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1章
愚者の狂想曲 5 ラングース出立
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仕入れと買い物を済ませた俺とマルガは、宿屋に帰ってきた。まだ夕方前だが、明日の出発の為に準備を始めたのだ。マルガは宿屋に帰ってきて、届いていた自分の服を、カバンの中に綺麗に整頓していっている。俺もアイテムバッグを開き、戦闘用の装備を手入れしていく。
そこに、鞄を整理し終わったマルガが、好奇心が湧いたのか、傍まで見に来た
「ご主人様それは戦闘用の装備ですか?」
マルガは物珍しそうに、並べられた装備を見ている。ほんと、好奇心旺盛だねマルガちゃんは!
「マルガも港町パージロレンツォについて、冒険者ギルドできちんと戦闘職業についたら、装備を買ってあげるからね。それまでは我慢してて」
マルガはハイと返事をしてニコニコしている。もう…可愛いんだから!
マルガを抱きしめ軽く唇にキスをする。赤くなって微笑むマルガ
俺はアイテムバッグから、一振りの短剣を取り出しマルガに渡す。刃渡り20㎝位の短い短剣だ。
「マルガはそれを持っておいて。その短剣ならマルガでも使いやすいだろうから。ま~念の為にって感じだけど。腰につけておくといいよ。旅をするのにも役に立つしね」
マルガに短剣を渡すと、鞘から抜いて、短剣をじっと見つめ
「これでご主人様をお守りします!」
ムムムと目をキツくして短剣を掲げて言うマルガ。…それで守れる位の敵なら、俺が簡単にやっつけちゃうけどね!見てて可愛いので、このまま見ていよう!
俺がマルガを見てムフフとなっている時に、マルガは一振りの剣を見る。
「これがご主人様の武器ですか?」
マルガは鞘に入った刃渡り45㎝位の剣を手に取る
「ま~武器っちゃ武器だね。それはマチェット」
マルガからマチェットを受け取り、鞘から引き抜く。刃渡りは45㎝程度だが、重厚感のある頑丈なマチェットだ。
「この、刃の背中に付いているのは…ノコギリですか?」
「うん、これを買った時に、鍛冶屋でつけてもらったんだ。そのお陰で、結構大きな木でも切れる様になったよ。このマチェットの主な用途は、木を切ったり、草を払ったりが主な使い方かな?こいつは結構重宝してるよ」
そう説明して、セレーションブレード付きのマチェットを鞘に戻す。
装備の手入れも終わり、旅の準備も出来た。窓の外を見ると、そろそろ夜の帳が降りてくる所だった。
俺はマルガと一緒に夕食を取りに食堂に向かった。
隣を俺の腕を組んで歩くマルガは上機嫌だ。尻尾もフリフリ、鼻歌ルンルン♪
一級奴隷になって初めての食堂なのだ。今迄三級奴隷だったので、食堂での食事は避けていた。マルガに偏見や差別を与えたくなかったからだ。
しかし、今は一級奴隷。大手を振って食堂で、テーブルで夕食が食べれるのだ。今日は、出発の前祝いだし、一杯食べさせてあげよう。
俺とマルガが向かっているのは、このラングースの町で一番人気のある食堂だ。
リーズナブルな価格に、美味しい料理、店の中も広く、沢山の客が入れる様になっている。
俺はマルガを連れて店の中に入る。店の中は沢山の人が楽しそうに食事をしている。
「わああ…」
マルガが感動の声を上げている。今迄入ることは許されず、外から様子を眺めるのが精一杯だった。
それが、何時でも来れて、気軽に自由に食べる事が出来るのだ。
感動しているマルガの手を引いて、空いていた10人がけのテーブルの端に座る。
マルガは回りをキョロキョロ見渡しながら、嬉しそうにしている。
そんなマルガに微笑んで、俺は店員を呼ぶ。10代位の女性の店員が俺達の元にやって来た
「いらっしゃいませ!何にしましょう?」
「今日のおすすめって何かな?」
「今日のおすすめは、ブルリ魚の塩焼きと、羊と芋のシチュー、ボスル肉の蒸し焼きです」
「じゃ~それ3つを2人分ずつと、パンと果実ジュースと野菜のサラダも2人分お願いします」
注文すると、店員はお辞儀をして戻っていく。
この世界には色々な生物がいる。魚のブルリはアロワナに近い淡水魚で、この世界では良く食べられているポピュラーな魚だ。ボルスは豚に近い肉質の動物だ。此方も数が多く、良く食べられている。
でも、地球で居た動物も普通にいる。馬、豚、牛、羊、犬、猫、鶏…
平たく言うと、地球に居た生き物プラス、この世界の生き物がいるって感じなのだ。
植物も同じ。キャベツ、レタス、トマト、きゅうり…見慣れたものも多く有る。
只、運搬に冷凍やら、保温が難しく、保存がしにくい。生産地が近い場所じゃないと、新鮮な物や、加工していない物は食べれない。
大体、塩漬けか干した物が主流である。野菜は特別難しく、生産条件が厳しい物じゃなければ、大体揃うんだけどね。生産地ならだけど。
暫く待っていると、店員が料理を持って来た。テーブルの上に並べて行かれる料理。
どの料理も美味しそうな匂いを漂わせている。その匂いを嗅いだマルガは口から涎が出そうになっている。
「ご主人様美味しそうです~」
マルガはテーブルに並べられている料理に、目が釘付けになっている。そんなマルガを微笑ましく思い、笑みがこぼれる。
「さあマルガ食べよう!」
「ハイ!ご主人様!いただきます!」
マルガは料理に襲いかかった!
ボスル肉の蒸し焼きはかぶりつかれた!!マルガはボスル肉の蒸し焼きを頬張っている!
マルガは連続攻撃を放った!
羊と芋のシチューと焼いたパンはモリモリ削られていく!マルガの頬も一杯になっている!
マルガ会心の一撃!
ミス!!ブルリ魚の塩焼きは、マルガのフォークからポロロンとテーブルに転げ落ちた!
マルガは涙目になっている!ウウウ…と唸って、テーブルにポロロンと落ちたブルリ魚の塩焼きの様子を伺っている!
「マ…マルガ…料理は逃げないから、ゆ…ゆっくり食べようね…」
このまま放っておいたら、何処迄格闘するのか面白い所ではあるが、周りの人がマルガを面白そうに見ていて恥ずかしい!ここで一度ブレイクさせないと!
マルガは俺の言ったことに気付き、顔を赤くしながら
「ご主人様すいません…余りに料理が美味しかったもので…」
モジモジしながら言うマルガ。周りの人も笑っている。更に赤くなってモジモジするマルガ
「ハハハ。可愛いお嬢さんですね。食べっぷりも良いし」
そう言って、対面に座っていた男女が話しかけてきた。にこやかに微笑む男女。
「今日はごちそうみたいだけど、何かのお祝いかい?」
女性がそう訪ねてきた
「ええ…まあ…そんな所ですかね?明日この町を出て、港町パージロレンツォ方面に行商に向かうんですよ。この子は俺の奴隷になって初めての行商なんで、ちょっとした前祝いみたいなもんです」
俺は微笑みながら言うと、ニコッと笑う女性
「そうなのかい。お嬢ちゃん良いご主人様に出会えて良かったね~」
そう言って、マルガに微笑む女性にマルガは満面の笑みで
「ハイ!私、ご主人様に出会えて、凄く幸せです!」
そう言い切るマルガ。周りの人は笑っている。ううう…マルガ…気持ちは凄い嬉しいけど…恥ずかしいよ~。まさか…何かのプレイですか!?俺もモジモジしてしまった。
とりあえず、マルガの口に付いていたパンくずを取ってあげて、話をそらす事にした
「えっと…貴方がたは冒険者の様ですが…何処かに向かう旅の途中ですか?」
恥ずかしげに苦笑いして言う俺
「私達は確かに冒険者だけど、旅ではないの。行商人の護衛で此処まで来たの。私達は港町パージロレンツォから来て、貴方達とは反対の方向のルブジリアン王国に向かう予定よ」
なるほど…冒険者は行商人の護衛もよく引き受ける。
この世界で行商人は、規模にもよるが、大抵1~3人の護衛を付けて行商を行なっている。
護衛を付けず行商や旅など自殺行為。無謀も良い所だ。
そう言えば、この冒険者達は、行商人の護衛で、港町パージロレンツォから来たと言っていた。
調度良い。ギルゴマの知人の行商人の事を聞いてみるか。
「そうなんですか。それと、聞きたい事が有るんですけど…」
俺は2人の冒険者に事情を話す。暫く考え込んでいたが
「う~ん。貴方の言う様な特徴の行商人は見てないわねー。ごめんなさいね」
「いえ、そんな」
「ま~最近はまた少し物騒になってきたからね~」
「どういう事ですか?」
俺は2人の冒険者に理由を聞いてみる。
「東方の6年前に滅びた大国、元グランシャリオ皇国領で、またいざこざが有ったらしくてさ。その残兵やら敗戦兵やらが軍から逃げ出して、あちこちの国で悪さをしてるらしいよ。このフィンラルディア王国にも、流れて来てるみたいでさ、憲兵が取締をしてるんだけど、被害が増えてるって。被害が収まるまで暫く時間がかかるかもだってさ」
なるほど…ひょっとしたら、そいつらにやられた可能性もあるのか…
「とりあえず、貴方達も港町パージロレンツォの方に向かうなら、気を付ける事だね。あの街は良くも悪くも人が集まる街だから」
「ええ。気をつけます。ありがとうございます」
「なんか食事時に、湿っぽくなっちゃたね」
「いえ、貴重な情報たすかりますよ」
俺達は笑いあいながら、食事を進めるのであった。
俺とマルガは食堂での夕食を済ませ、宿屋に向かって帰っている。
「ご主人様ごちそうさまでした!ものすごく美味しかったです!」
マルガは満足気にそう言って微笑んでいる。うん良い顔だね!癒される!
俺はマルガの頭を優しく撫でる。マルガは満面の笑みで微笑んで返してくれる。
「そか。それは良かったね。俺もあの店の料理は美味しいから好きなんだよね」
マルガは、あの料理をぺろりとたいらげて、デザートの果物までペロリとたいらげていた。
この小さな体のどこに入るのか不思議ではあった。量だけなら俺と同じ位食べている。
ま~マルガが喜んでいるんだからいっか!太るような様子もないし。健康第一だよね!うんうん!
俺がそんな事を考えて歩いていると、マルガが声を掛けてきた
「ご主人様…聞きたい事があるのですが良いですか?」
うん?なんだろ?好奇心マルガちゃん。何でも答えてあげよう!知ってる事だけ!
「うん?いいよ。何が聞きたいの?」
「…なぜ、ご主人様は、私に優しくしてくれるのですか?」
そう言って、マルガはライトグリーンの透き通るような瞳を、静かに向けている。
え!?何!?どうしたの!?俺何かした!?どうしたのマルガちゃん!?
いきなり何かのフラグですか!?…鼓動が早くなってきた!…ムムム
「…そ…それは、マルガが大切だからだよ?」
疑問形になったが…うん、嘘ではない!マルガは可愛いし、俺にとってはかなり大切だ。離したく無い程に
「な…なぜ…大切なんですか?」
マルガは俺に一層近づき、その瞳を俺に向ける。ライトグリーンの綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
オオウ…ツッコんできちゃったよ…斬り込んできちゃうよマルガちゃんが!どうしちゃったの?
ムウウ…どんなフラグかは解らないが…此処は正直にいこう…
「そりゃ…マルガは可愛いし、俺に尽くしてくれるし…」
それにエッチだし!…こんな可愛いマルガちゃんを、大切にしない訳無いじゃん?
そんな俺の答えを聞いて、ライトグリーンの透き通るような瞳が一瞬揺れる
「理由は…それだけですか…」
そう呟いて、儚げに一瞬視線をそらすマルガ
「マ…マルガ…」
そのマルガの表情になんとも言えない気持ちが湧いてきた
「……変な事聞いてすいませんでしたご主人様。さあ、帰りましょう!」
そう言ってマルガは俺の手を引っ張って、ニコっと笑って前を歩き始めた。
何故か少し寂しそうな背中が、俺の何かを刺激する。
「キャ…」
少し驚いて声を上げるマルガ。俺は後ろからマルガを抱きしめていた。無性にマルガをそうしたくなった。
マルガを後ろから抱きしめながら、マルガの優しく甘い匂いを堪能する。
「マルガは…俺の奴隷なんだから…ずっと手放す気は無いからね…マルガは俺の物…解ってるよね?」
マルガの耳元でそう囁き、マルガの可愛い、少し尖った耳に優しくキスをする
「…ハイ…ご主人様…私は…ご主人様の物です…永遠に…」
マルガは抱きしめている俺の腕をギュッとつかみ、振り返って俺にキスをする。マルガの柔らかく甘い舌が俺の口の中に入ってきた。マルガの舌に俺も絡めながら、マルガの舌を十分に堪能する。
十分にマルガのキスを堪能し終わって、顔を離した時にマルガの顔が目に入る。
その顔はいつものマルガに戻っていた。頬を赤く染めて、嬉しそうに俺を見ている。
「…マルガ…帰ろう」
そう言って微笑むと、ハイ!と嬉しそうに返事をするマルガ。
マルガは俺に腕組みしながら、ニコニコしている。
マルガの毛並みの良い金色の尻尾が、夜空を照らす輪っかのかかった青い月の優しい光の中、楽しげに揺れていた。
俺とマルガは宿屋の宿泊している部屋に戻って来ていた。
明日の出立の準備は既に出来ているので、部屋の中で、マルガと他愛のない話をしながら休憩していた。
夜も深まって来たので、そろそろ体を拭こう。
俺が体を拭く準備をしようとしたら、マルガに止められた
「ご主人様そういう事は私がします!ご主人様はゆっくりしていて下さい!」
マルガは両手を腰に当てて、少しお説教モードで俺に言う。
どうやら俺が色々マルガにする事は、マルガに取っては嬉しい事ではあるが、主人にされてばかりでは、奴隷として立つ瀬が無いとの事らしい。
なので雑用は、余程の事が無い限り、全てマルガがすると言う事になった。
マルガも言い出したら聞かないね…いじらしい所も可愛い!
マルガは、桶と体を拭く布を用意してくれた。そして、石鹸水で布を絞り
「ではご主人様の体を拭かせて下さい」
そう微笑むマルガ。マルガは俺の服を脱がせてくれる。
そして、丹念に俺の体を、拭いていってくれる。
両腕に、両足、背中や胸も。そして、最後に俺のモノを優しく手に取る。
マルガは、優しく石鹸水を絞った布で拭いてくれる。マルガの手が気持ちよくて、俺のモノはムクムクと元気になっていく。それを見て、顔を赤らめて微笑むマルガ
「う…うう」
思わず声が漏れた。マルガが俺のモノを咥えて、舌と口の中で丹念に愛撫してくれる。
マルガの柔らかい舌と、暖かい口の中が気持ちいい。
「ご主人様の…美味しいです…」
マルガは目をトロンとさせながら言って、俺のモノを再度口に咥え愛撫する。
マルガが可愛くて、マルガの口の中が気持ち良くて、もう我慢出来なかった。
「マ…マルガ…出すよ…マルガの口の中に…一杯出すよ…」
俺の声にマルガは、モノを咥えながら何度も頷き答える。マルガの頭を両手で抑え、マルガの顔に腰を振る。その瞬間に、俺のモノから快楽と共に、白い精液がマルガの口の中に飛び出す。
マルガは、俺のモノに吸い付き、最後の一滴まできちんと吸い取る。
マルガの口から俺のモノを抜くと、ヌロロと引く糸が艶かしく光っている。
マルガは口を開けて、波々と口の中に注がれた精液を俺に見せる
「マルガの口気持良かったよ。ご褒美の俺の精子…よく味わって飲むんだよ」
そう言うとマルガは頷き、口の中でクチュクチュ味わってから、コクコクと飲み込んでいく。
そしてマルガは、きちんと飲みましたと解るように確認出来るように、俺に口の中を見せる。
それを確認してマルガの頭を優しく撫でると、赤くなって微笑んでいる。尻尾もパタパタ振っていた。
「じゃ、今度はマルガの体を拭こうね…」
石鹸水の桶で、布を浸し、綺麗に絞って、マルガの体を引き寄せる。
マルガの服を優しく脱がしていく。恥ずかしそうにしているマルガが可愛らしい。
すべての服を脱がすと、マルガの玉の様な白い肌の、華奢だが女の子らしい柔らかい体が姿を表す。
マルガの可愛く、美しい体に見蕩れながら、マルガを拭いていく。
右腕、左腕を優しく拭いていく。当然拭くだけではない。
拭きながらマルガの脇の下や首筋を舌で念入りに味わい愛撫もする。マルガが身悶えるのが愛らしい。
舌と布で丹念に愛撫しながら、全身を綺麗にしていく。
マルガは、舌が気持ち良いのか、時折甘い吐息を上げる。
そして、全身を綺麗にし終わった時には、マルガの秘所はヌルヌルになっており、内腿に雫が滴り落ちていた。
「マルガも綺麗になったね…。マルガも気持ち良かった?」
ニヤっと笑ってマルガに聞くと、恥ずかしそうに赤らめた顔で
「はいご主人様…気持良かったです…綺麗にして下さってありがとうございます…」
そう言って俺の手を取って、指を口に入れて、舌を絡めて舐めるマルガ。
マルガは、俺の指を舐めながら、トロンとした透き通るようなライトグリーンの瞳を揺らせて
「ご主人様…私…私…」
切なそうに呟き、身を悶えさせるマルガ。俺はマルガを抱きかかえ、ベッド迄連れて行き、優しくベッドに寝かせる。
「今日はね、マルガの血を貰いながらするからね」
そう告げると、マルガは一瞬ピクっと体を強張らせる
「…大丈夫。死んだり、アンデットになったりしないから。傷跡も残らないからね。…多分だけど、気に入ってくれると思うよ…」
そう言って、軽く額にキスをすると、ニコっと微笑みながら
「私はご主人様だけの奴隷です…ご主人様の好きになさって下さい…それが私の望みですから…」
そう言って微笑み、俺にキスをするマルガ。う~ん可愛すぎる!
俺の種族はヴァンパイアハーフ。ヴァンパイアの始祖と人間のハーフだ。
色々な能力があるが、月に3回血を吸わないと死んでしまう。マルガに会うまでは、娼館の女をレアスキルの魅了で操って、その女から血を貰っていた。
魅了で操られている最中は、自意識はなく、記憶も無い。血を吸い終われば、何も覚えていないその女を抱いて、娼館から帰ると言った感じで過ごしていた。
それと、ヴァンパイアに血を吸われたからと言って、死ぬ事は無い。最後まで血を吸いきったら死んでしまうかも知れないが。俺はヴァンパイアハーフなので、血を吸う量も少なくて済む。
もう一つは、同じく血を吸われたからと言って、ヴァンパイアにはならない。
同族や下僕のアンデットを作る時は、眷属の力を使って、別の方法がきちんとあるのである。
ヴァンパイアは、数がとても少ない闇の稀少種族だけ有って、憶測や伝説だけが先走っている状態だ。
実際に、出会ったり、戦ったりした事のある者は、ほぼ皆無だろう。
俺は少し震えていたマルガを優しく抱きしめると、マルガは安心したのか、震えは止まっていた。
マルガに優しく微笑むと、マルガも極上の微笑みで返してくれる。
そんな可愛いマルガにキスをする。可愛い口を開かせ、舌を滑り込ませる。
マルガの柔らかく暖かい舌を、心ゆくまで味わい堪能する。マルガも同じように、俺の舌を味わっている様に、舌を絡めてくる。
マルガの舌を堪能しながら、マルガの柔らかい、こぶりの可愛らし胸を愛撫する。
「う…ふ…っん…」
マルガの吐息がどんどん甘くなる。マルガの感じて立って来た乳首を、入念に弄ぶ。
身をよじりながら感じているマルガ。可愛いピンク色の乳首を舌で味わいながら、マルガの秘所を指で愛撫する。マルガの秘所は既に糸を引くほど、甘い膣蜜で光り輝かせている。
マルガのその膣蜜を味わうべく、俺はマルガの下腹部に顔を埋める。
「っは…ん…っん…」
マルガの秘所を舌で味わう。可愛い膣の中に舌を滑り込ませると、蜜を出しながら、キュっと舌を締め付けるマルガ。マルガの蜜を味わいながら、クリの方も舌で弄ぶ。マルガは、身悶えながら、俺の頭を両手で抑えて、秘所に宛がう。余程気持ち良いのか、マルガは腰をくねらせ、俺の顔にもっとしてとおねだりする様にこすりつけてくる。俺はおねだりしてくるマルガが可愛くて、目一杯マルガの秘所を愛撫する。洪水のように蜜を流すマルガの体が小刻みに震えだす
「ご…ご主人様…わ…私…変です…な…な…何か…き…ます!」
マルガはピクンピクンと体を震わせ始める。俺は愛撫を強め、マルガの秘所を弄ぶ。
その瞬間、マルガは体を大きく震わすて
「ご…ご主人様ー!…んっ…ん…っん…あああ!!!」
マルガの体は大きくはじけて、大きな吐息を吐く。その後小刻みに震えているマルガ。
桜色に火照った体を大きく揺らして息をしていた
「ご…ご主人様…わ…私…どうなったのですか?」
マルガは目を虚ろにしながら、グッタリしている。
「それはね、イクって言って、女の子が絶頂を迎えた時に味わえる感覚だよ。…凄く気持ち良かったでしょ?」
「はい…とても気持ち良かったです。…あんなの初めてです…」
頬を赤らめて言うマルガにキスをして
「それは良かったね。これからもっと気持ちよくなるよ。それと、次からはイク時は、イキますってきちんと言ってからイク様にね…解った?」
そう言うと、恥ずかしげにコクッと頷くマルガ。
そんなマルガに俺は覆いかぶさった。足を開けさせ、秘所を突き出させる。
「じゃ~マルガの可愛い膣穴を堪能させてもらうね」
「はい…マルガのココを、ご主人様ので一杯にして下さい」
マルガは足を両手で持って、秘所を俺に差し出している。そんな可愛いマルガにキスをする。
「…初めては痛かったでしょ?マルガの初めての顔を見たかったから、優しくしなかったけど…今日は血を吸いながらだから、痛みを感じないからね…凄く気持ちよくしてあげる…」
そう言って、俺のモノをマルガの秘所に押し当てる。マルガにキスをして、その唇を首筋まで持っていく。そして、蜜液で煌めいているマルガの膣に、一気に入っていくと同時に、首筋から血を吸う。
「っんはああああああああ!!!」
マルガは大きな声を上げ、体を捩れさせた。その口からは、激しく甘い吐息を漏らしていた。
その表情は快楽に溺れて恍惚に浸っていた。
ヴァンパイアに血を吸われると、SEX似た強い性的快感が得られる。この快感が忘れられなくてわざわざヴァンパイアに、血を吸われる事を望む者も多々居る。
今のマルガは全身が性感帯のようになっている。何をされても気持ち良いだろう。
昨日処女を奪ったばかりで、まだ膣にモノを入れられるのは痛いはずだが、俺が腰を振るとマルガは甘い吐息を撒き散らせながら、俺のモノを可愛い膣で味わっているのが解る。
「ご…ご主人様!…き…昨日と…全然…違います…私…私…」
身を悶えさせながら、甘い吐息混じりに言うマルガ
「膣の中も気持ち良いでしょ?血を吸いながらしたらこうなるんだ。…もう、マルガの可愛い膣は、俺のモノを気持ち良いものとして認識したはずだよ。今度からは、血を吸わないでも気持ち良いからね」
そう聞かされたマルガの顔は歓喜に染まる
「う…嬉しいで…す!ご…ご主人様!…マルガ…ご主人様ので…もっと…気持よくなりたいです…」
そう言ってマルガは俺にキスをする。舌を滑り込ませてきて、俺の舌を堪能するように舐めている。
腰をくねらせ、もっとしてとおねだりするマルガ。
「解ってるよ…。じゃ~マルガを一杯犯して気持ちよくしてあげるね」
俺はマルガの腰を掴み、マルガの体を激しく揺さぶり、腰を叩きつける。激しく出入りする俺のモノを、マルガの可愛い膣は喜ぶように蜜を垂らしてキュっと締め付けてくる。
マルガは恍惚の表情に浸り、俺のモノを激しく求める。
「ご…ご主人様!き…気持ち良いです!ご主人様のが…気持ち良いです!」
マルガは体中を桜色に染めて、玉のような汗を全身に身に纏い、光り輝いていた。
そんな、甘い吐息を辺りに撒き散らすマルガは、女神以上に可愛く、艶かしく映った。
俺の心はマルガに囚われている様であった。もっとマルガが欲しい…身も心も全部…隅々まで…
「マルガ…好きだよ…」
自然と口から零れる様に呟いた俺。そう…俺は…マルガが好きなんだ…奴隷としてだけじゃなく、一人の女の子として…
俺がマルガを好きになっていた事に自覚していると、マルガは目を潤ませながら
「ほ…本当…ですか?…ご主人様は…私の事が…マルガの事が…好きなんですか?」
か細く、何かを求めるように聞き返してくるマルガ
「うん…マルガが好き…大好き…」
その言葉を聞いたマルガは、大粒の涙を流し、ギュっと抱きついて
「私もご主人様が好き!大好き!ご主人様が大好きです!」
マルガは何か溜まっていたものを吐き出す様に言うと、キスをしてきた。
舌を俺に入れ、俺の唾液を飲み、味わい堪能し、自分の体に染み付けるように、飲み込んでいく。
そんな情熱的なキスをしてくるマルガに、俺は更に欲情してしまった。
マルガの体を激しく上下させながら、胸に唇を這わせ、マルガの可愛いピンクの乳首に吸い付く。
身を悶えさせながら、腰をくねらせ、俺を求めるマルガ。
マルガの可愛い乳房に牙を立て、乳首を舌で弄びながら、乳房からも血を吸う。
「あうっん…っっん…はあ…」
マルガは更に甘い吐息を上げる。マルガの体は小刻みに震えだした。俺は、マルガの俺のモノで快楽に浸っている顔をもっと見たくなって、激しくマルガの可愛い膣を、俺のモノで犯していく。
マルガの体は、何度もピクピクと踊りだしてきた
「ご…ご主人様…また…来ます!また…私…」
我慢できなくなってきたマルガは、甘い猫なで声で言う
「いいよマルガ。一杯イッていいよ…可愛いイッてる顔を俺に見せて」
俺はそう言うと、マルガの体を激しく上下に揺さぶる。マルガの秘所はピクピクと小刻みに痙攣をはじめる。マルガの甘い吐息が大きく弾けた
「ご主人様!イ…イキます!ご主人様イッちゃいます!…んはあああああ!!!」
大きく体をのけぞり絶頂を迎えるマルガ。膣がキュっと俺のモノをきつく締め付ける。その快感に、俺も絶頂を向かえ、マルガの小さな膣に精をぶちまける。俺は、満足してモノをマルガの可愛い膣から引き抜くと、ヌロロロと糸を引いて居る。マルガの可愛い膣からは、注がれた俺の精液が溢れて流れ出していた。
「ご…ご主人様の…熱い精液が…私の中で暴れてます…気持ち良い…」
マルガは恍惚の表情で、嬉しそうにそう言うと、俺にキスをする。
「ご主人様…ご主人様の精液を、私の膣に下さって有難うございました」
マルガは目をトロンとさせながら幸せそうに言う。その余りにも可愛い顔に我慢出来なくなり、ギュっとマルガを強く抱きしめる
「マルガ…好きだよ…俺だけのマルガ…大好きだよ…」
その言葉に、また涙ぐみながら
「私も大好きです…ご主人様に好きと言ってもらえて夢みたいです…マルガは幸せです…」
ギュッと抱きついて、涙を流しているマルガ。優しく頭を撫でると、頬を赤らめて嬉しそうに俺を見る
そんな可愛い顔は反則です!もう、お兄さん許しませんYO!
「俺も幸せだよマルガ…」
そう言いながら、マルガを抱きかかえて、
「まだまだ寝かせないからね…今日は一杯マルガを犯すからね」
その言葉にマルガの透き通るようなライトグリーンの瞳は、淫靡な光に染まり、歓喜に満ちていた
「ハイ…ご主人様…マルガを一杯犯してください…ご主人様の精液で…マルガを一杯にしてください」
マルガは両足を広げ、秘所を両手で広げる。マルガの可愛い秘所からは、先ほどの俺の精液で艶かしく光っている。我慢できなくなり、一気にマルガに入って犯す俺。
その夜、何度もマルガと肌を合わせ、好きな気持ちを確認しあうように求め合って、そのまま眠りについた。
「スウースウー」
心地良い息が俺の胸元に感じる。腕の中で心地良さそうに眠っている、天使の様な寝顔の美少女のものだ。女の子独特の肌の柔らかさと、甘く優しい匂いが、寝ぼけた俺の頭をゆっくりと覚ましていく。
窓の方を見ると、春先の優しい日差しが射し込んでいる。
昨日マルガを心ゆくまで犯した後に、そのままマルガを抱きしめて寝てしまったのを思い出した。
腕の中のマルガは、一糸纏わぬ格好で、その可愛く綺麗な体を、俺に任せて寝ている。
その天使の様なマルガの唇に優しくキスをする。
「ん…うん…」
マルガは可愛い目をゆっくり開けて、ぱちくりさせる。そして、俺の顔を見つけて、満面の微笑を俺にくれる。その微笑みに心が拐われそうになる。
「ご主人様…おはようございます…」
マルガはそう言って俺にキスをする。マルガの柔らかくて暖かい舌が、俺の口の中に滑りこんでくる。
俺は抱きしめながら、マルガの舌と口の中を十分に堪能する。いつもの朝の挨拶だ。
十分にマルガを堪能し終え、顔を離す
「マルガおはよう」
微笑みながら言うと、頬を赤らめてニコっと笑うマルガ。当然、俺の下半身も、元気におはよう状態で大きくなっている。それを感じたマルガは、両手で優しく俺のモノを掴み、艶かしく光るライトグリーンの瞳を向けて
「ご主人様の…朝の精子をお口にください…」
そう言って、マルガは俺の下腹部まで顔を埋めていく。
そして、可愛い口で俺のモノを愛撫し、咥えていく。マルガの暖かい口の中で、マルガは舌を動かし、吸っていく
「マルガの舌と口の中…気持ちいいよ…」
マルガの頭を撫でながら言うと、マルガは優しく微笑む。
朝の過敏な時にマルガの口でして貰っているので、あっという間に達してしまった。
マルガの口の中に精を放出すると、マルガはコクコクと精を飲み干していく。
すべて飲み終わった所で、マルガは口を開けて飲みましたと解るように俺に見せる
マルガをキュッと抱き寄せる
「マルガ…好き…可愛かったよ…」
そう言うとマルガは顔を赤く染めて、満面の笑みで
「ありがとうございます…私も大好きですご主人様…」
ギュッと抱きついてくるマルガ。2人はそうやって暫くベッドの中で抱き合っていた。
落ち着きを取り戻した俺とマルガは、宿屋の主人から朝食を貰い、食べ終えて着替える事にした。
勿論、俺もマルガも旅用の準備をする。昨日の準備のお陰で、手際よく進んでいく。
「ご主人様どうでしょうか?」
マルガは着替え終わって、俺に確認を求めてきた。
『頭』 リボン付きカチューシャ
『体』 膝上レザーワンピース、膝上ドロワーズ
『腕』 レザーグローブ
『足』 膝上レザーロングブーツ
『武器』 黒鉄の短剣
『背中』 フード付き防水レザーケープ
『その他』 ウエストバッグ
うんうん、しっかりと装備できている。
マルガの装備は、女性の旅人がよく着ている、旅のセットだ。
丈夫な皮で出来た服で、膝上ドロワーズを履かせているので、下着も見えないし、暖かいだろう。
「いいんじゃない?似合ってるよ。外套はまだ暑いだろうから、脱いでおくといいよ」
そう言うとハイと返事をして微笑むマルガ。
そんな、マルガは俺の装備を見てソワソワしている。
はいはい。好奇心旺盛なマルガちゃんは知りたいんですよね。解ってますよ。
俺の装備は…
『頭』 黒鉄のケトルハット
『体』 黒鉄のブリガンダイン、レザーギャンベソン、レザートラウザーズ
『腕』 黒鉄の半手甲、フィンガーレスレザーグローブ
『足』 黒鉄のグリーブ、ジョッパーブーツ
『武器』 セレーションブレード付きの黒鉄マチェット
『背中』 フード付き防水レザークローク
『その他』 容量15アイテムバッグ、ウエストバッグ
「ご主人様格好良いです!」
俺の装備を見たマルガは嬉しそうに言う。
そう!?やっぱり似合ってる!?またまた調子に乗っちゃうよ?しまいにゃ踊るかもよ!?
俺の装備は、この世界で安価で手に入る、黒鉄の普通の装備だよ!こんな装備ごろごろいるからね!
重装備のフルプレートじゃなくて、動きやすい装備だから、防御もそんなに高くないよ!
とりあえず、お金が貯まったらマルガと俺の装備も良い物に変えよう!
俺とマルガは荷物を持って部屋を出る。宿屋の主人に挨拶をして、宿代を支払う。
宿屋の裏手にある、馬小屋迄行き、荷物を積み込む。馬を荷馬車に繋いで、御者台にマルガと一緒に座る。
「じゃ~、リスボン商会に、荷物を取りに行こう」
ハイと微笑んで返事をするマルガ。リスボン商会に荷馬車で揺られながら向かっていると、
「ご主人様、この荷馬車を引っ張ってくれている、お馬さんの名前は何て言うのですか?」
どうやらマルガは馬を見た時から気になっていたらしい。
「な…名前!?えっと……う…馬…かな…?」
な…名前なんて考えても居なかった。いつも、よしよしとか、ご苦労さんしか言った事無いし…
そんな、どもっている俺に何かを感じたマルガは
「…もしかして…ご主人様…このお馬さんに、名前をつけてあげていないのですか?」
マルガは、ジ~~~っと俺を見てくる。
ううう…視線が冷たい…マルガちゃんにそんな目で見られたら…新しい世界に目覚めちゃうよ!?
マルガはレアスキルで動物の心を持ってる位だから、動物に優しくしないと怒られちゃう感じ!?
でも…マルガ動物のお肉は美味しそうに一杯食べるのに…って言ったら、嫌われそうだから辞めておこう!
しかし、半年も旅をして来た、相棒に近い馬に名前を付けてないのも、可哀想だよね。
そんな事を考えながら、ふとマルガを見たら、ウウウと俺を見ている
うは!やばす!怒っちゃってる!どうしよう…そうだ!
「も…もし良かったら…マ…マルガが名前を付けてあげてくれない?馬もその方が喜ぶだろうし!」
苦し紛れだったかな…。そんな事を思いながらマルガを見ると、パアアと表情を明るくして
「え!わ…私がお馬さんの名前を付けてもいいんですか!?」
目をキラキラさせて嬉しそうに言うマルガ
イエス!苦し紛れだったけど、何とか機嫌は直った様だ。フ~良かった良かった。
「うんいいよ。マルガが付けてあげて」
そう言って微笑むと、マルガはハイ!と嬉しそうに返事をして、名前を考え始めた。
腕を組んで、あれこれ考えている様だ。一生懸命なマルガ可愛いね!
そんな感じで俺がニンマリしていると、
「名前決まりました!」
マルガは、ハイ!と右手を挙げて元気よく言う。可愛すぎる…マルガちゃん
「はいマルガ。どんな名前でしょうか?発表して下さい!」
俺が微笑みながら言うと、マルガはニコっと微笑み
「このお馬さんの名前は…リーズ・アダレイド・アナ・リーラ・ドランスフィールド・ジョーハンナ・ジラ・キンバリー・カドガン・アマンダ・キャスリン・パーマー・ブルブリルです!」
右手の人差し指を立て、得意げな顔で言うマルガ
「はええ!?リーズ…アダ…」
「リーズ・アダレイド・アナ・リーラ・ドランスフィールド・ジョーハンナ・ジラ・キンバリー・カドガン・アマンダ・キャスリン・パーマー・ブルブリル、ですよご主人様!」
マルガはプクッと頬を膨らませて、拗ねたように言う。拗ねたマルガも可愛す!…それはおいといて…
馬の名前なげ~~~よ!
何それ!?初めのリーズとかで手一杯だよ!リーズ・アダレイド・アナ・リー…って!心の中で舌噛んじゃったよ!
これからずっとその名前で呼ばないとダメなの!?お兄さんちょっと…いや、かなり自信ないよ!?
それに人前で言ったら、きっと俺と同じように、他の人からツッコミ頂いちゃうよ!?
……見た目は可憐で、ものすごく可愛く誰もが振り返る美少女で、性格も優しく素直で凄くいい子なのに…
欠点なんて無いと思ってたけど、こんな所でマイナス修正されていたとは…流石はマルガちゃん!
そんな俺を見て、しびれを切らしたマルガは
「ご主人様!ちゃんと名前を言ってあげて下さい!」
「えっと…リーズ・アダレ…」
勿論…言えるわけは無いですよ…そんな長い名前…覚えきれません!
マルガは俺にどうしても馬の名前を言わせたいのか、リスボン商会に着くまでの道中、何十回と名前を俺に復唱させる。
喉が痛い…カラカラだ…もう、復唱しすぎて、逆に解らなくなってきた…
涙目になりながら、復唱していると、リスボン商会が見えてきた。
やった!これで、この復唱拷問から解放される!
喜びを隠しながら、俺とマルガは荷馬車から降りる。マルガは、ムムムと言った感じで俺を見ている。
いや!ほら!もうリスボン商会に着いたからね?馬の名前はまた今度!ゆっくり覚えさせて…
とりあえず、名前の決まった馬に
「これからもよろしくな!リーズ・アデレ……と…兎に角よろしく…」
世界一名前が長いであろう俺達の馬に、挨拶がわりに首を撫でると
「ブルル…」
馬に溜め息をつかれた様な気がした…泣いていいですか?…ううう…
そんな肩を落としている俺の手を引きながら、マルガはリスボン商会の受付の所まで連れてきた。
何とか気を取り直して、受付に挨拶をして用件を伝える
「昨日ギルゴマさんに注文した商品を受け取りに来ました」
「お伺いしております。では荷馬車の方を、商品搬入口迄、まわしてください」
俺は指定された商品搬入口迄荷馬車を移動して、そこの担当と話す
「葵様、商品は此方になります。農具が金貨1枚分、鏃が金貨2枚分、塩が金貨2枚分です」
「確かに確認しました」
俺は商品を確認して、代金を支払う。リスボン商会の奴隷が商品を、俺の荷馬車に積んでいく
「有難うございました。また次回も宜しくお願いします」
「いえ、此方こそ。ギルゴマさんに宜しくお伝え下さい」
取引も終わり、挨拶も済ませ、リスボン商会を出た頃には、お昼になっていた。
時間も丁度よいので、昼食を取ってから町を出る事にした。
荷馬車で昨日の食堂まで移動する。中に入ると、昼食時だけあって、そこそこお客が入っている。
空いている席に座り、テーブルの上に置いてあるメニューを手に取り、マルガに渡す。
「マルガ好きなの食べていいよ。今日から暫くは旅になるから、良いもの食べれないから、一杯食べたら?」
「ハイ!解りましたご主人様!」
マルガは目をキラキラさせて嬉しそうに献立表を見ている。
ムムムと献立表と睨めっこしながら見ているマルガ。
そんなに献立表を見てると、献立表に穴が開いちゃうよ?今迄食べた事がない料理ばっかりだから悩むのは解るけどね!此れから一杯食べさせてあげるからね!
マルガをムフフと見ながら微笑んでいると、マルガはメニューから目を離し
「ご主人様決まりました!」
なにか一大決心でもしたかの様に、俺に語りかけてくるマルガ。
そんな必死に言うマルガに、笑いをこらえながら、店員に注文をする。
マルガが注文したのは、羊と芋のシチューと焼いた鶏肉を挟んだサンドイッチだった。
俺も同じ物を頼み、サラダと果実ジュースもついでに頼む。
暫く待っていると、店員が料理を運んできた。テーブルに並べられる料理を見て、マルガはまた涎を垂らしそうになっている
「じゃ、食べようかマルガ」
「ハイ!頂きますご主人様!」
マルガは相変わらず、料理を嬉しそうに頬張っている。マルガに昨日、慌てずに食べる様に言っているので、今日は昨日みたいにはなっていない。まあ、あの格闘も可愛かったけどね!
俺も料理を食べながら、マルガを見て幸せな気持ちになっていると
「ご主人様。イケジリンの村って、此処からどれ位何ですか?」
料理を食べながら言うマルガ。
お!ちょっとは余裕が出てきたのかな?感心感心!
「このラングースの街からだと、荷馬車で10日って所かな?」
その言葉を聞いたマルガは、少し顔を引き締める。
初めての行商だし、少し緊張してるのかな?マルガは真面目だから…
「まあ、途中で川も有って水も補給出来るし、道も平坦だから割りと楽かな?魔物も数が少ない。盗賊系だけ注意してれば、特に問題ないよ」
そう言って、マルガの頬に付いていた、パンくずをペロっと舌で取る。
マルガは顔を赤く染めて、俺に顔を近づける。その口はわずかに開いて居る。いつものキスをおねだりする時の顔だ。
うは!またですかマルガちゃん!可愛いんだけど、此処は食堂で、他人が多いからね!…また調子に乗りすぎちゃったね…反省…
再度マルガに、後で一杯マルガの舌を堪能させてもらうから、今は我慢してねって言うと、赤くなった顔をコクコクと頷かせているマルガ。尻尾が嬉しそうに揺れている。
ほんと可愛いんだからマルガちゃんは…町を出たら…一杯しようね!
俺とマルガは、昼食を食べ終え、食堂を出た。
そして荷馬車に乗り込む。そして馬のリーズ(以下省略!)の手綱を握る。
その横にはマルガが俺の顔を見て微笑んでいる。
俺はマルガの手も一緒に握り
「じゃ~行こうか!」
マルガに微笑みながら言うと
「ハイ!ご主人様!行きましょう!」
マルガは眩しいくらいの笑みを見せてくれる。
2人は微笑み合い、晴れ渡る空の下、ラングースの街を後にした。
そこに、鞄を整理し終わったマルガが、好奇心が湧いたのか、傍まで見に来た
「ご主人様それは戦闘用の装備ですか?」
マルガは物珍しそうに、並べられた装備を見ている。ほんと、好奇心旺盛だねマルガちゃんは!
「マルガも港町パージロレンツォについて、冒険者ギルドできちんと戦闘職業についたら、装備を買ってあげるからね。それまでは我慢してて」
マルガはハイと返事をしてニコニコしている。もう…可愛いんだから!
マルガを抱きしめ軽く唇にキスをする。赤くなって微笑むマルガ
俺はアイテムバッグから、一振りの短剣を取り出しマルガに渡す。刃渡り20㎝位の短い短剣だ。
「マルガはそれを持っておいて。その短剣ならマルガでも使いやすいだろうから。ま~念の為にって感じだけど。腰につけておくといいよ。旅をするのにも役に立つしね」
マルガに短剣を渡すと、鞘から抜いて、短剣をじっと見つめ
「これでご主人様をお守りします!」
ムムムと目をキツくして短剣を掲げて言うマルガ。…それで守れる位の敵なら、俺が簡単にやっつけちゃうけどね!見てて可愛いので、このまま見ていよう!
俺がマルガを見てムフフとなっている時に、マルガは一振りの剣を見る。
「これがご主人様の武器ですか?」
マルガは鞘に入った刃渡り45㎝位の剣を手に取る
「ま~武器っちゃ武器だね。それはマチェット」
マルガからマチェットを受け取り、鞘から引き抜く。刃渡りは45㎝程度だが、重厚感のある頑丈なマチェットだ。
「この、刃の背中に付いているのは…ノコギリですか?」
「うん、これを買った時に、鍛冶屋でつけてもらったんだ。そのお陰で、結構大きな木でも切れる様になったよ。このマチェットの主な用途は、木を切ったり、草を払ったりが主な使い方かな?こいつは結構重宝してるよ」
そう説明して、セレーションブレード付きのマチェットを鞘に戻す。
装備の手入れも終わり、旅の準備も出来た。窓の外を見ると、そろそろ夜の帳が降りてくる所だった。
俺はマルガと一緒に夕食を取りに食堂に向かった。
隣を俺の腕を組んで歩くマルガは上機嫌だ。尻尾もフリフリ、鼻歌ルンルン♪
一級奴隷になって初めての食堂なのだ。今迄三級奴隷だったので、食堂での食事は避けていた。マルガに偏見や差別を与えたくなかったからだ。
しかし、今は一級奴隷。大手を振って食堂で、テーブルで夕食が食べれるのだ。今日は、出発の前祝いだし、一杯食べさせてあげよう。
俺とマルガが向かっているのは、このラングースの町で一番人気のある食堂だ。
リーズナブルな価格に、美味しい料理、店の中も広く、沢山の客が入れる様になっている。
俺はマルガを連れて店の中に入る。店の中は沢山の人が楽しそうに食事をしている。
「わああ…」
マルガが感動の声を上げている。今迄入ることは許されず、外から様子を眺めるのが精一杯だった。
それが、何時でも来れて、気軽に自由に食べる事が出来るのだ。
感動しているマルガの手を引いて、空いていた10人がけのテーブルの端に座る。
マルガは回りをキョロキョロ見渡しながら、嬉しそうにしている。
そんなマルガに微笑んで、俺は店員を呼ぶ。10代位の女性の店員が俺達の元にやって来た
「いらっしゃいませ!何にしましょう?」
「今日のおすすめって何かな?」
「今日のおすすめは、ブルリ魚の塩焼きと、羊と芋のシチュー、ボスル肉の蒸し焼きです」
「じゃ~それ3つを2人分ずつと、パンと果実ジュースと野菜のサラダも2人分お願いします」
注文すると、店員はお辞儀をして戻っていく。
この世界には色々な生物がいる。魚のブルリはアロワナに近い淡水魚で、この世界では良く食べられているポピュラーな魚だ。ボルスは豚に近い肉質の動物だ。此方も数が多く、良く食べられている。
でも、地球で居た動物も普通にいる。馬、豚、牛、羊、犬、猫、鶏…
平たく言うと、地球に居た生き物プラス、この世界の生き物がいるって感じなのだ。
植物も同じ。キャベツ、レタス、トマト、きゅうり…見慣れたものも多く有る。
只、運搬に冷凍やら、保温が難しく、保存がしにくい。生産地が近い場所じゃないと、新鮮な物や、加工していない物は食べれない。
大体、塩漬けか干した物が主流である。野菜は特別難しく、生産条件が厳しい物じゃなければ、大体揃うんだけどね。生産地ならだけど。
暫く待っていると、店員が料理を持って来た。テーブルの上に並べて行かれる料理。
どの料理も美味しそうな匂いを漂わせている。その匂いを嗅いだマルガは口から涎が出そうになっている。
「ご主人様美味しそうです~」
マルガはテーブルに並べられている料理に、目が釘付けになっている。そんなマルガを微笑ましく思い、笑みがこぼれる。
「さあマルガ食べよう!」
「ハイ!ご主人様!いただきます!」
マルガは料理に襲いかかった!
ボスル肉の蒸し焼きはかぶりつかれた!!マルガはボスル肉の蒸し焼きを頬張っている!
マルガは連続攻撃を放った!
羊と芋のシチューと焼いたパンはモリモリ削られていく!マルガの頬も一杯になっている!
マルガ会心の一撃!
ミス!!ブルリ魚の塩焼きは、マルガのフォークからポロロンとテーブルに転げ落ちた!
マルガは涙目になっている!ウウウ…と唸って、テーブルにポロロンと落ちたブルリ魚の塩焼きの様子を伺っている!
「マ…マルガ…料理は逃げないから、ゆ…ゆっくり食べようね…」
このまま放っておいたら、何処迄格闘するのか面白い所ではあるが、周りの人がマルガを面白そうに見ていて恥ずかしい!ここで一度ブレイクさせないと!
マルガは俺の言ったことに気付き、顔を赤くしながら
「ご主人様すいません…余りに料理が美味しかったもので…」
モジモジしながら言うマルガ。周りの人も笑っている。更に赤くなってモジモジするマルガ
「ハハハ。可愛いお嬢さんですね。食べっぷりも良いし」
そう言って、対面に座っていた男女が話しかけてきた。にこやかに微笑む男女。
「今日はごちそうみたいだけど、何かのお祝いかい?」
女性がそう訪ねてきた
「ええ…まあ…そんな所ですかね?明日この町を出て、港町パージロレンツォ方面に行商に向かうんですよ。この子は俺の奴隷になって初めての行商なんで、ちょっとした前祝いみたいなもんです」
俺は微笑みながら言うと、ニコッと笑う女性
「そうなのかい。お嬢ちゃん良いご主人様に出会えて良かったね~」
そう言って、マルガに微笑む女性にマルガは満面の笑みで
「ハイ!私、ご主人様に出会えて、凄く幸せです!」
そう言い切るマルガ。周りの人は笑っている。ううう…マルガ…気持ちは凄い嬉しいけど…恥ずかしいよ~。まさか…何かのプレイですか!?俺もモジモジしてしまった。
とりあえず、マルガの口に付いていたパンくずを取ってあげて、話をそらす事にした
「えっと…貴方がたは冒険者の様ですが…何処かに向かう旅の途中ですか?」
恥ずかしげに苦笑いして言う俺
「私達は確かに冒険者だけど、旅ではないの。行商人の護衛で此処まで来たの。私達は港町パージロレンツォから来て、貴方達とは反対の方向のルブジリアン王国に向かう予定よ」
なるほど…冒険者は行商人の護衛もよく引き受ける。
この世界で行商人は、規模にもよるが、大抵1~3人の護衛を付けて行商を行なっている。
護衛を付けず行商や旅など自殺行為。無謀も良い所だ。
そう言えば、この冒険者達は、行商人の護衛で、港町パージロレンツォから来たと言っていた。
調度良い。ギルゴマの知人の行商人の事を聞いてみるか。
「そうなんですか。それと、聞きたい事が有るんですけど…」
俺は2人の冒険者に事情を話す。暫く考え込んでいたが
「う~ん。貴方の言う様な特徴の行商人は見てないわねー。ごめんなさいね」
「いえ、そんな」
「ま~最近はまた少し物騒になってきたからね~」
「どういう事ですか?」
俺は2人の冒険者に理由を聞いてみる。
「東方の6年前に滅びた大国、元グランシャリオ皇国領で、またいざこざが有ったらしくてさ。その残兵やら敗戦兵やらが軍から逃げ出して、あちこちの国で悪さをしてるらしいよ。このフィンラルディア王国にも、流れて来てるみたいでさ、憲兵が取締をしてるんだけど、被害が増えてるって。被害が収まるまで暫く時間がかかるかもだってさ」
なるほど…ひょっとしたら、そいつらにやられた可能性もあるのか…
「とりあえず、貴方達も港町パージロレンツォの方に向かうなら、気を付ける事だね。あの街は良くも悪くも人が集まる街だから」
「ええ。気をつけます。ありがとうございます」
「なんか食事時に、湿っぽくなっちゃたね」
「いえ、貴重な情報たすかりますよ」
俺達は笑いあいながら、食事を進めるのであった。
俺とマルガは食堂での夕食を済ませ、宿屋に向かって帰っている。
「ご主人様ごちそうさまでした!ものすごく美味しかったです!」
マルガは満足気にそう言って微笑んでいる。うん良い顔だね!癒される!
俺はマルガの頭を優しく撫でる。マルガは満面の笑みで微笑んで返してくれる。
「そか。それは良かったね。俺もあの店の料理は美味しいから好きなんだよね」
マルガは、あの料理をぺろりとたいらげて、デザートの果物までペロリとたいらげていた。
この小さな体のどこに入るのか不思議ではあった。量だけなら俺と同じ位食べている。
ま~マルガが喜んでいるんだからいっか!太るような様子もないし。健康第一だよね!うんうん!
俺がそんな事を考えて歩いていると、マルガが声を掛けてきた
「ご主人様…聞きたい事があるのですが良いですか?」
うん?なんだろ?好奇心マルガちゃん。何でも答えてあげよう!知ってる事だけ!
「うん?いいよ。何が聞きたいの?」
「…なぜ、ご主人様は、私に優しくしてくれるのですか?」
そう言って、マルガはライトグリーンの透き通るような瞳を、静かに向けている。
え!?何!?どうしたの!?俺何かした!?どうしたのマルガちゃん!?
いきなり何かのフラグですか!?…鼓動が早くなってきた!…ムムム
「…そ…それは、マルガが大切だからだよ?」
疑問形になったが…うん、嘘ではない!マルガは可愛いし、俺にとってはかなり大切だ。離したく無い程に
「な…なぜ…大切なんですか?」
マルガは俺に一層近づき、その瞳を俺に向ける。ライトグリーンの綺麗な瞳に吸い込まれそうになる。
オオウ…ツッコんできちゃったよ…斬り込んできちゃうよマルガちゃんが!どうしちゃったの?
ムウウ…どんなフラグかは解らないが…此処は正直にいこう…
「そりゃ…マルガは可愛いし、俺に尽くしてくれるし…」
それにエッチだし!…こんな可愛いマルガちゃんを、大切にしない訳無いじゃん?
そんな俺の答えを聞いて、ライトグリーンの透き通るような瞳が一瞬揺れる
「理由は…それだけですか…」
そう呟いて、儚げに一瞬視線をそらすマルガ
「マ…マルガ…」
そのマルガの表情になんとも言えない気持ちが湧いてきた
「……変な事聞いてすいませんでしたご主人様。さあ、帰りましょう!」
そう言ってマルガは俺の手を引っ張って、ニコっと笑って前を歩き始めた。
何故か少し寂しそうな背中が、俺の何かを刺激する。
「キャ…」
少し驚いて声を上げるマルガ。俺は後ろからマルガを抱きしめていた。無性にマルガをそうしたくなった。
マルガを後ろから抱きしめながら、マルガの優しく甘い匂いを堪能する。
「マルガは…俺の奴隷なんだから…ずっと手放す気は無いからね…マルガは俺の物…解ってるよね?」
マルガの耳元でそう囁き、マルガの可愛い、少し尖った耳に優しくキスをする
「…ハイ…ご主人様…私は…ご主人様の物です…永遠に…」
マルガは抱きしめている俺の腕をギュッとつかみ、振り返って俺にキスをする。マルガの柔らかく甘い舌が俺の口の中に入ってきた。マルガの舌に俺も絡めながら、マルガの舌を十分に堪能する。
十分にマルガのキスを堪能し終わって、顔を離した時にマルガの顔が目に入る。
その顔はいつものマルガに戻っていた。頬を赤く染めて、嬉しそうに俺を見ている。
「…マルガ…帰ろう」
そう言って微笑むと、ハイ!と嬉しそうに返事をするマルガ。
マルガは俺に腕組みしながら、ニコニコしている。
マルガの毛並みの良い金色の尻尾が、夜空を照らす輪っかのかかった青い月の優しい光の中、楽しげに揺れていた。
俺とマルガは宿屋の宿泊している部屋に戻って来ていた。
明日の出立の準備は既に出来ているので、部屋の中で、マルガと他愛のない話をしながら休憩していた。
夜も深まって来たので、そろそろ体を拭こう。
俺が体を拭く準備をしようとしたら、マルガに止められた
「ご主人様そういう事は私がします!ご主人様はゆっくりしていて下さい!」
マルガは両手を腰に当てて、少しお説教モードで俺に言う。
どうやら俺が色々マルガにする事は、マルガに取っては嬉しい事ではあるが、主人にされてばかりでは、奴隷として立つ瀬が無いとの事らしい。
なので雑用は、余程の事が無い限り、全てマルガがすると言う事になった。
マルガも言い出したら聞かないね…いじらしい所も可愛い!
マルガは、桶と体を拭く布を用意してくれた。そして、石鹸水で布を絞り
「ではご主人様の体を拭かせて下さい」
そう微笑むマルガ。マルガは俺の服を脱がせてくれる。
そして、丹念に俺の体を、拭いていってくれる。
両腕に、両足、背中や胸も。そして、最後に俺のモノを優しく手に取る。
マルガは、優しく石鹸水を絞った布で拭いてくれる。マルガの手が気持ちよくて、俺のモノはムクムクと元気になっていく。それを見て、顔を赤らめて微笑むマルガ
「う…うう」
思わず声が漏れた。マルガが俺のモノを咥えて、舌と口の中で丹念に愛撫してくれる。
マルガの柔らかい舌と、暖かい口の中が気持ちいい。
「ご主人様の…美味しいです…」
マルガは目をトロンとさせながら言って、俺のモノを再度口に咥え愛撫する。
マルガが可愛くて、マルガの口の中が気持ち良くて、もう我慢出来なかった。
「マ…マルガ…出すよ…マルガの口の中に…一杯出すよ…」
俺の声にマルガは、モノを咥えながら何度も頷き答える。マルガの頭を両手で抑え、マルガの顔に腰を振る。その瞬間に、俺のモノから快楽と共に、白い精液がマルガの口の中に飛び出す。
マルガは、俺のモノに吸い付き、最後の一滴まできちんと吸い取る。
マルガの口から俺のモノを抜くと、ヌロロと引く糸が艶かしく光っている。
マルガは口を開けて、波々と口の中に注がれた精液を俺に見せる
「マルガの口気持良かったよ。ご褒美の俺の精子…よく味わって飲むんだよ」
そう言うとマルガは頷き、口の中でクチュクチュ味わってから、コクコクと飲み込んでいく。
そしてマルガは、きちんと飲みましたと解るように確認出来るように、俺に口の中を見せる。
それを確認してマルガの頭を優しく撫でると、赤くなって微笑んでいる。尻尾もパタパタ振っていた。
「じゃ、今度はマルガの体を拭こうね…」
石鹸水の桶で、布を浸し、綺麗に絞って、マルガの体を引き寄せる。
マルガの服を優しく脱がしていく。恥ずかしそうにしているマルガが可愛らしい。
すべての服を脱がすと、マルガの玉の様な白い肌の、華奢だが女の子らしい柔らかい体が姿を表す。
マルガの可愛く、美しい体に見蕩れながら、マルガを拭いていく。
右腕、左腕を優しく拭いていく。当然拭くだけではない。
拭きながらマルガの脇の下や首筋を舌で念入りに味わい愛撫もする。マルガが身悶えるのが愛らしい。
舌と布で丹念に愛撫しながら、全身を綺麗にしていく。
マルガは、舌が気持ち良いのか、時折甘い吐息を上げる。
そして、全身を綺麗にし終わった時には、マルガの秘所はヌルヌルになっており、内腿に雫が滴り落ちていた。
「マルガも綺麗になったね…。マルガも気持ち良かった?」
ニヤっと笑ってマルガに聞くと、恥ずかしそうに赤らめた顔で
「はいご主人様…気持良かったです…綺麗にして下さってありがとうございます…」
そう言って俺の手を取って、指を口に入れて、舌を絡めて舐めるマルガ。
マルガは、俺の指を舐めながら、トロンとした透き通るようなライトグリーンの瞳を揺らせて
「ご主人様…私…私…」
切なそうに呟き、身を悶えさせるマルガ。俺はマルガを抱きかかえ、ベッド迄連れて行き、優しくベッドに寝かせる。
「今日はね、マルガの血を貰いながらするからね」
そう告げると、マルガは一瞬ピクっと体を強張らせる
「…大丈夫。死んだり、アンデットになったりしないから。傷跡も残らないからね。…多分だけど、気に入ってくれると思うよ…」
そう言って、軽く額にキスをすると、ニコっと微笑みながら
「私はご主人様だけの奴隷です…ご主人様の好きになさって下さい…それが私の望みですから…」
そう言って微笑み、俺にキスをするマルガ。う~ん可愛すぎる!
俺の種族はヴァンパイアハーフ。ヴァンパイアの始祖と人間のハーフだ。
色々な能力があるが、月に3回血を吸わないと死んでしまう。マルガに会うまでは、娼館の女をレアスキルの魅了で操って、その女から血を貰っていた。
魅了で操られている最中は、自意識はなく、記憶も無い。血を吸い終われば、何も覚えていないその女を抱いて、娼館から帰ると言った感じで過ごしていた。
それと、ヴァンパイアに血を吸われたからと言って、死ぬ事は無い。最後まで血を吸いきったら死んでしまうかも知れないが。俺はヴァンパイアハーフなので、血を吸う量も少なくて済む。
もう一つは、同じく血を吸われたからと言って、ヴァンパイアにはならない。
同族や下僕のアンデットを作る時は、眷属の力を使って、別の方法がきちんとあるのである。
ヴァンパイアは、数がとても少ない闇の稀少種族だけ有って、憶測や伝説だけが先走っている状態だ。
実際に、出会ったり、戦ったりした事のある者は、ほぼ皆無だろう。
俺は少し震えていたマルガを優しく抱きしめると、マルガは安心したのか、震えは止まっていた。
マルガに優しく微笑むと、マルガも極上の微笑みで返してくれる。
そんな可愛いマルガにキスをする。可愛い口を開かせ、舌を滑り込ませる。
マルガの柔らかく暖かい舌を、心ゆくまで味わい堪能する。マルガも同じように、俺の舌を味わっている様に、舌を絡めてくる。
マルガの舌を堪能しながら、マルガの柔らかい、こぶりの可愛らし胸を愛撫する。
「う…ふ…っん…」
マルガの吐息がどんどん甘くなる。マルガの感じて立って来た乳首を、入念に弄ぶ。
身をよじりながら感じているマルガ。可愛いピンク色の乳首を舌で味わいながら、マルガの秘所を指で愛撫する。マルガの秘所は既に糸を引くほど、甘い膣蜜で光り輝かせている。
マルガのその膣蜜を味わうべく、俺はマルガの下腹部に顔を埋める。
「っは…ん…っん…」
マルガの秘所を舌で味わう。可愛い膣の中に舌を滑り込ませると、蜜を出しながら、キュっと舌を締め付けるマルガ。マルガの蜜を味わいながら、クリの方も舌で弄ぶ。マルガは、身悶えながら、俺の頭を両手で抑えて、秘所に宛がう。余程気持ち良いのか、マルガは腰をくねらせ、俺の顔にもっとしてとおねだりする様にこすりつけてくる。俺はおねだりしてくるマルガが可愛くて、目一杯マルガの秘所を愛撫する。洪水のように蜜を流すマルガの体が小刻みに震えだす
「ご…ご主人様…わ…私…変です…な…な…何か…き…ます!」
マルガはピクンピクンと体を震わせ始める。俺は愛撫を強め、マルガの秘所を弄ぶ。
その瞬間、マルガは体を大きく震わすて
「ご…ご主人様ー!…んっ…ん…っん…あああ!!!」
マルガの体は大きくはじけて、大きな吐息を吐く。その後小刻みに震えているマルガ。
桜色に火照った体を大きく揺らして息をしていた
「ご…ご主人様…わ…私…どうなったのですか?」
マルガは目を虚ろにしながら、グッタリしている。
「それはね、イクって言って、女の子が絶頂を迎えた時に味わえる感覚だよ。…凄く気持ち良かったでしょ?」
「はい…とても気持ち良かったです。…あんなの初めてです…」
頬を赤らめて言うマルガにキスをして
「それは良かったね。これからもっと気持ちよくなるよ。それと、次からはイク時は、イキますってきちんと言ってからイク様にね…解った?」
そう言うと、恥ずかしげにコクッと頷くマルガ。
そんなマルガに俺は覆いかぶさった。足を開けさせ、秘所を突き出させる。
「じゃ~マルガの可愛い膣穴を堪能させてもらうね」
「はい…マルガのココを、ご主人様ので一杯にして下さい」
マルガは足を両手で持って、秘所を俺に差し出している。そんな可愛いマルガにキスをする。
「…初めては痛かったでしょ?マルガの初めての顔を見たかったから、優しくしなかったけど…今日は血を吸いながらだから、痛みを感じないからね…凄く気持ちよくしてあげる…」
そう言って、俺のモノをマルガの秘所に押し当てる。マルガにキスをして、その唇を首筋まで持っていく。そして、蜜液で煌めいているマルガの膣に、一気に入っていくと同時に、首筋から血を吸う。
「っんはああああああああ!!!」
マルガは大きな声を上げ、体を捩れさせた。その口からは、激しく甘い吐息を漏らしていた。
その表情は快楽に溺れて恍惚に浸っていた。
ヴァンパイアに血を吸われると、SEX似た強い性的快感が得られる。この快感が忘れられなくてわざわざヴァンパイアに、血を吸われる事を望む者も多々居る。
今のマルガは全身が性感帯のようになっている。何をされても気持ち良いだろう。
昨日処女を奪ったばかりで、まだ膣にモノを入れられるのは痛いはずだが、俺が腰を振るとマルガは甘い吐息を撒き散らせながら、俺のモノを可愛い膣で味わっているのが解る。
「ご…ご主人様!…き…昨日と…全然…違います…私…私…」
身を悶えさせながら、甘い吐息混じりに言うマルガ
「膣の中も気持ち良いでしょ?血を吸いながらしたらこうなるんだ。…もう、マルガの可愛い膣は、俺のモノを気持ち良いものとして認識したはずだよ。今度からは、血を吸わないでも気持ち良いからね」
そう聞かされたマルガの顔は歓喜に染まる
「う…嬉しいで…す!ご…ご主人様!…マルガ…ご主人様ので…もっと…気持よくなりたいです…」
そう言ってマルガは俺にキスをする。舌を滑り込ませてきて、俺の舌を堪能するように舐めている。
腰をくねらせ、もっとしてとおねだりするマルガ。
「解ってるよ…。じゃ~マルガを一杯犯して気持ちよくしてあげるね」
俺はマルガの腰を掴み、マルガの体を激しく揺さぶり、腰を叩きつける。激しく出入りする俺のモノを、マルガの可愛い膣は喜ぶように蜜を垂らしてキュっと締め付けてくる。
マルガは恍惚の表情に浸り、俺のモノを激しく求める。
「ご…ご主人様!き…気持ち良いです!ご主人様のが…気持ち良いです!」
マルガは体中を桜色に染めて、玉のような汗を全身に身に纏い、光り輝いていた。
そんな、甘い吐息を辺りに撒き散らすマルガは、女神以上に可愛く、艶かしく映った。
俺の心はマルガに囚われている様であった。もっとマルガが欲しい…身も心も全部…隅々まで…
「マルガ…好きだよ…」
自然と口から零れる様に呟いた俺。そう…俺は…マルガが好きなんだ…奴隷としてだけじゃなく、一人の女の子として…
俺がマルガを好きになっていた事に自覚していると、マルガは目を潤ませながら
「ほ…本当…ですか?…ご主人様は…私の事が…マルガの事が…好きなんですか?」
か細く、何かを求めるように聞き返してくるマルガ
「うん…マルガが好き…大好き…」
その言葉を聞いたマルガは、大粒の涙を流し、ギュっと抱きついて
「私もご主人様が好き!大好き!ご主人様が大好きです!」
マルガは何か溜まっていたものを吐き出す様に言うと、キスをしてきた。
舌を俺に入れ、俺の唾液を飲み、味わい堪能し、自分の体に染み付けるように、飲み込んでいく。
そんな情熱的なキスをしてくるマルガに、俺は更に欲情してしまった。
マルガの体を激しく上下させながら、胸に唇を這わせ、マルガの可愛いピンクの乳首に吸い付く。
身を悶えさせながら、腰をくねらせ、俺を求めるマルガ。
マルガの可愛い乳房に牙を立て、乳首を舌で弄びながら、乳房からも血を吸う。
「あうっん…っっん…はあ…」
マルガは更に甘い吐息を上げる。マルガの体は小刻みに震えだした。俺は、マルガの俺のモノで快楽に浸っている顔をもっと見たくなって、激しくマルガの可愛い膣を、俺のモノで犯していく。
マルガの体は、何度もピクピクと踊りだしてきた
「ご…ご主人様…また…来ます!また…私…」
我慢できなくなってきたマルガは、甘い猫なで声で言う
「いいよマルガ。一杯イッていいよ…可愛いイッてる顔を俺に見せて」
俺はそう言うと、マルガの体を激しく上下に揺さぶる。マルガの秘所はピクピクと小刻みに痙攣をはじめる。マルガの甘い吐息が大きく弾けた
「ご主人様!イ…イキます!ご主人様イッちゃいます!…んはあああああ!!!」
大きく体をのけぞり絶頂を迎えるマルガ。膣がキュっと俺のモノをきつく締め付ける。その快感に、俺も絶頂を向かえ、マルガの小さな膣に精をぶちまける。俺は、満足してモノをマルガの可愛い膣から引き抜くと、ヌロロロと糸を引いて居る。マルガの可愛い膣からは、注がれた俺の精液が溢れて流れ出していた。
「ご…ご主人様の…熱い精液が…私の中で暴れてます…気持ち良い…」
マルガは恍惚の表情で、嬉しそうにそう言うと、俺にキスをする。
「ご主人様…ご主人様の精液を、私の膣に下さって有難うございました」
マルガは目をトロンとさせながら幸せそうに言う。その余りにも可愛い顔に我慢出来なくなり、ギュっとマルガを強く抱きしめる
「マルガ…好きだよ…俺だけのマルガ…大好きだよ…」
その言葉に、また涙ぐみながら
「私も大好きです…ご主人様に好きと言ってもらえて夢みたいです…マルガは幸せです…」
ギュッと抱きついて、涙を流しているマルガ。優しく頭を撫でると、頬を赤らめて嬉しそうに俺を見る
そんな可愛い顔は反則です!もう、お兄さん許しませんYO!
「俺も幸せだよマルガ…」
そう言いながら、マルガを抱きかかえて、
「まだまだ寝かせないからね…今日は一杯マルガを犯すからね」
その言葉にマルガの透き通るようなライトグリーンの瞳は、淫靡な光に染まり、歓喜に満ちていた
「ハイ…ご主人様…マルガを一杯犯してください…ご主人様の精液で…マルガを一杯にしてください」
マルガは両足を広げ、秘所を両手で広げる。マルガの可愛い秘所からは、先ほどの俺の精液で艶かしく光っている。我慢できなくなり、一気にマルガに入って犯す俺。
その夜、何度もマルガと肌を合わせ、好きな気持ちを確認しあうように求め合って、そのまま眠りについた。
「スウースウー」
心地良い息が俺の胸元に感じる。腕の中で心地良さそうに眠っている、天使の様な寝顔の美少女のものだ。女の子独特の肌の柔らかさと、甘く優しい匂いが、寝ぼけた俺の頭をゆっくりと覚ましていく。
窓の方を見ると、春先の優しい日差しが射し込んでいる。
昨日マルガを心ゆくまで犯した後に、そのままマルガを抱きしめて寝てしまったのを思い出した。
腕の中のマルガは、一糸纏わぬ格好で、その可愛く綺麗な体を、俺に任せて寝ている。
その天使の様なマルガの唇に優しくキスをする。
「ん…うん…」
マルガは可愛い目をゆっくり開けて、ぱちくりさせる。そして、俺の顔を見つけて、満面の微笑を俺にくれる。その微笑みに心が拐われそうになる。
「ご主人様…おはようございます…」
マルガはそう言って俺にキスをする。マルガの柔らかくて暖かい舌が、俺の口の中に滑りこんでくる。
俺は抱きしめながら、マルガの舌と口の中を十分に堪能する。いつもの朝の挨拶だ。
十分にマルガを堪能し終え、顔を離す
「マルガおはよう」
微笑みながら言うと、頬を赤らめてニコっと笑うマルガ。当然、俺の下半身も、元気におはよう状態で大きくなっている。それを感じたマルガは、両手で優しく俺のモノを掴み、艶かしく光るライトグリーンの瞳を向けて
「ご主人様の…朝の精子をお口にください…」
そう言って、マルガは俺の下腹部まで顔を埋めていく。
そして、可愛い口で俺のモノを愛撫し、咥えていく。マルガの暖かい口の中で、マルガは舌を動かし、吸っていく
「マルガの舌と口の中…気持ちいいよ…」
マルガの頭を撫でながら言うと、マルガは優しく微笑む。
朝の過敏な時にマルガの口でして貰っているので、あっという間に達してしまった。
マルガの口の中に精を放出すると、マルガはコクコクと精を飲み干していく。
すべて飲み終わった所で、マルガは口を開けて飲みましたと解るように俺に見せる
マルガをキュッと抱き寄せる
「マルガ…好き…可愛かったよ…」
そう言うとマルガは顔を赤く染めて、満面の笑みで
「ありがとうございます…私も大好きですご主人様…」
ギュッと抱きついてくるマルガ。2人はそうやって暫くベッドの中で抱き合っていた。
落ち着きを取り戻した俺とマルガは、宿屋の主人から朝食を貰い、食べ終えて着替える事にした。
勿論、俺もマルガも旅用の準備をする。昨日の準備のお陰で、手際よく進んでいく。
「ご主人様どうでしょうか?」
マルガは着替え終わって、俺に確認を求めてきた。
『頭』 リボン付きカチューシャ
『体』 膝上レザーワンピース、膝上ドロワーズ
『腕』 レザーグローブ
『足』 膝上レザーロングブーツ
『武器』 黒鉄の短剣
『背中』 フード付き防水レザーケープ
『その他』 ウエストバッグ
うんうん、しっかりと装備できている。
マルガの装備は、女性の旅人がよく着ている、旅のセットだ。
丈夫な皮で出来た服で、膝上ドロワーズを履かせているので、下着も見えないし、暖かいだろう。
「いいんじゃない?似合ってるよ。外套はまだ暑いだろうから、脱いでおくといいよ」
そう言うとハイと返事をして微笑むマルガ。
そんな、マルガは俺の装備を見てソワソワしている。
はいはい。好奇心旺盛なマルガちゃんは知りたいんですよね。解ってますよ。
俺の装備は…
『頭』 黒鉄のケトルハット
『体』 黒鉄のブリガンダイン、レザーギャンベソン、レザートラウザーズ
『腕』 黒鉄の半手甲、フィンガーレスレザーグローブ
『足』 黒鉄のグリーブ、ジョッパーブーツ
『武器』 セレーションブレード付きの黒鉄マチェット
『背中』 フード付き防水レザークローク
『その他』 容量15アイテムバッグ、ウエストバッグ
「ご主人様格好良いです!」
俺の装備を見たマルガは嬉しそうに言う。
そう!?やっぱり似合ってる!?またまた調子に乗っちゃうよ?しまいにゃ踊るかもよ!?
俺の装備は、この世界で安価で手に入る、黒鉄の普通の装備だよ!こんな装備ごろごろいるからね!
重装備のフルプレートじゃなくて、動きやすい装備だから、防御もそんなに高くないよ!
とりあえず、お金が貯まったらマルガと俺の装備も良い物に変えよう!
俺とマルガは荷物を持って部屋を出る。宿屋の主人に挨拶をして、宿代を支払う。
宿屋の裏手にある、馬小屋迄行き、荷物を積み込む。馬を荷馬車に繋いで、御者台にマルガと一緒に座る。
「じゃ~、リスボン商会に、荷物を取りに行こう」
ハイと微笑んで返事をするマルガ。リスボン商会に荷馬車で揺られながら向かっていると、
「ご主人様、この荷馬車を引っ張ってくれている、お馬さんの名前は何て言うのですか?」
どうやらマルガは馬を見た時から気になっていたらしい。
「な…名前!?えっと……う…馬…かな…?」
な…名前なんて考えても居なかった。いつも、よしよしとか、ご苦労さんしか言った事無いし…
そんな、どもっている俺に何かを感じたマルガは
「…もしかして…ご主人様…このお馬さんに、名前をつけてあげていないのですか?」
マルガは、ジ~~~っと俺を見てくる。
ううう…視線が冷たい…マルガちゃんにそんな目で見られたら…新しい世界に目覚めちゃうよ!?
マルガはレアスキルで動物の心を持ってる位だから、動物に優しくしないと怒られちゃう感じ!?
でも…マルガ動物のお肉は美味しそうに一杯食べるのに…って言ったら、嫌われそうだから辞めておこう!
しかし、半年も旅をして来た、相棒に近い馬に名前を付けてないのも、可哀想だよね。
そんな事を考えながら、ふとマルガを見たら、ウウウと俺を見ている
うは!やばす!怒っちゃってる!どうしよう…そうだ!
「も…もし良かったら…マ…マルガが名前を付けてあげてくれない?馬もその方が喜ぶだろうし!」
苦し紛れだったかな…。そんな事を思いながらマルガを見ると、パアアと表情を明るくして
「え!わ…私がお馬さんの名前を付けてもいいんですか!?」
目をキラキラさせて嬉しそうに言うマルガ
イエス!苦し紛れだったけど、何とか機嫌は直った様だ。フ~良かった良かった。
「うんいいよ。マルガが付けてあげて」
そう言って微笑むと、マルガはハイ!と嬉しそうに返事をして、名前を考え始めた。
腕を組んで、あれこれ考えている様だ。一生懸命なマルガ可愛いね!
そんな感じで俺がニンマリしていると、
「名前決まりました!」
マルガは、ハイ!と右手を挙げて元気よく言う。可愛すぎる…マルガちゃん
「はいマルガ。どんな名前でしょうか?発表して下さい!」
俺が微笑みながら言うと、マルガはニコっと微笑み
「このお馬さんの名前は…リーズ・アダレイド・アナ・リーラ・ドランスフィールド・ジョーハンナ・ジラ・キンバリー・カドガン・アマンダ・キャスリン・パーマー・ブルブリルです!」
右手の人差し指を立て、得意げな顔で言うマルガ
「はええ!?リーズ…アダ…」
「リーズ・アダレイド・アナ・リーラ・ドランスフィールド・ジョーハンナ・ジラ・キンバリー・カドガン・アマンダ・キャスリン・パーマー・ブルブリル、ですよご主人様!」
マルガはプクッと頬を膨らませて、拗ねたように言う。拗ねたマルガも可愛す!…それはおいといて…
馬の名前なげ~~~よ!
何それ!?初めのリーズとかで手一杯だよ!リーズ・アダレイド・アナ・リー…って!心の中で舌噛んじゃったよ!
これからずっとその名前で呼ばないとダメなの!?お兄さんちょっと…いや、かなり自信ないよ!?
それに人前で言ったら、きっと俺と同じように、他の人からツッコミ頂いちゃうよ!?
……見た目は可憐で、ものすごく可愛く誰もが振り返る美少女で、性格も優しく素直で凄くいい子なのに…
欠点なんて無いと思ってたけど、こんな所でマイナス修正されていたとは…流石はマルガちゃん!
そんな俺を見て、しびれを切らしたマルガは
「ご主人様!ちゃんと名前を言ってあげて下さい!」
「えっと…リーズ・アダレ…」
勿論…言えるわけは無いですよ…そんな長い名前…覚えきれません!
マルガは俺にどうしても馬の名前を言わせたいのか、リスボン商会に着くまでの道中、何十回と名前を俺に復唱させる。
喉が痛い…カラカラだ…もう、復唱しすぎて、逆に解らなくなってきた…
涙目になりながら、復唱していると、リスボン商会が見えてきた。
やった!これで、この復唱拷問から解放される!
喜びを隠しながら、俺とマルガは荷馬車から降りる。マルガは、ムムムと言った感じで俺を見ている。
いや!ほら!もうリスボン商会に着いたからね?馬の名前はまた今度!ゆっくり覚えさせて…
とりあえず、名前の決まった馬に
「これからもよろしくな!リーズ・アデレ……と…兎に角よろしく…」
世界一名前が長いであろう俺達の馬に、挨拶がわりに首を撫でると
「ブルル…」
馬に溜め息をつかれた様な気がした…泣いていいですか?…ううう…
そんな肩を落としている俺の手を引きながら、マルガはリスボン商会の受付の所まで連れてきた。
何とか気を取り直して、受付に挨拶をして用件を伝える
「昨日ギルゴマさんに注文した商品を受け取りに来ました」
「お伺いしております。では荷馬車の方を、商品搬入口迄、まわしてください」
俺は指定された商品搬入口迄荷馬車を移動して、そこの担当と話す
「葵様、商品は此方になります。農具が金貨1枚分、鏃が金貨2枚分、塩が金貨2枚分です」
「確かに確認しました」
俺は商品を確認して、代金を支払う。リスボン商会の奴隷が商品を、俺の荷馬車に積んでいく
「有難うございました。また次回も宜しくお願いします」
「いえ、此方こそ。ギルゴマさんに宜しくお伝え下さい」
取引も終わり、挨拶も済ませ、リスボン商会を出た頃には、お昼になっていた。
時間も丁度よいので、昼食を取ってから町を出る事にした。
荷馬車で昨日の食堂まで移動する。中に入ると、昼食時だけあって、そこそこお客が入っている。
空いている席に座り、テーブルの上に置いてあるメニューを手に取り、マルガに渡す。
「マルガ好きなの食べていいよ。今日から暫くは旅になるから、良いもの食べれないから、一杯食べたら?」
「ハイ!解りましたご主人様!」
マルガは目をキラキラさせて嬉しそうに献立表を見ている。
ムムムと献立表と睨めっこしながら見ているマルガ。
そんなに献立表を見てると、献立表に穴が開いちゃうよ?今迄食べた事がない料理ばっかりだから悩むのは解るけどね!此れから一杯食べさせてあげるからね!
マルガをムフフと見ながら微笑んでいると、マルガはメニューから目を離し
「ご主人様決まりました!」
なにか一大決心でもしたかの様に、俺に語りかけてくるマルガ。
そんな必死に言うマルガに、笑いをこらえながら、店員に注文をする。
マルガが注文したのは、羊と芋のシチューと焼いた鶏肉を挟んだサンドイッチだった。
俺も同じ物を頼み、サラダと果実ジュースもついでに頼む。
暫く待っていると、店員が料理を運んできた。テーブルに並べられる料理を見て、マルガはまた涎を垂らしそうになっている
「じゃ、食べようかマルガ」
「ハイ!頂きますご主人様!」
マルガは相変わらず、料理を嬉しそうに頬張っている。マルガに昨日、慌てずに食べる様に言っているので、今日は昨日みたいにはなっていない。まあ、あの格闘も可愛かったけどね!
俺も料理を食べながら、マルガを見て幸せな気持ちになっていると
「ご主人様。イケジリンの村って、此処からどれ位何ですか?」
料理を食べながら言うマルガ。
お!ちょっとは余裕が出てきたのかな?感心感心!
「このラングースの街からだと、荷馬車で10日って所かな?」
その言葉を聞いたマルガは、少し顔を引き締める。
初めての行商だし、少し緊張してるのかな?マルガは真面目だから…
「まあ、途中で川も有って水も補給出来るし、道も平坦だから割りと楽かな?魔物も数が少ない。盗賊系だけ注意してれば、特に問題ないよ」
そう言って、マルガの頬に付いていた、パンくずをペロっと舌で取る。
マルガは顔を赤く染めて、俺に顔を近づける。その口はわずかに開いて居る。いつものキスをおねだりする時の顔だ。
うは!またですかマルガちゃん!可愛いんだけど、此処は食堂で、他人が多いからね!…また調子に乗りすぎちゃったね…反省…
再度マルガに、後で一杯マルガの舌を堪能させてもらうから、今は我慢してねって言うと、赤くなった顔をコクコクと頷かせているマルガ。尻尾が嬉しそうに揺れている。
ほんと可愛いんだからマルガちゃんは…町を出たら…一杯しようね!
俺とマルガは、昼食を食べ終え、食堂を出た。
そして荷馬車に乗り込む。そして馬のリーズ(以下省略!)の手綱を握る。
その横にはマルガが俺の顔を見て微笑んでいる。
俺はマルガの手も一緒に握り
「じゃ~行こうか!」
マルガに微笑みながら言うと
「ハイ!ご主人様!行きましょう!」
マルガは眩しいくらいの笑みを見せてくれる。
2人は微笑み合い、晴れ渡る空の下、ラングースの街を後にした。
0
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