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46 ミランダ妃との対峙(ユリアーナ)
王城に着くと、ミランダ妃の侍女が待っていた。
「わざわざのご足労ありがとうございます。ミランダ様がお待ちです。こちらへどうぞ。」
「ありがとう。」
そうして案内されたのは、綺麗な庭園の奥まった場所にある東屋だった。
周りには低い背丈の花々が植えられており、誰かが近寄れば直ぐに分かる。
つまり、密談に最適な場所という事。
「ようこそ、お会いできて嬉しいわ。初めまして、ミランダですわ。お呼び立てして御免なさいね。」
ミランダ妃が席からわざわざ立ち上がって挨拶される。
慌てて、とは見えない様に優雅にカーテシーをする。
「こちらこそ、ご招待ありがとうございます。リンドバーグ公爵家が長女ユリアーナでございます。お会いできて光栄に存じます。」
「どうぞこちらにお座りになって。、、、そちらはエストロジア公子様ですわね?」
「ミランダ妃殿下にはご機嫌麗しく。」
横にいるサイラス様をチラリと見て言ったミランダ妃に、サイラス様が答える。
ほんと最低限の挨拶ね。
「リンドバーグ公女の護衛という所かしら?申し訳ないけど、二人だけで話したいの。少し外して頂けるかしら?」
「、、、承服致し兼ねます。」
「サイラス様!」
不敬と取られるわよ⁈
「ふふふ、余程大切なのね。大丈夫よ、声が届かない範囲に居てくだされば。ここなら見晴らし良いから姿は良く見えるでしょう?それに安心なさって、この状況で何かする程私も馬鹿ではなくてよ?」
「サイラス様。」
「、、、承知致しました。」
そう言って、少し先まで遠ざかり、こちらを注視している。
心配性ね。
「仲がよろしいのね、羨ましいわ。」
そう言って微笑むミランダ妃は、泣きそうな表情に見えた。
なんと答えたらいいのかわからない。
サイラス様やアレク殿下の言う様な方には思えないのだけど。
侍女もお茶の用意が終わると下がっていった。
ミランダ妃の護衛もサイラス様の様に少し遠くで待機している。
東屋には、私とミランダ妃の二人だけになった。
少し癖のあるブルネットにグレーの瞳。
色合いは地味だけど、かなりの美人よね。
態度も言葉もきちんとこちらを配慮してる。
サイラス様の無礼もスルーされたし、やっぱり噂通りの方には思えない。
「まずは、先日の息子の非礼をお詫びしますわ。ディアンジェロ公子にはくれぐれもよしなにお伝えくださいませ。」
そう言って頭を下げる。
「、、、ご丁寧にありがとうございます。」
「ふふ、そんなに警戒なさらないで、と言うのも無理な話ですわね。でも本当に私はあなた方に危害を加えるつもりはございませんわ。公女様に聞いて頂きたい事があっただけですの。、、、そして、随分と自分勝手な事ですが、お願いしたい事が。」
「お願い、、、ですか?」
一気に緊張する。
それはお願いという名の脅迫ではないの?
「ああ、言い方が悪かったですわね。取引き、と申しましょうか。」
「取引き、、、ですか?」
「ええ。無理強いはいたしません。お誓いしますわ。」
しっかりと目を見て仰る。
ならば、
「お話しをお伺いしてからお返事させて頂きますわ。」
「ありがとうございます。」
ほっとしたように、薄く微笑まれた。
何を要求されるのでしょうね?
「わざわざのご足労ありがとうございます。ミランダ様がお待ちです。こちらへどうぞ。」
「ありがとう。」
そうして案内されたのは、綺麗な庭園の奥まった場所にある東屋だった。
周りには低い背丈の花々が植えられており、誰かが近寄れば直ぐに分かる。
つまり、密談に最適な場所という事。
「ようこそ、お会いできて嬉しいわ。初めまして、ミランダですわ。お呼び立てして御免なさいね。」
ミランダ妃が席からわざわざ立ち上がって挨拶される。
慌てて、とは見えない様に優雅にカーテシーをする。
「こちらこそ、ご招待ありがとうございます。リンドバーグ公爵家が長女ユリアーナでございます。お会いできて光栄に存じます。」
「どうぞこちらにお座りになって。、、、そちらはエストロジア公子様ですわね?」
「ミランダ妃殿下にはご機嫌麗しく。」
横にいるサイラス様をチラリと見て言ったミランダ妃に、サイラス様が答える。
ほんと最低限の挨拶ね。
「リンドバーグ公女の護衛という所かしら?申し訳ないけど、二人だけで話したいの。少し外して頂けるかしら?」
「、、、承服致し兼ねます。」
「サイラス様!」
不敬と取られるわよ⁈
「ふふふ、余程大切なのね。大丈夫よ、声が届かない範囲に居てくだされば。ここなら見晴らし良いから姿は良く見えるでしょう?それに安心なさって、この状況で何かする程私も馬鹿ではなくてよ?」
「サイラス様。」
「、、、承知致しました。」
そう言って、少し先まで遠ざかり、こちらを注視している。
心配性ね。
「仲がよろしいのね、羨ましいわ。」
そう言って微笑むミランダ妃は、泣きそうな表情に見えた。
なんと答えたらいいのかわからない。
サイラス様やアレク殿下の言う様な方には思えないのだけど。
侍女もお茶の用意が終わると下がっていった。
ミランダ妃の護衛もサイラス様の様に少し遠くで待機している。
東屋には、私とミランダ妃の二人だけになった。
少し癖のあるブルネットにグレーの瞳。
色合いは地味だけど、かなりの美人よね。
態度も言葉もきちんとこちらを配慮してる。
サイラス様の無礼もスルーされたし、やっぱり噂通りの方には思えない。
「まずは、先日の息子の非礼をお詫びしますわ。ディアンジェロ公子にはくれぐれもよしなにお伝えくださいませ。」
そう言って頭を下げる。
「、、、ご丁寧にありがとうございます。」
「ふふ、そんなに警戒なさらないで、と言うのも無理な話ですわね。でも本当に私はあなた方に危害を加えるつもりはございませんわ。公女様に聞いて頂きたい事があっただけですの。、、、そして、随分と自分勝手な事ですが、お願いしたい事が。」
「お願い、、、ですか?」
一気に緊張する。
それはお願いという名の脅迫ではないの?
「ああ、言い方が悪かったですわね。取引き、と申しましょうか。」
「取引き、、、ですか?」
「ええ。無理強いはいたしません。お誓いしますわ。」
しっかりと目を見て仰る。
ならば、
「お話しをお伺いしてからお返事させて頂きますわ。」
「ありがとうございます。」
ほっとしたように、薄く微笑まれた。
何を要求されるのでしょうね?
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