[完結]転生したので私を殺したクズな王子に復讐します。、、、お兄様達が。

masato

文字の大きさ
11 / 64

11 グレンがやって来た

しおりを挟む
11歳の誕生日を一週間後に迎えた日。
我が家に新しく執事見習いを入れるとお父様が仰った。
これから顔見せをするから執務室に来なさいと。

ドクン、と胸が鳴る。
まさか、グレンじゃ無いわよね?
だって、アレンは怪我なんてしてなくて、田舎にも帰ってないわ。
横にいるお兄様を見上げると、心配そうに微笑んだ。

「大丈夫だよ。ちゃんと考えての事だから。ミリアンナ、辛いと思うけど、お前の知っているグレンか確かめてくれるかい?」

そう言って手を握ってくれる。
徐々に鼓動が落ち着いてくる。
そうか、これは計画された事なんだ。
グレンを敵と判断した上で。
私を信じて動いてくれているんだわ。

「ええ、大丈夫よお兄様。心配して下さって有難う。」

嬉しくて微笑んだ。
お兄様達がいればきっと何があっても大丈夫だわ。
と、、、、そう思ったのだけど。

「入って来なさい。」

お父様の声掛けで、アレンに続いて二人の男性が部屋に入ってきた。

一人は見たことのない人。
ミルクティー色の髪はふわふわで眼鏡の奥の翠の瞳はとても優しそう。
目が合うと、ふわりと笑ってくれた。

そしてもう一人は、グレンだった。
茶色の髪に焦茶の瞳。
一見優しそうだけど決して目は笑っていない。
前の人生で王子の手先だった男。

「ひっ、、、」
「ミリアンナ?」
「お兄様、あっちの茶髪がグレンです!」
「!、、、そう、わかったよ。」

そう言って、お兄様は私を背に庇ってくれた。
有難い。あんな人見たくない。
ああ、情け無い。
お兄様の服の裾を握った指が震えてる。
復讐するって、私が家族を守るって誓ったのに!
グレンを見ただけで、前の人生を思い出して怖くて震えてるなんて!

涙が出そうになるのを必死に耐えていると。

「ああ、ミリアンナは人見知りなんだよ。特に若い男はダメなんだ。君たちは僕がいいと言うまでは一切ミリアンナに近づかないようにね?」
「は⁈」

不満の声を上げたのはグレンの方。
もう一人は相変わらずふんわりと微笑んでいた。
「仕方ないね」とでも言いそうな表情で。

「ミリアンナ、紹介するわね、眼鏡をかけているのがケイン、ラジアンから来たそうよ。もう一人がグレンね。アレンに付いて執事見習いをするわ。」

「「よろしくお願い致します、ミリアンナお嬢様。」」
「、、、よろしく。」

お兄様の後ろから挨拶する。
失礼なのは分かっているけど、仕方ないわよね、怖いんだもの。

「じゃぁ、さっきサイラスが言った通りにしてちょうだいね?当分の間、貴方達は一切ミリアンナに近づかない事。それと、二人は常に行動を共にして頂戴。お互いが何をしているかは必ず把握しておく様に。」
「承知いたしました。」
「お、奥様⁈」

ケインは恭しく礼をして了承したけれど、グレンはまた不満の声を上げた。

「私は執事です!お嬢様に近づくなと言うのはおかしくないですか!それに常に二人で行動しろなんて!」
「お前、誰に向かって文句を言ってるの?どこの世界に主人に向かって否やを言う執事がいるのかしら?しかもまだたかが執事見習い風情が!」
「っ!」
「そんな非常識な言動をとる以上、余計に大事な娘に近づかせる訳には行かないわ。今すぐクビにしてもいいのよ?」
「もっ!申し訳ありません!」
「アレンの後を任せると言うことはこの家の執事長になると言う事。一人でいいの。だから二人で同じように習えと言っているのよ。どちらが優秀か見極めさせてもらうわ。カルヴァン伯爵の顔もあるから、今回は目を瞑るけど、2度めはないわよ、グレン。立場をわきまえなさい。」
「肝に銘じます。申し訳ございませんでした。」
「もういいわ、下がりなさい。」
「「失礼致します。」」

そう言って、アレンに連れられて二人は部屋から出て行った。

お母様があんなに怒ったの初めて見たわ~。

「ミリアンナ、もう大丈夫だよ。怖い思いさせてごめんね。さぁ、お茶にしようか。ほら、セバスがお茶の準備をしてくれているよ。ミリアンナの好きなケーキも沢山あるよ。」

お兄様がにっこりと微笑んでソファーまでエスコートしてくれる。
応接セットのテーブルにはゴージャスなアフタヌーンティーの用意が出来上がっていた。

「わぁ!」

さっきまでのピリピリした雰囲気が嘘のように消えている。
ホッとして、導かれるままソファーに座った。

「母上、随分お怒りでしたね?」
「全くだ。君があんなに怒ったのも久しぶりだな。」
「嫌だわ。だって、あの男がミリアンナを苦しめたと思ったら我慢出来なくて!不自然だったかしら?」
「そんな事はないさ。相当焦っただろうから、ミリアンナにも近づかないだろうし、良かったんじゃないか?」
「速攻でクビなんてなったら、アッチでどんな目に遭うか。それはそれでざまぁみろだけどね。」

お兄様がニヤリと意地悪く笑う。
あら、凄く新鮮な表情。
じっと見ていたら、ハッとしたお兄様が慌てていつものふんわり笑顔に戻った。
わぁ、あんな顔も出来たのね~。

「さて、ミリアンナ。グレンは夢の中のグレンで間違いないかい?」
「はい、お父様。あのグレンです。」
「分かった。グレンには常に監視をつけて泳がすつもりだ。誰と繋がっているか調べる為にもね。ミリアンナには決して近づけさせないから安心しなさい。」
「はい、お父様。」
「それと、お前には辛い事だと思うのだがね、例の夢の中の出来事をできるだけ詳細に書き出してはくれないか?関係なさそうな事でも何でもいいから。」
「それでしたら、書き留めてありますからすぐにお持ちします!」

やっと私も役に立てそう!
慌てて覚書を取りに部屋へと戻った。

しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

『婚約破棄ありがとうございます。自由を求めて隣国へ行ったら、有能すぎて溺愛されました』

鷹 綾
恋愛
内容紹介 王太子に「可愛げがない」という理不尽な理由で婚約破棄された公爵令嬢エヴァントラ。 涙を流して見せた彼女だったが── 内心では「これで自由よ!」と小さくガッツポーズ。 実は王国の政務の大半を支えていたのは彼女だった。 エヴァントラが去った途端、王宮は大混乱に陥り、元婚約者とその恋人は国中から総スカンに。 そんな彼女を拾ったのは、隣国の宰相補佐アイオン。 彼はエヴァントラの安全と立場を守るため、 **「恋愛感情を持たない白い結婚」**を提案する。 「干渉しない? 恋愛不要? 最高ですわ」 利害一致の契約婚が始まった……はずが、 有能すぎるエヴァントラは隣国で一気に評価され、 気づけば彼女を庇い、支え、惹かれていく男がひとり。 ――白い結婚、どこへ? 「君が笑ってくれるなら、それでいい」 不器用な宰相補佐の溺愛が、静かに始まっていた。 一方、王国では元婚約者が転落し、真実が暴かれていく――。 婚約破棄ざまぁから始まる、 天才令嬢の自由と恋と大逆転のラブストーリー! ---

悪役令嬢に転生!?わたくし取り急ぎ王太子殿下との婚約を阻止して、婚約者探しを始めますわ

春ことのは
恋愛
深夜、高熱に魘されて目覚めると公爵令嬢エリザベス・グリサリオに転生していた。 エリザベスって…もしかしてあのベストセラー小説「悠久の麗しき薔薇に捧ぐシリーズ」に出てくる悪役令嬢!? この先、王太子殿下の婚約者に選ばれ、この身を王家に捧げるべく血の滲むような努力をしても、結局は平民出身のヒロインに殿下の心を奪われてしまうなんて… しかも婚約を破棄されて毒殺? わたくし、そんな未来はご免ですわ! 取り急ぎ殿下との婚約を阻止して、わが公爵家に縁のある殿方達から婚約者を探さなくては…。 __________ ※2023.3.21 HOTランキングで11位に入らせて頂きました。 読んでくださった皆様のお陰です! 本当にありがとうございました。 ※お気に入り登録やしおりをありがとうございます。 とても励みになっています! ※この作品は小説家になろう様にも投稿しています。

「不吉な黒」と捨てられた令嬢、漆黒の竜を「痛いの飛んでいけー!」で完治させてしまう

ムラサメ
恋愛
​漆黒の髪と瞳。ただそれだけの理由で「不吉なゴミ」と虐げられてきた公爵令嬢ミア。 死の森に捨てられた彼女が出会ったのは、呪いに侵され、最期を待つ最強の黒竜と、その相棒である隣国の竜騎士ゼノだった。 しかし、ミアが無邪気に放った「おまじない」は、伝説の浄化魔法となって世界を塗り替える。 向こう見ずな天才騎士に拾われたミアは、隣国で「女神」として崇められ、徹底的に甘やかされることに。 一方、浄化の源を失った王国は、みるみるうちに泥沼へと沈んでいき……?

神託の聖女様~偽義妹を置き去りにすることにしました

青の雀
恋愛
半年前に両親を亡くした公爵令嬢のバレンシアは、相続権を王位から認められ、晴れて公爵位を叙勲されることになった。 それから半年後、突如現れた義妹と称する女に王太子殿下との婚約まで奪われることになったため、怒りに任せて家出をするはずが、公爵家の使用人もろとも家を出ることに……。

分厚いメガネを外した令嬢は美人?

しゃーりん
恋愛
極度の近視で分厚いメガネをかけている子爵令嬢のミーシャは家族から嫌われている。 学園にも行かせてもらえず、居場所がないミーシャは教会と孤児院に通うようになる。 そこで知り合ったおじいさんと仲良くなって、話をするのが楽しみになっていた。 しかし、おじいさんが急に来なくなって心配していたところにミーシャの縁談話がきた。 会えないまま嫁いだ先にいたのは病に倒れたおじいさんで…介護要員としての縁談だった? この結婚をきっかけに、将来やりたいことを考え始める。 一人で寂しかったミーシャに、いつの間にか大切な人ができていくお話です。

出来損ないと呼ばれた公爵令嬢の結婚

奏千歌
恋愛
[できそこないと呼ばれても][魔王]  努力をしてきたつもりでした。  でもその結果が、私には学園に入学できるほどの学力がないというものでした。  できそこないと言われ、家から出ることを許されず、公爵家の家族としても認めてもらえず、使用人として働くことでしか、そこに私の居場所はありませんでした。  でも、それも、私が努力をすることができなかった結果で、悪いのは私のはずでした。  私が悪いのだと、何もかもを諦めていました。  諦めた果てに私に告げられたことは、魔法使いとの結婚でした。  田舎町に住む魔法使いさんは、どんな方なのか。  大きな不安を抱え、長い長い道のりを歩いて行きました。

【1話完結】あなたの恋人は毎夜わたしのベッドで寝てますよ。

ariya
ファンタジー
ソフィア・ラテットは、婚約者アレックスから疎まれていた。 彼の傍らには、いつも愛らしい恋人リリアンヌ。 婚約者の立場として注意しても、アレックスは聞く耳を持たない。 そして迎えた学園卒業パーティー。 ソフィアは公衆の面前で婚約破棄を言い渡される。 ガッツポーズを決めるリリアンヌ。 そのままアレックスに飛び込むかと思いきや―― 彼女が抱きついた先は、ソフィアだった。

美男美女の同僚のおまけとして異世界召喚された私、ゴミ無能扱いされ王城から叩き出されるも、才能を見出してくれた隣国の王子様とスローライフ 

さら
恋愛
 会社では地味で目立たない、ただの事務員だった私。  ある日突然、美男美女の同僚二人のおまけとして、異世界に召喚されてしまった。  けれど、測定された“能力値”は最低。  「無能」「お荷物」「役立たず」と王たちに笑われ、王城を追い出されて――私は一人、行くあてもなく途方に暮れていた。  そんな私を拾ってくれたのは、隣国の第二王子・レオン。  優しく、誠実で、誰よりも人の心を見てくれる人だった。  彼に導かれ、私は“癒しの力”を持つことを知る。  人の心を穏やかにし、傷を癒す――それは“無能”と呼ばれた私だけが持っていた奇跡だった。  やがて、王子と共に過ごす穏やかな日々の中で芽生える、恋の予感。  不器用だけど優しい彼の言葉に、心が少しずつ満たされていく。

処理中です...