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呑気な桐生と冴え渡る恵
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こうして彰と一緒にトマトが入ったすき焼きを食べた翌日の朝……
今日は早めに出掛けた彰を玄関まで見送った恵は急いでリビングへと戻り、
お洒落なキャビネットの上に置かせてもらった仏壇ワールドの小さな家から
大好きなお婆ちゃんの御位牌を取り出して……
*****
(おはようお婆ちゃん……
今日から私はカーネリアンホールで仕事が出来るんだよね?
これって夢じゃないよね?なんか最近、幸せ過ぎて怖いから、
本当は青空荘で蛇に噛まれて気絶した私の夢落ちとかじゃないよね?)
と珍しく弱気な事を思いながら
(ねぇお婆ちゃんお願い!
夢じゃないよ恵ちゃんって言ってよーー!)
て感じで朝からお婆ちゃんに無理難題を吹っ掛けていたけれど
そんな事よりも あと25分でバスに乗らなければならないので……
(あっ!そろそろバスがくる時間だから
今から急いで仕事に行く準備をしなくっちゃ!
でも今日は大切な初出勤の日だから……
お婆ちゃんが買ってくれた白いハンカチを持って仕事に行こうかな?
…って事で今日はずーっと一緒に居ようね~お婆ちゃん)
こうして慌てて出掛ける準備を済ませた恵はこの後すぐに
「じゃあ行ってきます!」と、ついつい いつもの癖で
誰も居ないマンションの部屋に向かって挨拶をしながら家を出て、
このままの勢いで近所のバス停に向かい、
そしてサッサとバスに乗ってカーネリアンホールの前でバスを降りて深呼吸をした後で……
(ここが私の職場だよお婆ちゃん、
やっと私は社会人になれたから、今日から一緒に仕事を頑張ろうね!)
と大好きなお婆ちゃんに嬉しい報告をしながら白いハンカチを握りしめ、
そして、いざ!
「おはようございま~す」と元気に挨拶をした後で
真っ赤な屋根のカーネリアンホールに入ってみたら
*****
「おはよう恵ちゃん、今日から宜しくな
じゃあ早速ロッカールームに案内するから付いてきてよ」
とニコニコしているワイルドなファッションの桐生店長が声を掛けてくれたので
「はい店長、こちらこそ宜しくお願いします!」と返事をした恵は遂に今から仕事をする事になったけど
このままスタスタと従業員の休憩室へと向かう桐生店長の真後ろで
次の瞬間、最強シンデレラは またしても!
(ん?あれれれ?えっと桐生店長のチェーンベルトに付いてる、
キンキラキンの派手なシルバーアクセサリーはドコをどう見ても
わりと高性能なライター型の、シルバー盗聴器……だよね?)
なんと、このタイミングで
桐生の腰にジャラジャラと付けられていたチェーンアクセの中に潜む……
高性能のシルバー型盗聴器を偶然に発見したので
(どうして桐生店長はあんなものを付けて仕事をしているの?
誰かに盗聴されている事を知った上で、自分の会話を聞かせる為にアレを付けてるの?
それとも残念な事に全く何も気付いていないの?これはちょっと揺さぶりを掛けなきゃダメだよね?)
と早くも捜査モードに入った恵は桐生と二人で事務所に向かい、
そしてこの直後、
「じゃあ取り敢えず、まずはこのタイムカードを押してくれる?
それと恵ちゃんのロッカーはここだから、荷物はここに入れて必ず鍵をかけといてね?
…って事で俺は先にカウンターに戻るから、準備が出来たら君もカウンターに戻ってくれるかい?」
「はい、わかりました店長。
…って言うか店長の『コレ』ってもしかして……
あーっ!やっぱコレって春川高校の男子に大人気の奴ですよ!
いやぁ、これってメッチャ凄い人気だから、
春川村じゃ一日で売り切れちゃうんですよね~、いいなぁ…私もコレ欲しかったなぁ」
て感じであくまで自然に、軽~く揺さぶりを掛けてみたのだが……
「へぇ?コレって田舎の高校生に人気があるのか……
いや実はコレな?今月の20日で寿退社をする予定の事務員から貰った奴なんだが、
今どきの若い子に人気があるモンをオッサンの俺が付けてもしょうがねぇからなぁ。
…って事で恵ちゃんにやるよ、ホレ」
「ありがとうございます店長!大切にしますね」
とまぁ、メチャメチャ簡単に今回の作戦をアッサリと成功させたので
(…って言うかこの盗聴器はさぁ、
とある盗聴マニアのブログに真夜中限定でインをして、
『盗聴最高』ってパスワードを入れた人だけが買える特殊な盗聴器なんだよねぇ……)
とは言えないヒーロー研究会の名誉会長は、
こうして早くもキナ臭い事務員の存在を知る事が出来たけど
そうは言っても今から恵は仕事をしなきゃいけないので
(今月の20日で寿退社って事はつまり、今日が3月17日だから、
あと3日で怪しい事務員の素性を調べなきゃダメって事だよね?)
と密かに今後の計画を立てながらも
この後カウンターに戻った恵はメッチャ真剣な態度で初めての仕事を頑張ったから、
だから恵は今まさに……!
*****
『へぇ?やるねぇキミ……
まさか恵がソレに気付いてくれるとは思わなかったよ。
まぁソレをひとつ処分したところで焼け石に水だけど……
一応とりあえず今回の事は礼を言うべきなのかな?フフフッ……』
と名誉店長のアベルが大きな鳥籠の中で
恵が持っているシルバー型の盗聴器をじーっと見つめながら
小さな声でトンデモナイ話を呟いていた事に全く気付いていなかったのだ……。
今日は早めに出掛けた彰を玄関まで見送った恵は急いでリビングへと戻り、
お洒落なキャビネットの上に置かせてもらった仏壇ワールドの小さな家から
大好きなお婆ちゃんの御位牌を取り出して……
*****
(おはようお婆ちゃん……
今日から私はカーネリアンホールで仕事が出来るんだよね?
これって夢じゃないよね?なんか最近、幸せ過ぎて怖いから、
本当は青空荘で蛇に噛まれて気絶した私の夢落ちとかじゃないよね?)
と珍しく弱気な事を思いながら
(ねぇお婆ちゃんお願い!
夢じゃないよ恵ちゃんって言ってよーー!)
て感じで朝からお婆ちゃんに無理難題を吹っ掛けていたけれど
そんな事よりも あと25分でバスに乗らなければならないので……
(あっ!そろそろバスがくる時間だから
今から急いで仕事に行く準備をしなくっちゃ!
でも今日は大切な初出勤の日だから……
お婆ちゃんが買ってくれた白いハンカチを持って仕事に行こうかな?
…って事で今日はずーっと一緒に居ようね~お婆ちゃん)
こうして慌てて出掛ける準備を済ませた恵はこの後すぐに
「じゃあ行ってきます!」と、ついつい いつもの癖で
誰も居ないマンションの部屋に向かって挨拶をしながら家を出て、
このままの勢いで近所のバス停に向かい、
そしてサッサとバスに乗ってカーネリアンホールの前でバスを降りて深呼吸をした後で……
(ここが私の職場だよお婆ちゃん、
やっと私は社会人になれたから、今日から一緒に仕事を頑張ろうね!)
と大好きなお婆ちゃんに嬉しい報告をしながら白いハンカチを握りしめ、
そして、いざ!
「おはようございま~す」と元気に挨拶をした後で
真っ赤な屋根のカーネリアンホールに入ってみたら
*****
「おはよう恵ちゃん、今日から宜しくな
じゃあ早速ロッカールームに案内するから付いてきてよ」
とニコニコしているワイルドなファッションの桐生店長が声を掛けてくれたので
「はい店長、こちらこそ宜しくお願いします!」と返事をした恵は遂に今から仕事をする事になったけど
このままスタスタと従業員の休憩室へと向かう桐生店長の真後ろで
次の瞬間、最強シンデレラは またしても!
(ん?あれれれ?えっと桐生店長のチェーンベルトに付いてる、
キンキラキンの派手なシルバーアクセサリーはドコをどう見ても
わりと高性能なライター型の、シルバー盗聴器……だよね?)
なんと、このタイミングで
桐生の腰にジャラジャラと付けられていたチェーンアクセの中に潜む……
高性能のシルバー型盗聴器を偶然に発見したので
(どうして桐生店長はあんなものを付けて仕事をしているの?
誰かに盗聴されている事を知った上で、自分の会話を聞かせる為にアレを付けてるの?
それとも残念な事に全く何も気付いていないの?これはちょっと揺さぶりを掛けなきゃダメだよね?)
と早くも捜査モードに入った恵は桐生と二人で事務所に向かい、
そしてこの直後、
「じゃあ取り敢えず、まずはこのタイムカードを押してくれる?
それと恵ちゃんのロッカーはここだから、荷物はここに入れて必ず鍵をかけといてね?
…って事で俺は先にカウンターに戻るから、準備が出来たら君もカウンターに戻ってくれるかい?」
「はい、わかりました店長。
…って言うか店長の『コレ』ってもしかして……
あーっ!やっぱコレって春川高校の男子に大人気の奴ですよ!
いやぁ、これってメッチャ凄い人気だから、
春川村じゃ一日で売り切れちゃうんですよね~、いいなぁ…私もコレ欲しかったなぁ」
て感じであくまで自然に、軽~く揺さぶりを掛けてみたのだが……
「へぇ?コレって田舎の高校生に人気があるのか……
いや実はコレな?今月の20日で寿退社をする予定の事務員から貰った奴なんだが、
今どきの若い子に人気があるモンをオッサンの俺が付けてもしょうがねぇからなぁ。
…って事で恵ちゃんにやるよ、ホレ」
「ありがとうございます店長!大切にしますね」
とまぁ、メチャメチャ簡単に今回の作戦をアッサリと成功させたので
(…って言うかこの盗聴器はさぁ、
とある盗聴マニアのブログに真夜中限定でインをして、
『盗聴最高』ってパスワードを入れた人だけが買える特殊な盗聴器なんだよねぇ……)
とは言えないヒーロー研究会の名誉会長は、
こうして早くもキナ臭い事務員の存在を知る事が出来たけど
そうは言っても今から恵は仕事をしなきゃいけないので
(今月の20日で寿退社って事はつまり、今日が3月17日だから、
あと3日で怪しい事務員の素性を調べなきゃダメって事だよね?)
と密かに今後の計画を立てながらも
この後カウンターに戻った恵はメッチャ真剣な態度で初めての仕事を頑張ったから、
だから恵は今まさに……!
*****
『へぇ?やるねぇキミ……
まさか恵がソレに気付いてくれるとは思わなかったよ。
まぁソレをひとつ処分したところで焼け石に水だけど……
一応とりあえず今回の事は礼を言うべきなのかな?フフフッ……』
と名誉店長のアベルが大きな鳥籠の中で
恵が持っているシルバー型の盗聴器をじーっと見つめながら
小さな声でトンデモナイ話を呟いていた事に全く気付いていなかったのだ……。
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