静かに過ごしたい冬馬君が学園のマドンナに好かれてしまった件について

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冬馬君は彼女のために……

清水さんは悩む~清水綾視点~

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 今日から、いよいよ二学期が始まります。

 私は、昨日の夜からずっと楽しみにしていました。

 だって……冬馬君と一緒に学校行けるんだもん。

 ずっと夢だった……大好きな彼氏と一緒に、登下校することが……。



 冬馬君と電車で待ち合わせして、学校に行きます。

 周りからジロジロ見られたけど、前とは全然気持ちが違う。

 今は、幸せな気持ちでいっぱいです。

 冬馬君と手を繋いで、登校してるんだもん。




 学校の人たちも、ジロジロ見られたけど、冬馬君は動じていません。

 頼もしい限りです……す、素敵な彼氏です……。

 むしろ、私の方がドギマギしてしまいそう……。




 ……ただ、周りの人から言われてしまいました。

 清水さんには相応しくないとか。
 あんなのでいいの?とか。
 しまいには、俺の方がいいだろ?とか。

 私は、冬馬君がいいんだもん!
 冬馬君が、好きなんだもん!

 さらには、仲のいい加奈と愛子にも、あんなのがいいの?って……。

 勘のいい冬馬君のことだから、気づいてるかも……。

 やっぱり、黙ってた方がよかったのかな……?

 私がワガママ言ったから、冬馬君にも迷惑かけちゃう……。

 ど、どうしよう……冬馬君に、嫌われたくないよぉ……。




 でも、そんなある日……とても嬉しいことがありました!

 と、冬馬君が、私のこと大好きって……。

 あと、私に何回も告白してくる人に向かって、冬馬君が言ってくれた……。

 わ、私の中身が好きだって……!

 冬馬君は、きっと知らないんだろうな。

 私が、それがどれだけ嬉しいことなのか……。

 思わず、帰り道に大胆なことをしてしまうくらいに……。

 でも、冬馬君の貴重な照れ顔を見れたので、結果オーライなのです!

 冬馬君、口元に手をあてて、そっぽ向いちゃうんだもん……可愛いかったなぁ。

 ただ、帰った後恥ずかしさがこみ上げてきて、ベッドにうずくまってしまいました。




 そして、加奈や愛子も認めてくれ、学校の人達からも認知されてきました。

 私自身も念願が叶って、冬馬君とお昼を食べたり、登下校をしていました。

 私は、このまま上手くいくと思っていました。

 ……あの時までは……。




 ある日、愛子が教えてくれました。

「ねえねえ、綾。これ、知ってる?」

「え?……なに……?これ……?」

 そこには、冬馬君に対する罵詈雑言で溢れかえっていました。
 学校やめろ!や、清水さんと別れろ!や、死ね!などの言葉が……。

「あー、知らなかったかー。これ、学校の裏掲示板ってやつなんだけど。私も迷ったんだけどねー……ただ、そのうち嫌でも綾の耳に入るからさ……私が言った方がいいかなって……対策とかとれるじゃん?」

「ど、どうしよう!?と、冬馬君、知ってるのかな!?」

 こんなの聞いたら、冬馬君が傷ついちゃうよ!
 やっぱり、私が我慢すれば良かったんだ……ワガママ言っちゃったから………。

「どうかねー?そういうタイプじゃなさそうだし。てか、彼氏に言った方が良くない?で、綾に少しでもつり合うようにしてもらえばいいじゃん。アイツよく見たら、見た目はそんなに悪くないし」

「そんなこと言えないよ!だって、たださえ迷惑かけてるのに……」

 それに、冬馬君がちゃんとしようか?って言った時、私は断ってしまった。

 ……だって、そしたら冬馬君がモテちゃうもん。
 きっと、すぐにモテモテになっちゃうもん。
 私、ヤキモチ妬いちゃうもん。


 私は、悩みました……そんな時でした。

 冬馬君が、いきなり猛勉強を始めたのです。

 理由を聞いても、はぐらかされてしまいました。

 ただ、すぐにわかりました。

 だって、私と付き合って後悔していないって……。

 私が、どれだけ嬉しかったか……。
 
 だって、それを1番恐れていたから……。

 冬馬君に嫌われたくないもん……もう、こんなに好きなんだもん……。





 そして、無事にテストが終わりました。

 私は学校の中庭で、冬馬君に膝枕をしていました。

 私のために、冬馬君は頑張ってくれました。

 冬馬君は、きっとそんなこと言わないだろうけど……。

 私も、冬馬君のために何かしてあげたいな……。

 どうすれば、喜んでもらえるかな……?

 ……加奈から、色々聞いたけど……はしたないって思われたらヤダし……。




 そしてテスト明けの休日は、私の家庭の用事と、冬馬君の趣味の時間により、会えませんでした。

 少し寂しかったけど、きっと冬馬君はやりたいことを我慢して、一生懸命勉強したに違いないです。

 ……自惚れでないなら、私のために……。

 だから、そのくらいは我慢するのです!
 冬馬君は、とても良い彼氏さんです!
 私だって、良い彼女さんでいたいです!

  

 ただ……朝の登校まで断られた時は、少し凹みました……。

 私は若干意気消沈しながら、学校へ向かいます。

 すると駅の改札口で、加奈と愛子が待っていました。

 おかげで、冬馬君がいないことで何か言われるかと思いましたが、それもなかったです。

 その後学校に着き、順位表を見て、驚きました……。

「と、冬馬君、凄い……!5位……」

「何言ってんのかしら?綾、1位だからね?私は4位ね。まあ、いいでしょう」

「綾!こっち来て!」

 私は愛子に呼ばれ、その場を離れます。

「なに?どうしたの?」

「これ!見てみなって!」

 その裏掲示板には……やるじゃん!とか、5位か……とか、そういうことが書かれていました……もちろん、まだまだ悪口のが多いけれど……。

「アイツやるじゃん!」

「そうね。私達に頼む辺りも、中々出来た男ね。少し、羨ましいわね」

「え?なんのこと?」

「アイツさ、『俺はテスト発表日は一緒に行けないから、2人とも一緒に行ってあげてくれ』って。そうすれば、変な噂もたたないだろうって」

「私達に頭を下げてまでね……」

「そんな……どうして……?」

 その時でした。
 何やら、順位表の前が騒がしくなりました。

「なんだろ?」

「行ってみますか」

「そうね」

 3人で、騒ぎの場へ向かいました。

 ……そこで、私は固まってしまいます。

 だって、横顔がとてつもなくカッコいい人がいたから……。

 私がそんなことを思うのは、1人しかいません。

「と、冬馬君……?」

 振り向いた冬馬君を見て、私は思いました。

 ほら、こんなにカッコいい……。

 だから、断ったのに……。

 でも、私のためなのはわかっています……。

 ただ、違う悩みが出てきちゃいます……。

 もう!こんなのモテちゃうよー!

 私、ヤキモチ焼いちゃうよー!!
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