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後日談 玲の親友 前編
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そして紆余曲折を経て……
桜ヶ丘高校を卒業した翌日に璃音と結婚した玲は、
さらに翌月の4月から
円行寺彰が経営しているカーネリアンホールで事務員として働きながら
炊事や洗濯などの主婦業も
できる範囲でメッチャ頑張る充実した毎日を過ごしていたけれど、
*****
玲の自宅である『龍崎プレジデントヒルズ』のペントハウスは物凄く広いから、
お掃除だけは週に数回、専門の業者が入る事になっており……
今日の午後は清掃スタッフの人達がゾロゾロとマンションにやって来る日なので
大金持ちの妻になっても相変わらずコミュ障の玲は、やたらと爽やかな作業員との接触を避ける為に
(さてとー、やっと仕事が終わったから、
本当は今すぐ家に帰りたいけど、残念な事に今は夕方の4時だから、
無駄に爽やかなスタッフさん達が まだ残業をしている可能性があるし……
絶対に彼らとエンカウントをしない為には、
やっぱ今すぐスーパーに行った方がいいって事だよね?)
と今日も元気にヘタレながら、
仕事帰りに近所の高級スーパーへ立ち寄ってみたのだが、
やはり玲はドコに行っても何をやっても貧乏舌なので
(あっ!璃音さんの好きなヒレステーキのお肉が
またまた半額になってるから、今日はコレを買おうかな?
やっぱ6000円のお肉なんて普通は誰も買わないよね~?
でも今日はポイント5倍デーだし、三千円の柔らかいお肉なら、
まぁ一応ギリギリセーフで常識の範囲だから、
じゃあ今夜のメニューは璃音さんがヒレステーキで私が特売のトンテキで、
ついでにデザートはワゴンセールのアイスコーヒーにゼラチンを入れて、
めっちゃ簡単なコーヒーゼリーを作ってみようかな?)
…と心の中で庶民的な独り言を呟きながら、
半額のヒレステーキをカートに入れた後すぐに
光の早さで半額のシールが貼られたトンテキ用の豚肉と、
95円のアイスコーヒーを無事にゲットしていたが
毎回必ず半額ばかりを狙い続けるセコい玲の旦那様は
唸るほどの財産を持つ事で有名な、『あの』龍崎グループの当主なので、
玲の正体を知っている、ごくごく一部の性格が悪いパート従業員からは
『やっぱり裕福な奥様は皆ケチよね~。
お金持ちの癖に半額のお肉を買って何が楽しいんだか~』
て感じのドラマみたいなイヤミを言われていたのに
何も知らない能天気な玲は、今日もこの後いつもの様に、
(やっぱ私って買い物上手だよね~?)
とニコニコしながらスーパーを出ていた事は今さら言うまでもない。
*****
そしてスーパーでの買い物を終えて帰宅をした玲は
いつもの様に家事を済ませたその後で
リビングのソファーにちょこんと座ってペットボトルの紅茶を飲んでいたのだが
次の瞬間、Prrrrrrー!
とお婆ちゃん的な携帯電話が鳴ったので
慌ててテーブルの上に置いていた携帯の画面を見てみると、
メールが1件来ていたけれど、
このメールの送り主は璃音でもなければ母親のマリーでもなく
『買い物お疲れ様~。そろそろ家事は終わった?
私はいま終わったよ~。て言うかそれよりもさぁ、
明日のお台場イベントが、超~楽しみだよね~玲ちゃん』
なんと!
初めて出来た人間の友達、
星野恵のメールだったから!
『うん!楽しみだよね~。
明日の土曜日は仕事が休みだから
お台場のイベ会場でいっぱい遊ぼうね~恵ちゃん』
とウキウキしながら恵とメールを交わしていたけれど、
やはり いつでも残念な事に……
(やっぱ恵ちゃんとメールで遊ぶのは最高に楽しいな。
だって太陽みたいに明るい彼女と友達になった途端に、
毎日がメッチャ楽しくなったもん。あっ!また返信メールがきた~!)
て感じの楽しい時間はサッサと過ぎてしまうから
こうしてワクワクしながらメールごっこをしている最中に……
いきなり、ピンポーン!と玄関のインターホンが鳴り響き、
そしてこの直後……!
(あっ!璃音さんだー)
と玄関に向かって足早に歩く玲はとても幸せだったのに
いつもは帰りが遅い筈の璃音が早く帰宅をすると言う事はつまり、
このあと最高に恥ずかしい『何か』が起こる可能性が非常に高くて、
もしもその『何か』が起こった場合には……
もちろんヘタレの玲に逃げ場は存在しないので
*****
「おかえりなさい璃音さん!」と元気に璃音を出迎えた玲はこの後すぐに
「あぁ、ただいま…玲」と早くも無駄に色気を出しているヤバい璃音から
かっこいいスーツの上着を預かって、そしてそのまま二人でリビングに向かったが
呑気な気分で部屋に入った次の瞬間、案の定、
「さてと、まだ夕方の6時だから
晩飯には少し早いし…今から2人で風呂に入ろうか?」
と熱い眼差しの璃音に抱きしめられて……
「えっ?お風呂はえっと~、あの~……
わっ、わ、私はもう少し後でお風呂に入るから~……」
「んん?風呂はいやなのか、しょうがない子だなぁ……
じゃあ仕方がないから、このままソファーで可愛がってやるよ玲」
「あっ!待って璃音さん…あっ…」
て感じで今日も元気に震えながら
安定のドSっぷりを発揮している璃音から、ソファーの上でたっぷりと愛されていた。
桜ヶ丘高校を卒業した翌日に璃音と結婚した玲は、
さらに翌月の4月から
円行寺彰が経営しているカーネリアンホールで事務員として働きながら
炊事や洗濯などの主婦業も
できる範囲でメッチャ頑張る充実した毎日を過ごしていたけれど、
*****
玲の自宅である『龍崎プレジデントヒルズ』のペントハウスは物凄く広いから、
お掃除だけは週に数回、専門の業者が入る事になっており……
今日の午後は清掃スタッフの人達がゾロゾロとマンションにやって来る日なので
大金持ちの妻になっても相変わらずコミュ障の玲は、やたらと爽やかな作業員との接触を避ける為に
(さてとー、やっと仕事が終わったから、
本当は今すぐ家に帰りたいけど、残念な事に今は夕方の4時だから、
無駄に爽やかなスタッフさん達が まだ残業をしている可能性があるし……
絶対に彼らとエンカウントをしない為には、
やっぱ今すぐスーパーに行った方がいいって事だよね?)
と今日も元気にヘタレながら、
仕事帰りに近所の高級スーパーへ立ち寄ってみたのだが、
やはり玲はドコに行っても何をやっても貧乏舌なので
(あっ!璃音さんの好きなヒレステーキのお肉が
またまた半額になってるから、今日はコレを買おうかな?
やっぱ6000円のお肉なんて普通は誰も買わないよね~?
でも今日はポイント5倍デーだし、三千円の柔らかいお肉なら、
まぁ一応ギリギリセーフで常識の範囲だから、
じゃあ今夜のメニューは璃音さんがヒレステーキで私が特売のトンテキで、
ついでにデザートはワゴンセールのアイスコーヒーにゼラチンを入れて、
めっちゃ簡単なコーヒーゼリーを作ってみようかな?)
…と心の中で庶民的な独り言を呟きながら、
半額のヒレステーキをカートに入れた後すぐに
光の早さで半額のシールが貼られたトンテキ用の豚肉と、
95円のアイスコーヒーを無事にゲットしていたが
毎回必ず半額ばかりを狙い続けるセコい玲の旦那様は
唸るほどの財産を持つ事で有名な、『あの』龍崎グループの当主なので、
玲の正体を知っている、ごくごく一部の性格が悪いパート従業員からは
『やっぱり裕福な奥様は皆ケチよね~。
お金持ちの癖に半額のお肉を買って何が楽しいんだか~』
て感じのドラマみたいなイヤミを言われていたのに
何も知らない能天気な玲は、今日もこの後いつもの様に、
(やっぱ私って買い物上手だよね~?)
とニコニコしながらスーパーを出ていた事は今さら言うまでもない。
*****
そしてスーパーでの買い物を終えて帰宅をした玲は
いつもの様に家事を済ませたその後で
リビングのソファーにちょこんと座ってペットボトルの紅茶を飲んでいたのだが
次の瞬間、Prrrrrrー!
とお婆ちゃん的な携帯電話が鳴ったので
慌ててテーブルの上に置いていた携帯の画面を見てみると、
メールが1件来ていたけれど、
このメールの送り主は璃音でもなければ母親のマリーでもなく
『買い物お疲れ様~。そろそろ家事は終わった?
私はいま終わったよ~。て言うかそれよりもさぁ、
明日のお台場イベントが、超~楽しみだよね~玲ちゃん』
なんと!
初めて出来た人間の友達、
星野恵のメールだったから!
『うん!楽しみだよね~。
明日の土曜日は仕事が休みだから
お台場のイベ会場でいっぱい遊ぼうね~恵ちゃん』
とウキウキしながら恵とメールを交わしていたけれど、
やはり いつでも残念な事に……
(やっぱ恵ちゃんとメールで遊ぶのは最高に楽しいな。
だって太陽みたいに明るい彼女と友達になった途端に、
毎日がメッチャ楽しくなったもん。あっ!また返信メールがきた~!)
て感じの楽しい時間はサッサと過ぎてしまうから
こうしてワクワクしながらメールごっこをしている最中に……
いきなり、ピンポーン!と玄関のインターホンが鳴り響き、
そしてこの直後……!
(あっ!璃音さんだー)
と玄関に向かって足早に歩く玲はとても幸せだったのに
いつもは帰りが遅い筈の璃音が早く帰宅をすると言う事はつまり、
このあと最高に恥ずかしい『何か』が起こる可能性が非常に高くて、
もしもその『何か』が起こった場合には……
もちろんヘタレの玲に逃げ場は存在しないので
*****
「おかえりなさい璃音さん!」と元気に璃音を出迎えた玲はこの後すぐに
「あぁ、ただいま…玲」と早くも無駄に色気を出しているヤバい璃音から
かっこいいスーツの上着を預かって、そしてそのまま二人でリビングに向かったが
呑気な気分で部屋に入った次の瞬間、案の定、
「さてと、まだ夕方の6時だから
晩飯には少し早いし…今から2人で風呂に入ろうか?」
と熱い眼差しの璃音に抱きしめられて……
「えっ?お風呂はえっと~、あの~……
わっ、わ、私はもう少し後でお風呂に入るから~……」
「んん?風呂はいやなのか、しょうがない子だなぁ……
じゃあ仕方がないから、このままソファーで可愛がってやるよ玲」
「あっ!待って璃音さん…あっ…」
て感じで今日も元気に震えながら
安定のドSっぷりを発揮している璃音から、ソファーの上でたっぷりと愛されていた。
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