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璃音編 至上最高のヤバいデートでボッチになった御曹司
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そしてこの後も、あーだこーだと悩む璃音は一旦頭をリセットする為に
シガレットケースの中から出したオシャレな煙草に火を点けながら、
果たして今からどんな感じで玲と話をすべきかをわりと真剣に考えていたけれど……
*****
(もしもワンコールで電話が繋がったら
いったい俺はあの子に何を話せばいいんだ?
今日は災難だったなぁ玲…と言えばいいのか?
それとも今すぐ俺の嫁になればいいと言うべきなのか?)
なんて事しか想像できない恋愛音痴の金持ちが
これ以上グダグダと悩んでいても仕方がないので
結局いつもの ぶっつけ本場で挑む事を決意した璃音はこの勢いで
玲の携帯番号に電話を掛けた後すぐに、なるべく極力優しい声で
「もう学校は終わったのか?」と話し掛けてみたけれど
電話が繋がって10秒も経たない内に玲は泣き出したから……
きっと辛いであろう玲の気持ちを察した璃音は
自然なタイミングで体育祭の件についても少し触れてみたのだが
肝心の玲は岡田の娘に苛められている事を黙ったままで
涙をこらえて一生懸命に返事をしてくれたので………
このまま早めに電話を切った璃音はこのままの勢いで
(お前は心が強い子だから……
最後までずっと岡田の事を黙っていたと思うが
だがもう何も心配しなくていい…なぜならお前には、
この俺が付いているからな。岡田の娘の件は全て俺に任せておけ!)
と決意も新たに今日の仕事を終わらせて
そして翌日気合いを入れて、彰と一緒に桜ヶ丘の体育祭に出向いたが、
やはり女の扱いに関しては有能な彰が、全校生徒の前でハッキリと
岡田桜のヤバい本性を暴露したから、これで岡田の問題は全て解決できた筈なのに
一難去ってまた一難、
翌日の夜に彰から掛かってきた一本の電話が、再び璃音を真っ青にさせたのだ。
なぜなら彰が話した電話の内容は……!
*****
「おい璃音!今すぐ玲ちゃんの携帯に電話をかけろ!
さっきベルサイユのハルカから連絡があったんだけど、
どうやら玲ちゃんはハルカと一緒に涼子の家に行ったみたいだ」
なんと!涼子の件だったから
「なんだと?じゃあ まさか!
あの狂気じみた部屋の中を……
高校生の玲に見られたと言う事なのか?」
「あぁ…残念だが、きっと そう言う事になるだろうな」
「わかった…今すぐ玲に連絡してみるよ」
こうして彰との電話を切った瞬間に……
目の前が真っ暗になった璃音は正直とても焦ったが
……だが、しかし!
一年を通して常に激モテ社長の璃音は聡明で冷静で、
しかも唸る程の財産を持っている、龍崎財閥の御曹司だから!
(まぁとりあえず……
煙草でも吸って対策を考えてみるか)
なんていつもの様に余裕をかまして缶コーヒーを一口飲んで
シガレットケースの中からお気に入りの煙草を一本取り出して
そしてまたまた白い煙が立ち込め始めた不健康な社長室の中で
ゆっくりと煙草を吸って~またはいて、
高いビルの窓から見える、街の景色をドヤ顔で見下ろしているうちに
だんだんと本来の激モテ社長に戻ってきた恋愛音痴の璃音はなんと!
(まぁ確かに涼子の部屋はヤバいけど、
冷静に考えてみれば、俺もヤバいレベルで女にモテている訳だから
たとえ涼子がどんなにヤバい女でも、俺には全く関係ないし、
玲には尚さら関係がない話だから…もう涼子の件は今日で忘れて、
玲にもこの際、あの部屋の事は綺麗サッパリ忘れてもらおうか!」
なにやら自信満々なヤバい態度でトンデモナイ事を思い付いたから
(だがゴリ押しであのヤバい部屋を忘れてもらう為には やはり
至上最高のデートをする必要があるから、今すぐ作戦をたてるべきだが……
一般的に女が喜ぶデートプランは、高価な宝石とプレタポルテの高級ドレスと、、
その後は、まぁ取り敢えず~サファイアホテルのインペリアルを貸し切って
フレンチコースのディナー辺りが定番だから……んん?いや待て……
ホテルの高級ディナーだと?なる程そうか!今すぐ俺の女にすればいいのか!)
こうして纒めた過去最高にヤバいアイデアを実行に移す為、
善は急げと言わんばかりに素早い行動を起こした璃音はこの直後
リムジン、ブティック、宝石店、
そしてサファイアホテルのレストランに高級スイートルームなど……
あらゆる龍崎グループの企業に根回しをしてから玲に電話を掛けたのに
「えっと今はですねぇ…バイトのお給料を貰う為に~、
街って言うか、繁華街~みたいな所に来てるんですけど……
実は今日そのぉ……お、お、お店に来るように言われていたので~」
明らかに動揺を隠せていない玲の声を聞いた瞬間
ヤバいレベルで女にモテている筈の璃音は何故か
言葉には出来ないレベルのヤバい不安を感じたので……
(やはり悪臭を放つ涼子の家がヤバくてドン引きしたから……
魔よけみたいに散乱していた写真の俺にもドン引きしたと言う事か?
もしもこのまま玲が俺を避ける様になったら、いったい俺はどうすればいいんだ?)
と更に焦ったグダグダの璃音はこのあと電話を切ってすぐ
自分が究極の恋愛音痴である事も知らずに、至上最高のヤバいデートを繰り広げ
現役高校生の玲に黒いドレスを無理やり着せて、高価な宝石のセットを贈り、
そして高級フレンチのデザートを食べている最中に、今夜今すぐお前が欲しいと口説いたけれど……
なんと突然、いきなり玲は!やっぱり結局 案の定!
「えっと、あの璃音さん……
じゃあサファイアスイート~の部屋に連れて行ってもらう前に
お、お、お化粧とかを~直したいから御手洗いに行ってもいいですか?」
…って感じの可愛い事を言った直後に笑顔でトットと逃げたので!
黄金色に光り輝くキンキラキンのインペリアルな個室の中で
人生初のボッチ男になった璃音は、この後フラフラと立ち上がり
もしかして俺は…玲にフラれたのか…と心で本音を呟きながら
がっくりと肩を落として一人寂しくサファイアホテルを後にしたが、
あまりのショックで心が真っ白になった璃音は放心状態だったから……
まさかこの後ステキな奇跡が巻き起こるだなんて、もちろん夢にも思っていなかった。
シガレットケースの中から出したオシャレな煙草に火を点けながら、
果たして今からどんな感じで玲と話をすべきかをわりと真剣に考えていたけれど……
*****
(もしもワンコールで電話が繋がったら
いったい俺はあの子に何を話せばいいんだ?
今日は災難だったなぁ玲…と言えばいいのか?
それとも今すぐ俺の嫁になればいいと言うべきなのか?)
なんて事しか想像できない恋愛音痴の金持ちが
これ以上グダグダと悩んでいても仕方がないので
結局いつもの ぶっつけ本場で挑む事を決意した璃音はこの勢いで
玲の携帯番号に電話を掛けた後すぐに、なるべく極力優しい声で
「もう学校は終わったのか?」と話し掛けてみたけれど
電話が繋がって10秒も経たない内に玲は泣き出したから……
きっと辛いであろう玲の気持ちを察した璃音は
自然なタイミングで体育祭の件についても少し触れてみたのだが
肝心の玲は岡田の娘に苛められている事を黙ったままで
涙をこらえて一生懸命に返事をしてくれたので………
このまま早めに電話を切った璃音はこのままの勢いで
(お前は心が強い子だから……
最後までずっと岡田の事を黙っていたと思うが
だがもう何も心配しなくていい…なぜならお前には、
この俺が付いているからな。岡田の娘の件は全て俺に任せておけ!)
と決意も新たに今日の仕事を終わらせて
そして翌日気合いを入れて、彰と一緒に桜ヶ丘の体育祭に出向いたが、
やはり女の扱いに関しては有能な彰が、全校生徒の前でハッキリと
岡田桜のヤバい本性を暴露したから、これで岡田の問題は全て解決できた筈なのに
一難去ってまた一難、
翌日の夜に彰から掛かってきた一本の電話が、再び璃音を真っ青にさせたのだ。
なぜなら彰が話した電話の内容は……!
*****
「おい璃音!今すぐ玲ちゃんの携帯に電話をかけろ!
さっきベルサイユのハルカから連絡があったんだけど、
どうやら玲ちゃんはハルカと一緒に涼子の家に行ったみたいだ」
なんと!涼子の件だったから
「なんだと?じゃあ まさか!
あの狂気じみた部屋の中を……
高校生の玲に見られたと言う事なのか?」
「あぁ…残念だが、きっと そう言う事になるだろうな」
「わかった…今すぐ玲に連絡してみるよ」
こうして彰との電話を切った瞬間に……
目の前が真っ暗になった璃音は正直とても焦ったが
……だが、しかし!
一年を通して常に激モテ社長の璃音は聡明で冷静で、
しかも唸る程の財産を持っている、龍崎財閥の御曹司だから!
(まぁとりあえず……
煙草でも吸って対策を考えてみるか)
なんていつもの様に余裕をかまして缶コーヒーを一口飲んで
シガレットケースの中からお気に入りの煙草を一本取り出して
そしてまたまた白い煙が立ち込め始めた不健康な社長室の中で
ゆっくりと煙草を吸って~またはいて、
高いビルの窓から見える、街の景色をドヤ顔で見下ろしているうちに
だんだんと本来の激モテ社長に戻ってきた恋愛音痴の璃音はなんと!
(まぁ確かに涼子の部屋はヤバいけど、
冷静に考えてみれば、俺もヤバいレベルで女にモテている訳だから
たとえ涼子がどんなにヤバい女でも、俺には全く関係ないし、
玲には尚さら関係がない話だから…もう涼子の件は今日で忘れて、
玲にもこの際、あの部屋の事は綺麗サッパリ忘れてもらおうか!」
なにやら自信満々なヤバい態度でトンデモナイ事を思い付いたから
(だがゴリ押しであのヤバい部屋を忘れてもらう為には やはり
至上最高のデートをする必要があるから、今すぐ作戦をたてるべきだが……
一般的に女が喜ぶデートプランは、高価な宝石とプレタポルテの高級ドレスと、、
その後は、まぁ取り敢えず~サファイアホテルのインペリアルを貸し切って
フレンチコースのディナー辺りが定番だから……んん?いや待て……
ホテルの高級ディナーだと?なる程そうか!今すぐ俺の女にすればいいのか!)
こうして纒めた過去最高にヤバいアイデアを実行に移す為、
善は急げと言わんばかりに素早い行動を起こした璃音はこの直後
リムジン、ブティック、宝石店、
そしてサファイアホテルのレストランに高級スイートルームなど……
あらゆる龍崎グループの企業に根回しをしてから玲に電話を掛けたのに
「えっと今はですねぇ…バイトのお給料を貰う為に~、
街って言うか、繁華街~みたいな所に来てるんですけど……
実は今日そのぉ……お、お、お店に来るように言われていたので~」
明らかに動揺を隠せていない玲の声を聞いた瞬間
ヤバいレベルで女にモテている筈の璃音は何故か
言葉には出来ないレベルのヤバい不安を感じたので……
(やはり悪臭を放つ涼子の家がヤバくてドン引きしたから……
魔よけみたいに散乱していた写真の俺にもドン引きしたと言う事か?
もしもこのまま玲が俺を避ける様になったら、いったい俺はどうすればいいんだ?)
と更に焦ったグダグダの璃音はこのあと電話を切ってすぐ
自分が究極の恋愛音痴である事も知らずに、至上最高のヤバいデートを繰り広げ
現役高校生の玲に黒いドレスを無理やり着せて、高価な宝石のセットを贈り、
そして高級フレンチのデザートを食べている最中に、今夜今すぐお前が欲しいと口説いたけれど……
なんと突然、いきなり玲は!やっぱり結局 案の定!
「えっと、あの璃音さん……
じゃあサファイアスイート~の部屋に連れて行ってもらう前に
お、お、お化粧とかを~直したいから御手洗いに行ってもいいですか?」
…って感じの可愛い事を言った直後に笑顔でトットと逃げたので!
黄金色に光り輝くキンキラキンのインペリアルな個室の中で
人生初のボッチ男になった璃音は、この後フラフラと立ち上がり
もしかして俺は…玲にフラれたのか…と心で本音を呟きながら
がっくりと肩を落として一人寂しくサファイアホテルを後にしたが、
あまりのショックで心が真っ白になった璃音は放心状態だったから……
まさかこの後ステキな奇跡が巻き起こるだなんて、もちろん夢にも思っていなかった。
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