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29 信頼できない方と家族にはなれません
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「うわぁ、ほんとサイテー」
またしてもレティシア様が扇の陰で呟く。
眉間に皺まで寄せられて。
ハイ、私もそう思います。
だってほら、キャサリンが顔色を変えて睨んでるわ。
睨むなら私じゃなくて、言ったデヴィッドを睨みなさいよ。
プライドが傷ついたのかしらね?
この後この2人、結婚しても大丈夫かしら?
まぁ、私の知った事ではないですけどね?
「デヴィッド様。私達の婚約が整った時、私は貴方の事は名前と顔位しか存じませんでした。お話しどころか、ご挨拶すらした事も御座いませんでしたよね?なのに、私に好意をお持ちだったと?」
「確かにそうだけど、僕は君の事を知っていたよ。ずっと見てたから。」
「うわぁ、ストーカー?」
ヤメテ、レティシア様、緊張感がなくなっちゃう!
「お仲間ね?リディ♪」
「ホントお願い、勘弁してレティ。」
「???」
扇に隠れてコソコソ言い合うお二人。
何かしらって、そんな場合じゃなかったわ。
集中集中。
改めて、デヴィッドに向き合う。
「左様ですか。ご好意を持っていただき有難うございました。」
「アリーチェ、じゃぁ許してくれるんだね!僕と結婚してくれるんだね!」
「私は婚約破棄すると申しました。」
「僕は君が好きだと言ったろう!」
「左様ですか。ですが、私は貴方が大嫌いです。」
「なっ⁈」
「では質問させて頂きますが、私に貴方のどこに好感を持てと仰いますか?」
「なっ!」
「罪悪感があったから向き合えなかった?そんな理由で今までの私への態度が帳消しになるとでも?好きだから許せ?そう言われて喜ぶとでも?どこまで人を馬鹿にしてるの?」
「そんな言い方!」
「そうよ、貴女何様なの⁈うちのデヴィッドがここまで言ってあげてるのに!」
「そうだ、弁えろ。」
さっきレティシア様達に言われて大人しくなってたロマロフ侯爵夫妻がまた参戦して来た。
パシリ
と、閉じた扇を掌に打ちつける音が響いた。
大きな音ではないのに、緊張感が支配する。皆が一様に目を向けた。
レティシア様に。
「聞くに耐えないわ。不実を働いたのは其方らの息子でしょうに。貴方達に恥というものはないのかしら?貴方達、まだ子息の愚行の謝罪すらしていないと理解しているの?」
「誇りと驕りを取り違えてはいませんか?
爵位が上なら何をしても許されるとでも?謝罪する気もないなら、せめて静かに子息等の話を聞けませんか?せめてその程度の常識はありますよね?」
レティシア様とリディアム様の援護が厳しい。
うふふ、思ってた事言ってもらえてスッキリしちゃった。
さすがにロマロフ侯爵夫妻にはそこまで言えなかったもの。
苦虫を噛み潰したような表情のお二人。
この人達息子が悪いなんてちっとも思ってないんだもの。
ほんとよかった。
結婚しなくて。
コホンと小さく咳払いをして仕切り直す。
「話を戻しますわね。私達の婚約が整った時、私は貴方を殆ど知りませんでした。そして、会うたび好感度は上がるどころか下がり続けました。それでも政略結婚ですから、仕方ないと思っていました。今の貴方と同じでしょう?政略結婚で好きではない相手と結婚するって。」
「それは、、、。」
「寧ろ貴方達は仲がいいじゃないですか?周りが恋人だと信じるくらいには。」
「、、、。」
「つまり、貴方が我慢するか、私が我慢するかの違いです。私は我慢できないと決めました。ですから婚約破棄します。そして、貴族令嬢としての役目を放棄しますから、この家を出て行きます。貴方がどうするかは貴方が決めて下さい。私にはもう関係ありませんので。」
「アリーチェ、無理なのか?どうしても?」
「私は貴方を信頼出来ません。信頼できない方と家族にはなれません。それが全てです。」
デヴィッドがガクリと頭を垂れた。
やっと納得してくれたかしら。
さて次は。
またしてもレティシア様が扇の陰で呟く。
眉間に皺まで寄せられて。
ハイ、私もそう思います。
だってほら、キャサリンが顔色を変えて睨んでるわ。
睨むなら私じゃなくて、言ったデヴィッドを睨みなさいよ。
プライドが傷ついたのかしらね?
この後この2人、結婚しても大丈夫かしら?
まぁ、私の知った事ではないですけどね?
「デヴィッド様。私達の婚約が整った時、私は貴方の事は名前と顔位しか存じませんでした。お話しどころか、ご挨拶すらした事も御座いませんでしたよね?なのに、私に好意をお持ちだったと?」
「確かにそうだけど、僕は君の事を知っていたよ。ずっと見てたから。」
「うわぁ、ストーカー?」
ヤメテ、レティシア様、緊張感がなくなっちゃう!
「お仲間ね?リディ♪」
「ホントお願い、勘弁してレティ。」
「???」
扇に隠れてコソコソ言い合うお二人。
何かしらって、そんな場合じゃなかったわ。
集中集中。
改めて、デヴィッドに向き合う。
「左様ですか。ご好意を持っていただき有難うございました。」
「アリーチェ、じゃぁ許してくれるんだね!僕と結婚してくれるんだね!」
「私は婚約破棄すると申しました。」
「僕は君が好きだと言ったろう!」
「左様ですか。ですが、私は貴方が大嫌いです。」
「なっ⁈」
「では質問させて頂きますが、私に貴方のどこに好感を持てと仰いますか?」
「なっ!」
「罪悪感があったから向き合えなかった?そんな理由で今までの私への態度が帳消しになるとでも?好きだから許せ?そう言われて喜ぶとでも?どこまで人を馬鹿にしてるの?」
「そんな言い方!」
「そうよ、貴女何様なの⁈うちのデヴィッドがここまで言ってあげてるのに!」
「そうだ、弁えろ。」
さっきレティシア様達に言われて大人しくなってたロマロフ侯爵夫妻がまた参戦して来た。
パシリ
と、閉じた扇を掌に打ちつける音が響いた。
大きな音ではないのに、緊張感が支配する。皆が一様に目を向けた。
レティシア様に。
「聞くに耐えないわ。不実を働いたのは其方らの息子でしょうに。貴方達に恥というものはないのかしら?貴方達、まだ子息の愚行の謝罪すらしていないと理解しているの?」
「誇りと驕りを取り違えてはいませんか?
爵位が上なら何をしても許されるとでも?謝罪する気もないなら、せめて静かに子息等の話を聞けませんか?せめてその程度の常識はありますよね?」
レティシア様とリディアム様の援護が厳しい。
うふふ、思ってた事言ってもらえてスッキリしちゃった。
さすがにロマロフ侯爵夫妻にはそこまで言えなかったもの。
苦虫を噛み潰したような表情のお二人。
この人達息子が悪いなんてちっとも思ってないんだもの。
ほんとよかった。
結婚しなくて。
コホンと小さく咳払いをして仕切り直す。
「話を戻しますわね。私達の婚約が整った時、私は貴方を殆ど知りませんでした。そして、会うたび好感度は上がるどころか下がり続けました。それでも政略結婚ですから、仕方ないと思っていました。今の貴方と同じでしょう?政略結婚で好きではない相手と結婚するって。」
「それは、、、。」
「寧ろ貴方達は仲がいいじゃないですか?周りが恋人だと信じるくらいには。」
「、、、。」
「つまり、貴方が我慢するか、私が我慢するかの違いです。私は我慢できないと決めました。ですから婚約破棄します。そして、貴族令嬢としての役目を放棄しますから、この家を出て行きます。貴方がどうするかは貴方が決めて下さい。私にはもう関係ありませんので。」
「アリーチェ、無理なのか?どうしても?」
「私は貴方を信頼出来ません。信頼できない方と家族にはなれません。それが全てです。」
デヴィッドがガクリと頭を垂れた。
やっと納得してくれたかしら。
さて次は。
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