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49私だって皆んなを守りたい
ユリア様がミランダ妃と会われた後、お父様は領地へと向かわれた。
邸の中も落ち着かない。
お兄様もユリア様もディアンジェロ様も、皆んな慌ただしくされてるのに、私だけは蚊帳の外だ。
そりゃぁ、私に出来ることなんて無いかもしれないけれど、私だって皆んなの役に立ちたいのに。
一人サンルームでお茶を飲みながらしょんぼりしていると、お母様がいらっしゃった。
「どうしたの?ミリアンナ。また何か心配事かしら?」
「お母様、、、。私役立たずだなって思って。私だけ何もできないから。」
「まぁ、そんな事はないわよ?貴方の夢のおかげで今私達はこうやって対応できているんだもの。」
「でも!今は何もできないから。」
「お父様もサイラスも、ユリアーナ様やディアンジェロ様だって皆んな貴女を助けたくて頑張ってくれてるのよ?だからそんなかなしいお顔をしてちゃダメよ。」
お母様が優しく言って下さるけれど。
「それはありがたいと思っているけど。」
でも役立たずな自分が辛いのだ。
前の人生の私と同じ、何もできない非力な自分が。
「ふふふ、ならミリアンナの得意な事でみんなを応援しましょう?」
「私の得意な事?」
「ミリアンナは刺繍が得意でしょう?」
「、、、それが役に立つの?」
「護符を作りましょう。みんなが無事でいますように。願いが叶いますように。」
「、、、喜んで下さるかしら?」
「もちろんよ、皆んな貴女が大好きだもの。それにね、素敵なプレゼントを頂いてるのよ。」
「プレゼント?」
「ええ。」
お母様が侍女に目配せをすると、メイドが大きくて綺麗な裁縫箱を持ってきた。
「開けてごらんなさい。ディアンジェロ様から頂いたプレゼントよ。」
「ディアンジェロ様から?」
開けてみると、何十色もある上質な刺繍糸や綺麗な布、とても凝った装飾がされた刺繍鋏や針入れなどのお道具セット等が綺麗に並んでいた。
「素敵。」
「でしょう?ミリアンナの気が紛れる物はないかと聞かれたので刺繍が趣味なの、とお答えしたら、ラジアンから取り寄せて下さったのよ。さすが大国よねぇ、品物の質が本当に素晴らしいわ。」
「まぁ、、、。」
「ユリアーナ様からも、刺繍を刺す行為って、えーっとなんだったかしら、そうそう、マインドフルネスと言って、雑念を払ってリラックスできるから良いわねと仰っていたのよ。、、、難しい言葉をご存知よね。」
マインドフルネス、、、過去や未来ではなく、今・ここで起こっている物事に集中する事で不安やストレスから解放され、ありのままを受け入れられるようになること。
そうね、過去やまだ決まってない未来を憂いても仕方ないわよね。
実を言うと、1度目の人生でも護符を作ったのだ。
父と母が亡くなった後に。
もう大切な人を失いたくなくて、心を込めて、願いを込めて。
お兄様とフランクリンと、義母であるミランダ様に。
もう私の家族はその人達だけだったから。
でも、お兄様は亡くなったし、フランクリンは私を殺した。
ミランダ様はどこまでご存知だったか分からないけれど。
神様なんていないんだと思った。
いたとしても、とても酷い存在だと恨みさえした。
けれど、今もう一度人生をやり直せているのが、その神様のせいかもしれないのなら、意味はあったのかしら?
「そうね。皆んなに心配かけてばかりだもの。お詫びに、心を込めて刺すわね。」
「お詫びじゃなくてお礼にね?」
「うふふ、そうね。」
皆んなが無事でありますように。
今世こそ、皆んなが幸せになれますように。
どうぞ見知らぬ神様、貴方にお慈悲があるのなら、私の大切な人たちを護って下さい。
邸の中も落ち着かない。
お兄様もユリア様もディアンジェロ様も、皆んな慌ただしくされてるのに、私だけは蚊帳の外だ。
そりゃぁ、私に出来ることなんて無いかもしれないけれど、私だって皆んなの役に立ちたいのに。
一人サンルームでお茶を飲みながらしょんぼりしていると、お母様がいらっしゃった。
「どうしたの?ミリアンナ。また何か心配事かしら?」
「お母様、、、。私役立たずだなって思って。私だけ何もできないから。」
「まぁ、そんな事はないわよ?貴方の夢のおかげで今私達はこうやって対応できているんだもの。」
「でも!今は何もできないから。」
「お父様もサイラスも、ユリアーナ様やディアンジェロ様だって皆んな貴女を助けたくて頑張ってくれてるのよ?だからそんなかなしいお顔をしてちゃダメよ。」
お母様が優しく言って下さるけれど。
「それはありがたいと思っているけど。」
でも役立たずな自分が辛いのだ。
前の人生の私と同じ、何もできない非力な自分が。
「ふふふ、ならミリアンナの得意な事でみんなを応援しましょう?」
「私の得意な事?」
「ミリアンナは刺繍が得意でしょう?」
「、、、それが役に立つの?」
「護符を作りましょう。みんなが無事でいますように。願いが叶いますように。」
「、、、喜んで下さるかしら?」
「もちろんよ、皆んな貴女が大好きだもの。それにね、素敵なプレゼントを頂いてるのよ。」
「プレゼント?」
「ええ。」
お母様が侍女に目配せをすると、メイドが大きくて綺麗な裁縫箱を持ってきた。
「開けてごらんなさい。ディアンジェロ様から頂いたプレゼントよ。」
「ディアンジェロ様から?」
開けてみると、何十色もある上質な刺繍糸や綺麗な布、とても凝った装飾がされた刺繍鋏や針入れなどのお道具セット等が綺麗に並んでいた。
「素敵。」
「でしょう?ミリアンナの気が紛れる物はないかと聞かれたので刺繍が趣味なの、とお答えしたら、ラジアンから取り寄せて下さったのよ。さすが大国よねぇ、品物の質が本当に素晴らしいわ。」
「まぁ、、、。」
「ユリアーナ様からも、刺繍を刺す行為って、えーっとなんだったかしら、そうそう、マインドフルネスと言って、雑念を払ってリラックスできるから良いわねと仰っていたのよ。、、、難しい言葉をご存知よね。」
マインドフルネス、、、過去や未来ではなく、今・ここで起こっている物事に集中する事で不安やストレスから解放され、ありのままを受け入れられるようになること。
そうね、過去やまだ決まってない未来を憂いても仕方ないわよね。
実を言うと、1度目の人生でも護符を作ったのだ。
父と母が亡くなった後に。
もう大切な人を失いたくなくて、心を込めて、願いを込めて。
お兄様とフランクリンと、義母であるミランダ様に。
もう私の家族はその人達だけだったから。
でも、お兄様は亡くなったし、フランクリンは私を殺した。
ミランダ様はどこまでご存知だったか分からないけれど。
神様なんていないんだと思った。
いたとしても、とても酷い存在だと恨みさえした。
けれど、今もう一度人生をやり直せているのが、その神様のせいかもしれないのなら、意味はあったのかしら?
「そうね。皆んなに心配かけてばかりだもの。お詫びに、心を込めて刺すわね。」
「お詫びじゃなくてお礼にね?」
「うふふ、そうね。」
皆んなが無事でありますように。
今世こそ、皆んなが幸せになれますように。
どうぞ見知らぬ神様、貴方にお慈悲があるのなら、私の大切な人たちを護って下さい。
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