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彰編 Clubベルサイユの奇跡
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そして彰はこの後も
あの日の素晴らしいライブを思い出しながら
(まぁ今回の件は俺が勝手に動いている訳だから
翔達のデビューがすんなりと決定するかどうかは正直まだ分からないけれど
そもそも翔はメジャーデビューをする気がないと言っているし、しかも翔がプロ入りを断る理由は、
鋼牙がオブシディアンの正式メンバーを嫌がった時と全く同じ事が原因だから、
このままトントン拍子にデビュー決定って事にはならないかもな?
でも早瀬組長の孫である翔の苦労が理解できる人間は、きっと鋼牙だけだから
翔と鋼牙が素直な気持ちで時間をかけて話し合いをすれば、必ず良い結果に繋がる筈だよな?)
なんて素敵な事を平和な頭で考えていたけれど……
そんな彰の目の前で、この後いきなり車を停めた村上に、
「ではでは円行寺副社長!
只今から残業タイムを頑張りますので
今夜もハルカちゃんを僕のテーブルに呼んで下さいね?」
と上機嫌な声で話し掛けられたので
慌てて辺りを見渡した彰はこの後すぐに
いつの間にか到着していた目的地のビルを見上げながら
「ん?あ、あぁ、なる程ハルカね?
そりゃあもちろん今夜もあの子をお前の席に付けるよ~村上」
て感じの適当な返事をした後で車を降りて、
そしていつもの様にエレベーターで最上階のClubベルサイユに向かい、
その後サッサと奥の事務所に行こうとしたのだが
*****
次の瞬間、いきなり彰が見たものは、なんと!
「どうして会長は何回も私をこの席に呼ぶの?」
と元気な声で7番テーブルに向かう恵の姿だったから……!
(えっ?どうして恵が…ココに居るんだ?)
とは言えない彰は早くも目に涙を浮かべながら
(つまりこれは…きっとこれは…!
璃音の時に起こった奇跡が、この俺にも起きたって事だよな?)
こうして遂に……
昨日の夜からずっと探していた恵と運命的な再会を果たした彰は
敢えてゆっくりとした足取りで恵の元に向かったが、
何故かこのタイミングで7番テーブルからは
「ラーメン?星野会長は俺と一緒にラーメンを食べたいのか?」
「うん勿論!だって会長同士の友情は
狭いラーメン屋でチャーシュー麺を食べる事から始まるんだもん」
「ちょっと貴女!たかがホールメンバーの癖に
会長に向かってなんて失礼な事を言うの?今すぐ謝りなさい!」
「まぁまぁ愛さん落ち着いて~、きっと彼女は何も分かっていないのよ」
て感じのカオスな会話が聞こえてきたので
(悪いな鋼牙、お前が指名した女は俺のシンデレラだから
お前が恵とラーメン屋に行く事は絶対にないと思うぜ?)
と心で呟きながら
わざと鋼牙に見せつける様な体勢で恵にキスをして、
やっとの思いで幸せの青い鳥を捕まえたのに……
何故か鬼嫁がいる事にされた彰はまたまたサファイアホテルの時みたいに、
「でも彰さんとは昨日出逢ったばかりだし……
いきなり将来結婚とか言われても…正直ちょっと困るんですよね~」
と逃げる気マンマンの可愛い小鳥に正論を言われたから……
(まぁ確かに俺とお前は昨日出逢ったばかりだけど
百戦錬磨の俺を相手に一般的な常識が通用する筈がないだろう?
なぜならお前はもう既に、俺『だけ』のシンデレラになったんだから、
だから俺は必ず今からお前を連れて帰るよ?どんな手を使ってもね?フフフッ……)
こうして今夜も百戦錬磨の彰は速攻で恵を酔わせた後で、
完全に意識を飛ばした恵を連れて自宅マンションへと向かったが……
まさかこの時もう既に、
青い小鳥がルビーの件に首を突っ込んでいたとは夢にも思っていなかったから
小さな恵が最強シンデレラである事を知っている都会の人間が……
会長繋がりの鋼牙一人である事も、もちろん彰は1ミクロンも気付いていなかった。
**********
そして最後に場面は変わり、
一方その頃の涼宮鋼牙は広い自宅の会議室で
東涼会の副会長であり、
しかも大親友の早乙女達也に今夜の報告を受けながら……
「おかえり鋼牙、久し振りの外出は楽しかったかい?」
「まぁな、それでヤツの身元は割れたのか?」
「えぇ、もちろん.。
この男の調査は先ほど終わりましたよ鋼牙。
では今から報告をしますが、この間抜けなヒットマンは、
花沢ゴンザレスと言う名前の殺し屋で、
剛力組の剛力竜とは幼馴染の関係でしたから
きっとClubベルサイユの誰かが剛力組と繋がっていて、
鋼牙と璃音が店に来る日を剛力の若頭に知らせたんでしょうね」
「そうか…じゃあClubベルサイユに剛力竜の女が居ると言う事になるから、
忙しいところを悪いが達也、早急にその女が誰なのかを特定してくれないか?」
「わかりました鋼牙、俺に任せておきなさい」
こうして早速この件を詳しく調べる事にしたけれど
この時の鋼牙は勿論まだ、
殺し屋の花沢ゴンザレスが彰のルビーをどこかに隠した状態で
警察に逮捕されていた事を全く気付いていなかった。
あの日の素晴らしいライブを思い出しながら
(まぁ今回の件は俺が勝手に動いている訳だから
翔達のデビューがすんなりと決定するかどうかは正直まだ分からないけれど
そもそも翔はメジャーデビューをする気がないと言っているし、しかも翔がプロ入りを断る理由は、
鋼牙がオブシディアンの正式メンバーを嫌がった時と全く同じ事が原因だから、
このままトントン拍子にデビュー決定って事にはならないかもな?
でも早瀬組長の孫である翔の苦労が理解できる人間は、きっと鋼牙だけだから
翔と鋼牙が素直な気持ちで時間をかけて話し合いをすれば、必ず良い結果に繋がる筈だよな?)
なんて素敵な事を平和な頭で考えていたけれど……
そんな彰の目の前で、この後いきなり車を停めた村上に、
「ではでは円行寺副社長!
只今から残業タイムを頑張りますので
今夜もハルカちゃんを僕のテーブルに呼んで下さいね?」
と上機嫌な声で話し掛けられたので
慌てて辺りを見渡した彰はこの後すぐに
いつの間にか到着していた目的地のビルを見上げながら
「ん?あ、あぁ、なる程ハルカね?
そりゃあもちろん今夜もあの子をお前の席に付けるよ~村上」
て感じの適当な返事をした後で車を降りて、
そしていつもの様にエレベーターで最上階のClubベルサイユに向かい、
その後サッサと奥の事務所に行こうとしたのだが
*****
次の瞬間、いきなり彰が見たものは、なんと!
「どうして会長は何回も私をこの席に呼ぶの?」
と元気な声で7番テーブルに向かう恵の姿だったから……!
(えっ?どうして恵が…ココに居るんだ?)
とは言えない彰は早くも目に涙を浮かべながら
(つまりこれは…きっとこれは…!
璃音の時に起こった奇跡が、この俺にも起きたって事だよな?)
こうして遂に……
昨日の夜からずっと探していた恵と運命的な再会を果たした彰は
敢えてゆっくりとした足取りで恵の元に向かったが、
何故かこのタイミングで7番テーブルからは
「ラーメン?星野会長は俺と一緒にラーメンを食べたいのか?」
「うん勿論!だって会長同士の友情は
狭いラーメン屋でチャーシュー麺を食べる事から始まるんだもん」
「ちょっと貴女!たかがホールメンバーの癖に
会長に向かってなんて失礼な事を言うの?今すぐ謝りなさい!」
「まぁまぁ愛さん落ち着いて~、きっと彼女は何も分かっていないのよ」
て感じのカオスな会話が聞こえてきたので
(悪いな鋼牙、お前が指名した女は俺のシンデレラだから
お前が恵とラーメン屋に行く事は絶対にないと思うぜ?)
と心で呟きながら
わざと鋼牙に見せつける様な体勢で恵にキスをして、
やっとの思いで幸せの青い鳥を捕まえたのに……
何故か鬼嫁がいる事にされた彰はまたまたサファイアホテルの時みたいに、
「でも彰さんとは昨日出逢ったばかりだし……
いきなり将来結婚とか言われても…正直ちょっと困るんですよね~」
と逃げる気マンマンの可愛い小鳥に正論を言われたから……
(まぁ確かに俺とお前は昨日出逢ったばかりだけど
百戦錬磨の俺を相手に一般的な常識が通用する筈がないだろう?
なぜならお前はもう既に、俺『だけ』のシンデレラになったんだから、
だから俺は必ず今からお前を連れて帰るよ?どんな手を使ってもね?フフフッ……)
こうして今夜も百戦錬磨の彰は速攻で恵を酔わせた後で、
完全に意識を飛ばした恵を連れて自宅マンションへと向かったが……
まさかこの時もう既に、
青い小鳥がルビーの件に首を突っ込んでいたとは夢にも思っていなかったから
小さな恵が最強シンデレラである事を知っている都会の人間が……
会長繋がりの鋼牙一人である事も、もちろん彰は1ミクロンも気付いていなかった。
**********
そして最後に場面は変わり、
一方その頃の涼宮鋼牙は広い自宅の会議室で
東涼会の副会長であり、
しかも大親友の早乙女達也に今夜の報告を受けながら……
「おかえり鋼牙、久し振りの外出は楽しかったかい?」
「まぁな、それでヤツの身元は割れたのか?」
「えぇ、もちろん.。
この男の調査は先ほど終わりましたよ鋼牙。
では今から報告をしますが、この間抜けなヒットマンは、
花沢ゴンザレスと言う名前の殺し屋で、
剛力組の剛力竜とは幼馴染の関係でしたから
きっとClubベルサイユの誰かが剛力組と繋がっていて、
鋼牙と璃音が店に来る日を剛力の若頭に知らせたんでしょうね」
「そうか…じゃあClubベルサイユに剛力竜の女が居ると言う事になるから、
忙しいところを悪いが達也、早急にその女が誰なのかを特定してくれないか?」
「わかりました鋼牙、俺に任せておきなさい」
こうして早速この件を詳しく調べる事にしたけれど
この時の鋼牙は勿論まだ、
殺し屋の花沢ゴンザレスが彰のルビーをどこかに隠した状態で
警察に逮捕されていた事を全く気付いていなかった。
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