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璃音編 一秒でも早く君に逢いたくて
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そして防犯カメラの映像を全て見終わった璃音は
そのまま社長室に残って午前中の事務仕事を済ませた後で、
彰と一緒に歓楽街のダイヤモンドビルへと出向いたのだが……
*****
全てのフロアの視察を終えて、最後の仕事をする為に、
エレベーターで7階に向かった璃音はこの後、龍崎宝飾の新店舗に立ち寄って、
ショーケースに並んだ人気商品のレイアウトをあれこれと考えていたら
いきなり彰がClubベルサイユのホステスを連れて店の中に入ってきて
しかも その後、いきなり、なんと!
(はぁあ?どうしてココに玲がいるんだ?)
なぜだか理由はサッパリわからないけれど
下を向いてモジモジしながら彰の後ろを付いてくる
そりゃぁもう可愛らしい玲の姿をはっきりと目撃したので
(玲!お前から俺に逢いに来てくれたのか?)
と早くも盛大な勘違いをした璃音はこの瞬間、
ずっと逢いたかった玲に偶然逢えた事をもちろん嬉しく思ったが
少し冷静になって今の状況を考えてみると……
(いや…待てよ?『あの』おとなしい玲が、
いきなりココにくる事は絶対に有り得ないだろ?
なぜなら普通は、俺に連絡をしてから来るのが筋だからな)
こうして早くも、何かがおかしい事に気が付いたので
なんの連絡もしないで、突然ここに現れた玲の心情を探る為に……
(じゃあとりあえず、そうだなぁ
今はあの子の存在を気付いていない『ふり』をしてみるか)
と賢明な判断をした後すぐに、さっそく玲の事を無視しようとしたのだが
この後なぜか大きな声で、天真爛漫なホステスの女と話をしながら
三千円の純金とやらを探し始めた可愛い玲は……
「これって夜の金塊みたいに
ドキドキしちゃう殿方のデザインだから
真夜中限定の…ワイルドな犬がメッチャ悦びそう……」
て感じの恥ずかしいメッセージを
あえての隠語で伝えてくれて、しかもこの後、大胆に!
「じゃあ銀色のシェルターを……
今日は私が勝手にハメちゃいますね~、
えい!あれれっ?これは~ちょっとキツキツかな?
でもキツい方が、あとからビンビンに効いてくる筈ですから~」
と皆が見ている目の前で、
今夜の体位をハッキリと宣言してくれたので!
キツいシェルターの話で頭がやられて、
だんだんと情欲的な気分になったアホの璃音は
ふと気が付けば心の中で
(あぁ……確かにお前のシェルターは毎日キッツキツだから……
俺の金塊も後になれば後になるほど…ビンビンに効いてくるんだよ……)
こうして誰にも突っ込んでもらえない
下ネタ満載のワイルドな犬に変貌を遂げていたのに
まだまだ璃音は仕事の真っ最中だから
*****
今世紀最大級にセクシーな玲が店を出た後で、
お花が満開の残念な頭をトットとサッサと仕事モードに切り替えながら
急いで本社に戻った璃音は、休む間もなく午後の会議に参加して、
本日の議題である、龍崎ビルの落成式典についての議論を交わしていたけれど
先程から同じ様な事柄を、何度も何度も繰り返している会議が次第に苛ついてきたので……
「くどいぞお前達、さっきから同じ話を何回すれば気が済むんだ?
式典の来客もダイヤの警備体制も、もうとっくに決まっている事だろ?
だったら黙って本番を待てばいいじゃないか。この意見に反対の者は居るか?」
と鶴の一声で、この後サッサと役員会議を終わらせて
(じゃあ今からダッシュで最後の仕事先に行って……
龍崎マテリアルの商談を無事に済ませたら、俺はそのまま家に帰って、
玲が作ったオムライスとサラダを食ってもいいって事だよな?だったら本気を出してやるよ!)
こうして無駄に燃え上がりながら、
一秒でも早く帰宅をしたい為だけに、急いで次の仕事先へとダッシュで向かい、
いつもなら2時間は掛かってしまう難しい商談を、たったの45分でバッチリ決めて
そして光の早さで自宅に帰って、ドキドキしながら玄関のドアをそっと開けてみたら、
次の瞬間、玄関ホールの片隅に……
ちょこんと置かれた玲の黒い靴をハッキリと確認できたので
*****
(来てくれたのか!やっぱりお前は来てくれたんだな!)
と謎の感動で胸がいっぱいの璃音は急いで靴を脱いだ後
いつもの高級ブランドのスリッパをサッサと履いて、
意気揚々とリビングルームに向かっていたけれど、
広くて長いオシャレな廊下をどんどん歩いているうちに……!
(ん?この香りはもしかして!)
なんだかとっても美味そうな料理の香りに気が付いたので、
思わずダイニングルームのドアを一気にガチャッと開けてみると……!
「あっ、お帰りなさい璃音さん」
このタイミングで玲とバッチリ目が合ったから、思わず璃音はこの直後、
「た、ただいま…玲…」
「え~っとあの~……
今日は勝手にダイヤモンドビルに行ってごめんなさい。
それで そのぉ…今日はオムライスとコロッケを作ったので
よかったら今からこのテーブルで、一緒に晩ごはんを食べませんか?」
「ありがとう、ちょうど腹ペコだったんだ。じゃあ今夜は先に晩飯を食べようか」
な~んて新婚夫婦みたいな甘い会話をしながらスーツの上着をサッサと脱いで、
そしてダイニングテーブルの上に並んだ可愛らしいオムライスと人生初のコロッケと
昔からの大好物である生ハムのサラダをさっそく食べる事にしたのだが……
この後わずか3分で、可愛い玲がモジモジしながらモグモグと
質素な家庭料理を無言で食べている姿に一発KOされた璃音は、
早くも心で夜の金塊を光らせて………
(どうしてお前はそんなに可愛いんだ?
俺は今から、何も知らないお前を寝室に連れ込んで、
真夜中限定のワイルドな犬になろうとしているのに……)
なんて事を密かに考えながら
熱い眼差しで玲の顔を見ていた事は、もちろん今さら言うまでもない。
そのまま社長室に残って午前中の事務仕事を済ませた後で、
彰と一緒に歓楽街のダイヤモンドビルへと出向いたのだが……
*****
全てのフロアの視察を終えて、最後の仕事をする為に、
エレベーターで7階に向かった璃音はこの後、龍崎宝飾の新店舗に立ち寄って、
ショーケースに並んだ人気商品のレイアウトをあれこれと考えていたら
いきなり彰がClubベルサイユのホステスを連れて店の中に入ってきて
しかも その後、いきなり、なんと!
(はぁあ?どうしてココに玲がいるんだ?)
なぜだか理由はサッパリわからないけれど
下を向いてモジモジしながら彰の後ろを付いてくる
そりゃぁもう可愛らしい玲の姿をはっきりと目撃したので
(玲!お前から俺に逢いに来てくれたのか?)
と早くも盛大な勘違いをした璃音はこの瞬間、
ずっと逢いたかった玲に偶然逢えた事をもちろん嬉しく思ったが
少し冷静になって今の状況を考えてみると……
(いや…待てよ?『あの』おとなしい玲が、
いきなりココにくる事は絶対に有り得ないだろ?
なぜなら普通は、俺に連絡をしてから来るのが筋だからな)
こうして早くも、何かがおかしい事に気が付いたので
なんの連絡もしないで、突然ここに現れた玲の心情を探る為に……
(じゃあとりあえず、そうだなぁ
今はあの子の存在を気付いていない『ふり』をしてみるか)
と賢明な判断をした後すぐに、さっそく玲の事を無視しようとしたのだが
この後なぜか大きな声で、天真爛漫なホステスの女と話をしながら
三千円の純金とやらを探し始めた可愛い玲は……
「これって夜の金塊みたいに
ドキドキしちゃう殿方のデザインだから
真夜中限定の…ワイルドな犬がメッチャ悦びそう……」
て感じの恥ずかしいメッセージを
あえての隠語で伝えてくれて、しかもこの後、大胆に!
「じゃあ銀色のシェルターを……
今日は私が勝手にハメちゃいますね~、
えい!あれれっ?これは~ちょっとキツキツかな?
でもキツい方が、あとからビンビンに効いてくる筈ですから~」
と皆が見ている目の前で、
今夜の体位をハッキリと宣言してくれたので!
キツいシェルターの話で頭がやられて、
だんだんと情欲的な気分になったアホの璃音は
ふと気が付けば心の中で
(あぁ……確かにお前のシェルターは毎日キッツキツだから……
俺の金塊も後になれば後になるほど…ビンビンに効いてくるんだよ……)
こうして誰にも突っ込んでもらえない
下ネタ満載のワイルドな犬に変貌を遂げていたのに
まだまだ璃音は仕事の真っ最中だから
*****
今世紀最大級にセクシーな玲が店を出た後で、
お花が満開の残念な頭をトットとサッサと仕事モードに切り替えながら
急いで本社に戻った璃音は、休む間もなく午後の会議に参加して、
本日の議題である、龍崎ビルの落成式典についての議論を交わしていたけれど
先程から同じ様な事柄を、何度も何度も繰り返している会議が次第に苛ついてきたので……
「くどいぞお前達、さっきから同じ話を何回すれば気が済むんだ?
式典の来客もダイヤの警備体制も、もうとっくに決まっている事だろ?
だったら黙って本番を待てばいいじゃないか。この意見に反対の者は居るか?」
と鶴の一声で、この後サッサと役員会議を終わらせて
(じゃあ今からダッシュで最後の仕事先に行って……
龍崎マテリアルの商談を無事に済ませたら、俺はそのまま家に帰って、
玲が作ったオムライスとサラダを食ってもいいって事だよな?だったら本気を出してやるよ!)
こうして無駄に燃え上がりながら、
一秒でも早く帰宅をしたい為だけに、急いで次の仕事先へとダッシュで向かい、
いつもなら2時間は掛かってしまう難しい商談を、たったの45分でバッチリ決めて
そして光の早さで自宅に帰って、ドキドキしながら玄関のドアをそっと開けてみたら、
次の瞬間、玄関ホールの片隅に……
ちょこんと置かれた玲の黒い靴をハッキリと確認できたので
*****
(来てくれたのか!やっぱりお前は来てくれたんだな!)
と謎の感動で胸がいっぱいの璃音は急いで靴を脱いだ後
いつもの高級ブランドのスリッパをサッサと履いて、
意気揚々とリビングルームに向かっていたけれど、
広くて長いオシャレな廊下をどんどん歩いているうちに……!
(ん?この香りはもしかして!)
なんだかとっても美味そうな料理の香りに気が付いたので、
思わずダイニングルームのドアを一気にガチャッと開けてみると……!
「あっ、お帰りなさい璃音さん」
このタイミングで玲とバッチリ目が合ったから、思わず璃音はこの直後、
「た、ただいま…玲…」
「え~っとあの~……
今日は勝手にダイヤモンドビルに行ってごめんなさい。
それで そのぉ…今日はオムライスとコロッケを作ったので
よかったら今からこのテーブルで、一緒に晩ごはんを食べませんか?」
「ありがとう、ちょうど腹ペコだったんだ。じゃあ今夜は先に晩飯を食べようか」
な~んて新婚夫婦みたいな甘い会話をしながらスーツの上着をサッサと脱いで、
そしてダイニングテーブルの上に並んだ可愛らしいオムライスと人生初のコロッケと
昔からの大好物である生ハムのサラダをさっそく食べる事にしたのだが……
この後わずか3分で、可愛い玲がモジモジしながらモグモグと
質素な家庭料理を無言で食べている姿に一発KOされた璃音は、
早くも心で夜の金塊を光らせて………
(どうしてお前はそんなに可愛いんだ?
俺は今から、何も知らないお前を寝室に連れ込んで、
真夜中限定のワイルドな犬になろうとしているのに……)
なんて事を密かに考えながら
熱い眼差しで玲の顔を見ていた事は、もちろん今さら言うまでもない。
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