竜殺しの料理人~最強のおっさんは、少女と共にスローライフを送る~

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おっさん、異世界に慣れる

おっさん、生活に慣れてくる

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この迷宮都市レガリアに来てから、早くも1ヶ月が過ぎた。

俺はその間に順調に依頼をこなしつつ、最下級のH級から三つ上のE級になっていた。

都市の中の地理にも慣れ、人々と交流も盛るにやっている。

ソラも俺に心を許し、他の人達とも少しずつ関わりを持ち始めた。

「お父さん! お帰りなさい!」

「ああ、ただいま」

「ソーマ殿、お疲れ」

「クレアさんこそ、お疲れ様です。今日も、ありがとうございました」

「なに、気にするな。私も気晴らしになっている」

「えへへ! クレアお姉ちゃんに遊んでもらったよ!」

俺が何も言わずとも、ソラからクレアさんに声をかけるようになった。
今日も自分から『遊んでくれませんか?』と誘ったらしい。
とても良い傾向だと思う。

「ミレーユさんは?」

「あいつなら副業をしてるよ。何やら、久々に洋服を作るのに目覚めたらしい」

「すごいんだよ! こうささっと作っちゃって! わたしも、色々と教えてもらってるんだ!」

「そうみたいだな」

「そのうち、お父さんにも作ったげる! ……あっ、ミレーユさんに用事あったんだ!」

そう言い、階段を駆け上がっていく。
ミレーユさんはクレアさんのお古を使って、ソラの普段着を作っているらしい。
どうやら以前はよくやっていたそうで、その腕は確かだった。
正直言って俺も助かるので、それに甘えてしまっている。
もちろん、代わりに俺は料理を提供したりしている。

「はは、すいません」

「いや、悪いことじゃないさ。私のせいで、ミレーユには迷惑をかけてるからな……」

「……そうですか」

「すまん、気にしないくれ」

ここ一ヶ月でわかったが、何やら二人にも色々と事情がありそうだ。
無理に聞き出すことはしてないが、何か力になれたら思う。
……そうだ、あれなら力になれるじゃないか。
むしろ、今まで忘れていて申し訳ない。

「クレアさん、それでは……そろそろ鍛錬でもしますか?」

「なに? ……私としては有り難いが、良いのだろうか? お主は、毎日忙しそうに働いているだろうに」

「平気ですよ、ランクが上がったことで報酬も増えてきましたから。とりあえず、宿代を払っても貯金ができるくらいには」

「そ、そうか……それならお願いできるだろうか?」

「ええ、もちろんです。なんなら、今からでも良いですよ?」

俺の仕事効率も上がってきて、依頼によるが四時には帰ってくることが多くなった。
これからは、その後の時間を色々なことに当てることができるだろう。

「わかった! それでは、ミレーユ達に伝えてくる!」

「俺も着替えだけしてきますね」

……こういうゆっくりした日々は良い。

できれば、このまま過ごしたいものだ。
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