Ray of Light ~コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長~

Pink Diamond

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お先真っ暗な万年ぼっちの玲

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だから玲はこの後も

ずーーっと無言を貫きながら

(じゃあ今年の体育祭は……
生理痛と高熱と頭痛を理由にして、
朝の8時に電話をしてから欠席すればいいのかなぁ……)

て感じの残念すぎる仮病の理由を考えていたけれど、

そんな玲とは真逆のアグレッシブな桜はノリノリの表情で

これ見よがしにピンクのスマホで彰に電話を掛けた後……

*****

「もしもし彰さん?ねぇ彰さん助けて!
実は私、学校で酷い目に合ってしまったの!
えぇ…そうです…えぇ、そうよ…だから来週の体育祭に
ぜひ彰さんをお招きしたくて……えっ?いいんですか?
ありがとう彰さん!じゃあ喜んで当日の朝をお待ちしていますわ!」

甲高かんだかい声で彰と話をつけてすぐに……

キンコーン カーンコーン!と絶妙なタイミングで鳴り響いた昼休み終了のチャイムを聞きながら

そりゃあもう勝ち誇った表情でド派手な響を見下ろして


「さて 白鳥さん?これはとっても大切な事だから
不良の貴女でも分かる様に説明させて頂きますわね、ウフフ、
実は龍崎グループでナンバー2を張っている円行寺副社長が
私を守る為にね?体育祭の当日に来てくれる事になったんだけど~、
これでもまだ私が嘘をついて一条さんを苛めていると仰るのかしら~?」

て感じのドヤ顔的な勝利宣言をした後で、

終始無言の大人しい玲をジロっと睨みつけ……

そして不敵に微笑みながら


「あらあら 万年ぼっちの一条さんも残念だったわね~、
下品で煩い外国人タレントの家族だかなんだか知らないけど
たかが三流芸能人の娘が私達の璃音さんに手を出したりするから
全校生徒が見ている前で罰を受ける羽目になったのよ?
まぁせいぜい首を洗って、高校最後の体育祭を待っていればいいわ!」

とヤクザの様に玲を脅してサッサと倉庫を出ていったから

*****

そりゃあ勿論、この後すぐに桜と響のグループと

倉庫の前で騒いでいた野次馬生徒も次々と居なくなり、

そして誰も居ないシーンと静かな倉庫の中でポツンと佇むボッチの玲は

この後すこしの間だけ、呆然としながら独りで立っていたけれど

そうは言ってもこの後すぐに午後の授業が始まるので


(まぁ体育祭は休めば済む話だから、
とりあえず私も今から教室に戻ろうかな……)

と頭を切り替えて

銀色のバケツが散乱している薄暗い倉庫を後にして

そして勇気を振り絞りながら自分の教室へと向かったのに……

*****

この後いつもの様にランチバッグを右手に持って

ワイワイガヤガヤと騒がしい3Bの教室に到着した玲を待っていた『非情な現実』は……


「あっ、おかえり一条さん……
えっと、あれをやったのは~…ウチのクラスの人じゃないからね~」

と玲に向かって声を掛けたクラスメイトがジロジロと見ている……

真っ黒な油性のペンで『早く死ねよ!』と書かれた自分の机だったので!


(…えっ?なにアレ!酷い!)

とは言えないコミュ障がビックリしすぎて固まっていた事は今さら言うまでもないけれど

そんな事よりも次の瞬間、なんとも最悪なタイミングで教室の中に入ってきた数学の先生に


「ほらほら一条さん、どうしたの?早く自分の席に付きなさい」

と無慈悲な事を言われたので、

この後すぐにハイと返事をした玲は

もちろん急いで着席をしながら数学の教科書を出そうとしていたのに……

この後、信じられない事に!


「……痛っ!!」

なんと、教科書の中には……

鋭利な剃刀かみそりの刃が挟まれていたから!

この瞬間に人差し指がスパッと切れたボッチの玲は暗く悲しい表情で

(明日からも毎日こんな事が続いたら…やっぱり中退するしかないのかなぁ)

と残念すぎる独り言を密かに心で呟きながら

ズキズキと痛む指に絆創膏を貼った後、

お先真っ暗な自分の将来を早くも悲観していたが、

そんな玲の哀れな姿をめっちゃ心配そうな眼差しで

ベランダの手すりに止まった一羽の雀が見ていた事を、

満身創痍の孤独な玲は全く気付いていなかった……。
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