[完結]転生したので私を殺したクズな王子に復讐します。、、、お兄様達が。

masato

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17 ユリアーナの予知夢(サイラス)

「まず最初の出来事はやはり王太子とミランダの事件でした。ほぼ完璧に出来事をなぞられた。7歳の少女に語られる内容ではありませんがね。その時点で私は完全に信じました。そして、彼女の夢では、その後私は表舞台には上がらなかった。だからこその、「よくぞ生きてて」に繋がったそうです。殺されたのだと思ったのでしょうね。」

そんな過酷な夢を7歳でご覧になっていたというのか?
ミリアンナといい、本当にこの世界の神は酷い事をなさる、、、、!

「この後、アズロ公爵家とカルヴァン伯爵はエストと更にラジアン王家にまで手を伸ばそうとしてきます。」

「「「え」」」

「まず最初にエストロジアが狙われました。フランクリンを次期王にするのは無理だと思ったのでしょうね。フランクリンをミリアンナ嬢の夫に据えて、公爵夫妻とサイラス殿を亡き者にしてエストロジア乗っ取りを図ります。更に頃合いを見てミリアンナ嬢も殺害し、馴染みの娘と再婚します。、、、皆様にはとんでもなく酷い話ですが。」

「‼︎」

全くミリアンナの夢の通りじゃないか!

「質問ですが、なぜミリアンナまで殺す必要があったのですか?そのままの方が爵位継承も楽ですよね?」
「アズロ公爵家がエストロジアを嫌っていたのと、その再婚相手がカルヴァン伯爵の娘だったからですね。」
「え⁈男爵令嬢じゃなくて?」

つい口を挟むと、宰相が驚いた顔を向けた。

「ああ、対外的には他人となってますが、伯爵の愛人の娘なんですよ。男爵家のね。なぜ知ってるんです?」
「いや、えーと?」
「話の腰を折って申し訳ない。宰相殿、続きを教えてもらえるだろうか?」

父上が誤魔化してくれた。
やばいやばい、まだミリアンナの事は言えない!
両親がチラリと見てくる。
はい、申し訳ありませんでした。
ちゃんと大人しく聞いていますとも。

「そうして完全にエストロジアを手に入れて、二人の間に生まれた娘を今度はこともあろうにラジアンの王家に嫁がせようとしたのだと。」

まいった。
全くもって、ミリアンナの夢の通りになった。

「このままでは、何の罪もないエストロジアの皆様が殺されてしまい、そんな最低な人間の娘が我がラジアンの王妃になるなど、絶対に許せないとユリアーナ様は仰ったのですよ。」

ユリアーナ様、、、。
僕たちが殺されるのを、許せないと思って下さるのか。
言葉に表せないくらいの喜びが湧き上がる。
こんな時だっていうのに、僕って奴は、、、、!
緩みそうになる頬を必死で食いしばる。

「それを阻止するために、まずは私にエストの宰相になれと仰った。」
「ユリアーナ様が⁈」
「カルヴァンを宰相にして思い通りにさせる訳にはいかないと。そしてケインです。カルヴァンがグレンを送り込んでエストロジアの内部を切り崩すのを防ぐために遣わされました。あれはリンドバーグ公爵家の家令の孫で執事長の息子です。大変有能です。何か企まれてもすぐさま対応できるだろうと。」
「そこまで。」
「私が宰相になったことで未来が変わったのか、ユリアーナ様の夢と少しずつ齟齬が出ているようですが。」

僕たちは顔を見合わせて頷き合った。
ここまで話してくれたのだから、こちらも開示するべきだろう。

「実は我が娘であるミリアンナも、今のリンドバーグ公爵令嬢と同じ夢を見たというのです。」
「何ですって⁈」
「何だって⁈」

今度は宰相と殿下が驚きの声を上げた。

「ああ、情報の出所って、、、、。」
「そうですわ。全く同じ内容でしたの。ですから、私たちは仰る全てを信じますわ。」
「私達もその夢に従って、まずは敵と通じていたグレンを誘き寄せようとしたのですよ。」
「あぁ、だから忠告を聞かずにグレンを雇い入れたのですね。納得しました。」

宰相はグレンを雇い入れたのを余程心配してくれていたようだ。

「この後はどうなさいますか?」
「とりあえず、グレンを泳がせてこの家に入り込んでいるネズミを始末するつもりです。」
「そうですね。ユリアーナ様からも流石に使用人の誰が裏切り者かまでは聞いていませんからね。忠告できずに申し訳ない。」
「とんでもありません。ミリアンナの夢でも同じです。そこまで細かい事は分かりませんでした。実際フランクリン王子がミリアンナに接触してくるのは、ミリアンナが2年後デビュタントを迎えてからと聞いているので、それまでに内部の掃除をして守りを固めますよ。」
「そうですね。奴らが動き出したら先手を取って潰していきましょう。」

そこで宰相は、今日初めての笑顔を見せた。
心底ホッとしたような顔で。

「あぁ、今日お話できて本当に良かった。今までこの話は私とアレン殿下とケインの3人でしか相談できず、本当に心細かったのです。どうすればエストロジアを守れるか不安で。」
「申し訳ない。ご心配ありがとうございます。」

そこでふと思った。
真実を知るのは3人だけ?

「殿下、陛下や王妃陛下にはなぜご相談されなかったのですか?」
「は!父上はマヌケだよ。自分にそのつもりはないだろうが、既にカルロスの傀儡と変わらない。彼がいなきゃ、あっという間にアズロとカルヴァンの言いなりになってたさ。頼りになどなるわけがない。母上はそんな父上のお守りで手一杯だ。これ以上の心労を加える訳にいくか。」

うわぁ、今度はマヌケだって。
本当に可哀想なくらい信用ないんだな~。

「そんな顔で見るな。僕だって辛辣な事を言ってる自覚はある。父上も悪い人じゃないんだ。真っ直ぐすぎて優しすぎるんだ。平安な治世なら賢君とも呼ばれたかもな。けど、あんな害虫を蔓延らせた時点でアウトだろ。」

そんな顔って、よっぽど痛ましげな顔でもしてたかな。

「殿下、王位の交代は考えておられますか?」

父が問う。
申し訳ないが、僕らはもう陛下への忠誠は持てそうにない。
彼が、エストロジアを、ミリアンナを見捨てた事を知っている。

「もちろんだ。2年前に、宰相になったばかりだったカルロスに全てを聞かされた時から、その覚悟は持っている。僕の成人まであと2年。出来得る最短で王位を得る。奴らの好きになど絶対させない。」
「安心しました。ではこれよりエストロジアの忠誠は全て殿下にお誓い申し上げる。」
「承知した。頼りにさせてもらうよ。」

僕たちは揃って深く頭を垂れた。

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