愚者の狂想曲☆

ポニョ

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1章

愚者の狂想曲 2 小柄な少年は…!?

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どうしてこうなった?軽く自問自答してみる。



俺は奴隷館に、可愛い美少女を求め向かったはずなのだ。

それがどういう訳か、大金を叩いてめっちゃ小汚い亜種の三級奴隷を買ってしまったのである。

しかも…男の子!!

俺は確かロリコ○趣味だったは…ゲフンゲフン…口に出すと最後の一線を超えそうなので自重しよう。

…でも…良く考えたら、ロリ○ンより酷い、同性ショ○に走っている様な気が…ううう…ガク…

もう…ここまで来たら、毒を食らわば皿まで!どこまでも行ってやるーーーー!!

こんな事をグルグル考えながら、小柄な少年の手を握って回復を待っていた。









ウトウトウト…ZZZ…

なんだか夢見心地だ…

なんだか暖かいし…

そう言えば…何か忘れている様な…何だったっけ?

えっと…昨日は奴隷館に美少女を見に行って…

そこからむっさい男が現れて…倒した!?



『むっさい男は起き上がって、仲間に入れて欲しそうな目でこちらを見ている。仲間にしますか?』



『ハイ』

『イイエ』

『虐殺』▼ ポチットナ!



うんうん!むっさい男なんてきっと虐殺したよね!だって美少女じゃないんだもん!きっとそうだよ!

その後戦利品で…何か手に入れた様な気が…



チャラララ~♪(何処かで聞いた事のある音だな~)



『むっさい男は宝箱を落とした!開けてみますか?』



『ハイ』▼ ポチットナ!

『イイエ』



むっさい男のパンツとか入ってたら…ザオ○クで生き返らせて、100回位虐殺してやる!



トゥルル~♪(これも聞いた事のある音だぞ!)



『葵は死にかけの小柄な少年を手に入れた!』



なんじゃそりゃ!死にかけの小柄な少年って!アイテムですら無いじゃん!斜め上すぎるわ!

うん?……死にかけの小柄な少年!?……!!!!!!!!



「うは!」

思わず声を上げてしまった。目が霞んでいる。どうやら眠って夢を見ていた様だ。

窓を見ると暖かい日差しが窓から差し込んでいる。昼前みたいだ。

昨日からずっと小柄な少年を看病して、知らない間に眠ってしまったのだろう。

その事を思い出して、俺は焦ってベッドの小柄な少年に目を向ける。



「スウースウー」

小柄な少年は気持ち良さそうに、寝息を立てて眠っていた。



「よ…良かった…どうやら山を超えて生き残ったらしいな…」

小柄な少年の様子を見て安堵する。顔は汚れていて顔色は解らないが、なんとなく気が溢れ、生命力が上がっている様に感じる。容態が安定した事を確信した俺。

その直後、グウーと腹の虫が鳴く。



そう言えば、昨日の昼から何も食べて無かった。宿屋の主人に言って何か作って貰おう。

そう思って立ち上がった時に、自分の状態が目に入った。

小柄な少年を抱き抱えた事で、血がべっとり付いている。しかも、この小柄な少年の汚れまでついて黒ずんでいる。この小柄な少年とずっと同じ部屋に居たせいで鼻が麻痺しているのだろうが、きっと凄い匂いがしているに違いないと予想出来た。とりあえず部屋の窓を全開にする。空気の入れ替えだ。



「さて…飯の前に…水浴びして体を洗って…着替えて…そこから飯だな…」

苦笑いしながら部屋を出る俺。

案の定、宿屋のカウンターを通る時に、宿屋の主人に渋い顔をされてしまった。きっと、俺自身も臭っていたのであろう。

とりあえず、水浴びして体を洗って着替えたら、昼食を頼むと宿屋の主人に伝言をして体を洗いに行く。

丹念に体を洗い綺麗にして、着替え終わって宿屋のカウンターを通りかかったら、宿屋の主人がちょうど昼食が出来たと言うので、すぐ傍のテーブルで昼食を頂く事にする。

だって…あの部屋凄い匂いがするんだもん…そんな所で飯は食えません!今は鼻の麻痺は直っちゃってるしね!

昼食を食べ終え紅茶を飲みながらタバコを吹かしていたら、昨日の医者が宿屋に現れた。

そして、俺の顔色を見てニヤっと笑う



「どうやら…本当に生き残ったようだな」

ニヤニヤしながら言う医者



「当然!」

不敵に笑いながら俺が言うと笑っている医者。



「私はあいつの様子を見てくる。お主はそこでいててくれて構わんよ」

そう言い残して医者は俺の部屋に向かって行った。医者の言葉に甘えて暫くゆっくりしていると、顔を顰めて戻って来た医者。その表情に一瞬ドキッとしたが、どうやら部屋が臭かっただけらしい。



「もう大丈夫だろう。完全に山は超えている。もう安心じゃ。後は渡した薬を飲ませ、7日ほど栄養を取らせてゆっくり寝かせていれば、完全に回復するだろう」

と医者は言う。そう言って宿屋から出て行く医者に



「ありがとうな…助かったよ」

医者に礼を言うと、クククと笑って医者は言う



「あの小僧が生き残ったのが良かったのか悪かったのかは解からんがな。お主にかなりの額の金を使わせたみたいだからな。目一杯働かないとダメだろう?運が良かったのじゃなくて、運が悪かったのかもな?」

そう皮肉めいた事を言って笑いながら帰って行った。そんな皮肉に苦笑いしながら、夜には小柄の少年は目を覚ますだろうとの事なので、今の内に買い物に出かける事にした。色々欲しい物もあるし調度良い。俺は、宿屋の主人に出かける旨を伝え、宿屋を後にした。









辺りはすっかり夜の帳が降りている。夜空にはこの世界独特の土星の様にリングの付いた青い月の優しい光が射している。買い物を済ませ、今は小柄な少年の傍で様子を見ている。夜には目を覚ますと医者が言っていたので、それを待っているのだ。

暫く時間を潰していると小柄な少年に動きがあった。



「う…うん…」

眠そうな目をゆっくり開ける小柄な少年。寝ぼけているのと、体の怠さにボーッとなって、状況が把握出来ていないと言った所であろう。顔半分までかかった前髪を邪魔そうにしながら目を擦っている。



「お!起きたか?大丈夫か?痛い所は無いか?」

小柄な少年を見ながら言うと、こちらを見て目をぱちくりさせて居る



「え…えっと…貴方は…誰ですか?…ここは何処でしょうか?」

小柄な少年は俺を見て、そして、辺りをキョロキョロ見回している。どうやら目も覚めて来て、頭も回転しだした様だ。



「ここは、俺が宿泊している宿の部屋だ。そして俺は、お前の新しい主人だ」

ゆっくりそう言うが、まだ理解出来ていないのか、え?え?っと混乱している小柄な少年。俺はゆっくり昨日から今までの事を説明していく。その説明を聞いて、ワナワナ震えながら急に動こうとして



「イタ!…ウウウ…」

無理に起き上がろうとして、体の痛みを覚えてピクッとなっている小柄な少年。



「おいおい無理しなくていいよ」

小柄な少年を宥めながら言うと、慌てながら小柄な少年が



「で…でも!ご主人様にご迷惑をおかけするには!それに…ベッドで寝るなんて…私は三級奴隷ですし!」

まだ動こうとする小柄な少年。このままじゃまた無理をしかねないので、最終奥義を出す事にした



「お前はまだ動けるような体じゃない。なんせ死にかけていたんだからな。なので、体調が良くなるだろう7日間は、ベッドの中でゆっくり養生する事!ちなみにこれは命令です!」

俺がそう言うと、ピクッとなって大人しくなった小柄な少年。きっと『命令』と言う言葉が効いたのであろう。

奴隷にとって主人の命令に対しては絶対服従。どんな理不尽な命令であろうとも逆らう事は許されない。主人の命令に逆らえば処分される。それは、たとえ身分を保証されている一級奴隷でも同じなのである。

大人しくなった事に少し安堵した俺は小柄な少年に



「よしよし。お前お腹空いてるだろう?薬も飲まないとダメだから、夕食持ってくる。大人しくしてろよ」

そう言うとコクッと頷いて大人しくしている小柄な少年。俺は宿屋の主人に夕食を貰い部屋に戻って来た。小柄な少年をベッドの背もたれにゆっくりもたれかけさせた。まだ体が痛くて動かせないだろうと思い、食事を食べさせる事にしたのだ。

今日の夕食は、パン2つと野菜と羊の肉のシチュー。そして、栄養価の高い果実ジュースだ。俺もさっき食べたがかなり美味しかった。シチューをスプーンで掬い、小柄な少年の口の前に差し出す。



「ほら。あ~んして。あ~ん。」

そう言うと小柄な少年はキョトンとしている



「…お前は体が痛くて自分で食べれ無いだろう?だから、体が動く様になるまで、俺が食べさせてやる。解った?ほら、あ~んして。あ~~ん」

言っている事が理解出来たのか、小柄な少年は恐る恐る小さな口を開けた。その小さな口にスプーン一杯に掬われているシチューを口に運ぶ。それをモグモグと食べる小柄な少年。しかし、次の瞬間、小柄な少年がビクッとなって固まってしまった。



「え!?ど…どうしたの!?シチュー熱かった!?それとも体に合わなかった!?」

心配になって小柄な少年に言うと、首をフルフルと横に振り



「い…いえ…違うんです…その…余りにも美味しくて。…私…こんな美味しい物…生まれて初めて食べました!」

そう言って震えながら感動している小柄な少年。まあ三級奴隷なら一生かかっても食べれる様な物では無いのかも知れない。…たかが、シチューとパンとジュースだというのに…



「そうか…それなら良かった。じゃ~冷めない内に、全部食べちゃおうな。ほら、あ~んして。あ~ん」

薬を飲ませる為と栄養を取らせる為に、次々と口に食物を運んで行く。余程お腹を空かせていたのか、ペロリとたいらげた小柄な少年。食欲があるって事は健康と言う事だ。うんうん良いね。

俺がそんな事を思いながら小柄な少年を見つめていると、微かに震えて涙を流し始めた。



「ちょ!ちょっと!どうしたの!?どこか痛くなった!?」

突然泣き出した小柄な少年にアタフタする俺。そんな俺を見て、泣きながらはにかみ微笑む小柄な少年。



「いいえ…どこも痛くはありません。…私…人からこんなに優しくされた事が無くて…それが嬉しくて…嬉しくて…」

そう言って涙を流す小柄な少年。俺は小柄な少年の頭をポンポンと優しく叩く。バリバリの汚く固まった顔半分以上伸びている汚い髪の毛の間から、小柄な少年の微笑む表情が見える。



「…そうか…良かったな。じゃ~早く良くなって、元気になろうな!ハイこれ!」

そう言って小柄な少年な少年の顔の前に、水に溶かした薬の入ったコップを出した。そして、コップに入った薬を小柄な少年に飲ませる。その時、再度体がビクッとなって固まっていたが、何故そうなったか今度は安易に理解できたので驚きはしなかった



「うええ…ご主人様…苦いです~」

ものすごく顔を歪めながら、可愛い舌をペロっと出して言う。

そう!この薬はと~~ても苦いのです!

昨日、小柄な少年にこの薬を口移しで飲ませ様と口に含んだ時、俺も同じ事を思った。

小柄な少年に口移しをする時に吐きそうになったのは、この小柄な少年の悪臭だけではない。この薬自体も苦すぎて吐き出しそうになる。まさに、良薬口に苦し!を、地で行く物なのだ。

良薬口に苦しを体現するものを指すならば、俺は間違いなくこの薬を挙げるであろう。それ位なのだ。

地球でもこれ位苦い薬は飲んだ事は無い。異世界怖す…

とりあえず、もの凄く効く薬なんで、無理矢理にでも飲ませないと…。

俺は嫌そうにしている小柄な少年のおでこにピシっとデコピンをした



「イタタ…」

そう言っておでこを押さえる小柄な少年。



「その薬は、非常に良く効く薬なの!価格も高いんだから、必ず残さず飲む事!これも命令です!」

そう言って、最終兵器を発動させた俺。また、ウウウとなっていた小柄な少年だが『命令』を発動されれば、言う事を聞くしかない。小柄な少年は、ゴクゴクと薬を飲み干していく。



『うわ…すごい勢いで飲んでるよ…俺なら絶対に出来ないね!最終兵器、命令怖す…』

そう心の中で呟く。俺はこの薬を口に含む事は二度とごめんだった。涙目になりながら飲んでいる小柄な少年。ちょっと悪戯した気分で可笑しくなった俺は、口元がニンマリしていた。









あの小柄な少年を買ってから7日が経った。小柄な少年は順調に回復して行き、当初はガリガリだった体も、その辺に居る普通の子供の様にふっくら柔らかくなっていた。その結果をもたらしたのは、あのめっちゃくちゃ苦い良薬と、栄養の有る食物だったであろう。

ま~歳も若いことだけあって、回復が早いというのも有るのだろうが。今は生命力溢れ、体は激しく汚れているがきっと血色も良いだろう。動ける様になってからは部屋の中限定で軽い運動もさせていたし、今は健康優良児だ。

そして、今日はいよいよとあるミッションを開始すべく、小柄な少年の居る部屋に向かった。

部屋の中に入ると窓辺に立っていた小柄な少年は俺の元にやって来た



「ご主人様!おはようございます!」

そう言って元気一杯走って来て、俺の足元で平伏(土下座)して、俺の足の甲に何度も口付けをする。

これがショタ好きのお姉さまなら堪らない状況なのであろうが、あいにく俺はロリコ○!

なのでそんな攻撃は俺には効かないんだよ!小柄な少年よ!

心の中でそういう風に決着をつけて、小柄な少年を抱え上げ立たせる。

そんな俺を見て顔半分以上汚い髪に隠れてはいるが、微笑んでいると解る表情を俺に向ける小柄な少年。その表情を見て俺もつい微笑んでしまう。…むうう…俺もショタにやられているのかな!?怖す…

しかし、今日は小柄な少年をとあるミッションにかりだすべくここに立っているのだ!

こんな事では負けないよ?俺は!俺はやれば出来る子なんです!…多分…ううう…以下省略。



「今日は体を洗いに川に行きます!」

そう言って高らかに宣言する俺!勿論、人差し指は窓の外の川の方?を指している。

そんな俺を見て他人事の様にオオ~と言って、パチパチ拍手する小柄な少年。

いやいや…小柄な少年よ。君を洗う事がメインだからね?俺じゃないのよ?え!?心の中が汚れているって!?…心は放っておいて…きっと泣いちゃうから……ウウウ…



「とりあえず、準備は万端だから、レッツゴー!!!」

そう言って俺と小柄な少年は部屋を出たのであった。



『ズ~~~~~ン…』

と、まるで聞こえてきそうな擬音を体全体で醸しだす小柄な少年。

体を洗いに行くのを俺だけと思っていたらしい。

そこで、体を洗いに行くのは小柄な少年がメインで、君はものすごく汚くてものすごい悪臭を放っていると言ったらこうなった。

まあ~俺でも同じ事を言われればこうなるのかも?

…たまには悪戯もしたくなるよね?だって俺は心が汚れてるから!…キリ!……シクシク。

俺は小柄な少年に、この前は何時体を洗ったのか聞いてみた。予想では半年は洗ってないと予想出来た。

しかし、小柄な少年から帰ってきた答えは、俺の想像を遥かに超えていた。



「えっと…最後に体を拭いて貰ったのは…6年前で…体を洗った事は有りません」

言いにくそうに小柄な少年は言うと、シュンとなっていた。

つまり、6年前を最後に、体を拭いたりしていない。俺の考えは早くも瓦解した。



オーケーオーケー。落ち着こう。そんな事もあろうかと、秘密兵器を沢山用意してきたのだ!

今回のミッションは失敗なんてするはずがない!必ず、コ○ニーを地球に落としてやる!

星の屑成就の為に!ソ○モンよ!私は帰って来た~!!キリ!…本当に屑にならない様に注意しよう…



しかし、どういった経緯でこの様な三級奴隷になったのかが気になった。

本来なら、踏み込んで来て欲しくない領域だろうけど、この先当分一緒に過ごすのだ。

後になるほど聞きにくくなる事なんてのも世の中にはある。なので、最初に聞く事にした。

小柄な少年は言いにくそうに話し始めた。



小柄な少年は生まれてから塔の中で生活していたらしい。塔の中から出る事は激しく禁止されていたと言う。どういった経緯でそういう生活を送っていたかは、本人も知らないらしい。

たまに、母親が塔に現れて一緒に遊んでくれたと言う。母親とはいつも一緒に居れる環境では無かったらしい。母親はいつも優しかったと言って微笑む小柄な少年。

そして、7歳の時にソレは起こった。何者かが塔のある街を襲ったと言う。何者がどういった事で襲って来たかも当然解らない。

しかし、小柄な少年の母親は、小柄な少年を逃がす為に塔から連れ出して逃げたという。途中で襲って来た奴らに追いつかれそうになり、母親は小柄な少年だけを逃したと言う。それっきり母親とは逢えなかった様だ。

その後、フラフラしていた所を、あの奴隷館で会った体格の良いむっさい男に捕まって、三級奴隷にされて、働かされていたと言う。そして、6年間働かされてあの奴隷館に売られる所で、俺に買われたと言う事だったらしい。

瞳を涙で揺らしながらゆっくりと言った小柄な少年。

その小柄な少年の頭を優しく撫でると涙を流しながら微笑んでいた。

川に向かう荷馬車の上、そよぐ風はとても気持ち良かった。









「ここが今回のミッション遂行の目的地、ジルレー川です!!」

高らかに俺は宣誓する!キリリ!ついでに勝鬨も上げたい気分だ!

パチパチパチと笑顔で拍手する小柄な少年。…フフフ決まった!ザ○とは違うのだよ!○クとは!

今は春先、川の中に入るには若干の冷たさを伴うが、本日は晴天なり!非常に暖かい。

ジルレー川は川幅15m位の浅くて流れの緩やかな川だ。多くの旅人が喉を潤し、体を清め洗う。

勿論、文明が発達していないこの世界の川は非常に綺麗だ。沢山の魚が気持ち良さそうに、光りながら泳いでいる。今回のミッションにはお誂えの場所だと言える。

俺は今日の為に用意した秘密兵器を川辺に並べる。小柄な少年が興味津々でそれらを見ている。

フフフ…。気になるかね?小柄な少年よ!これで君はビューティフォー少年に生まれ変わるのですよ!

では…まず第一段から始めようではないか!



「君はさ、良くお腹が痛そうにしているよね?」

俺は小柄な少年にそう告げる。小柄な少年はコクコクと頷く。養生中にもよく言っていた。我慢出来ないほどではないが、よく痛くなると。第一段はソレの解消だ!



小柄な少年は、恐らくかなり劣悪な環境で生きてきた事が、見た目でも聞いた話でも理解出来る。

食物もゴミ同然の不衛生な物しか食べていなかったはずだ。じゃないとあんな栄養失調の様なガリガリの死にかけになるはずがない。そんな不衛生な食物を食べていると必ず出てくるのだ…ヤツが…

そう…寄生虫だ!

小柄な少年がお腹が良く痛くなるのは、寄生虫が原因だとすぐに解った。なので用意した!

この…虫下しスーパーデラックスを!



この世界でも寄生虫の存在は知られている。この薬はそういった体内の寄生虫を殺し、お尻から出す効果がある。これでお腹も痛くなることは無いであろう!なにせこの薬は、確認されている寄生虫はすべて殺して出す効果があるらしい。その分高価だけど…ううう…。



俺は2人分の薬を用意してコップに入れる。ソレの一つを小柄な少年に渡す。

ソレが薬であると聞いて、小柄な少年の顔が歪む。…あの療養中に飲んだ薬の事を思い出しているのであろう。

確かにアレはトラウマになるよね…。

しかし最終兵器の『命令』発動によって小柄な少年は涙ぐみながらゴクゴクと薬を飲んでいく。

しかし、その顔は、アノ薬より苦くなかったとすぐに分かる表情をしていた。



そうか…アノ薬まででは無かったか…安心安心…

人柱の小柄な少年の表情に安心した俺も飲み干した。何故俺も飲むのかって?

俺は小柄な少年の看病をしていたからさ!オシッコやウンチの始末もしてたんだよね…

まあ…尿瓶にしているソレらを捨てたり、お尻を拭いた布を洗ったり…それだけなんだけどね。

直接小柄な少年の僕チャンな部分を触ったりはしてません!最後の一線だけは守りたい…ショタ怖す…

なので、俺も伝染っている可能性があるので念の為にね。初めに飲ませたのは、効き始めるのに多少時間がかかるからだ。体を洗ってる時に、お尻から排出されるであろう事を小柄な少年に伝えると、モジモジしながら頷いていた。…ういやつめ…

では第二段、行っちゃいましょう!



「スーパー石鹸とミラクル頭洗い液!(シャンプーもどきだ!)」

再度小柄な少年がパチパチと笑顔で拍手する。よせやい…照れるじゃないか!キリ!

この石鹸とシャンプーもどきは、店の人に一番汚れが落ちる奴と言ったらこれを進めてくれた。

何でもこれで洗うと見事に綺麗になるらしい。とりあえず最低10回は体と頭を洗ってやろう。



「良し!まず…服を脱ぎます!キリ!」

キリって言っちゃった…グハ…

服を脱ぐと言う言葉に、恥ずかしそうにモジモジしている小柄な少年。

やだ…ちょっと…このショタっこ可愛いじゃない…お姉さんメロメロ…俺はお姉さんじゃないけどね!

とりあえず男同士なのだ!裸の付き合いと洒落込もうじゃないか!…健康的な意味でだよ?



俺は服を全部脱いで全裸になる。俺の全裸姿を見てなぜか顔を隠している小柄な少年。

どこまでシャイなんだね君は…俺にそんな攻撃は効かないんだぜ?ヘイ!ボ~イ!俺はロリ…以下同文

俺は小柄な少年に近づき、激しく汚れた男物の奴隷服をスッポーンと脱がす。

小柄な少年は左手で胸を隠して、右手でパオーンチャンを隠している。

…君はミロのヴィーナスですか…



とりあえず、小柄な少年を川辺に立たせ全身に水をかける。冷たそうにしていたが慣れるであろう。小柄な少年は俺に背中を向けて立っている。そのカラダのラインは華奢で柔らかそうだった。

オオウ…小柄なショタっ子め…俺を誘惑するとは…破廉恥な!

俺はそうツッコミながら石鹸を泡立てていく。まずはその黒ずんだ肌から綺麗にしてくれよう!

そして、背中から洗って行く。初めはぎこちなくしていたが、気持ち良いのかなすがままにされるようになる小柄な少年。一回目の背中洗いを終えてこちらを向かせる。その時再度恥ずかしがっていたが無視をした。そして…こちらに向かせた瞬間に、目に入って来た物に少し戸惑った。



『うん?胸が…少し膨らんでいる?』

そう心の中で呟いた俺。小柄な少年の胸は可愛いお茶碗位の膨らみがあった。

子供だから胸が柔らかく膨らんでいるのかな?それとも筋肉?

でも歳は…13歳だったはずだし…俺もこの歳の頃はこんな感じだったのかな?

それとも…違う種族だからかな?

そんな事を考えながら小柄な少年の上半身を洗って行く。



「…っんうん…」

胸を洗っている時に、艶かしい声を上げる小柄な少年。

オオウ…何かエロイ声あげちゃうよこの子。気持ち良さそうに目を潤ませて俺を見ている。

イヤイヤイヤ。俺はショタじゃないからその攻撃は無効だぜ?…お姉さんなら、確殺だったね!



そして上半身を洗い終えて下半身に移る。小柄な少年はまだパオーンチャンを左手で隠していたが、いよいよパオーンチャンとご対面の時が来た!

俺のパオーンちゃんと何方がパオーンチャンキングか勝負だ!…負けたらどうちよう…ドキドキ

さあ!小柄な少年よ!いざ尋常に勝負!

一気に小柄な少年の左手を取り去った。小柄な少年は恥ずかしそうに俯いている。

そして、小柄な少年のパオーンチャンと勝負しようとしたが、目見入って来た物に俺は全ての時間が止められた。



不意に上空を眺める。今日は晴天だ。空高くに鳶のような鳥がクルクル輪をかいて飛んでいる。

そう俺の視力は2.0だ。ここから鳥が良く見える位に。近眼でもない、乱視でもない。

ましてや老眼でもないだろう…。

良し!深呼吸だ!スーハー。うん落ち着いた。じゃ~再戦と行こうではないか!

もう一度ゆっくり目を凝らして小柄な少年のパオーンちゃんを見る。

しかし…そこにあるものは…一筋の割れ目…。

膨らんだ胸、一筋の割れ目…柔らかそうな体…この結果から導かれるのは…

不意に俺は呟く



「君は男の子だよね?」

静かにゆっくり言うと、急に震えながら小柄な少年から帰って来た答えは、



「私は女の子です…」

少しワナワナしている小柄な少年。



「えええええええええええ!!!」

思わず声を上げる俺。



パオーンチャンキング決定戦は、小柄な少年の参加不可能によって俺の不戦勝が決定した。
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