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3話『闇に潜む魔獣、そして精神年齢五十二歳の上司』
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深夜、ヴァルグレア王国から二十キロメートル離れた原生林。
ノクスとフィナは、漆黒の森を縫うように駆けていた。古い樹木が頭上で枝を絡ませ、まるで天然の屋根のように空を覆い隠している。月明かりがわずかに木々の隙間から差し込む中、落ち葉を踏みしめる二人の足音だけが、死のような静寂を破っていた。
「目標地点まであと二キロメートル。周囲の様子は?」
フィナの声が、冷たい夜気に響く。
「……静か過ぎる。鳥も虫も鳴いていない」
ノクスは立ち止まり、呼吸を整えながら周囲を警戒した。普段なら夜の森には様々な生き物の気配があるはずだが、今夜は異様なほどの静寂に包まれている。まるで森全体が息を潜めているかのように。
ガントレット型術式兵装が淡く青白い光を帯び始めた。金属の表面に魔力が収束し、微かな振動を発している。
「ノクスくん、そろそろ戦闘準備をしておいて」
フィナの表情が、任務モードへと切り替わった。
「了解」
ノクスは返事と同時に、ポケットから十センチメートル程度の球体を取り出す。手のひらサイズの黒い球体は、まるで生きているかのように脈動していた。そのボールに術力を注入すると、まるで水銀のように液状になり、ノクスの指先から腕、そして全身へと這い上がっていく。
液体は彼の体型に合わせて形を変え、黒いボディスーツの形状を作り出していく。
「申請出力は四〇パーセント。超えないようにしてよ」
フィナの声に、わずかな心配の色が混じった。
「わかりました」
液状のスーツが全身に行き渡ると、ノクスの体型にぴったりと密着した。まるで第二の皮膚のようにしなやかに動き、関節部分では柔軟性を保ちながら、筋肉の動きに完璧に追従する。
このパワースーツの真の役割は、装着者が意図的にリミッターを解除した際の反動を軽減することにある。通常、人間が身体能力の限界を超えた力を出せば、筋繊維の断裂や神経の損傷は避けられない。骨格にも想像を絶する負荷がかかり、最悪の場合は永続的な障害を負うことになる。
しかし、このスーツがあることで、ある程度までならその破壊的な反動を抑制できる──つまり、安全に「限界突破」が可能になるのだ。ただし、それでも使用者の肉体への負担は決して軽いものではない。
フィナはスーツの装着を済んだノクスを見て頷いた。
「よし、じゃぁ急ぐよ!」
その言葉と同時に、フィナの姿が霞のように消えた。いや、消えたのではない──人間の動体視力では捉えきれないほどの超高速で駆け出したのだ。
ノクスも続いて彼女を追う。
(リミッター解除二〇パーセント)
その意識と共に、ボディスーツが反応した。微細な電流のような感覚が全身を駆け巡り、筋肉の奥深くから力が湧き上がってくる。本来なら激痛を伴うはずの筋肉への過負荷が、スーツの力によって和らげられる。
それでも痛みは確実に存在していた。筋繊維が限界を超えて収縮し、骨格がきしむような感覚。生身なら動くことすら困難になるレベルの負荷だが、スーツがその大部分を吸収している。
ノクスは歯を食いしばりながら思った。
(フィナさん……本当にスーツなしで、生身でリミッター解除してるのか。どれだけ規格外なんだ……)
目の前を駆けるフィナの背中は、まるで散歩でもしているかのように余裕に満ちている。息も乱れず、足音も軽やか。まさに人間離れした身体能力だった。
痛みを無視しつつ、ノクスは必死にフィナに追いつこうとする。二人は暗闇の森を、まるで影のように駆け抜けていく。
しばらく駆け抜けていると、フィナが突然足を止めた。ノクスも慌てて停止する。
「止まって。観測班から言われたのはこの辺り。こんな森林にいるやつらなんて、あいつらしかいない」
フィナは「わかってるでしょ?」と言いたげな表情でノクスを見つめた。その瞳には、獲物を見つけた捕食者のような鋭さが宿っている。
「ジェスパ=ブルーンですか……なら上空からの奇襲に注意しないと」
ノクスは周辺の警戒を強めた。頭上の枝々、足元の根っこ、そして周囲の木々──どれが本物の植物で、どれが擬態した魔獣なのか判別がつかない。
フィナはそんなノクスの様子を観察しながら、くすりと笑った。
「あんた……本当に任務の時は、人格のスイッチ変わるよね。普段のあんたなら、『そ、そんなに見つめないでくださぁぁい』とか言って、笑わせてくれるのに」
「そんな余裕、今の俺にはないですからね」
ノクスは嘆息するフィナを横目に、ぼやくように答えた。戦場では一瞬の油断が命取りになる。特に擬態能力に長けた魔獣が相手なら尚更だ。
「あぁ、やだやだ、若いのにそんなこと言わないでよ」
その時──
暗闇の奥から、太い触手が音もなく伸びてきた。狙いはフィナの後頭部。樹皮のような質感を持つ触手は、まさに木の枝そのものに見える完璧な擬態だった。
ザシュッ!
金属が何かを切り裂く鋭い音が森に響いた。
フィナは背後を確認することなく、腰に装備していたロングソードを抜き放っていた。居合いの動作のように流麗で、目にも止まらぬ速さ。刀身が月光を反射し、一瞬だけ銀の軌跡を描く。
切断された触手が地面に落ち、どす黒い体液を撒き散らしながら痙攣するように暴れ回った。切断面からは湯気のような蒸気が立ち上り、異臭が辺りに漂う。
「やっと出てきたわね」
フィナの声には、狩人が獲物を見つけた時の興奮が含まれていた。
その時、周囲の様子が一変した。
風もないのに木々の葉がざわめき始め、幹がきしむ音が四方八方から響いてくる。まるで森全体が生きているかのように、不気味にうごめいていた。
「全方位から……来ます!」
ノクスが警告を発した瞬間、上空、左右、そして足元──あらゆる方向から太い触手が同時に襲いかかってきた。
様子を見ていたノクスの後頭部にも、樹皮に擬態した触手が迫る。
「別に俺と四歳しか違わないでしょう」
ノクスは振り向きもせず、右腕を後方に振り抜いた。
ドグシャッ!
裏拳が触手の中央部を捉える。ガントレットの硬質な表面と魔獣の柔らかい組織が衝突し、鈍い破裂音と共に体液が四方に飛び散った。触手は中央から大きく裂け、魔獣特有の悲鳴のような音を立てながら地面に墜落する。
フィナはそんなノクスの反応速度に満足そうな表情を浮かべながら、
「ちーがーいーまーすー。精神的な年齢のお話でーすー」
わざとらしく頬を膨らませている。戦闘中だというのに、どこか余裕綽々だった。
「確かに、精神年齢なら三十歳くらい上かもしれませんね」
ノクスは適当にあしらうように答えた。
「さ、さんじゅっ!? グフッ!」
フィナは精神的なダメージを受けたように、胸を押さえて後ずさりした。
「ふざけてないで、真面目にやりますよ。まだ一体も倒せてないんだから」
「三十足したらゴ……って、はいはい了解」
フィナは慌てて立ち直り、戦闘態勢に戻る。
ノクスは戦闘の構えを取り、リミッターを更に上げていく。
(リミッター解除……三〇パーセント!)
全身の筋肉が悲鳴を上げ始めた。筋繊維の一本一本が限界を超えて収縮し、骨格にも強烈な負荷がかかる。しかし出力は二次関数的に跳ね上がり、ノクスの身体能力は人間の常識を遥かに超えたレベルに達した。
既にジェスパ=ブルーン六体が完全に正体を現し、二人を取り囲んでいた。木に擬態していた魔獣たちは、今や巨大な肉食植物のような異形の姿を晒している。触手を蠢かせ、獲物を狙う複数の眼球がぎょろぎょろと動き回っていた。
ノクスは構わず、最も近い個体に向かって突進する。
ズドンッ!!
爆発のような音と共に、ノクスの姿が閃光のように消えた。次の瞬間、彼の右足がジェスパ=ブルーンの胴体部分に食い込んでいる。蹴りの衝撃で魔獣の外殻が割れ、内部の体液が噴出した。
ふくらはぎから太ももにかけて、筋肉が引き裂かれるような鈍い痛みが駆け巡る。三〇パーセントの出力は、スーツの保護があってもノクスの肉体に深刻なダメージを与えていた。
しかし痛みを無視し、吹き飛びそうになった魔獣の触手を左手で掴み、豪快に引き寄せる。
「まずは一体」
振り上げた右腕のガントレットが、魔力で赤熱し始めた。金属の表面が白熱し、周囲の空気が歪んで見える。ノクスの右腕の筋組織がフル稼働し、人間の限界を遥かに超えた破壊力を生み出していく。
ゴシャッ!!
赤熱したガントレットが、ジェスパ=ブルーンの胴体部分を完全に粉砕した。魔獣の体組織が爆発的に飛び散り、熱で焼けた体液の臭いが辺りに立ち込める。生命活動は瞬時に停止し、巨体が地面に崩れ落ちた。
「いつも言ってるけど、魔核壊したら追加ボーナスないからね」
フィナは警告するような口調で言いながら、自身の術式を発動させた。
《闇》影縛錠(かげばくじょう)
フィナの影が突然伸び始め、まるで生きているかのように地面を這って周囲の魔獣に向かっていく。影は触手のように変化し、ジェスパ=ブルーンの動きを瞬時に封じていく。
拘束された魔獣に向かって、フィナは優雅にロングソードを振るい、胴体を切り飛ばしていく。
「わかって、ますっ!」
ズドンッ!
ノクスは更に近くにいたジェスパ=ブルーンに向かって跳躍した。空中で体勢を整え、左手のガントレットで魔獣の頭部を鷲掴みにする。そのまま勢いを利用して魔獣を地面に叩きつけ、頭部を完全に固定した。
右手のガントレットが再び赤熱し始める。
バンッ!!
掌底の一撃が魔獣の胴体を内側から破裂させた。圧縮された力が一点に集中し、爆発的な破壊力となって魔獣の内部構造を完全に崩壊させる。
「きゃぁぁぁぁ、ノックスくんかっこいいーっ!」
フィナがふざけて歓声を上げる。
「フィナさん! そんなことしてると残り三体が逃げますよ!」
実際、残り三体のジェスパ=ブルーンは、仲間たちの無惨な最期を目の当たりにして、明らかに戦意を喪失していた。巨体を震わせながら、戦場から背を向けて逃走を図ろうとしている。
「……どうやって?(クスクス)」
フィナが意味深な笑みを浮かべた瞬間、逃げようとしていた三体が突然動きを止めた。
影縛錠
地面に伸びた影が、まるで黒い鎖のように三体の足を絡めとっている。どんなに暴れても、その拘束から逃れることはできない。
「ノックスくんは、術式適性ないから、こういうの出来ないもんねぇ」
フィナはゆっくりと歩み寄っていく。その足取りは悠然として、まるで散歩でもしているかのようだった。
ズバババッ!
三体のジェスパ=ブルーンの胴体が、ロングソードによって一瞬のうちに切り裂かれた。正確無比な剣筋が、魔獣の急所である魔核を避けながら、確実に生命活動を停止させていく。
「そのノックスくんってやめてください。あと、普通術式適性があっても、そんな事できる人滅多にいませんよ」
ノクスは荒い息を整えながら抗議した。全身の筋肉が激痛を訴え、立っているのがやっとの状況だった。
「そう? カリスあたりはこんなの余裕で出来るよ?」
フィナはそう言いながら、手慣れた様子で魔獣の死骸から魔核を抜き取っていく。その手際は職人のように正確で、無駄な動きが一切ない。
「あの人は人間型の異常個体ですよ」
ノクスは苦笑しながら答えた。
魔核を手早く回収した二人。フィナは腰の無線機で本部に通信を入れる。
「任務完了。これより帰還する」
簡潔に報告を済ませると、無線をしまった。
「いやぁ……付き合ってくれてありがとうね~、おかげでお姉さん楽できちゃった♪」
フィナは満足そうに伸びをしながら言った。
「……」
ノクスは応えなかった。全身の痛みと疲労で、会話する余裕すらない状況だった。
フィナはふざけた表情をやめ、心配そうにノクスを見つめた。
「……大丈夫かい? 無属性のキミは、肉体強化系を特化させるしかないから、肉体への反動酷いだろ?」
その声には、普段の軽薄さはなく、純粋な心配が込められていた。
ノクスはゆっくりと口を開いた。
「……大丈夫です。だいぶ痛みも引いてきましたから」
嘘だった。痛みは引くどころか、時間が経つにつれて増している。筋肉の損傷が深刻になっているのだ。
「そう? それならいいけど……まぁ帰りはゆっくり帰ろう。さすがにリミッター外してここまで来ちゃったから、結構限界近いっしょ?」
フィナは見透かしたような目でノクスを見つめた。
「本当に大丈夫です……五パーセントくらいならまだ出せますから」
ノクスは苦痛を抑えた表情で答えた。実際のところ、リミッター解除どころか、普通に歩くのすら困難な状況だった。
「無理はしなくていいよー、本当に助かったよ。私強いけど、さすがに複数戦だとねー、視界に収めないと術式起動できないし、影縛以外は物理干渉スキルないからさ」
フィナは自分の術式の制約を説明しながら、ノクスの肩を支えるような位置に移動した。
「わかってますって……何年一緒にいると思ってるんですか」
「あはは~二年だね~」
「この二年で追いつけるかと思ったけど、本当に遠いですね」
ノクスは率直に自分の限界を認めた。
フィナは自慢げな顔をして──
「おっ! 私とやるかぁ?」
シュッシュッと拳を空に切ってみせた。その動きは軽やかで、戦闘の疲れなど微塵も感じさせない。
「まぁ、私を超えたいなら、まずはスーツの補助なしで、リミッター扱えるようになるんだね」
「精進します」
ノクスは素直に答えた。
公務の定刻から三時間後、ノクスたちは無事帰還した。
行きは到着から敵の殲滅まで二〇分以内に完了していたにも関わらず、ノクスの反動が予想以上に重く、帰りは二人でゆっくりと歩いて帰ってきたのである。夜の森を抜け、街道に出て、そして軍の施設まで──普段なら数十分の道のりを、休憩を挟みながら二時間以上かけて歩いた。
「普通に歩くと結構遠いんだねぇ」
フィナは汗一つかいていない。
「すいません、僕が不甲斐ないばかりに……」
ノクスは申し訳なさそうに頭を下げた。
「まぁまぁ……気にしない気にしない。それよりほら、魔核半分こ。暇ある時に換金しておきなよー」
フィナは魔核の入った袋をノクスに手渡した。ずっしりとした重みが、今夜の戦果を物語っている。
「すいません、いつも。フィナさんの方がいつも多く殲滅してるのに……」
「私は前衛がいて、初めて真価を発揮するタイプだから気にしなくていいよー。むしろ、変なことして機嫌損ねられて付いてきてくれなくなったら、私が大変になる」
フィナはそう言いながら、ふんすか、と鼻を鳴らした。
「あはは……そういうことにしておきます」
ノクスは苦笑しながら内心で思った。
(本気出したら、別にあの程度造作もないくせになぁ)
二人は軍の建物前で足を止める。深夜の施設は静まり返っており、警備員の足音だけが廊下に響いていた。
「じゃぁ、私は帰るけど、ちゃんとあの子……えーと妹ちゃん?」
「リアです。あと本当の妹ではないので、誤解しないでください」
ノクスは慌てて訂正した。
「そうそう、リアちゃんだ。まぁ、見た目は可愛いんだし、多少は大目に見て大事にしてあげなよぉ」
フィナは意味深な笑みを浮かべながら言った。
「ハハ……善処します」
「うんうん……善処したまえ。……たぶん闇深いから、拗らせるととんでもないことになるからね?」
フィナの何気ない一言に、ノクスの背筋が凍った。彼女の直感は、いつも的確すぎるほど当たる。
「ワァァァァ……平和な日常comeback……」
ノクスが悪態をつく中、フィナは手をひらひらと振りながら夜の闇に消えていく。その足音は軽やかで、まるで今夜の戦闘など存在しなかったかのようだった。
こうして任務を終えた二人は解散した。しかし、ノクスにはまだもう一つの試練が待っていた──リアとの再会である。彼女がこの三時間の間に何を考え、何を準備しているのか、想像するだけで恐ろしくなる。
魔獣との戦闘よりも、幼馴染との再会の方がよっぽど危険かもしれない──そんな予感を抱きながら、ノクスは重い足取りで事務室に向かった。
4話へ続く
ノクスとフィナは、漆黒の森を縫うように駆けていた。古い樹木が頭上で枝を絡ませ、まるで天然の屋根のように空を覆い隠している。月明かりがわずかに木々の隙間から差し込む中、落ち葉を踏みしめる二人の足音だけが、死のような静寂を破っていた。
「目標地点まであと二キロメートル。周囲の様子は?」
フィナの声が、冷たい夜気に響く。
「……静か過ぎる。鳥も虫も鳴いていない」
ノクスは立ち止まり、呼吸を整えながら周囲を警戒した。普段なら夜の森には様々な生き物の気配があるはずだが、今夜は異様なほどの静寂に包まれている。まるで森全体が息を潜めているかのように。
ガントレット型術式兵装が淡く青白い光を帯び始めた。金属の表面に魔力が収束し、微かな振動を発している。
「ノクスくん、そろそろ戦闘準備をしておいて」
フィナの表情が、任務モードへと切り替わった。
「了解」
ノクスは返事と同時に、ポケットから十センチメートル程度の球体を取り出す。手のひらサイズの黒い球体は、まるで生きているかのように脈動していた。そのボールに術力を注入すると、まるで水銀のように液状になり、ノクスの指先から腕、そして全身へと這い上がっていく。
液体は彼の体型に合わせて形を変え、黒いボディスーツの形状を作り出していく。
「申請出力は四〇パーセント。超えないようにしてよ」
フィナの声に、わずかな心配の色が混じった。
「わかりました」
液状のスーツが全身に行き渡ると、ノクスの体型にぴったりと密着した。まるで第二の皮膚のようにしなやかに動き、関節部分では柔軟性を保ちながら、筋肉の動きに完璧に追従する。
このパワースーツの真の役割は、装着者が意図的にリミッターを解除した際の反動を軽減することにある。通常、人間が身体能力の限界を超えた力を出せば、筋繊維の断裂や神経の損傷は避けられない。骨格にも想像を絶する負荷がかかり、最悪の場合は永続的な障害を負うことになる。
しかし、このスーツがあることで、ある程度までならその破壊的な反動を抑制できる──つまり、安全に「限界突破」が可能になるのだ。ただし、それでも使用者の肉体への負担は決して軽いものではない。
フィナはスーツの装着を済んだノクスを見て頷いた。
「よし、じゃぁ急ぐよ!」
その言葉と同時に、フィナの姿が霞のように消えた。いや、消えたのではない──人間の動体視力では捉えきれないほどの超高速で駆け出したのだ。
ノクスも続いて彼女を追う。
(リミッター解除二〇パーセント)
その意識と共に、ボディスーツが反応した。微細な電流のような感覚が全身を駆け巡り、筋肉の奥深くから力が湧き上がってくる。本来なら激痛を伴うはずの筋肉への過負荷が、スーツの力によって和らげられる。
それでも痛みは確実に存在していた。筋繊維が限界を超えて収縮し、骨格がきしむような感覚。生身なら動くことすら困難になるレベルの負荷だが、スーツがその大部分を吸収している。
ノクスは歯を食いしばりながら思った。
(フィナさん……本当にスーツなしで、生身でリミッター解除してるのか。どれだけ規格外なんだ……)
目の前を駆けるフィナの背中は、まるで散歩でもしているかのように余裕に満ちている。息も乱れず、足音も軽やか。まさに人間離れした身体能力だった。
痛みを無視しつつ、ノクスは必死にフィナに追いつこうとする。二人は暗闇の森を、まるで影のように駆け抜けていく。
しばらく駆け抜けていると、フィナが突然足を止めた。ノクスも慌てて停止する。
「止まって。観測班から言われたのはこの辺り。こんな森林にいるやつらなんて、あいつらしかいない」
フィナは「わかってるでしょ?」と言いたげな表情でノクスを見つめた。その瞳には、獲物を見つけた捕食者のような鋭さが宿っている。
「ジェスパ=ブルーンですか……なら上空からの奇襲に注意しないと」
ノクスは周辺の警戒を強めた。頭上の枝々、足元の根っこ、そして周囲の木々──どれが本物の植物で、どれが擬態した魔獣なのか判別がつかない。
フィナはそんなノクスの様子を観察しながら、くすりと笑った。
「あんた……本当に任務の時は、人格のスイッチ変わるよね。普段のあんたなら、『そ、そんなに見つめないでくださぁぁい』とか言って、笑わせてくれるのに」
「そんな余裕、今の俺にはないですからね」
ノクスは嘆息するフィナを横目に、ぼやくように答えた。戦場では一瞬の油断が命取りになる。特に擬態能力に長けた魔獣が相手なら尚更だ。
「あぁ、やだやだ、若いのにそんなこと言わないでよ」
その時──
暗闇の奥から、太い触手が音もなく伸びてきた。狙いはフィナの後頭部。樹皮のような質感を持つ触手は、まさに木の枝そのものに見える完璧な擬態だった。
ザシュッ!
金属が何かを切り裂く鋭い音が森に響いた。
フィナは背後を確認することなく、腰に装備していたロングソードを抜き放っていた。居合いの動作のように流麗で、目にも止まらぬ速さ。刀身が月光を反射し、一瞬だけ銀の軌跡を描く。
切断された触手が地面に落ち、どす黒い体液を撒き散らしながら痙攣するように暴れ回った。切断面からは湯気のような蒸気が立ち上り、異臭が辺りに漂う。
「やっと出てきたわね」
フィナの声には、狩人が獲物を見つけた時の興奮が含まれていた。
その時、周囲の様子が一変した。
風もないのに木々の葉がざわめき始め、幹がきしむ音が四方八方から響いてくる。まるで森全体が生きているかのように、不気味にうごめいていた。
「全方位から……来ます!」
ノクスが警告を発した瞬間、上空、左右、そして足元──あらゆる方向から太い触手が同時に襲いかかってきた。
様子を見ていたノクスの後頭部にも、樹皮に擬態した触手が迫る。
「別に俺と四歳しか違わないでしょう」
ノクスは振り向きもせず、右腕を後方に振り抜いた。
ドグシャッ!
裏拳が触手の中央部を捉える。ガントレットの硬質な表面と魔獣の柔らかい組織が衝突し、鈍い破裂音と共に体液が四方に飛び散った。触手は中央から大きく裂け、魔獣特有の悲鳴のような音を立てながら地面に墜落する。
フィナはそんなノクスの反応速度に満足そうな表情を浮かべながら、
「ちーがーいーまーすー。精神的な年齢のお話でーすー」
わざとらしく頬を膨らませている。戦闘中だというのに、どこか余裕綽々だった。
「確かに、精神年齢なら三十歳くらい上かもしれませんね」
ノクスは適当にあしらうように答えた。
「さ、さんじゅっ!? グフッ!」
フィナは精神的なダメージを受けたように、胸を押さえて後ずさりした。
「ふざけてないで、真面目にやりますよ。まだ一体も倒せてないんだから」
「三十足したらゴ……って、はいはい了解」
フィナは慌てて立ち直り、戦闘態勢に戻る。
ノクスは戦闘の構えを取り、リミッターを更に上げていく。
(リミッター解除……三〇パーセント!)
全身の筋肉が悲鳴を上げ始めた。筋繊維の一本一本が限界を超えて収縮し、骨格にも強烈な負荷がかかる。しかし出力は二次関数的に跳ね上がり、ノクスの身体能力は人間の常識を遥かに超えたレベルに達した。
既にジェスパ=ブルーン六体が完全に正体を現し、二人を取り囲んでいた。木に擬態していた魔獣たちは、今や巨大な肉食植物のような異形の姿を晒している。触手を蠢かせ、獲物を狙う複数の眼球がぎょろぎょろと動き回っていた。
ノクスは構わず、最も近い個体に向かって突進する。
ズドンッ!!
爆発のような音と共に、ノクスの姿が閃光のように消えた。次の瞬間、彼の右足がジェスパ=ブルーンの胴体部分に食い込んでいる。蹴りの衝撃で魔獣の外殻が割れ、内部の体液が噴出した。
ふくらはぎから太ももにかけて、筋肉が引き裂かれるような鈍い痛みが駆け巡る。三〇パーセントの出力は、スーツの保護があってもノクスの肉体に深刻なダメージを与えていた。
しかし痛みを無視し、吹き飛びそうになった魔獣の触手を左手で掴み、豪快に引き寄せる。
「まずは一体」
振り上げた右腕のガントレットが、魔力で赤熱し始めた。金属の表面が白熱し、周囲の空気が歪んで見える。ノクスの右腕の筋組織がフル稼働し、人間の限界を遥かに超えた破壊力を生み出していく。
ゴシャッ!!
赤熱したガントレットが、ジェスパ=ブルーンの胴体部分を完全に粉砕した。魔獣の体組織が爆発的に飛び散り、熱で焼けた体液の臭いが辺りに立ち込める。生命活動は瞬時に停止し、巨体が地面に崩れ落ちた。
「いつも言ってるけど、魔核壊したら追加ボーナスないからね」
フィナは警告するような口調で言いながら、自身の術式を発動させた。
《闇》影縛錠(かげばくじょう)
フィナの影が突然伸び始め、まるで生きているかのように地面を這って周囲の魔獣に向かっていく。影は触手のように変化し、ジェスパ=ブルーンの動きを瞬時に封じていく。
拘束された魔獣に向かって、フィナは優雅にロングソードを振るい、胴体を切り飛ばしていく。
「わかって、ますっ!」
ズドンッ!
ノクスは更に近くにいたジェスパ=ブルーンに向かって跳躍した。空中で体勢を整え、左手のガントレットで魔獣の頭部を鷲掴みにする。そのまま勢いを利用して魔獣を地面に叩きつけ、頭部を完全に固定した。
右手のガントレットが再び赤熱し始める。
バンッ!!
掌底の一撃が魔獣の胴体を内側から破裂させた。圧縮された力が一点に集中し、爆発的な破壊力となって魔獣の内部構造を完全に崩壊させる。
「きゃぁぁぁぁ、ノックスくんかっこいいーっ!」
フィナがふざけて歓声を上げる。
「フィナさん! そんなことしてると残り三体が逃げますよ!」
実際、残り三体のジェスパ=ブルーンは、仲間たちの無惨な最期を目の当たりにして、明らかに戦意を喪失していた。巨体を震わせながら、戦場から背を向けて逃走を図ろうとしている。
「……どうやって?(クスクス)」
フィナが意味深な笑みを浮かべた瞬間、逃げようとしていた三体が突然動きを止めた。
影縛錠
地面に伸びた影が、まるで黒い鎖のように三体の足を絡めとっている。どんなに暴れても、その拘束から逃れることはできない。
「ノックスくんは、術式適性ないから、こういうの出来ないもんねぇ」
フィナはゆっくりと歩み寄っていく。その足取りは悠然として、まるで散歩でもしているかのようだった。
ズバババッ!
三体のジェスパ=ブルーンの胴体が、ロングソードによって一瞬のうちに切り裂かれた。正確無比な剣筋が、魔獣の急所である魔核を避けながら、確実に生命活動を停止させていく。
「そのノックスくんってやめてください。あと、普通術式適性があっても、そんな事できる人滅多にいませんよ」
ノクスは荒い息を整えながら抗議した。全身の筋肉が激痛を訴え、立っているのがやっとの状況だった。
「そう? カリスあたりはこんなの余裕で出来るよ?」
フィナはそう言いながら、手慣れた様子で魔獣の死骸から魔核を抜き取っていく。その手際は職人のように正確で、無駄な動きが一切ない。
「あの人は人間型の異常個体ですよ」
ノクスは苦笑しながら答えた。
魔核を手早く回収した二人。フィナは腰の無線機で本部に通信を入れる。
「任務完了。これより帰還する」
簡潔に報告を済ませると、無線をしまった。
「いやぁ……付き合ってくれてありがとうね~、おかげでお姉さん楽できちゃった♪」
フィナは満足そうに伸びをしながら言った。
「……」
ノクスは応えなかった。全身の痛みと疲労で、会話する余裕すらない状況だった。
フィナはふざけた表情をやめ、心配そうにノクスを見つめた。
「……大丈夫かい? 無属性のキミは、肉体強化系を特化させるしかないから、肉体への反動酷いだろ?」
その声には、普段の軽薄さはなく、純粋な心配が込められていた。
ノクスはゆっくりと口を開いた。
「……大丈夫です。だいぶ痛みも引いてきましたから」
嘘だった。痛みは引くどころか、時間が経つにつれて増している。筋肉の損傷が深刻になっているのだ。
「そう? それならいいけど……まぁ帰りはゆっくり帰ろう。さすがにリミッター外してここまで来ちゃったから、結構限界近いっしょ?」
フィナは見透かしたような目でノクスを見つめた。
「本当に大丈夫です……五パーセントくらいならまだ出せますから」
ノクスは苦痛を抑えた表情で答えた。実際のところ、リミッター解除どころか、普通に歩くのすら困難な状況だった。
「無理はしなくていいよー、本当に助かったよ。私強いけど、さすがに複数戦だとねー、視界に収めないと術式起動できないし、影縛以外は物理干渉スキルないからさ」
フィナは自分の術式の制約を説明しながら、ノクスの肩を支えるような位置に移動した。
「わかってますって……何年一緒にいると思ってるんですか」
「あはは~二年だね~」
「この二年で追いつけるかと思ったけど、本当に遠いですね」
ノクスは率直に自分の限界を認めた。
フィナは自慢げな顔をして──
「おっ! 私とやるかぁ?」
シュッシュッと拳を空に切ってみせた。その動きは軽やかで、戦闘の疲れなど微塵も感じさせない。
「まぁ、私を超えたいなら、まずはスーツの補助なしで、リミッター扱えるようになるんだね」
「精進します」
ノクスは素直に答えた。
公務の定刻から三時間後、ノクスたちは無事帰還した。
行きは到着から敵の殲滅まで二〇分以内に完了していたにも関わらず、ノクスの反動が予想以上に重く、帰りは二人でゆっくりと歩いて帰ってきたのである。夜の森を抜け、街道に出て、そして軍の施設まで──普段なら数十分の道のりを、休憩を挟みながら二時間以上かけて歩いた。
「普通に歩くと結構遠いんだねぇ」
フィナは汗一つかいていない。
「すいません、僕が不甲斐ないばかりに……」
ノクスは申し訳なさそうに頭を下げた。
「まぁまぁ……気にしない気にしない。それよりほら、魔核半分こ。暇ある時に換金しておきなよー」
フィナは魔核の入った袋をノクスに手渡した。ずっしりとした重みが、今夜の戦果を物語っている。
「すいません、いつも。フィナさんの方がいつも多く殲滅してるのに……」
「私は前衛がいて、初めて真価を発揮するタイプだから気にしなくていいよー。むしろ、変なことして機嫌損ねられて付いてきてくれなくなったら、私が大変になる」
フィナはそう言いながら、ふんすか、と鼻を鳴らした。
「あはは……そういうことにしておきます」
ノクスは苦笑しながら内心で思った。
(本気出したら、別にあの程度造作もないくせになぁ)
二人は軍の建物前で足を止める。深夜の施設は静まり返っており、警備員の足音だけが廊下に響いていた。
「じゃぁ、私は帰るけど、ちゃんとあの子……えーと妹ちゃん?」
「リアです。あと本当の妹ではないので、誤解しないでください」
ノクスは慌てて訂正した。
「そうそう、リアちゃんだ。まぁ、見た目は可愛いんだし、多少は大目に見て大事にしてあげなよぉ」
フィナは意味深な笑みを浮かべながら言った。
「ハハ……善処します」
「うんうん……善処したまえ。……たぶん闇深いから、拗らせるととんでもないことになるからね?」
フィナの何気ない一言に、ノクスの背筋が凍った。彼女の直感は、いつも的確すぎるほど当たる。
「ワァァァァ……平和な日常comeback……」
ノクスが悪態をつく中、フィナは手をひらひらと振りながら夜の闇に消えていく。その足音は軽やかで、まるで今夜の戦闘など存在しなかったかのようだった。
こうして任務を終えた二人は解散した。しかし、ノクスにはまだもう一つの試練が待っていた──リアとの再会である。彼女がこの三時間の間に何を考え、何を準備しているのか、想像するだけで恐ろしくなる。
魔獣との戦闘よりも、幼馴染との再会の方がよっぽど危険かもしれない──そんな予感を抱きながら、ノクスは重い足取りで事務室に向かった。
4話へ続く
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