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拭き掃除のシンデレラ
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そしてハルカと一緒に青空荘を出た後で
アパートから徒歩2分くらいの場所に立っている、
めっちゃ綺麗な5階立てのマンションに着いた恵はこの後ハルカに案内されながら
*****
「ここが私のマンションだよ~、入って入って~」
「うわぁ凄く綺麗なマンションですね~、
じゃあお言葉に甘えてお邪魔しまーす」
こうして早速ハルカの部屋である、夢崎ハイツの503号室にお邪魔をしたけれど……
広々とした1LDKの部屋はあまりにもオシャレで素敵だったので
「やっぱ綺麗なマンションって本当に素敵ですよね~。
私もこんなマンションに住んでみたいけど、きっと家賃が高いんだろうなぁ」
と思わず素直に家賃の話を振ってみたら
「えっ?そんなに高くないよ?
だってこの部屋の家賃は16万ジャストだから~、
その気になれば恵ちゃんにも借りられると思うよ?
じゃあ私はアールグレイの紅茶を入れてくるからぁ、
恵ちゃんはこのソファーに座ってテレビを見ててね~?」
て感じの上機嫌なハルカに
トンデモナイ金額の家賃をサラッと言われたので
(この部屋って16万もする部屋だったの?
じゃあ私は未来永劫、ずーっと夢崎ハイツの住民にはなれないよ~)
と密かに呟く恵は正直、ハルカの生活力にビックリしていたが
そんな事を考えているうちに、
紅茶を持ったハルカがリビングのソファーに来てくれたから
*****
この後ハルカと二人で可愛い花柄のソファーに座って
美味しい紅茶と安物のバームクーヘンを食べながら
大画面のテレビの前で夜のお茶会をしていた恵はとても幸せだったのに
紅茶を全部飲んだハルカはニコニコしながら数枚の写真を持ってきて
「じゃあ今から仕事の説明をするからぁ、
とりあえずお店の写真を見せるけどぉ、この写真を見ればぁ
Clubベルサイユが何屋なのかが直ぐに分かるからぁ、て事で一緒に見ようね~、
まずはこの写真がお店の写真でぇ、それとココに映っている人がナンバー2の愛さんでぇ」
て感じのイミフな写真をテーブルの上に並べながら
「それでね?メンバーさんの面接わ~、
オーナーじゃなくてチーフがする事になってるんだけどぉ、
私の紹介なら絶対に受かるからさ?明日面接を受けてみなよ恵ちゃん、
ちなみにメンバーさんの時給は1800円がスタートラインだからぁ、
5時間で9000円も稼げるんだよぉ?結構いい感じでしょ?」
と夢の様に訳が分からない話をされたので
チーフもメンバーもキンキラキンのClubベルサイユとやらも
全部まとめて何がなんだかサッパリ意味が分からない恵は取り敢えず、
5時間で9000円も稼げる給料の事だけを考えながら
(確かに時給1800円は凄いけどさ?
ハルカさんには私の怪力がバレちゃったからなぁ……
あれがバレると色々と面倒なんだよね~。
正義の力はいつでも使える力じゃないからアレをあてにされても困るし、
でも もしも、ハルカさんが私の力を黙っててくれるんなら、
次の仕事が決まる迄の間だけはキンキラキンの写真の店で
アルバイトとして雇ってもらえたら、本当は凄く助かるんだけどね~……)
でもそんな事は有り得ないから
やっぱ この話は断った方が無難だよね~残念だけど……
て感じで諦めていたのに、この後いきなりハルカが真剣な眼差しで
明らかに困った表情で下を向いている恵をジッと見つめながら……
「あ~っ!もしかして力仕事をさせられるかも~?
とか思ってる~?大丈夫だよ恵ちゃん、さっき青空荘で見た事は、
誰にも言わないから安心していいよ?だってこの仕事をしてる人わぁ、
色んな事を抱えてる人が殆どだからぁ、人の事を詮索しちゃダメだしぃ、
ハルカもそれだけは分かっているつもりだしぃ……
だからぁ、明日は私と一緒にお店に行こうよ恵ちゃん」
とニッコリ微笑んで
不安だらけの恵を再びClubベルサイユに導いてくれたから……
「わかりました、じゃあ明日はハルカさんと一緒に
Clubベルサイユに行きますから、えっとその~、宜しくお願いしますね」
「うん、勿論だよ恵ちゃん、明日はハルカと一緒に頑張ろうね~」
こうしてClubベルサイユの女神みたいなハルカと二人で明日の夜に、
チーフの面接を受ける事が決まった恵はこの後すぐに、
アオダイショウでお馴染みの青空荘に帰ったが……
*****
まるでホラー映画みたいな青空荘の201号室は
(…って言うか、どの方向から見ても
魔法が解けたシンデレラみたいに残念なアパートだなぁ)
と盛大な溜め息が出る位に兎に角ヤバいから、
このあと急いで大掃除の続きを再開した恵は
真っ黒な床を綺麗になるまで何度も何度も丁寧に拭いていたけれど、
夜中の12時を過ぎた頃に……
今にも崩れそうな古いアパートの床を一人ぼっちで拭いていたら
なんだか本物の灰かぶりみたいな情けない気持ちになってきたので
思わず掃除の手を止めた恵は 一旦頭をリセットする為に
小さな窓から見える星空を眺めながら
(サファイアホテルの露天風呂は、彰さんみたいに綺麗なバラが浮いていて、
オシャレなリビングも大きなベッドも。彰さんの様にキラキラしてて凄く綺麗だったなぁ。
ところで私の王子様は…あの後ちゃんと家に帰ったかな?奥様と仲直りが出来たかな?)
と心の中で彰の幸せを祈っていたが、
ふと気が付けば恵の大きな瞳には、キラキラと輝く涙が溢れ始めていた。
アパートから徒歩2分くらいの場所に立っている、
めっちゃ綺麗な5階立てのマンションに着いた恵はこの後ハルカに案内されながら
*****
「ここが私のマンションだよ~、入って入って~」
「うわぁ凄く綺麗なマンションですね~、
じゃあお言葉に甘えてお邪魔しまーす」
こうして早速ハルカの部屋である、夢崎ハイツの503号室にお邪魔をしたけれど……
広々とした1LDKの部屋はあまりにもオシャレで素敵だったので
「やっぱ綺麗なマンションって本当に素敵ですよね~。
私もこんなマンションに住んでみたいけど、きっと家賃が高いんだろうなぁ」
と思わず素直に家賃の話を振ってみたら
「えっ?そんなに高くないよ?
だってこの部屋の家賃は16万ジャストだから~、
その気になれば恵ちゃんにも借りられると思うよ?
じゃあ私はアールグレイの紅茶を入れてくるからぁ、
恵ちゃんはこのソファーに座ってテレビを見ててね~?」
て感じの上機嫌なハルカに
トンデモナイ金額の家賃をサラッと言われたので
(この部屋って16万もする部屋だったの?
じゃあ私は未来永劫、ずーっと夢崎ハイツの住民にはなれないよ~)
と密かに呟く恵は正直、ハルカの生活力にビックリしていたが
そんな事を考えているうちに、
紅茶を持ったハルカがリビングのソファーに来てくれたから
*****
この後ハルカと二人で可愛い花柄のソファーに座って
美味しい紅茶と安物のバームクーヘンを食べながら
大画面のテレビの前で夜のお茶会をしていた恵はとても幸せだったのに
紅茶を全部飲んだハルカはニコニコしながら数枚の写真を持ってきて
「じゃあ今から仕事の説明をするからぁ、
とりあえずお店の写真を見せるけどぉ、この写真を見ればぁ
Clubベルサイユが何屋なのかが直ぐに分かるからぁ、て事で一緒に見ようね~、
まずはこの写真がお店の写真でぇ、それとココに映っている人がナンバー2の愛さんでぇ」
て感じのイミフな写真をテーブルの上に並べながら
「それでね?メンバーさんの面接わ~、
オーナーじゃなくてチーフがする事になってるんだけどぉ、
私の紹介なら絶対に受かるからさ?明日面接を受けてみなよ恵ちゃん、
ちなみにメンバーさんの時給は1800円がスタートラインだからぁ、
5時間で9000円も稼げるんだよぉ?結構いい感じでしょ?」
と夢の様に訳が分からない話をされたので
チーフもメンバーもキンキラキンのClubベルサイユとやらも
全部まとめて何がなんだかサッパリ意味が分からない恵は取り敢えず、
5時間で9000円も稼げる給料の事だけを考えながら
(確かに時給1800円は凄いけどさ?
ハルカさんには私の怪力がバレちゃったからなぁ……
あれがバレると色々と面倒なんだよね~。
正義の力はいつでも使える力じゃないからアレをあてにされても困るし、
でも もしも、ハルカさんが私の力を黙っててくれるんなら、
次の仕事が決まる迄の間だけはキンキラキンの写真の店で
アルバイトとして雇ってもらえたら、本当は凄く助かるんだけどね~……)
でもそんな事は有り得ないから
やっぱ この話は断った方が無難だよね~残念だけど……
て感じで諦めていたのに、この後いきなりハルカが真剣な眼差しで
明らかに困った表情で下を向いている恵をジッと見つめながら……
「あ~っ!もしかして力仕事をさせられるかも~?
とか思ってる~?大丈夫だよ恵ちゃん、さっき青空荘で見た事は、
誰にも言わないから安心していいよ?だってこの仕事をしてる人わぁ、
色んな事を抱えてる人が殆どだからぁ、人の事を詮索しちゃダメだしぃ、
ハルカもそれだけは分かっているつもりだしぃ……
だからぁ、明日は私と一緒にお店に行こうよ恵ちゃん」
とニッコリ微笑んで
不安だらけの恵を再びClubベルサイユに導いてくれたから……
「わかりました、じゃあ明日はハルカさんと一緒に
Clubベルサイユに行きますから、えっとその~、宜しくお願いしますね」
「うん、勿論だよ恵ちゃん、明日はハルカと一緒に頑張ろうね~」
こうしてClubベルサイユの女神みたいなハルカと二人で明日の夜に、
チーフの面接を受ける事が決まった恵はこの後すぐに、
アオダイショウでお馴染みの青空荘に帰ったが……
*****
まるでホラー映画みたいな青空荘の201号室は
(…って言うか、どの方向から見ても
魔法が解けたシンデレラみたいに残念なアパートだなぁ)
と盛大な溜め息が出る位に兎に角ヤバいから、
このあと急いで大掃除の続きを再開した恵は
真っ黒な床を綺麗になるまで何度も何度も丁寧に拭いていたけれど、
夜中の12時を過ぎた頃に……
今にも崩れそうな古いアパートの床を一人ぼっちで拭いていたら
なんだか本物の灰かぶりみたいな情けない気持ちになってきたので
思わず掃除の手を止めた恵は 一旦頭をリセットする為に
小さな窓から見える星空を眺めながら
(サファイアホテルの露天風呂は、彰さんみたいに綺麗なバラが浮いていて、
オシャレなリビングも大きなベッドも。彰さんの様にキラキラしてて凄く綺麗だったなぁ。
ところで私の王子様は…あの後ちゃんと家に帰ったかな?奥様と仲直りが出来たかな?)
と心の中で彰の幸せを祈っていたが、
ふと気が付けば恵の大きな瞳には、キラキラと輝く涙が溢れ始めていた。
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