[完結]転生したので私を殺したクズな王子に復讐します。、、、お兄様達が。

masato

文字の大きさ
1 / 64

1 一度目の人生

しおりを挟む
ミリアンナ・エストロジアはエスト王国の筆頭公爵家の長女である。
家は、建国に携わった五家の一つで、エストの名を冠する名家である。

王都の南に位置する領地は広大で、王国随一の穀倉地帯であり、王国の食糧の実に五分の一を賄っていた。
豊かな実りに裏打ちされ、産業や商業も盛んである。

一部では王家よりも資産も力もあると噂されているが、当のエストロジア当主達は王家に忠実な家臣であり、エストを冠する五家としての責任と節度をしっかりと守っていた。

ミリアンナが13歳になった時、第二王子のフランクリンから熱烈な求婚をされる。
王家との政略結婚に必要性を感じていない公爵達は、まだ早いと断っていたが、フランクリンは諦めず、直接ミリアンナに接触してきた。
13歳のミリアンナはデビュタントを迎えたばかり。
恋に恋する年頃で、15歳の洗練された王子の対応にあっという間に夢中になった。
ミリアンナが望むなら、と、公爵達も折れて婚約に同意した。

その2年後、馬車の事故で、公爵夫妻は亡くなってしまう。
失意の中、兄が18歳という若さで家督を継いだ。
フランクリンは兄妹を支えたいと言って、ミリアンナが16歳になり成人するやいなや結婚し、エストロジア公爵家に婿入りした。
王子を補佐にするなんて、と周りは難色を示したが、フランクリンは譲らなかった。
愛されているんだと、ミリアンナは感動していたのだが、その半年後、今度は兄が狩猟大会の際に落馬して帰らぬ人となる。

たった一年余りで家族全て失ったミリアンナは、あまりの落ち込みようを心配したフランクリンに勧められて、領地に療養に出かけた。
その道中で、今度は自分が盗賊に襲われたのだ。



順調に進んでいた馬車が突然止まった。
平原の真ん中で、何も障害物などないはずの場所なのに。
不信に思って御者に声をかけるが応答はない。

「どうしたのかしら?」
「故障でしょうか?御者や護衛は何をしているのでしょう?何があったか直ぐに報告すべきですのに。」

一緒に乗っていた侍女のメイミが不安げに答える。
窓から覗いても何もない。
平原が続くだけだ。
え?護衛はどこに行ったの?
慌ててドアに手をかけようとしたら、急にものすごい勢いでドアが開かれた。

「きゃぁ!」
「おっと、すまんね、お嬢さん。びっくりさせたかい?」
「だっ、誰です⁈勝手に馬車に乗り込むなんて、無礼ですよ!」

メイミが私を庇って叫ぶ。

「ははは!無礼で結構!盗賊に礼儀を求めんなって!」
「か~わいい!お頭ぁ、このまま攫っちゃダメっすかね?」
「阿呆、先方は殺して死体を晒せとご希望だ。勿体無いけど、仕方ねぇ!」
「こっ、殺す?誰に頼まれたのです⁈」
「さぁて、それは知らん方が幸せだろうよ、っと!」

お頭と呼ばれた男が、持っていた長剣を振り下ろした。

「きゃぁぁ!」
「メイミ‼︎」

目の前で、私を庇ったメイミが血飛沫をあげて倒れる。

「メイミ‼︎」
「さぁて次はお前の番だ。あの世で家族みんな仲良くな!恨むなら、金持ちに生まれた事を恨むんだな!」

それが最後に聞いた言葉。

次に感じたのは熱さと激痛と温かい血が流れる感触。
そして、寒さ。

あぁ、私死ぬんだわ。
何故?私が何をしたと言うの?
殺されるほどの事をしたと言うの?
金持ちに生まれた事を恨めって、どう言う意味?


誰が私を殺したの?
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』

鷹 綾
恋愛
内容紹介 王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。 涙を流して見せた彼女だったが── 内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。 実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。 エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。 そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。 彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、 **「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。 「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」 利害一致の契約婚が始まった……はずが、 有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、 気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。 ――白い結婚、どこへ? 「君が笑ってくれるなら、それでいい」 不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。 一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。 婚約破棄ざまぁから始まる、 天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー! ---

悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ

春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。 エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!? この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて… しかも婚約を破棄されて毒殺? わたくし、そんな未来はご免ですわ! 取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。 __________ ※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。 読んでくださった皆様のお陰です! 本当にありがとうございました。 ※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。 とても励みになっています! ※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました

青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。 それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。

出来損ないと呼ばれた公爵令嬢の結婚

奏千歌
恋愛
[できそこないと呼ばれても][魔王]  努力をしてきたつもりでした。  でもその結果が、私には学園に入学できるほどの学力がないというものでした。  できそこないと言われ、家から出ることを許されず、公爵家の家族としても認めてもらえず、使用人として働くことでしか、そこに私の居場所はありませんでした。  でも、それも、私が努力をすることができなかった結果で、悪いのは私のはずでした。  私が悪いのだと、何もかもを諦めていました。  諦めた果てに私に告げられたことは、魔法使いとの結婚でした。  田舎町に住む魔法使いさんは、どんな方なのか。  大きな不安を抱え、長い長い道のりを歩いて行きました。

第二王女と次期公爵の仲は冷え切っている

山法師
恋愛
 グレイフォアガウス王国の第二王女、シャーロット。  フォーサイス公爵家の次期公爵、セオドア。  二人は婚約者であるけれど、婚約者であるだけだった。  形だけの婚約者。二人の仲は冷め切っているし冷え切っている。  そもそも温度など、最初から存在していない。愛も恋も、友情も親しみも、二人の間には存在しない。  周知の事実のようなそれを、シャーロットもセオドアも否定しない。  お互いにほとんど関わりを持とうとしない、交流しようとしない、シャーロットとセオドアは。  婚約者としての親睦を深める茶会でだけ、顔を合わせる。  親睦を深める茶会だというのに、親睦は全く深まらない。親睦を深めるつもりも深める意味も、二人にはない。  形だけの婚約者との、形だけの親睦を深める茶会。  今日もまた、同じように。 「久しぶりに見る君が、いつにも増して愛らしく見えるし愛おしく思えて、僕は今にも天に召されそうなほどの幸福を味わっている。──?!」 「あたしのほうこそセオ様とお顔を合わせること、夢みたいに思ってるんですからね。大好きなセオ様を独り占めしているみたいに思えるんですよ。はっ?!」  顔を合わせて確認事項を本当に『確認』するだけの茶会が始まるはずが、それどころじゃない事態に陥った。  

分厚いメガネを外した令嬢は美人?

しゃーりん
恋愛
極度の近視で分厚いメガネをかけている子爵令嬢のミーシャは家族から嫌われている。 学園にも行かせてもらえず、居場所がないミーシャは教会と孤児院に通うようになる。 そこで知り合ったおじいさんと仲良くなって、話をするのが楽しみになっていた。 しかし、おじいさんが急に来なくなって心配していたところにミーシャの縁談話がきた。 会えないまま嫁いだ先にいたのは病に倒れたおじいさんで…介護要員としての縁談だった? この結婚をきっかけに、将来やりたいことを考え始める。 一人で寂しかったミーシャに、いつの間にか大切な人ができていくお話です。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

処理中です...