Ray of Light ~コミュ障ぼっち女子高生と恋愛スキルゼロの寡黙な天然イケメン社長~

Pink Diamond

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雨の日の告白

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そして早瀬翔が遊具の中に入ってきた後

シーンと静かな無言の状態が2分くらい続いていたが

次の瞬間、翔が着ているカッコいいジャンパーのポケットから

Prrrrrr~♪Prrrrrr~♪

ピコピコとしたスマホの着信メロディが、結構大きく鳴り響いたので

*****

狭い山型ドームの中でチョコンと座っている玲は……

「もしもし蓮?うん…そっか…わかった。
それは大丈夫だから、今日はお前が先に行ってて?
俺もこの後バイクに乗って、直接スタジオに行くからさ?」

なんとなく この着信が、蓮だと思った瞬間に


(やっぱり早瀬くんは蓮を迎えに来てたんだね~)

…って感じのフレンドリーな独り言を心の中で呟いてみたけれど

万年ボッチのコミュ障に、そんな事が言える日は永遠にやってこないから

結局いつもの様に無言で下を向いて固まっていたのに

次の瞬間、そんな玲の真隣まとなりで……


「あのね一条さん…実は俺、中3の頃からずっと……
一条さんの事が好きだったんた。今まで何度も告白しようと思ったけど、
一条さんってほら、俺の顔を見たらすぐ逃げちゃうでしょ?だからずっと
今まで告白をするチャンスがなくて、この気持ちをきみに伝える事が出来なかったんだ……」


(えっ?すき?えっと、すきって…なんだっけ?)

もう何から突っ込んだら良いのかサッパリわからないけれど

とにかく何を血迷ったのか、桜ヶ丘で一番モテるイケメンの早瀬翔が


メッチャ真剣な眼差しでボッチの玲をじっと見つめて 

中3の頃から、ずっときみが好きだったと…… 

まるでラブソングみたいな愛の告白をしたから、滅多に翔と話した事がない玲は、

もちろんビックリしすぎて目を丸くしていたが、そもそも こんなにカッコいいリア充の男子が、

友達ゼロの残念な女子に告白をするなんて事は、常識的に有り得ないのだから


(つまり これって新手あらての罰ゲームだよね、きっと……。
多分うちの蓮と、何かの賭け事みたいな勝負をして、それで早瀬くんが負けたから、
めっちゃ恥ずかしい歌の歌詞を地で行く的な罰ゲームをやらされた…って事でしょ?
それとも早瀬くんは……まさか本気で私みたいな、ボッチでオタクでコミュ障の、
桜ヶ丘で一番残念な女子の事が、中3の頃からずっと好きだったの?)

いやいや、そんなの

どう考えても前者だろうと思った玲は、勿論このままの勢いで、


「やっぱ早瀬くんって中2の頃から音楽をやっているから
勇気があるって言うかそのぉ…えっと、チャレンジャーですよね~……」


なんて自嘲気味に微笑みながらも思わず本音を漏らしていたのに

そんな玲を優しい眼差しで見つめる翔は、なぜか微妙に悲しい表情で


「いや、俺なんてチャレンジャーでもなんでもないよ……
だって俺には『その勇気』がなかったから、今まで何年もずっと一人で悩んでさ?
結局、高3の夏になるまで何もアクションを起こさなかったんだから……
だから璃音さんにある日突然きみを取られても、俺は文句を言える立場じゃないんだよ」


なんてラブバラードみたいな事を言ったから

こんな感じのリア充的な会話が出来ないコミュ障の玲は

もちろん更に固まっていた事は今さら言うまでもないけれど、

そんな事よりも このあと翔は、なぜか突然、自分のジャンパーを脱ぎながら


「でもね一条さん、龍崎社長は俺達の想像を絶する位にモテる人だから、
もしもこの先きみが凄く傷付いて、今日みたいに一人で かくれんぼを事があれば
何年先でも全然かまわないから、その時は必ず俺に電話をしてくれる?」

なんてロックな感じのアドバイスをしてくれた後すぐに

自分の電話番号が書かれた、早瀬観光代表取締役副社長の立派な名刺を玲に手渡して、

さっき脱いだばかりの黒いジャンパーを玲の肩にそっと被せて……

そして最後にニコっと微笑みながら


「そのジャンパー、きみにあげるから返さなくてもいいよ?
じゃあ俺はそろそろスタジオに行くから、また学校で会おうね一条さん」

と明るく挨拶をした後、お山の遊具を出ていって、

そのまま銀色に輝く大きなバイクに乗り込んで、あっと言う間に どこか遠くに行ってしまった。

*****

こうして翔のバイクが見えなくなった頃、

(あっ、今なら雨が小雨になっているから
このまま走って家に帰れるかも!ジャンパーありがとう早瀬くん……)

と心の中で翔に向かってお礼を言った玲はこのままの勢いで

さっき貰った黒いジャンパーを頭に被ってダッシュで家に帰った後すぐに

いつもの様にシャワーを浴びて、今日も元気にスエット姿で自分の部屋へと戻ったが、

なんだか今は、微妙に心がフワフワしている状態だったから


(なんか今日は不思議な一日だったなぁ……
人生で初めての夜を璃音さんと一緒に過ごして、
そのあと少女マンガみたいな朝帰りをして、そしたらなんか
いきなり蓮に壁ドンされて、しかも そのあと近所の公園で、
A組の早瀬くんにラノベみたいな告白をされて……
おまけに こんな高そうな、男物のジャンパーを貰ったんだから~)


そりゃあ誰でも浮かれちゃいますよね~

なんて事を思いながら翔に貰ったジャンパーをぼーっと見つめていたけれど

そんな事よりも今から玲は、期末テストの勉強を始めなきゃいけないから

フワフワしている残念な頭を切り替える為に、今すぐ英語の勉強を始めたが


『あのね一条さん、実は俺……
中3の頃からずっと、一条さんの事が好きだったんだ……』


やっぱり今日は何をやってもうわの空なので、

ちゃんと勉強に集中する事が出来なかったのに……

なんと、この後……Prrrrr!

なぜか突然、夜の10時に鳴り響いた玲の携帯電話には……


『期末テスト頑張れよ、おやすみ玲』

と書かれた璃音の返信メールが送られてきたから


(えっ?璃音さん?なんか凄いタイミングですね)

なんて事を思った玲は、大好きな璃音のメールがメッチャ嬉しいその裏で


(これってある意味、浮気なのかなぁ……)

昨日結ばれたばかりの恋人に、早くも浮気がバレたみたいで

なんとなく複雑な心境になっていた事は、もちろん今さら言うまでもない。
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