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おっさん、異世界転移する
おつさん、目標を立てる
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その後も楽しく食事をして、最後にパンをスープにつけて食べ干す。
うむ……こういう食事も悪くないな。
「さて、クレアさんにミレーユさん、量は足りましたか?」
「うむ、少しずつ食べたからか満足感が高いな」
「ええ、そうですね。たくさん食べたのに、そんなに苦しくありませんし」
「ソラはどうだ?」
「お、お腹いっぱい!」
「よし、なら良い」
どうやら、全員の腹は満たされたようだ。
そして聞く限り、コース料理という概念はないのか?
先に野菜を食べるとか、順番に少しずつ食べると普段より少なくても満腹感があるとか。……なら、俺がやれば良いか。
「ところでだ……その敬語、やめにしないか? 仮にも、私はこれから教えてもらう身なのに……」
「へっ?」
「私も気になってました。ソーマさんは明らかに歳上ですので」
「というか、私が偉そうな言葉遣いをしてるのが申し訳ない……いや、私が敬語を使えという話なのだが……」
「い、いえ、これは俺の癖のようなものなので……」
子供ならともかく、ある程度の年齢の方には敬語を使うようにしてる。
基本的に厳ついし、客商売をやる上で敬語は必須だし。
「そうなのか? いや、高圧的より好感は持てるが……なら無理に変えなくていいか」
「まあ、それは言えてますね」
「ただ、私の言葉遣いが浮き彫りに……」
「気にしないで良いですよ。聞く限り、クレアさんも自然な感じがします。それに、偉ぶってるわけでも下に見てる感じでもないので」
経験と職業から、そういうことには敏感だからわかる。
「そ、そうか……ありがとう」
「いえいえ。というわけで、今のところはこれでお願いします。慣れてきたら、勝手に取れるとは思うので」
「ふふ、では楽しみにしてよう」
「……はわっ?」
静かだと思ったら、ソラが船を漕いでいて、今にも寝そうだ。
「あらあら、おねむさんですね」
「すみませんが、ソラを寝かせるためにテントを借りても良いですか?」
「ああ、もちろんだ。流石に、ソーマ殿あれだが……いや、信用してないとかじゃないぞ!?」
「いえいえ、当然ですよ。俺は適当に寝るんで平気ですから」
というか、この世界来てから疲れというものがない。
……まさか、寝なくても平気な体とか?
その後、ソラを寝かしつけてから……ようやく本題に入る。
ちなみにソラは、ミレーユさんに見てもらっている。
多分、楽しくない話も出るので聞かせるわけにはいかない。
「さて……では、明日以降の話をしよう」
「ええ、お願いします。まずは、俺の立場は田舎から出てきた男でいいとして……ソラというか、獣人の扱いってどうなのですか?」
「それだな……はっきり言って、扱いは良くない。彼らは身体能力こそ高いが、魔法を使えない。何より、人族が魔力がないものを縛り付ける首輪を開発してしまった」
「ああ、俺が破壊したやつですね」
「……はっ?」
あっ、そういえばその辺りの説明はしてなかった。
というより、ソラの前では話したくなかったし。
「す、すみません、ソラの前ではアレだったので」
「い、いや、当然だろう……しかし、アレを破壊か……流石は竜殺しといったところか。まあ、お主の強さについては街についてから説明しよう。実は、強さを測る水晶というものが存在してな。それを見れば、お主の強さもわかる」
「ああ、そういうことですか」
俺がドラゴン殺しかどうかは、街に着けばわかるとか言ってたな。
「とにかく、数百年前の首輪の開発によって、それまで対等だった関係は終わった。今は獣人族といえば、奴隷という扱いの場所が多い。幸い、我が国アシュタルトは比較的マシな部類だが」
「なるほど……では、首輪のないソラを連れていると問題がありますか?」
「いや、そんなことはない。獣人と結ばれる人族もいるし、お主のように子供として育ててる者もいる。それに、首輪をつけられないほどの強者もいるしな。ただ、そういうものだとわかってくれたらいい」
「……わかりました。ちなみに、他の種族とかはいるのてすか?」
「ああ、エルフ族とドワーフ族、そして竜人族がいる。ただし、ドワーフ族以外は人前に姿を表すことは少ない。というより、我々人族を嫌っているのだろうな……」
「そういうことですか……」
納得はできないが、この世界はそういうことらしい。
いや前の世界でも、よその国ではあったことか。
「すまぬ」
「なぜ、クレアさんが謝るのですか?」
「い、いや、この国に住まう者としてな。奴隷などいうものはない方がいいに決まってる」
その手は強く握られ、悔しそうな表情を浮かべている。
そうか……本当に良い人に会えたみたいだ。
この世界では、最初に会った村人のような考え方が多いということを理解しておこう。
「街に行く前に出会えたのが貴女で良かった」
「な、何をいうか! ……それはこっちのセリフだ。そなたがいなければ、死んでいたところだ」
「そういえば、何故あそこにいたのですか? 言ってはなんですが、勝てない相手とは戦うべきじゃないかと」
俺もおじさんには、かなり叩き込まれた。
蛮勇と臆病を履き違えるなと。
相手の力量を測るのも、強さのうちだと。
「ああ、わかってるさ。ただ、アレは予定外だ。オークの依頼討伐に来たら、オーガがいるとは思わなんだ。おそらく、ドラゴンが出た影響だろう。普段現れないところに、オーガが現れたのだ」
「なるほど、そういうことでしたか……依頼?」
「むっ? ……ああ、そちらの世界にはないのか。さっきも言ったが、私は冒険者だ。この世界では冒険者という職業があり、魔物退治や雑用までこなす者のことだ」
まるで小説の世界のような話だな。
だが、そういう仕事がある世界でよかった。
多分、俺の予想が正しければ……。
「それは俺でもなれますか?」
「なに? まあ、十二歳を超えてれば誰でも慣れる職業だから問題ない。しかし、料理人になりたいのでは?」
「まずは衣食住を整えたいので。それに、店を出すならお金はあった方がいいですし」
「それくらいなら私が……いや、そこまでのお金はないか」
「大丈夫ですよ、料理自体は冒険者しながらでも出来ますから。幸い、俺は戦えそうですし」
「うむ、それもそうか。わかった、では冒険者登録くらいは、私が責任を持ってお手伝いさせてくれ」
「助かります」
……よし、これで道筋が見えてきた。
ソラのことを考えつつ、冒険者として稼いで、いずれ店を出す。
そんなことを考えていると、年甲斐もなくワクワクしてる自分に気づいたのだった。
うむ……こういう食事も悪くないな。
「さて、クレアさんにミレーユさん、量は足りましたか?」
「うむ、少しずつ食べたからか満足感が高いな」
「ええ、そうですね。たくさん食べたのに、そんなに苦しくありませんし」
「ソラはどうだ?」
「お、お腹いっぱい!」
「よし、なら良い」
どうやら、全員の腹は満たされたようだ。
そして聞く限り、コース料理という概念はないのか?
先に野菜を食べるとか、順番に少しずつ食べると普段より少なくても満腹感があるとか。……なら、俺がやれば良いか。
「ところでだ……その敬語、やめにしないか? 仮にも、私はこれから教えてもらう身なのに……」
「へっ?」
「私も気になってました。ソーマさんは明らかに歳上ですので」
「というか、私が偉そうな言葉遣いをしてるのが申し訳ない……いや、私が敬語を使えという話なのだが……」
「い、いえ、これは俺の癖のようなものなので……」
子供ならともかく、ある程度の年齢の方には敬語を使うようにしてる。
基本的に厳ついし、客商売をやる上で敬語は必須だし。
「そうなのか? いや、高圧的より好感は持てるが……なら無理に変えなくていいか」
「まあ、それは言えてますね」
「ただ、私の言葉遣いが浮き彫りに……」
「気にしないで良いですよ。聞く限り、クレアさんも自然な感じがします。それに、偉ぶってるわけでも下に見てる感じでもないので」
経験と職業から、そういうことには敏感だからわかる。
「そ、そうか……ありがとう」
「いえいえ。というわけで、今のところはこれでお願いします。慣れてきたら、勝手に取れるとは思うので」
「ふふ、では楽しみにしてよう」
「……はわっ?」
静かだと思ったら、ソラが船を漕いでいて、今にも寝そうだ。
「あらあら、おねむさんですね」
「すみませんが、ソラを寝かせるためにテントを借りても良いですか?」
「ああ、もちろんだ。流石に、ソーマ殿あれだが……いや、信用してないとかじゃないぞ!?」
「いえいえ、当然ですよ。俺は適当に寝るんで平気ですから」
というか、この世界来てから疲れというものがない。
……まさか、寝なくても平気な体とか?
その後、ソラを寝かしつけてから……ようやく本題に入る。
ちなみにソラは、ミレーユさんに見てもらっている。
多分、楽しくない話も出るので聞かせるわけにはいかない。
「さて……では、明日以降の話をしよう」
「ええ、お願いします。まずは、俺の立場は田舎から出てきた男でいいとして……ソラというか、獣人の扱いってどうなのですか?」
「それだな……はっきり言って、扱いは良くない。彼らは身体能力こそ高いが、魔法を使えない。何より、人族が魔力がないものを縛り付ける首輪を開発してしまった」
「ああ、俺が破壊したやつですね」
「……はっ?」
あっ、そういえばその辺りの説明はしてなかった。
というより、ソラの前では話したくなかったし。
「す、すみません、ソラの前ではアレだったので」
「い、いや、当然だろう……しかし、アレを破壊か……流石は竜殺しといったところか。まあ、お主の強さについては街についてから説明しよう。実は、強さを測る水晶というものが存在してな。それを見れば、お主の強さもわかる」
「ああ、そういうことですか」
俺がドラゴン殺しかどうかは、街に着けばわかるとか言ってたな。
「とにかく、数百年前の首輪の開発によって、それまで対等だった関係は終わった。今は獣人族といえば、奴隷という扱いの場所が多い。幸い、我が国アシュタルトは比較的マシな部類だが」
「なるほど……では、首輪のないソラを連れていると問題がありますか?」
「いや、そんなことはない。獣人と結ばれる人族もいるし、お主のように子供として育ててる者もいる。それに、首輪をつけられないほどの強者もいるしな。ただ、そういうものだとわかってくれたらいい」
「……わかりました。ちなみに、他の種族とかはいるのてすか?」
「ああ、エルフ族とドワーフ族、そして竜人族がいる。ただし、ドワーフ族以外は人前に姿を表すことは少ない。というより、我々人族を嫌っているのだろうな……」
「そういうことですか……」
納得はできないが、この世界はそういうことらしい。
いや前の世界でも、よその国ではあったことか。
「すまぬ」
「なぜ、クレアさんが謝るのですか?」
「い、いや、この国に住まう者としてな。奴隷などいうものはない方がいいに決まってる」
その手は強く握られ、悔しそうな表情を浮かべている。
そうか……本当に良い人に会えたみたいだ。
この世界では、最初に会った村人のような考え方が多いということを理解しておこう。
「街に行く前に出会えたのが貴女で良かった」
「な、何をいうか! ……それはこっちのセリフだ。そなたがいなければ、死んでいたところだ」
「そういえば、何故あそこにいたのですか? 言ってはなんですが、勝てない相手とは戦うべきじゃないかと」
俺もおじさんには、かなり叩き込まれた。
蛮勇と臆病を履き違えるなと。
相手の力量を測るのも、強さのうちだと。
「ああ、わかってるさ。ただ、アレは予定外だ。オークの依頼討伐に来たら、オーガがいるとは思わなんだ。おそらく、ドラゴンが出た影響だろう。普段現れないところに、オーガが現れたのだ」
「なるほど、そういうことでしたか……依頼?」
「むっ? ……ああ、そちらの世界にはないのか。さっきも言ったが、私は冒険者だ。この世界では冒険者という職業があり、魔物退治や雑用までこなす者のことだ」
まるで小説の世界のような話だな。
だが、そういう仕事がある世界でよかった。
多分、俺の予想が正しければ……。
「それは俺でもなれますか?」
「なに? まあ、十二歳を超えてれば誰でも慣れる職業だから問題ない。しかし、料理人になりたいのでは?」
「まずは衣食住を整えたいので。それに、店を出すならお金はあった方がいいですし」
「それくらいなら私が……いや、そこまでのお金はないか」
「大丈夫ですよ、料理自体は冒険者しながらでも出来ますから。幸い、俺は戦えそうですし」
「うむ、それもそうか。わかった、では冒険者登録くらいは、私が責任を持ってお手伝いさせてくれ」
「助かります」
……よし、これで道筋が見えてきた。
ソラのことを考えつつ、冒険者として稼いで、いずれ店を出す。
そんなことを考えていると、年甲斐もなくワクワクしてる自分に気づいたのだった。
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