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初めての戦力外通告
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そしてメチャクチャになった店の真ん中で……
「……おぃ……」
「おい お前…怪我はないか?」
と心配そうな低い声の誰かに
自分の肩を揺さぶられていた事に気が付いた玲はこの直後、
(…えっ?…誰?)
と思いながら顔を上げてみると、
*****
なぜか玲の目の前に、
つい先ほど事務所で見かけた無言イケメンの男が立っていたので
もちろん玲はビックリしたが、今はそんな事よりも……
(えっと、どうして無言のイケメンさんがココに居るの?
…って言うか、どうして私はボーッとしながらココに立っていたの?
今すぐ急いでホールの掃除を始めないと、お店の人達が困るでしょ?)
こうしてまさにこの瞬間に、
今の自分は雑用係のホールメンバーだった事を思い出したので、
とりあえず目の前の無言イケメンさんに軽く頭を下げてすぐ、
床に落ちている割れたグラスをサッサと片付けようとしたけれど
次の瞬間、いきなり突然
この男性にグイッと腕を引っ張られた玲はこのままの勢いで
「危ないからグラスに触るな!怪我をしたらどうするつもりだ?」
と大きな声で注意をされながら
かなり強引にホールの外へと連れ出されたので、
思わず玲はこの直後
*****
「あの、ちょっと!どこに行くんですか?」
と無言のイケメン男に抗議をしてみたが、
慌てふためく玲の質問を華麗にスルーした男は
無言のままでスタスタと歩いて奥の事務所にトットと向かい、
そして無言でコミュ障の玲を事務所のソファーに座らせて
しかも無言で冷蔵庫から取ってきたオレンジジュースをテーブルの上に置いてすぐ
高そうなシガレットケースの中からオシャレな煙草を取り出して、
間髪入れずに現役高校生である玲の前で堂々と喫煙を始めながら……
最後に何故か高圧的な態度の無言で顎をしゃくって玲にジュースをすすめてきたけれど
(えっとこのジュースは…私が飲んでもいいのかな)
…とは言えないヘタレの玲は
初めてのバイトで凄く疲れてメッチャ喉が渇いていたので
とりあえず謎の無言イケメンさんにペコっと頭を下げた後、
冷たいジュースをゴクゴクと飲んでしまったが
そんな玲の姿を鋭い眼差しでジッと見ていた男は何故か
突然ソファーから立ち上がり
そしてこの後、玲に向かって唐突に、
「今日はもう帰れ……
お前…どこに住んでいるんだ?俺が家まで送ってやるよ」
と低い声でトンデモナイ事を言ったので
この瞬間にコミュ障の玲が固まっていた事は今さら言うまでもないが
そもそも長年のボッチ生活を極めた友達ゼロのJKが
名前も知らないイケメン男と一緒に帰宅をするなんて
天変地異が起きても絶対に有りえない事だから、
ついつい玲は心の中で………
(あのですねぇ…名前も知らない男性に
自分の住所を教える人って居るんですか?
…って言うか、そもそも貴方はドコの誰なの?)
と強気で吠えまくり、
そして思わずイケメン男のマネをして、無言で彼をジッと見上げてみたけれど
次の瞬間、この男性とバッチリ目が合った玲は案の定、
(うわっ!めっちゃ眼力が凄いよこの人ー!)
こうして僅か2秒でヘタレたので
結局またまた下を向いた負け犬は……
(えっと、そもそも この人はどこの誰?
あの時にホールの中を歩いていたと言う事は、
やっぱこの人もアルバイトなの?でもバイトにしたら年配っぽいし
なんだか凄いイケメンだし、しかも結構ヤバめな雰囲気の人だから、
こんな感じのイミフな人には、絶対に下手な事を言ったら駄目だよね)
と早くも尻尾を巻きながら
「えっと家族の者が迎えに来てくれるので、
送って頂かなくても大丈夫です。それであの~、
今日は美味しいジュースを飲ませてくれてありがとうございました」
て感じの適当な嘘をついたけど
玲の言葉を聞いた男は何故か寂しそうな眼差しで
「そうか、なら大丈夫だな……
じゃあ今夜はもう遅いから、気を付けて帰れよ?」
と一言だけを残した後で、サッサと事務所を出て行ったので
(えっ?どうして突然あんな風に
寂しそうな顔をしながら部屋を出て行ったの?
もしかして私、何か失礼な事を言ったのかなぁ……)
て事をけっこう本気で思ったが、
そんな事よりもこの直後……!
コンコンコン!ガチャッ!と事務所のドアが開いてすぐに
チーフのジュリアンが事務所の中に入って来て……
そしてこのままの勢いで
「えーと玲さん、今日はこれで仕事をあがって下さい。
それで そのぉ……急な話で悪いんですけど~……
玲さんには今日で店を辞めて頂く事になりましたので
もうココには来ないでくださいね」
と済まなさそうな表情で
ポカーンとしている玲に向かって突然クビを告げた後
クルッと踵を返して無言で部屋を出て行ったから
いきなりバイトをクビになった玲は為す術もなく、
誰も居ない静かな事務所で呆然と立ち尽くしていた。
「……おぃ……」
「おい お前…怪我はないか?」
と心配そうな低い声の誰かに
自分の肩を揺さぶられていた事に気が付いた玲はこの直後、
(…えっ?…誰?)
と思いながら顔を上げてみると、
*****
なぜか玲の目の前に、
つい先ほど事務所で見かけた無言イケメンの男が立っていたので
もちろん玲はビックリしたが、今はそんな事よりも……
(えっと、どうして無言のイケメンさんがココに居るの?
…って言うか、どうして私はボーッとしながらココに立っていたの?
今すぐ急いでホールの掃除を始めないと、お店の人達が困るでしょ?)
こうしてまさにこの瞬間に、
今の自分は雑用係のホールメンバーだった事を思い出したので、
とりあえず目の前の無言イケメンさんに軽く頭を下げてすぐ、
床に落ちている割れたグラスをサッサと片付けようとしたけれど
次の瞬間、いきなり突然
この男性にグイッと腕を引っ張られた玲はこのままの勢いで
「危ないからグラスに触るな!怪我をしたらどうするつもりだ?」
と大きな声で注意をされながら
かなり強引にホールの外へと連れ出されたので、
思わず玲はこの直後
*****
「あの、ちょっと!どこに行くんですか?」
と無言のイケメン男に抗議をしてみたが、
慌てふためく玲の質問を華麗にスルーした男は
無言のままでスタスタと歩いて奥の事務所にトットと向かい、
そして無言でコミュ障の玲を事務所のソファーに座らせて
しかも無言で冷蔵庫から取ってきたオレンジジュースをテーブルの上に置いてすぐ
高そうなシガレットケースの中からオシャレな煙草を取り出して、
間髪入れずに現役高校生である玲の前で堂々と喫煙を始めながら……
最後に何故か高圧的な態度の無言で顎をしゃくって玲にジュースをすすめてきたけれど
(えっとこのジュースは…私が飲んでもいいのかな)
…とは言えないヘタレの玲は
初めてのバイトで凄く疲れてメッチャ喉が渇いていたので
とりあえず謎の無言イケメンさんにペコっと頭を下げた後、
冷たいジュースをゴクゴクと飲んでしまったが
そんな玲の姿を鋭い眼差しでジッと見ていた男は何故か
突然ソファーから立ち上がり
そしてこの後、玲に向かって唐突に、
「今日はもう帰れ……
お前…どこに住んでいるんだ?俺が家まで送ってやるよ」
と低い声でトンデモナイ事を言ったので
この瞬間にコミュ障の玲が固まっていた事は今さら言うまでもないが
そもそも長年のボッチ生活を極めた友達ゼロのJKが
名前も知らないイケメン男と一緒に帰宅をするなんて
天変地異が起きても絶対に有りえない事だから、
ついつい玲は心の中で………
(あのですねぇ…名前も知らない男性に
自分の住所を教える人って居るんですか?
…って言うか、そもそも貴方はドコの誰なの?)
と強気で吠えまくり、
そして思わずイケメン男のマネをして、無言で彼をジッと見上げてみたけれど
次の瞬間、この男性とバッチリ目が合った玲は案の定、
(うわっ!めっちゃ眼力が凄いよこの人ー!)
こうして僅か2秒でヘタレたので
結局またまた下を向いた負け犬は……
(えっと、そもそも この人はどこの誰?
あの時にホールの中を歩いていたと言う事は、
やっぱこの人もアルバイトなの?でもバイトにしたら年配っぽいし
なんだか凄いイケメンだし、しかも結構ヤバめな雰囲気の人だから、
こんな感じのイミフな人には、絶対に下手な事を言ったら駄目だよね)
と早くも尻尾を巻きながら
「えっと家族の者が迎えに来てくれるので、
送って頂かなくても大丈夫です。それであの~、
今日は美味しいジュースを飲ませてくれてありがとうございました」
て感じの適当な嘘をついたけど
玲の言葉を聞いた男は何故か寂しそうな眼差しで
「そうか、なら大丈夫だな……
じゃあ今夜はもう遅いから、気を付けて帰れよ?」
と一言だけを残した後で、サッサと事務所を出て行ったので
(えっ?どうして突然あんな風に
寂しそうな顔をしながら部屋を出て行ったの?
もしかして私、何か失礼な事を言ったのかなぁ……)
て事をけっこう本気で思ったが、
そんな事よりもこの直後……!
コンコンコン!ガチャッ!と事務所のドアが開いてすぐに
チーフのジュリアンが事務所の中に入って来て……
そしてこのままの勢いで
「えーと玲さん、今日はこれで仕事をあがって下さい。
それで そのぉ……急な話で悪いんですけど~……
玲さんには今日で店を辞めて頂く事になりましたので
もうココには来ないでくださいね」
と済まなさそうな表情で
ポカーンとしている玲に向かって突然クビを告げた後
クルッと踵を返して無言で部屋を出て行ったから
いきなりバイトをクビになった玲は為す術もなく、
誰も居ない静かな事務所で呆然と立ち尽くしていた。
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