹がいる。
何不自由なく暮らしていたが、年頃になり、婚約者候補の青年ができることになるとエリーの胸にある思いが浮かび上がるようになる。
もう一人の青年に出会うことで生まれた思いを胸にエリーは一つの選択をした。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる