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1章
愚者の狂想曲 23 帰って来た金色の妖精
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ラフィアスの回廊から帰ってきた俺は、何とか普通に体を動かしても、痛くない位まで回復していた。
種族能力解放を使ってから既に4日、まだ魔力は半分弱しか回復していないし、超回復も半分位しか機能していない。全快するには、後2日は掛るだろう。
そんな俺は、ルチア達の待つレストランテに、昼食を取る為に向かっている。俺の横で、ニコニコしながら腕組みしているマルガに癒されながら、レストランテに入って行くと、ルチアとマティアスが待っていた。
何時もの席に座ると、俺達に料理を運んでくれる店員。
「どう葵?体の調子は」
「うん。だいたい半分弱回復したって所かな?完全に回復する為には、後2日って所だね。とりあえず、動ける様になって良かったよ」
苦笑いしている俺に、ウンウンと頷くマルガとマルコ
「回復するのに結構掛かるのね。あの力って、具体的にどんな感じなの?」
「うん…一度使うと、3日は完全に戦闘不能、身動きが辛うじて出来る程度。後は少しずつ回復して行って、6日で完全回復。だけど、能力開放する為に必要な妖力が戻るには、90日近く掛かるみたい。だから、能力開放の再使用までは90日。能力を開放していられる時間は、約半刻(約30分)位。今は使った事でLV2になってるから、能力は上がってると思うけど、回復時間や開放していられる時間は変わって無いみたいだね」
「…なるほど。いつでも使える様な力じゃないのね。大きな力には代償が必要…か。ま~あんな、四属性精霊である四属性守護神に近い…対抗出来る様な力をいつでも使えたら、貴方も精霊になっちゃうしね」
ルチアは紅茶を飲みながら言うと、マルガとマルコが食いついた。
「ご主人様、四属性守護神って何なのですか?」
マルガが可愛い首を傾げて居る。マルコも隣でウンウンと頷いている。
「四属性守護神っていうのは、各属性の精霊の長であり、それぞれの国の王家と契約して、国を守護している精霊なんだよ」
「正確には、火、水、土、風、光、闇の、6種類の精霊が居るんだけどね。それぞれの精霊は、1精霊で、一般兵士10万人分の兵力と、同等と言われているの。それだけ強力な力を持って居るって事ね」
ルチアの説明に、口をポカンと開けて居るマルガとマルコ。
「その精霊と契約しているのは…何処の国なんですか?ご主人様」
「えっとね…まずは、風の精霊を守護神に持つこの国、フィンラルディア王国、土の精霊を守護神に持つ、ヴィアンメディル共和国、火の精霊を守護に持つ、アルゴス帝国、水の精霊を守護神に持つ、グランシャリオ皇国、光の精霊の守護神を持つ、神聖オデュッセリア、そして、闇の精霊を守護神に持ち、人間族や亜種族の敵である魔族の国、魔国アウラングゼーブ かな」
「ま~その内、グランシャリオ皇国は、6年前に滅びちゃって、水の精霊の守護神は、地下に封印されたままになってるらしいけどね。その他の国は、言わずと知れた大国。精霊の守護がいかに重要か解るでしょ?」
俺とルチアの説明を聞いて、ウンウンと頷くマルガとマルコ。
「…葵、貴方も、あの力は、無暗に使わない事ね。見られたら大変って言う事も有るけど、その力を目当てに、何かしてくる輩も居ないとは限らないから。…解ってるわよね?」
ジトで言うルチアに苦笑いしていると、軽く溜め息を吐いて、本当に大丈夫かしら?と、わざと小声で、呟く様に言って、紅茶を飲むルチア。
「所で、昨日の朝刻にランドゥルフ卿の使いの者が来てたみたいだけど、ランドゥルフ卿との次の約束は、どうだった?」
「うん、明日の朝刻の5の時になったよ」
「あら、意外と早く会えるのね、良かったじゃない。明日のランドゥルフ卿との取引は、私も同行するからよろしく~」
ルチアがニヤっと笑って、紅茶を飲んでいる。なんだろう…嫌な予感が…しちゃう!
俺はアタフタしながら
「べ…別にいいよ!俺とマルガとマルコだけで大丈夫だよ?」
「…大丈夫!?何が大丈夫なのよ!今回はたまたま上手く行ったけど、本当なら、貴方大変な事になってたのよ!?貴方達だけ行かせて、またとんでもない取引を、約束しないか私が監視しないと、オチオチ寝てられないのよ!」
ルチアの尤もな意見に、シュンとなっている俺の頭を、苦笑いしながらヨシヨシと頭を撫でてくれるマルガ。マルガに癒された所で、気になっている事を聞いてみた。
「あのさ…ルチアにマティアスさんマルコ…皆俺に…いつも通り接してくれるけどさ、何故…俺の事…教会に…密告したり…しないの?」
俺の少しか細い問に、ルチアもマルコもマティアスも、顔を見合せている。
「何故そんな事しなくちゃいけないの?」
「だって…俺は…魔族と…」
俺が言いかけた所で、ルチアの人差し指が、俺の唇に触れ遮られた。
「…こんな所で、その話はしないで。それに…そんなつまらない事、私達はしないわよ」
「…何故?」
「何故って…葵は葵でしょ?何も変わらないわ。…確かに、初めは驚いたけど、私達の脅威になる存在じゃ無いじゃない。なら私達には問題は無いわ。…そんな事、貴方が気にする事じゃないの…馬鹿ね…」
そう言っルチアは何時もと変わらない様子で、紅茶を飲んでいる。マティアスもマルコもウンウンと頷いて、微笑んでいる。その暖かさが、とても心地良く、少し目頭が熱くなる。
「あ…ありがとう…皆…」
「フン!何を今更…。ま~本当の理由は、可愛いキツネちゃんが、こんなに慕ってるなら、悪い奴じゃ無いってってのが本音ね!でも…可愛い超美少女のキツネちゃんを、誑かしてるって言う理由でなら、教会に密告してあげてもいいけど?」
「いえ…勘弁して下さい…」
俺の気まずそうな顔を見て、楽しそうなルチア。皆もアハハと笑っている。
「…でもね葵。その事も、此処に居る者と、貴方がご執心している、エルフの女の子以外は、絶対に言っては駄目よ?解ってるわよね?」
「…うん。解ってる」
「…ならいいわ。…手間かけさせないでよ?」
ジト目で言うルチアに、苦笑いをしている俺を見て、マルガとマルコはアハハと笑っている。
「で…この後は、冒険者ギルドに、行ったらいいんだっけ?」
「そうよ。貴方が動けない間に、冒険者ギルドと話をしてあるから。詳しくは、冒険者ギルドに行ってから、話をしましょうか」
ルチアの言葉に頷き、昼食を終えた俺達は、冒険者ギルドに来ていた。どうやら、今回の件の話をしたいらしい。俺達は冒険者ギルドの、今迄行った事の無い、本館の最上階に来ていた。ルチアの案内で、少し豪華な扉の前に来ると、
「ここよ。入るわよ!アガペト!」
そう言って、ノックもせずに部屋に入っていくルチア。俺達は少し戸惑いながら、ルチアの後をついて部屋に入って行く。
その部屋は、沢山の本が置いてあり、色んな場所のダンジョンで、手に入れたであろう物が、飾られている。
その部屋の奥に、背の低い机があり、そこに一人の背の低い老人が居た。
「此れはルチア様。相変わらずですな」
「いいじゃない~。私と貴方の仲なんだから」
苦笑いを浮かべている、背の低い老人にの頭をポンポンと叩いているルチア。俺達が戸惑っていると、
「此方の人達が、件の方々なのですかな?ルチア様」
「そうよ。このパッとしない行商人が葵、この可愛い美少女キツネちゃんが、このパッとしない葵の、何故か一級奴隷をしているマルガ。そして、パッとしない葵に弟子入りしてしまったマルコよ」
クウウウウ!!!俺達の紹介に、ルチアの悪意を感じる!!主に俺への悪意ですが!
パッとしないって、3回も連呼しやがって!ちくちょう!…ウウウ…
そんなルチアの紹介に、苦笑いしている背の低い老人に、俺達は挨拶をする。
「とりあえず座って下さい。私は、この冒険者ギルト、港町パージロレンツォ支部の長をしています、ドワーフ族のアガペト・ロデス・バレーラと言います。よろしく」
アガペトの挨拶に、俺達も頭を下げる。アガペトは話を続ける。
「では、今回の件の事を説明しましょう。まずは、大魔導師アーロンの秘宝の発見、おめでとうございます」
「「ありがとうございます!」」
マルガとマルコガ声を揃えて、嬉しそうに言うと、ニコっと微笑んでいるアガペト。
「ホホホ。元気が宜しいですな。それで、今後の対応なのですが、まず、大魔導師アーロンの秘宝発見の発表は、此方の準備が整い次第、発表とさせて頂きます。報告を聞きますと、秘密通路にある奥の大広間には、魔物を呼ぶ魔法陣のトラップがあるみたいですな。しかも、かなり強力な魔物を呼ぶ魔法陣。準備をせずに、発表してしまいますと、何も知らない冒険者が殺到して、いらぬ被害が出てしまう事が、安易に予想出来ますからな」
「確かに…アレはきつかったです」
苦笑いをしている俺を見て、マルガとマルコもウンウンと頷いている。
「ですから、あの銅像の下から出て来た階段を、魔法で強化した鉄格子で封印し、ギルドの許可を与えた者のみ、秘密通路の奥に入れるようにします。秘密通路の入退室を管理出来れば、何かあってもすぐに解りますからな。ですから、銅像の階段を、魔法の鉄格子で封印が終わるまでは、発表は致しません。今は、冒険者ギルドの関係者が、一日中交代で、銅像の階段を、監視、警護している状態です」
確かに、それをしてからの発表が、一番良いだろう。他の皆を見ると、同じ様に頷いている。
「理解して頂けた様で良かったです。それと次に、発見した秘宝の事ですが、ルチア様とマティアス様に聞きますと、秘宝の所有権は葵さんだと聞いたのですが、間違い有りませんか?」
「え…ええ…。そうだと思いますけど…」
「葵の言う通りよ。私達は報酬は貰わないと言う条件で、同行していたしね。秘宝の所有権は葵よ」
「…ありがとうルチア」
「ま~この貸しは、利子を付けて返して貰うわ。近々ね!」
「お…お手柔らかに…」
苦笑いをしている俺を見て、ニヤニヤ笑っているルチア。そのニヤケ顔怖いんですけど!
…ひょっとして、とんでもない子に、貸しを作っちゃったのかもしれない…
少しその事を考えて、寒気がしてブルっとなっていると、苦笑いをしながら話を続けるアガペト。
「なるほど。では、秘宝の所有者である葵様に、お願いがあります。秘宝の真実の心は、非常に価値のある宝石であるのと同時に、凄い力を持ったマジックアイテムでもあります。それこそ、他国がそれを欲して、戦争を仕掛けて来る位に。それほど危険な秘宝でもあります。なので、葵様には、発見された秘宝は、価値のある宝石ではあったが、それだけだったと言う事にして欲しいのです」
「つまりは…秘宝の正体である真実の心の存在を隠して、別の物であった様にすればいいのですね?」
俺の言葉に肯定して頷くアガペト。
確かに、ルチアやマティアスが言っていた様な、とてつもない兵器なら、その力を得ようと戦争になっても可笑しくはない。地球でさえ核の問題で戦争になる事だってあるのだ。こんな未発達な世界なら尚更だろう。
「それでいいですよ。その件は、アガペトさんにお任せします。マルガもマルコもそれでいいよね?」
「私はご主人様が良ければ、問題ありません!」
「オイラも葵兄ちゃんに、任せるよ」
「ありがとうございます」
そう言って頭を下げるアガペトに、ニコっと微笑んでいるマルガとマルコ。アガペトも微笑んでいた。それを見守っていたルチアが、俺の方を向く。
「それでね、私から葵にお願いしたい事があるのよ」
「うん?何?出来る事ならなんでもするよ?」
「ま~見た目のパッとしない所を直してとか言う、無理な事じゃないから、安心して」
そうか~それなら安心だ~。って、なんでやねん!思わず一人で乗りツッコミしたわ!
そうですか…俺の見た目のパッとしないのは、直せないんですね…ウウウ…神様恨みますYO!!
俺がズーンと項垂れているのを、ニヤニヤしながら見ているルチアは、
「それでね、その真実の心は、葵に所有権が有るじゃない?で…お願いなんだけど、真実の心を、私に売ってくれない?」
「へ?どういう事?」
「…さっきも説明したけど、この秘宝、真実の心は非常に危険なマジックアイテム。こんな物の存在が外に漏れたら、コレを欲して戦争にもなりかねない物なのは解ってくれたでしょ?此れがもし悪意のある者に渡ったらどうなると思う?」
ルチアはきつい目をして俺に問う。
「…それは…目も当てられない様な事になるだろうね。人も一杯死にそうだ。考えたくないね」
苦笑いする俺。マルガとマルコも想像して、顔を歪めている。マティアスも頷いている。
「そういう事。でね、私がこの宝石を買い取って、フィンラルディア王国に献上して、フィンラルディア王国の王都ラーゼンシュルトにある、フィンラルディア王家の王宮、ヴァレンティーノ宮殿の地下の、天使の封印の間に、厳重に保管、封印して貰う事にしたいのよ」
なるほど…大国フィンラルディア王国、最大の都市であり、最大の防御力を誇る王都ラーゼンシュルトなら、この国で一番安全って事か。その中でも、ヴァレンティーノ宮殿の警備は、この国の何処よりも厳重だって、聞いた事がある。そこの地下なら、まず手は出せないだろう。
俺がルチアの提案に、考えていると、俺を見ていたルチアは話を続ける。
「貴方のご執心のエルフの一級奴隷が、買える価格が金貨500枚。私に売ってくれるなら、金貨500枚に、さらに金貨50枚を付けるわ。金貨550枚で買い取るけど、どう?」
ルチアの提案に、出して貰っていた紅茶を、吹き出しそうになる。横を見ると、マルガとマルコも同じ様だった。
「俺はリーゼロッテを買える金貨500枚有れば、なんでも良いと言えばそうだけど、そこに金貨50枚も付けてくれるの!?そりゃ~ありがたいけど、ルチアは損したりしないの?」
「私はこの真実の心を、フィンラルディア王家に、有利に取引するから大丈夫よ。ま~貴方が直接、単身でフィンラルディア王国と商談してもいいけどね」
ニヤッと笑うルチア。コイツはきっと俺がどう言うか解ってて言ってるんだろうな…ムキー!
「いや…ルチアの言う通りでいいよ。その秘宝は危険過ぎる。それに、なんの繋がりもない俺が、王家と交渉なんかしたら、殺されちゃうかも知れないしさ。俺もその秘宝は封印した方が良いと思うしね」
苦笑いしている俺に、満足そうな笑みを向けるルチア。マルガとマルコもウンウンと頷いている。
「じゃ~取引成立ね!はい!金貨550枚!」
そう言って、アイテムバッグから金貨の入った袋を取り出し、ドン!とテーブルの上に置くルチア。
その重量感と存在感に、俺もマルガもマルコも、目が点になっていた。暫くボーっとなっていたが、気を取り直して、俺とマルガとマルコは金貨を数えて行く。それをニコニコしながら見ているルチア。
「確かに金貨550枚。でも…何時もこんな大金持ち歩いてるの!?…ルチア…何処の御嬢様なんだよ…」
「フフフ…私が本気になったらもっとすごいわよ?ま~それが本当に必要な事ならだけどね!」
俺達の呆れ顔を見て、楽しげにドヤ顔で笑っているルチア。
「さて、私の話はこれで終わりよ。アガペトはまだ、葵達に話があるでしょ?」
「そうですな。私からは、秘宝の発見者として、発表して良いかと、今回の大発見に対しての報奨の話ですな」
アガペトの話を聞いて、若干2名の耳が、ピクピクと動いて居るのを、俺は見逃さなかった。
「わ…私…有名になっちゃうんですか~ど…どうしましょうご主人様!この服で恥ずかしくないですか!?」
「オ…オイラも、こ…心の準備が!イケンジリの村とかにも、伝わったら嬉しいな!ま~手紙にも書くけど!」
若干2名は、想像しただけで、既に浮き足立っている。その嬉し恥ずかしの顔と言ったら…こっちまで思わず微笑んでしまう。同じようにアガペトも微笑んでいる。
「ハハハ。マルガさんとマルコさんは、公表する方向で良い様ですな。葵さんもそれでよろしいですかな?」
「はい、お願いします」
俺も二つ返事で応える。
有名になる事で、ギルドでの信頼や、商売上での信頼に繋がるのなら、顔を売っておいて損は無い。
マルガとマルコをとりあえず落ち着かせながら、苦笑いして言う俺を観て、ニコニコしているアガペト。
「それと、今回の偉業に対する報奨なのですが、まず報奨金として、金貨20枚。そして、葵さん、マルガさん、マルコさんの、冒険者ランクを、2階級特進とさせて貰います。但し、特進につきましては、少し此方の試験をさせて頂きますので、此方の準備が整い、葵さん達の都合が合えばと、言う事で。期限は付けませんので、安心して下さい」
それを聞いたマルガとマルコは、顔を見合わせて喜んでいる。
「じゃ~これで、全部話しは済んだわね。明日、朝食を食べて休憩してから、モンランベール伯爵家の別邸の別邸に向かいましょうか。帰るわよ皆」
俺達はアガペトと挨拶をして、冒険者ギルドを後にした。
翌日、朝食を取って、休憩も終わった俺達は、時間通りにモンランベール伯爵家の別邸迄来ていた。
モンランベール伯爵家の別邸の門迄行くと、そこには、執事のアニバルが待っていた。
執事のアニバルと挨拶を交わし、豪華なモンランベール伯爵家の別邸の中に入っていく。
そして、接見室の前で少し待ち、執事のアニバルの案内で接見室に入って行くと、部屋の奥の豪華なソファーに、ランドゥルフが肘をついて座っていた。その左側には、ラウテッツァ紫彩騎士団、団長のコルネリウスが立っていて、その右側には、アロイージオが申し訳なさそうな顔をして立っている。
俺達がランドゥルフの前に行くと、きつい目をして俺を見ながら、
「…ずいぶん早くに、私の前に来るのだな。まだ期日は半分弱残っていると言うのに。…それに今日は、前に見ていない者もおる様だが…」
そう言って、ルチアとマティアスを、値踏みする様に見ているランドゥルフ。
「此方は僕の仲間で、ルチアとマティアスと言います。この港町パージロレンツォで知りあって、一緒に訓練したり、ラフィアスの回廊に探索に行ったり、休暇も一緒に過ごしたりと、仲良くさせて貰ってます」
俺がそう紹介すると、一歩前に出て、綺麗にお辞儀をする、ルチアとマティアス。
そして、ランドゥルフを見て、ニヤッと笑うルチアを見て、きつい目をするランドゥルフ。
「ご機嫌麗しゅう御座いますわ、ランドゥルフ卿。私はルチアと申します。此方は、私の共をしています、マティアスです」
「マティアスです。ルチア様の共をさせて頂いています」
俺やマルガ、マルコとは違う、何処か高貴な気品を、感じさせる2人の立ち振る舞いに、ランドゥルフの眉がピクっと動く。そして、ルチアとマティアスの顔を、食い入る様に見ている。
「…ルチア殿に、マティアス殿か…。気のせいかも知れぬが…何処かでお見受けした様な…」
そう言いながら、まじまじとルチアとマティアスを見ているランドゥルフに、ルチアは小悪魔の様な微笑を浮かべる。その次の瞬間、ランドゥルフの表情が一変する。肩肘をつきながら横たわっていたソファーから、ガバっと立ち上がるランドゥルフは、何かに気がついた様であった。
「ま…ま…まさか!?あのルチア様と、マティアス殿なのですか!?…ま…間違いない!ルチア様に、マティアス殿ではありませんか!…何故その様な格好をして…一体何をされているのですかお二方は!?」
ルチアとマティアスを見て、狼狽しているランドゥルフ。それを楽しそうに眺めるルチアは、
「今の私達は、この行商人の葵の仲間で、一介の冒険者としてここに居るの。それ以上でも、それ以下でも無いと、思って貰えるかしら?」
小悪魔な笑みを浮かべるルチアを見て、ハア~と深い溜め息を吐き、ソファーに座り直すランドゥルフ。
「…どういった意図があるのか解り兼ねますが、ルチア様がそう言われるのであれば、そう対応させて頂きましょう」
「助かるわ~。ランドゥルフ卿」
俺とマルガとマルコは、訳が解らずに、困惑の表情を浮かべている。一方、小悪魔の笑みを浮かべるルチアを見て、半ば呆れ顔のランドゥルフは、話を続ける。
「…横道にそれたが、葵殿が期日前に、私の元に来ると言う事は、大魔導師アーロンの秘宝を見つけたか、金貨500枚を用意する事が出来たかの、何方かと思って良いのかな?」
「はい、金貨500枚用意出来ました。なのでリーゼロッテの、引渡しをお願いしようと思いまして、今日は伺わせて頂きました」
俺はアイテムバッグから、金貨500枚の入った袋を取り出し、テーブルに置くと、執事のアニバルが金貨を数えて行く。暫く待つと、数え終わった執事のアニバルが
「確かに金貨500枚で御座います」
そう言って、後ろに下がる執事のアニバル。ソレを聞いたランドゥルフは、フンと鼻で言うと
「良く一行商人である葵殿が、30日位の間に、金貨500枚を稼ぐ事が出来ましたな。何処からかの、資金の援助でも有りましたのかな?」
そう言って、目を細めてルチアを見るランドゥルフ。その言葉に、俺は少しカチンと来ときたが、リーゼロッテを手に入れさえすれば、もう用は無いし会う事も無いだろうと思って、聞き流そうとしたら、若干一名がその言葉に噛み付いた。
「ご主人様は、誰にもお金を借りていません!その金貨は、ラフィアスの回廊で、皆で力を合わせて、大魔導師アーロンの秘宝を見つけて、それを売って得たお金です!ご主人様は楽をして得たお金を、此処に出して居るのではありません!」
マルガは必死にそう言うと、ウウウと少し唸って、金色の毛並みの良い尻尾を逆立てている。
俺はマルガの気持ちが嬉しくて、優しく頭を撫でると、落ち着いてきたのか、ハウウと可愛い声を出して、気まずそうにしている。その思いもよらぬ者からの言葉に、呆気に取られているランドゥルフの顔を見て、可笑しそうに眺めていたルチアが
「そのキツネちゃんの言う通りよ。葵達はラフィアスの回廊で、大魔導師アーロンの秘宝を見つけたのよ」
「で…ですが…そんな大発見なら、冒険者ギルドから、何か発表されそうですが…」
「少し事情があってね。準備が整い次第、冒険者ギルドから、発見者名と共に、発表されるわ。私とマティアスも同行していたので、保証するわよ」
ルチアのその言葉を聞いランドゥルフは、戸惑っている。
「ま~その大魔導師アーロンの秘宝は、私が買い取らせて貰ったけどね。ランドゥルフ卿には、金貨500枚でも良かったみたいだったし」
ニヤッと微笑んでいるルチアに、軽く貯め息を吐くランドゥルフ。
「そうなのですか…解りました。ルチア様とマティアス殿が言うのであれば確かな事でしょう。…しかし…まさか…本当に大魔導師アーロンの秘宝を見つけるとは…。フフフ…」
少し笑いながら目を閉じたランドゥルフは、ゆっくりと瞼を上げると、
「アニバル!リーゼロッテを連れて来い!葵殿にリーゼロッテを引き渡す!」
「かしこまりましたランドゥルフ様」
執事のアニバルは一礼をして、部屋から出ていく。暫く待っていると、そこには、赤いドレスで着飾った、女神とみまごう金色の妖精が居た。俺と視線が合うと、嬉しそうに瞳を潤ましている。俺も思わず微笑んでしまう。リーゼロッテを見たルチアは、
「これが、噂の葵がご執心している、エルフの女の子なの?…ふうん…確かに美少女ね!」
少し気に食わなさそうに言うルチアを気にせず、ランドゥルフは話を続ける。
「では葵殿、ネームプレートと、制約魔法契約の羊皮紙を出して頂こう」
ランドゥルフの指示に従い、ネームプレートと制約魔法契約の羊皮紙を提示する。すると、ネームプレートが光り、リーゼロッテの所有権が俺に移る。それと同時に、契約の履行された、制約魔法契約の羊皮紙が燃えて、消滅する。それを各々が確認する。
「これで取引は完了だ。葵殿ネームプレートを確認してくれ」
ランドゥルフの言葉に頷き、俺はネームプレートを開く。
『名前』 葵あおい 空そら
『LV』 LV35
『種族』 ヴァンパイアハーフ
『年齢』 16歳
『性別』 男
『身体』 身長 168㎝ 体重 59㎏
『戦闘職業』 タッスルマークスマン(Tussle Marksman)
『取得スキル』 ☆
『住民登録』 無し
『その他1』 冒険者ギルド登録済、 冒険者ランク ブロンズ、 所属チーム無し
『その他2』 商取引許可登録済、 商組合 無し、 商会 無し
『その他3』 取得財産、 一級奴隷 マルガ、 遺言状態 所有者死亡時奴隷解放
『その他4』 取得財産、 一級奴隷 リーゼロッテ、 遺言状態 所有者死亡時奴隷解放
「確かに。確認しました」
俺はきちんとリーゼロッテの所有権が、俺に移った事を確認する。
そして、瞳を潤ませて俺を見ているリーゼロッテの傍まで行く
「リーゼロッテ、今君の所有権は俺にある。…リーゼロッテにもマルガ同様に、選ばせてあげる」
そう言って少し深呼吸する俺。そして、ゆっくりと話しだす。
「…君には2つの道を選ばせてあげよう。二つの道というのは、このまま俺の奴隷として、永遠に俺に服従するか、奴隷から解放されて自由に生きるかだ。自分の意思で俺に永遠の服従を誓うのか、自由を選ぶのか。奴隷から解放されて自由を選ぶなら、多少のお金も持たせてあげる」
俺の言葉を黙って聞いているリーゼロッテは、静かに目を閉じる。
「さあ…選んで…。永遠の服従か…自由か…」
その言葉を聞いたリーゼロッテは、ゆっくりと瞳を開け、俺を見るとクスクスと笑い出した。
俺が困惑している顔を見て、楽しそうな顔をしたリーゼロッテは
「…私には好きな人が居ます。その人は随分と変わっていて、商人なんかしているのに、大切な物の為なら、全てを簡単に投げ出しちゃう様な、困った人なんです。そんな困った人には、私の様な者がついて居てあげないと、きっと駄目になってしまいます」
ゆっくりと俺の傍に来たリーゼロッテは、俺の頬に手を添える。
「しかも、恋人は奴隷にしたいと言う、困った趣味も持っているんです」
ニコっと微笑みながら、顔を近づけるリーゼロッテ。
「そんな困った人は、私が傍に居ないと、駄目だと思いませんか?」
吐息を感じる距離まで迫るリーゼロッテ。
「俺も…好きな子が居てさ。その子は何時も強情で、助けて欲しいくせに言い出せなくて、ホントは泣きたいのに、我慢して凛と微笑んだりしている、困った女の子なんだ。そんな女の子には、俺みたいな奴がついててあげないと、駄目だと思うんだ」
俺はギュッと、リーゼロッテの腰を引き寄せる。リーゼロッテの透き通る様な金色の美しい瞳に、俺の姿が写っている。
「そんな困った女の子は、俺が傍にいて、素直にしてあげないと駄目だと思うんだよね」
その言葉を聞いたリーゼロッテがフフフと笑う。
「私を傍に置いて、奴隷にしたいのでしょう?素直に言えば、すぐになってあげますよ?」
「リーゼロッテこそ、俺の傍に居たいんでしょ?素直に言えば、すぐに俺の物にしてあげるよ?」
それを聞いて、クスクスと笑うリーゼロッテは、幸せそうな顔を俺に向けると、
「…好きです…葵さん。私を貴方の奴隷にして下さい…」
「…俺も好きだよリーゼロッテ。俺の奴隷にしちゃうけどいい?」
その言葉を聞いたリーゼロッテは、綺麗な金色の瞳を潤ませながら、静かに頷く。
俺は愛しいリーゼロッテを胸に抱きしめる。リーゼロッテも、今迄我慢していた分を、取り返すかの様に、強く抱き返してくる。リーゼロッテの甘い香りが、俺を優しく包み込む。
「…お帰り…リーゼロッテ。もう…離さないからね…」
「はい…もう…離さないで下さい。ただいまです…葵さん…」
リーゼロッテはそう言うと、俺の胸の中で、嗚咽混じりに泣いている。リーゼロッテの頭を優しく撫でると、瞳から涙を流しながらも、ニコっと極上の微笑みを見せてくれるリーゼロッテがい愛おしい。
「は~暑い暑い。何かしら?此処は火山の中なのかしら?…全く…少しは人目を気にしなさいよね!」
ルチアが俺とリーゼロッテを見ながら、盛大に溜め息を吐いて、呆れている。
俺とリーゼロッテは、顔を赤らめて、気恥ずかしそうに、顔を見ていた。
「葵はもう此処に用は無いでしょ?話も終わったなら、もうすぐ昼食だし、先に何時ものレストランテに行ってて」
「ルチアは一緒に行かないの?」
「私は少し、ランドゥルフ卿と、話があるから、先に行ってて」
俺が頷くと、マルガとマルコが俺とリーゼロッテの傍まで小走りに近寄ってきた。
「リーゼロッテさんおかえりなさいです!」
「はい、ただいまですマルガさん。マルガさんにも迷惑を掛けてしまいましたね」
「いいのです!私もリーゼロッテさんには、2回も命を助けて貰って居るんですから!…でも、ご主人様の一番は私です。リーゼロッテさんは2番ですからね!」
ちょっと複雑そうな表情で、アワアワしているマルガの頭を、優しく撫でるリーゼロッテ。
「解ってますよマルガさん。私が2番で、マルガさんが1番。私はそれで満足ですよ」
クスっと笑いながらマルガに言うと、気恥ずかしそうにハウウと小さく声を出すマルガ。そんなマルガをリーゼロッテはギュっと抱きしめている。マルガもニコッと微笑み、同じ様に抱き返している。
「マルコさんにも迷惑かけましたね」
「ううん!オイラもイケンジリの村では、リーゼロッテ姉ちゃんの世話になったしさ!それにリーゼロッテ姉ちゃんのお陰で、物凄い冒険が出来たんだ。後で一杯聞かせて上げるね!」
「はい、楽しみにしてますねマルコさん」
ニコッと笑うマルコの頭を撫でているリーゼロッテ。俺もその光景に心を和ませられる。
「さあさあ!貴方達は帰りなさい!そういう事は外でしなさい」
ルチアの言葉に俺達は苦笑いしていた。ランドゥルフも、溜め息を吐いて、呆れ気味だ。
俺達は、ランドゥルフに向き直り、綺麗にお辞儀をし、挨拶をして、謁見室から退出した。
「全く…仕方無い人達なんだから…」
葵たちの出て行った扉を眺めながら、嬉しそうにフフフと笑うルチア。そんなルチアを見て、溜め息を吐くランドゥルフは、
「しかし、ルチア様。これは一体どういう事なのですが?ルチア様が、関与しているのであれば、すぐにあの奴隷はお渡ししたんですがね。当然対価は頂きますが」
「ま~その件に関して、私が知ったのは、ランドゥルフ卿と葵が、既に取引の契約を済ませた後だったのよ。それに、葵達は私とマティアスの素性は知らないの。何処かの貴族のご令嬢としか、思ってないの。だから、秘宝を探しに、わざわざラフィアスの回廊に行ったって訳」
「なるほど…それで…行ったラフィアスの回廊で、本当に秘宝を見つけなさったのですか。流石はマティアス殿と言った所ですかな?」
ランドゥルフはマティアスを見ながら言うと、フっと笑ってマティアスは
「…私などの力は、ほんの少しです。ランドゥルフ卿は、葵殿の力を軽く見過ぎですな」
「そういう事ね!…それから葵達は、私がもう既に唾をつけてるから、手を出さないでね?無いとは思うけど、儲け損なった分を取り返すとか、Sランクのマジックアイテムを狙うとか…そう言う人が、居無いとも限らないから」
ルチアがニヤッと微笑みながら、ランドゥルフ卿を見る。その瞳は冷たく笑っては居なかった。それを見たランドゥルフは、フフっと笑い
「…ルチア様にそこまで言わせるのですかあの行商人は……まあ、結果的に私も、金貨200枚以上安く、リーゼロッテを買われてしまった訳ですがね」
フンと、鼻で言うと、少し気に食わなさそうな顔をするランドゥルフ。
「私もフィンラルディア王国の六貴族の誇りを持っています。ルチア様が言われる様な事は、無いと誓いましょう」
「あらそう…なら安心ね。じゃ~ランドゥルフ卿もお忙しいでしょうから、私達も帰らせて貰うわ。お邪魔したわねランドゥルフ卿」
「いえ…お気になさらずに。お気をつけてお帰りになられて下さい。ルチア様、マティアス殿」
互いに挨拶を交わし、部屋から出ていくルチアとマティアス。落ち着きを取り戻し、何時もの日常に戻っている謁見室。ランドゥルフは、まだ右で固まっている、アロイージオに視線を向ける。
「…一行商人であり、平民の葵殿が、どの様な経緯であのルチア様を懐柔したかは解らぬが…アロイージオよ。お前の言う通り、あの行商人を、全滅したラウテッツァ紫彩騎士団、第5番隊の隊長に任命して、手元に置けば良かったかも知れぬな…。ま…過ぎた事だがな」
フっと笑うランドゥルフに、気まずそうに笑う事しか、出来無いで居るアロイージオだった。
モンランベール伯爵家の別邸から帰って来た俺達は、俺達の合流したルチアとマティアスらと一緒に、何時ものレストランテで昼食を食べていた。
「…おかしいわ!世の中にこんな事があって、良い筈が無い!」
ルチアは俺を見ながら、少し声高に言う。ルチアのその瞳には、俺の右側に超美少女のマルガが腕に抱きつき、左側には超美少女のリーゼロッテが腕に抱きついている、そんな光景が映し出されていた。
「…マティアス。私達は今、世にも珍しい世界の神秘と言う奴を、見ているのかもしれないわよ?」
「…こんな身近な所で、世界の神秘が見れて良かったねルチア。見学料貰っても良い?」
マティアスに真顔で言うルチアに、少しの権利を主張してみた俺。
「ほんと…こんなパッしない奴の何処が良いのかしら。キツネちゃんやエルフちゃん位の超美少女なら、もっと良い男が、居てそうな物なのにねえ~」
そう言って呆れながら紅茶を飲むルチアに、ムムムとなって、何かを言おうとしたマルガの口に、優しく人差し指を置くルチア。
「解ってるってキツネちゃん。『ご主人様の悪口はやめて下さい!ご主人様は魅力的です!』でしょ?もう、何千回と聞いたわよ」
ルチアが呆れながら言うと、コクコクと頷くマルガ。モグモグ。昼食は美味しい様である。
もう何千回って回数になっちゃったんだね~。俺の強化ガラスのハートも、防弾ガラスまでLVUPする筈だね!…って、いい加減諦めて下さいルチアさん!マルガちゃんは頑張ってね!
そのやり取りを見ていたリーゼロッテは、楽しそうにフフフと笑うと。
「私もマルガさんと、同じ意見ですね。葵さんは私達に取っては…何よりも…誰よりも魅力的ですから」
リーゼロッテはそう言うと、頭を俺の肩にコテっと、もたれかけさせる。
ブホ!…やばい!…リーゼロッテが可愛すぎる!か…顔が熱い…
そんな俺を見たルチアは、盛大な溜め息を吐いて
「葵…なに鼻の下を伸ばしてるのよ…。まるで、港町パージロレンツォの市壁みたいになってるわよ」
「そんな、何十㎞の長さに伸びているなら、ルチアを囲んで、通過税でも取ろうかな」
「そんな変態の壁に囲まれる位なら、裸になって野山で寝てる方が安全な気がするわ…」
考えただけで、寒気がしますって言う顔をしているルチア。
俺を一体、どんな度合いの変態だと思っているんだ!そんなLVの低い変態じゃないぜ!…ゲフンゲフン…
「所で葵、貴方此れからどうするつもりなの?」
「うん?どうするとは?」
「だって貴方、そのエルフちゃんを手に入れちゃったでしょ。だから今後どう行動するのかなって思ってさ」
ルチアは紅茶を飲みながら言う。
確かにそうだ。当初の目的は、マルガを戦闘職業に就けて、ある程度LVを上げるのだけが目的だったけど、マルガもLV25、マルコも既にLV29だ。俺もLV35に上がっていいる。リーゼロッテ奪還の為に、ラフィアスの回廊に篭りまくったのが功をなして、予定よりかなり早く目標を達している。
「そうだな~。俺はもうラフィアスの回廊じゃLVUPは見込めない。当面は、リーゼロッテを戦闘職業に就かせて、LVを上げるとして、港町パージロレンツォにはまだ、30日位は滞在するかな?」
「なるほど…後30日ね…。その後はどうする予定なの?」
俺がルチアの言葉に考えていると、リーゼロッテがニコっと笑いながら
「もう人も4人になって、荷馬車も2台あります。私やマルガさんの人頭税も掛りますし、出費も多くなるでしょう。今回は特別儲かった様ですが、こんな事はそうそう在りません。普通の行商や、LVの低いダンジョンを探索するだけでは、もう実入りが少なくなってしまでしょう。此処はそう言った意味を踏まえて、もう一段階、前に進む事を提案します」
それを聞いたルチアがニヤッと笑う。
「さすがは…上級亜種のエルフちゃんね、賢しいわ。貴女が居れば、馬鹿の葵もランドゥルフ卿とした様な取引も、しなくて済みそうね」
「はい。あの様な取引は、今後私が二度とさせません」
ルチアの言葉にニコっと微笑むリーゼロッテは、苦笑いしている俺の腕をギュっと抱いている。
「ま~リーゼロッテの言う事は尤もだね。今回儲けれたのは、本当に運が良かったからだしね…。って事は…そろそろ、何処かの町で住居登録をして、何処かの商組合に入る時期なのかな…」
「私もそうした方が良いと思います葵さん。税金は多くなりますが、その分出来る事が多くなるので、可能性は広がりますね」
リーゼロッテの言葉に俺も頷く。マルガやマルコもウンウンと言った感じだ。それを聞いていたルチアが、
「じゃ~この辺で、貴方に貸した借りを、利子を付けて返して貰おうかしら」
ルチアは、小悪魔の様な微笑で、俺を見る。その微笑みに寒気が走る。
背中に…変な汗が出ちゃってるよ!此れが噂に聞く、蛇にアソコを舐められた蛙!…もとい睨まれた蛙!
ルチアは俺のキョドっている顔を見て、至極愉しそうだ。
「王都ラーゼンシュルトで、住民登録して、商組合に入って、私の専任商人になって貰うからよろしく!」
「へえ!?俺が、ルチアの専任商人!?」
また変な声を出してしまった…恥ずかしい。
貴族には、自分の配下に近い商人達が居る。それが専属商人であったり、専任商人だ。
専属商人は、その貴族のみに仕え、その貴族が指示する物のみを取引する商人だ。
専任商人は、その貴族のみに仕えるのは一緒だが、その貴族が指示する物以外に、自分で他の物を取引しても良いと言った商人。
専属商人は、当主クラスの貴族に仕える者に多く、専任商人は、当主以外の貴族に仕える者が多い。
しかし、何方も貴族に認められ、貴族の力になるべく選ばれているので、世界の情報、知識、知恵を豊富に持ち、貴族にも意見出来る様な、極一部の歴戦の商人がなれる、商人達の一種の憧れでもある。
「で…でも…ルチアは、俺なんかでいいの!?俺は自分で言うのもなんだけど、まだまだ勉強中だし…」
俺がアタフタしながら、困惑していると、少し背線を下にさげるルチアは、
「そんなの解ってるわよ!そんな事は…別に良いのよ!勉強して覚えたら良いだけじゃない!……私ね…明日、王都ラーゼンシュルトに帰る予定なの…」
「え!?本当に!?そんな急に!?」
俺だけじゃなく、他の皆も顔を見合わせて驚いて、戸惑っていた。そんな俺達を見て、フっと笑うルチア。
「うん。例の秘宝を届けないといけないのも理由なんだけど、もともと、此処に来たのも修行の為って言う名目だったのよね。目的は十分達成してるから、一度家にも帰らないと駄目なのよ」
淋しげに言うルチア。その表情を見た俺は、ルチアが何を言いたいのかを、すぐに理解した。
しかし、そんな俺の心を読むルチアは、フンと、鼻で言うと、
「此れはあくまでも、貴方に貸した借りを返して貰う為なんだからね!調子に乗らないでよね!」
そう言って横を向くルチアの頬は、プクっと可愛らしく膨れている。
ありゃ…お拗ねになられたんですね。解ります。
そんな少し拗ね気味のルチアを見て、他の皆はクスクスと声を殺して笑っている。
その声を聞いて、少し顔の赤いルチア。ほんと…素直じゃ無いんだから…
「…当然…拒否権や異論は認めてくれないんでしょ?」
俺のその言葉を聞いたルチアは、パアアと表情を明るくする。
「当たり前じゃない!貴方の人権は、私の掌の中にしか無いんだから!当然ね!」
腰に手を当てて、ドヤ顔で嬉しそうに笑うルチア。
そうですか…まるで、何処かの大仏の、掌で踊らされている、石猿みたいなんですね。…ムッキー!
そんな事言ってると、何時か俺の如意棒が火を噴くぜ!?…ルチアなら折りそうで怖いけど…ウウウ…
そんな感じで、股間を抑えている俺を、汚いものを見る目で見ているルチア。他の皆が、アハハと楽しそうに笑っている。
「…と、言う事になりますと、王都ラーゼンシュルトで、家を買うか、借りるかしないといけませんね…」
リーゼロッテは軽く顎に手を当てて、考えている。ルチアはリーゼロッテが何を考えているのかが解っている様で
「エルフちゃん心配しなくても大丈夫よ!貴方達の住む家は私が用意して上げるわ。私に心当たりがあるから。そこは大きな建物で、馬小屋や馬車置き場もあるからね。しかも、そこなら家賃は無料よ!そして…大きな湯浴み場迄付いているんだからね!」
腰に手を当てて、ドヤ顔で笑っているルチア。その話を聞いて、若干2名が耳をピクピクさせていたのを、俺は見逃さなかった。
「…大きな湯浴み場って…何処かの貴族みたいだね!泳げたりするのかな~!気持ち良さそうだな~!」
「…大きな湯浴み場でご主人様と…あんな事やこんな事…ウフフフフ…」
マルガとマルコは、口をニヘラと開けて、惚けている。
もう入ってるね!…もう泳いじゃってるね!…一足先に入っちゃってるね!気持ち良さそうな顔だね2人共!
…因みに、マルガちゃん。それは俺が思う事だからね?嬉しいけどさ!
そんな2人と微笑ましく、フフフと笑いながら見ていたリーゼロッテは、ルチアの方を向き、
「しかし…何か…怪しい香りが若干するのは、気のせいでしょうか?」
「…きっと、気のせいよ…エルフちゃん」
少し目を細めているリーゼロッテに、小悪魔の様な微笑みを返すルチア。お互い、フフフと含み笑いを浮かべている。
「家の方の問題は無いけど、食費や税金は面倒見れないから、そこは頑張りなさいよね!」
「解ってるよ。しっかり稼ぎますよ!」
俺の苦笑いに、一同が笑っている。
「とりあえず、そこの家は抑えて有るんだけど、手直しやら、他の準備もあるから、60日位空けてくれたら助かるわ」
「…となると、此処で30日リーゼロッテのLVを上げるとして…港町パージロレンツォから、王都ラーゼンシュルト迄は、荷馬車で30日だからちょうど良いね」
そう言って俺が頷いていると、何かが引っ掛った。
「…家は抑えてあるって…俺の返事を聞く前に、抑えちゃってたのルチア!?」
「はあ!?そんなの当たり前でしょ!?先の事を読んで、常に先手を取って行くのが、物事の基本でしょ!?…貴方…そんな事も解らない何て…」
顔に手を当てて、はあ~と大きく貯め息を吐き、呆れているルチア。
本当ゴメンネ!馬鹿でゴメンよ!どうせ俺は、見た目だけじゃなくて、頭もパッとしませんよ!
俺がそんな感じで項垂れていると、優しく頭を撫でてくれる、マルガとリーゼロッテ。
「大丈夫ですよご主人様!誰でも得手不得手は有るって、教えてくれたのはご主人様じゃないですか」
「そうですよ。そんな葵さんの足りない部分は、私が埋めますから、安心して下さいね」
ニコっと微笑みながらマルガとリーゼロッテが癒してくれる。
ああ~!マルガにリーゼロッテ!ありがとう!癒されちゃったよ僕ちゃん!……………って。
…あれ?…良く考えたら、馬鹿なのは否定してくれていない様な気が…まあいっか!アハハ!…泣きたい…
「さ~話も決まったし、明日はちゃんと遅れずに見送りに来なさいよ!」
ルチアは、俺に釘を刺す様に言うと、他の皆と楽しげに話していた。
ま~この時は、王都ラーゼンシュルトで、あんな事になってるとは、夢にも思わなかったんだけどね。
宿屋に帰って来た俺達は、それぞれの部屋に戻り、ゆっくりとくつろいでいる。
宿屋の主人に無理を言って、リーゼロッテの分の追加料金を支払い、ベッドも1つ追加して貰った。
当然、そのベッドも、俺とマルガのベッドにピタっとくっつけられ、3人で一緒に寝れる様になっている。6帖のこの部屋に3つのベッドはかなりスペースを取るが、リーゼロッテとマルガと一緒に寝れるのであれば、そんな事は気にもならない。
リーゼロッテとマルガはベッドに腰を掛けながら、紅茶を飲んで楽しそうに話をしている。
ふと羊皮紙の張られた窓の外に視線を移せば、この世界独特の土星の様にリングの付いた、青い月の優しい光が射し込んでいる。
そんな優しい月の光と、揺らめく蝋燭の灯りが交じり合う部屋で、綺麗な透き通る様なライトグリーンの瞳と、綺麗な金色の瞳と視線が合った。
その美しく吸い込まれそうな瞳は、俺を見つけて嬉しそうな色をして微笑む。
「葵さんどうしたのですか?私の顔に何かついてますか?」
「ムウウ…ご主人様!私も見て下さい!」
リーゼロッテは楽しそうに俺に言い、マルガは少し拗ねマルガに変身している。
「いや…リーゼロッテが傍にいて、マルガも傍にいると思ったら…何だか嬉しくなっちゃってさ」
どんな顔をして言ったのかは解らない。心の底からそう思った事を口にした。
それな俺を見たリーゼロッテとマルガは、俺にギュっと抱きついてきた。
「そんな求められる様な瞳をされたら…襲っちゃいますよ?葵さん…」
「そうです!リーゼロッテさんの言う通りです。その瞳は反則なのです~」
マルガとリーゼロッテは、とても嬉しそうな顔をして微笑むと、頭を俺の胸に埋めている。
マルガとリーゼロッテの甘い匂いが俺を包み込む。2人の超美少女の柔肌がとても心地良い。
俺もマルガとリーゼロッテを抱きしめると、2人共幸せそうな顔で俺に微笑んでくれるのが愛おしい。
「…ご主人様。そろそろ体を拭く用意をしましょうか?」
マルガは顔を赤らめて、モジモジしながら上目遣いで聞いてきた。
体を拭く…つまりエッチな事をしましょうと言う、マルガの可愛いおねだりなのです。
当然、こんな可愛いおねだりに勝てる訳は無いし、むしろ嬉しい位なのでマルガにお願いすると、ハイ!と、嬉しそうに返事をして、金色の毛並みの良い尻尾をフワフワ揺らしながら、用意に取り掛かる。
そんな俺とマルガを見ていた勘の良いリーゼロッテは、この後の事を思っているのか、若干顔を赤らめている。
「どうしたの?リーゼロッテ。…顔が赤いみたいだけど?」
「…葵さんって、意外と意地悪なのですね」
俺がニヤっと微笑んで言うと、顔を赤らめながらも、嬉しそうに微笑むリーゼロッテ。
そんな俺とリーゼロッテの後ろで、石鹸水の入った桶と布の用意の終わったマルガが、スルスルと服の擦れる音をさせて着替え始める。俺とリーゼロッテの見え無い所で着替えているマルガが、今日はどの様な寝衣で楽しませてくれるのか、俺は心待ちにしていると、マルガから声が掛る。
「ご主人様…用意が出来ました…」
恥ずかしそうなその声に俺とリーゼロッテが振り向く。そのマルガの可愛さに俺は歓喜していた。
淡いピンク色のシースルーのビスチェを纏い、それとお揃いの淡いピンク色のシースルーのオープンショーツ。真っ白なフリルで可愛く飾られていて、幼女体型のマルガに良く似合っていて、俺の性欲が掻き立てられる。華奢で綺麗な足には、太ももの中頃までの白いタイツをガータベルトで繋ぎ、首の俺の奴隷の証である、赤い豪華な革のチョーカーと形見のルビーの宝石が、強いアクセントとなって、光り輝いている。
「今日も可愛いよマルガ…。とても良く似合ってるよ」
「ありがとうございますご主人様…」
俺の感想を聞いたマルガは、顔を赤らめながら近づいて来て、俺にキュット抱きつく。
俺もマルガを優しく包み込む様に抱くと、艶めかしい微笑みを湛えて嬉しそうにしていた。
「ほんと…マルガさん可愛いですわ…」
マルガのエッチな寝衣を見て、少し羨ましそうに言うリーゼロッテを引き寄せる。
「…リーゼロッテにも明日一杯買ってあげる。…リーゼロッテが着たら、マルガみたいに可愛く着こなせると思うよ。楽しみにしててね」
俺はリーゼロッテの耳元でそう囁くと、リーゼロッテのエルフの特徴である、長く伸びた耳を甘噛みする。ピクっと軽く身を悶えさせるリーゼロッテは、嬉しそうに俺に微笑んでいた。
そんなリーゼロッテを見て、今日俺の一番欲しかった初めて…リーゼロッテの処女を奪える事に、喜びを噛み締めながら、マルガを引き寄せ、俺のしたい事を耳打ちすると、ニヤっとマルガらしからぬ悪戯っぽい微笑みを浮かべている。
「ご主人様、それは楽しみです~」
リーゼロッテは自分を見て、ニヤニヤ笑っている俺とマルガに、少し苦笑いしながら
「葵さんにマルガさん…一体何を企んでいるんですか?」
「「秘密ですね!」」
声を揃えてニヤニヤしながら言う俺とマルガに、更に苦笑いしているリーゼロッテ。
俺はアイテムバッグから、ソレを取り出すと、マルガに使い方を説明する。
元々使いやすいソレに加えて、マルガも物覚えが俺なんかより良いので、すぐに使い方を覚えてくれた。
「どうマルガ。綺麗に録れてる?」
「ハイ!ご主人様!」
「じゃ~よろしくねマルガ」
俺の言葉に、ハイ!っと元気良く返事をして、ソレを構えている。
俺はリーゼロッテを優しく引き寄せ、此方を向けさせる。
「リーゼロッテ…。今日…リーゼロッテの残されて、奪えなかった処女を、奪っちゃうけど良い?」
「はい…私の処女を…貰って…奪ってください…葵さん…」
俺が優しくキスをしながら言うと、金色の美しい透き通る瞳を潤ませながら、嬉しそうに頷くリーゼロッテ。その微笑みがとても愛おしい。
俺はリーゼロッテの服を脱がせていく。リーゼロッテも俺の服を脱がしてくれる。お互い脱がせ合って、一糸纏わぬリーゼロッテの美し体を見て、性欲が高まる。
この女神の様なリーゼロッテを犯せる…前に奪えなかった…処女を奪える…全てを…手に入れれる…
そんな喜びに浸っていた俺を見て、嬉しそうなリーゼロッテが俺にキスをして、舌を忍び込ませてきた。リーゼロッテの柔らかく甘い舌が、俺の口の中を堪能して、舌を絡めている。
俺もリーゼロッテの舌を味わい堪能しながら、リーゼロッテの豊満な胸に手を掛け、鷲掴みにする。
「前に教えた様に、俺に奉仕するんだリーゼロッテ。…まずは胸で、俺のモノにね」
「はい…葵さん…」
金色の美しい透き通る瞳を、艶めかしい色に染めているリーゼロッテは、ベッドの上で立っている俺の前で膝を折り、その美しく豊満な胸で、俺のモノを挟み込み、先っちょを口と舌で舐めて愛撫している。リーゼロッテの胸と口の感触は素晴らしく、俺はリーゼロッテの頭を優しく撫でてあげると、嬉しそうな微笑みを浮かべるリーゼロッテ。
「…リーゼロッテさん綺麗です…。ご主人様の立派なモノを胸と口で…奉仕する姿…」
ソレ…つまりデジカメを使って、リーゼロッテの『初めてを奪う』所を、録画しているマルガの綺麗な透き通る様なライトグリーンの瞳は、艶かしく光っている。
「そうでしょマルガ。でも綺麗なだけじゃないんだよリーゼロッテは。ほら…こうすると…」
「うんっはあんんん!!」
俺はパイズリをしてくれているリーゼロッテの両方の乳首を、両手でキュっと摘んでコリコリと力を入れている。快感に身を捩れさせるリーゼロッテ。
「リーゼロッテ休んじゃダメだよ?俺に乳首を掴まれながら…きちんと胸で奉仕しないと…」
「…葵さんの…意地悪…」
リーゼロッテは少し拗ねながらも、俺に言われた通り、乳首を摘まれながら、胸で俺のモノを奉仕する。胸上下に動かすたびに、俺に掴まれている乳首が引っ張られて、快感が体を走る。
その快楽に身悶えながら、必死に胸と口で俺に奉仕するリーゼロッテにゾクゾクと性欲が高まる。
俺は、リーゼロッテの頭を掴み、強引に腰を振る。リーゼロッテの豊満な胸と口で奉仕されている俺のモノは、急激に快感が高まり、我慢出来無くなって絶頂を向かえ、リーゼロッテの美しい顔と胸に、精子をぶちまけてしまう。余りの気持ち良さに、口元がほころぶ俺。
「リーゼロッテさん…ご主人様の精を一杯かけて貰って…いいなあ~」
リーゼロッテをデジカメで撮影しながら羨ましそうに言うマルガ。
「マルガも後で一杯可愛がってあげるから…今はリーゼロッテの可愛い所を…一杯録画してあげてね」
「はい…リーゼロッテさんの…イヤラシイ所を、一杯録画しちゃいます~」
嬉しそうに、艶めかしい瞳をリーゼロッテに向け、デジカメで録画していマルガ。
俺は、リーゼロッテの顔や胸に飛び散っている精を指で拭うと、綺麗に全て、リーゼロッテの口の中に入れていく。リーゼロッテの開かれている口の中には、波々と精が湛えられている。
「リーゼロッテ。前に教えた通りに、よく味わってから飲むんだよ?」
俺の言葉にコクっと頷くリーゼロッテは、俺の精子を口の中でクチュクチュと音をさせて味わうと、コクコクと喉を鳴らして、飲み込んでいく。そして、全て飲み終わったリーゼロッテは、飲みましたと解る様に、俺に口を開けて確認させる。
「リーゼロッテさん…ご主人様の精子…美味しそう…。とてもイヤラシイ顔になってますよ…リーゼロッテさん…」
「マルガさん…ソノ道具…ひょっとして…」
「そうだよ。この道具は、映像を記憶出来る道具なんだ。今日リーゼロッテの初めてを奪う所全部、残してあげるからね…」
俺の言葉を聞いたリーゼロッテは、今も撮られている事に恥ずかしさを覚えているのか、顔どころか、エルフの特徴である長く尖った綺麗な耳迄、真っ赤にしている。
「フフフ…リーゼロッテさん…真っ赤っ赤なのです~可愛いのです~」
マルガが悪戯っぽく言うのを、更に恥ずかしそうにしているリーゼロッテ。
「大丈夫だよリーゼロッテ。もっと恥ずかしい事をしてあげるから…」
俺はリーゼロッテをぐいっと引き寄せると、ワンワンスタイルでお尻を俺に向けさせる。
リーゼロッテの秘所は既にヌレヌレなっており、洪水の様に流れ出ている、煌く愛液が、両太ももに滴っている。
俺にお尻を向けて、四つん這いになっているリーゼロッテのお尻に、俺は顔を持っていく。
「あ!あっんんはあんんっっん…」
リーゼロッテが艶かしくお尻を振り、身を悶えさせ、気持ち良さそうに甘い吐息をあげる。
俺はリーゼロッテの秘所に顔をつけ、タップリと愛撫してあげている。
「リーゼロッテの処女膜…美味しいよ…」
「…嬉しい…うはっあはんんんっん…」
リーゼロッテは更に身悶えて、甘い吐息をあげる。俺はリーゼロッテの処女膜を堪能し、可愛くヒクヒクしているアナルも舌で舐めてあげ、クリトリスを指でキュっと摘んで上げると、マルガに恥ずかしい所を録画されている興奮もあってか、小刻みに体を震わすリーゼロッテ。
「葵さん…私…もう…我慢…出来ません…」
「…いいよ。一杯イカせてあげる!」
俺は再度リーゼロッテの膣に舌を忍ばせ、処女膜を味わいながら、左手でアナルニ指を入れて動かしてあげ、右手で可愛く膨らんでいるクリトリスを、キュウウっと虐めてあげると、泉のように愛液を溢れさすリーゼロッテの体は、ビクっと強張り
「葵さん!イキます!イカせて貰いますね!葵さん!!…うはあああんんんっっんんんん!!!」
リーゼロッテは大きく体を弾けさせて、ベッドにクタっと伏せてしまう。
体を揺らして息をして、真っ白い肌を紅潮させて、金色の透き通る様な美しい瞳をトロンとさせていた。
「…リーゼロッテの絶頂の全部を録画しちゃいました~。リーゼロッテさん…気持ち良さそう…とても綺麗で…可愛かったですよ」
マルガがデジカメで録画しながら言うと、顔を真赤にして微笑んでいるリーゼロッテ。
俺はリーゼロッテを仰向けにして、上に覆いかぶさる。そして、我慢出来無い位に大きくなっているモノを、リーゼロッテの膣口に持って行き、滴って居る愛液をモノに塗りつける。
俺のモノは、リーゼロッテの愛液によって、艶かしく光っている。
「リーゼロッテ…リーゼロッテの処女を奪うからね。マルガ同様、優しくはしない…全力で犯すからね…一生に一度の…リーゼロッテの処女の喪失している時の顔を、存分に見たいから…さあ…おねだりしてごらん…」
その俺の言葉に、金色の透き通る様な美しい瞳を歓喜に染めたリーゼロッテは、両足を開いて、両手で自身の秘所を広げる。
「葵さん…私の処女を捧げます…私の処女を…奪ってください…」
「うん…リーゼロッテの処女を…貰う…奪うからね…」
俺はリーゼロッテの足の間に腰を入れていく。リーゼロッテの秘所の入り口に俺のモノを持って行くと、リーゼロッテは体を一瞬強張らせる。
俺はリーゼロッテの愛液で光っているモノを、リーゼロッテの誰も入った事の無い膣に、捩じ込んでいく。リーゼロッテは、キュッと足の指を強張らせている。ミチミチと音を立てているリーゼロッテの秘所に、グイグイとモノを入れていく。そして、亀頭が入った所で一気に奥まで貫く。
「イッッ…はんん…んっああうん…」
リーゼロッテは少し甲高い声を上げて、身を強張らせる。
俺のモノはリーゼロッテの処女膜を突き破って、リーゼロッテの大切な秘所の一番奥に到達している。リーゼロッテの膣の中は、初めての男を向かえ入れた喜びを表す様に、ピクピクと俺のモノを刺激する。その快感に俺は歓喜する。
「リーゼロッテの処女を奪ったよ…俺のモノで、女になっちゃったね…リーゼロッテ」
「はい…葵さんに…処女を奪って貰えて…女にして貰えて…とても…嬉しいですわ…」
そう言って、俺の首に両手を回し、キスをしてくるリーゼロッテ。
リーゼロッテの甘く柔らかい舌が、俺の口の中を味わっている。俺も舌を絡め味わうと、嬉しそうな表情のリーゼロッテーが愛おしい。
「リーゼロッテ…此れから全力で動くから…その初めての表情をもっと俺に見せて…」
「はい…存分に見て、私を味わって…感じてください…葵さん…」
リーゼロッテはそう言うと、全てを任せる様に、ギュっと抱きついてきた。
俺もリーゼロッテを抱きしめながら、腰を動かし始める。
「あ!!…うっっはんんあんん」
リーゼロッテが涙を流しながら、声を上げる。そのリーの表情に、ゾクゾクとした俺は、容赦なく腰を振り続ける。辺りにはパンパンと、乾いた心地良い音が鳴っていた。
「リーゼロッテの秘所…ご主人様のモノを美味しそうに咥えちゃってます…。ご主人様のモノに…破瓜の血と…愛液をこんなにつけて…リーゼロッテさん…羨ましいです…」
マルガはデジカメで録画しながら言うと、リーゼロッテは恥ずかしそうにしながら、キュっと膣を締め付け、俺のモノを刺激する。俺はリーゼロッテの口に吸い付き、上の口と舌の口を同時に激しく犯していると、俺の体に快感が集まってきて、我慢出来無くなってきた。
「リーゼロッテ出すよ!リーゼロッテのまだ誰も出した事の無い子宮の奥に精を!いっぱい注ぐからね!」
「はい!私の子宮に、葵さんの精子で…焼印を押してください!葵さんの物で有るという証明に!」
リーゼロッテはそう叫ぶと、俺に抱きつき、キスをせがむ。
俺はリーゼロッテの口に吸い付き、舌をねじ込ませる。リーゼロッテを味わいながら、激しく腰を振ると、リーゼロッテの膣は、全てを受け入れる様に、キュンキュンと俺のモノを締め付ける。
俺は我慢出来無くなって、強引にねじ込んだ子宮に、ありったけの精子を注ぎ込む。激しい快楽が俺を突き抜ける。リーゼロッテの上の口に沢山の唾を飲ませてあげながら、下の口の子宮に精子を染付ける様に飲ませてあげると、リーゼロッテは透き通る様な金色の美しい瞳を、艶かしく歓喜の色に染めて、涙を流していた。
「リーゼロッテ…一杯出してあげたよ…リーゼロッテの子宮に…俺の印を…染み込ませたからね…」
「はい…葵さんの熱い精が…焼印の様に、私の子宮に染み入ってます…葵さんの物になれて嬉しい…」
涙を流しているリーゼロッテに優しくキスをする。
そして、リーゼロッテの可愛い膣から俺のモノを引き抜くと、ヌロロロと精と愛液が糸を引いて、とてもイヤラシク見える。
「リーゼロッテさんの秘所から…ご主人様の精が溢れています…」
「マルガ…。リーゼロッテの初めてを、きちんと録画出来た?」
「はい。上手く撮れました。…でも、上手く撮れすぎて、私も…ご主人様~」
デジカメを持ちながら、艶かしく切ない声をあげるマルガ。
そのマルガの秘所は既にヌレヌレで、リーゼロッテ同様、太ももまで滴らせて、モジモジしている。
俺はリーゼロッテを横に寝かせ、マルガをぐいっと引き寄せる。
「頑張ったマルガにご褒美を上げないとね」
俺は用の無くなったデジカメを、返して貰ってテーブルに置くと、マルガを抱き寄せる。
俺とリーゼロッテの行為を見て、欲情していたのか、マルガのクリトリスや乳首は、既にコリコリになっていた。
「マルガ…可愛いよ。じゃ~まずは、俺のモノを、ソノ可愛い口で綺麗にして」
「…はい、ご主人様」
マルガは嬉しそうに言うと、リーゼロッテの愛液と、破瓜の血と、俺の精液がついたモノを口に咥え、舌と口で舐めとっていく。
「…ご主人様の立派なモノから…リーゼロッテさんお愛液と…破瓜の血の味がします…」
「リーゼロッテの最初で最後の味だから、マルガも良く覚えていてあげて」
俺の言葉に、艶めかしい瞳で、コクっと頷くマルガを見て、リーゼロッテは耳まで真っ赤にして、恥ずかしそうにしていた。
俺は綺麗になったモノを確認して、マルガを上に抱きかかえ、正面座位の格好にする。
そして、マルガの可愛い膣口にモノを持って行くと、嬉しそうにパクパクと膣口を開いたり閉じたりさせているマルガが愛おしい。
「じゃ~マルガに…ご褒美をあげるね!」
俺はそう言って、一気にマルガの可愛い膣に、モノを捩じ込む。
「うはああんっつうんんん!!!」
マルガはいきなり子宮の奥に、俺のモノを捩じ込まれた快感に、口をパクパクさせて、小刻みに震えている。俺はそんなマルガに、性欲が掻き立てられ、マルガの体を激しく揺さぶり、腰をグイグイとマルガの秘所に押し当てて犯していく。
マルガは、恍惚の表情を浮かべ、俺がマルガを犯すたびに、甘い吐息を辺りに撒き散らす。
「…マルガさん…気持ち良さそう…」
回復してきたリーゼロッテが、気持ち良さそうなマルガを見て言う。
「…今日はリーゼロッテの初めての表情が見たかったから、目一杯犯したから痛かっただろうけど、明日は、とても気持ち良くなる事を、リーゼロッテにもしてあげる。この…マルガの様にね!」
俺はそう言いながら、マルガを激しく犯すと、マルガは少しオシッコを流して、口から涎を流しながら、俺のモノに犯される快楽に浸っていた。
俺はマルガの可愛く流れている涎を舐めとり、マルガの口に吸い付き、マルガの上の口も一緒になって犯すと、マルガの体は小刻みに震えてきた。
「ご主人様!私も…もう…ダメです…もう…もう…イカセて…ください…」
透き通る様なライトグリーンの綺麗な瞳を、艶かしく切なそうにしているマルガに、ゾクゾクと性欲が高まる。
「いいよマルガ!いっぱいイカせてあげる!俺の精を子宮で飲み込みながら、イクんだ!」
俺はマルガの体を激しく揺さぶり、マルガの子宮をコンコンと抉じ開け犯す。
マルガはソノ快楽に耐え切れなくなって、大きく体を弾けさせる。
俺も同時にマルガの子宮の奥の奥に、精をし見つける様に注ぎ込む。
「ご主人様!イキます!イカセて頂きます!!!!!イク!!!…うはああんはああああんん!!」
マルガは大きな甘いと吐息をまき散らすと、ビクビクと体を痙攣させながら、俺に力なく体を預ける。
ソノ瞳はトロンとしていて、俺に精を注ぎ込まれた喜びからか、至高の表情を俺に向けるマルガ。
「マルガ…今日も可愛かったよ…」
そう言って優しくキスをすると、クテっとなりながらも、俺に可愛らしい微笑みを向けてくれるマルガ。
俺は、マルガからモノを引き抜くと、俺の精子でヌロロと糸の引いているモノを、リーゼロッテの口の前に持っていく
「さあリーゼロッテ。今度はリーゼロッテが、オレのモノを綺麗にするんだ。その…可愛い口で…存分に味わって…」
俺のがそう言うと、リーゼロッテは金色の透き通る様な美しい瞳を、艶かしく光らせ、俺の精子とマルガの愛液まみれになっているモノを、口の中に咥え、口と舌で舐めとっていく。
リーゼロッテの何時もから想像の付かない、ソノ従順プリに、俺の性欲と支配欲がゾクゾクと掻き立てられる。
俺はリーゼロッテの顎を掴み、ソノ金色の透き通る様な美しい瞳に命令する。
「まだまだ寝かせないからねリーゼロッテもマルガも。一杯犯してあげる…」
「はい…一杯犯してください葵さん…私はもう…貴方だけの…奴隷なのですから…」
歓喜に染まった瞳で俺を見ながら、両足を開いて、両手で秘所を広げるリーゼロッテ。
先ほど注いであげた俺の精子がトププと流れ出ていて、イヤラシイ。
俺はリーゼロッテに跨り、一気に犯していく。犯される事に、喜びを感じているリーゼロッテ。
俺はマルガとリーゼロッテを心ゆくまで犯し、蹂躙して、その夜は眠りにつくのであった。
種族能力解放を使ってから既に4日、まだ魔力は半分弱しか回復していないし、超回復も半分位しか機能していない。全快するには、後2日は掛るだろう。
そんな俺は、ルチア達の待つレストランテに、昼食を取る為に向かっている。俺の横で、ニコニコしながら腕組みしているマルガに癒されながら、レストランテに入って行くと、ルチアとマティアスが待っていた。
何時もの席に座ると、俺達に料理を運んでくれる店員。
「どう葵?体の調子は」
「うん。だいたい半分弱回復したって所かな?完全に回復する為には、後2日って所だね。とりあえず、動ける様になって良かったよ」
苦笑いしている俺に、ウンウンと頷くマルガとマルコ
「回復するのに結構掛かるのね。あの力って、具体的にどんな感じなの?」
「うん…一度使うと、3日は完全に戦闘不能、身動きが辛うじて出来る程度。後は少しずつ回復して行って、6日で完全回復。だけど、能力開放する為に必要な妖力が戻るには、90日近く掛かるみたい。だから、能力開放の再使用までは90日。能力を開放していられる時間は、約半刻(約30分)位。今は使った事でLV2になってるから、能力は上がってると思うけど、回復時間や開放していられる時間は変わって無いみたいだね」
「…なるほど。いつでも使える様な力じゃないのね。大きな力には代償が必要…か。ま~あんな、四属性精霊である四属性守護神に近い…対抗出来る様な力をいつでも使えたら、貴方も精霊になっちゃうしね」
ルチアは紅茶を飲みながら言うと、マルガとマルコが食いついた。
「ご主人様、四属性守護神って何なのですか?」
マルガが可愛い首を傾げて居る。マルコも隣でウンウンと頷いている。
「四属性守護神っていうのは、各属性の精霊の長であり、それぞれの国の王家と契約して、国を守護している精霊なんだよ」
「正確には、火、水、土、風、光、闇の、6種類の精霊が居るんだけどね。それぞれの精霊は、1精霊で、一般兵士10万人分の兵力と、同等と言われているの。それだけ強力な力を持って居るって事ね」
ルチアの説明に、口をポカンと開けて居るマルガとマルコ。
「その精霊と契約しているのは…何処の国なんですか?ご主人様」
「えっとね…まずは、風の精霊を守護神に持つこの国、フィンラルディア王国、土の精霊を守護神に持つ、ヴィアンメディル共和国、火の精霊を守護に持つ、アルゴス帝国、水の精霊を守護神に持つ、グランシャリオ皇国、光の精霊の守護神を持つ、神聖オデュッセリア、そして、闇の精霊を守護神に持ち、人間族や亜種族の敵である魔族の国、魔国アウラングゼーブ かな」
「ま~その内、グランシャリオ皇国は、6年前に滅びちゃって、水の精霊の守護神は、地下に封印されたままになってるらしいけどね。その他の国は、言わずと知れた大国。精霊の守護がいかに重要か解るでしょ?」
俺とルチアの説明を聞いて、ウンウンと頷くマルガとマルコ。
「…葵、貴方も、あの力は、無暗に使わない事ね。見られたら大変って言う事も有るけど、その力を目当てに、何かしてくる輩も居ないとは限らないから。…解ってるわよね?」
ジトで言うルチアに苦笑いしていると、軽く溜め息を吐いて、本当に大丈夫かしら?と、わざと小声で、呟く様に言って、紅茶を飲むルチア。
「所で、昨日の朝刻にランドゥルフ卿の使いの者が来てたみたいだけど、ランドゥルフ卿との次の約束は、どうだった?」
「うん、明日の朝刻の5の時になったよ」
「あら、意外と早く会えるのね、良かったじゃない。明日のランドゥルフ卿との取引は、私も同行するからよろしく~」
ルチアがニヤっと笑って、紅茶を飲んでいる。なんだろう…嫌な予感が…しちゃう!
俺はアタフタしながら
「べ…別にいいよ!俺とマルガとマルコだけで大丈夫だよ?」
「…大丈夫!?何が大丈夫なのよ!今回はたまたま上手く行ったけど、本当なら、貴方大変な事になってたのよ!?貴方達だけ行かせて、またとんでもない取引を、約束しないか私が監視しないと、オチオチ寝てられないのよ!」
ルチアの尤もな意見に、シュンとなっている俺の頭を、苦笑いしながらヨシヨシと頭を撫でてくれるマルガ。マルガに癒された所で、気になっている事を聞いてみた。
「あのさ…ルチアにマティアスさんマルコ…皆俺に…いつも通り接してくれるけどさ、何故…俺の事…教会に…密告したり…しないの?」
俺の少しか細い問に、ルチアもマルコもマティアスも、顔を見合せている。
「何故そんな事しなくちゃいけないの?」
「だって…俺は…魔族と…」
俺が言いかけた所で、ルチアの人差し指が、俺の唇に触れ遮られた。
「…こんな所で、その話はしないで。それに…そんなつまらない事、私達はしないわよ」
「…何故?」
「何故って…葵は葵でしょ?何も変わらないわ。…確かに、初めは驚いたけど、私達の脅威になる存在じゃ無いじゃない。なら私達には問題は無いわ。…そんな事、貴方が気にする事じゃないの…馬鹿ね…」
そう言っルチアは何時もと変わらない様子で、紅茶を飲んでいる。マティアスもマルコもウンウンと頷いて、微笑んでいる。その暖かさが、とても心地良く、少し目頭が熱くなる。
「あ…ありがとう…皆…」
「フン!何を今更…。ま~本当の理由は、可愛いキツネちゃんが、こんなに慕ってるなら、悪い奴じゃ無いってってのが本音ね!でも…可愛い超美少女のキツネちゃんを、誑かしてるって言う理由でなら、教会に密告してあげてもいいけど?」
「いえ…勘弁して下さい…」
俺の気まずそうな顔を見て、楽しそうなルチア。皆もアハハと笑っている。
「…でもね葵。その事も、此処に居る者と、貴方がご執心している、エルフの女の子以外は、絶対に言っては駄目よ?解ってるわよね?」
「…うん。解ってる」
「…ならいいわ。…手間かけさせないでよ?」
ジト目で言うルチアに、苦笑いをしている俺を見て、マルガとマルコはアハハと笑っている。
「で…この後は、冒険者ギルドに、行ったらいいんだっけ?」
「そうよ。貴方が動けない間に、冒険者ギルドと話をしてあるから。詳しくは、冒険者ギルドに行ってから、話をしましょうか」
ルチアの言葉に頷き、昼食を終えた俺達は、冒険者ギルドに来ていた。どうやら、今回の件の話をしたいらしい。俺達は冒険者ギルドの、今迄行った事の無い、本館の最上階に来ていた。ルチアの案内で、少し豪華な扉の前に来ると、
「ここよ。入るわよ!アガペト!」
そう言って、ノックもせずに部屋に入っていくルチア。俺達は少し戸惑いながら、ルチアの後をついて部屋に入って行く。
その部屋は、沢山の本が置いてあり、色んな場所のダンジョンで、手に入れたであろう物が、飾られている。
その部屋の奥に、背の低い机があり、そこに一人の背の低い老人が居た。
「此れはルチア様。相変わらずですな」
「いいじゃない~。私と貴方の仲なんだから」
苦笑いを浮かべている、背の低い老人にの頭をポンポンと叩いているルチア。俺達が戸惑っていると、
「此方の人達が、件の方々なのですかな?ルチア様」
「そうよ。このパッとしない行商人が葵、この可愛い美少女キツネちゃんが、このパッとしない葵の、何故か一級奴隷をしているマルガ。そして、パッとしない葵に弟子入りしてしまったマルコよ」
クウウウウ!!!俺達の紹介に、ルチアの悪意を感じる!!主に俺への悪意ですが!
パッとしないって、3回も連呼しやがって!ちくちょう!…ウウウ…
そんなルチアの紹介に、苦笑いしている背の低い老人に、俺達は挨拶をする。
「とりあえず座って下さい。私は、この冒険者ギルト、港町パージロレンツォ支部の長をしています、ドワーフ族のアガペト・ロデス・バレーラと言います。よろしく」
アガペトの挨拶に、俺達も頭を下げる。アガペトは話を続ける。
「では、今回の件の事を説明しましょう。まずは、大魔導師アーロンの秘宝の発見、おめでとうございます」
「「ありがとうございます!」」
マルガとマルコガ声を揃えて、嬉しそうに言うと、ニコっと微笑んでいるアガペト。
「ホホホ。元気が宜しいですな。それで、今後の対応なのですが、まず、大魔導師アーロンの秘宝発見の発表は、此方の準備が整い次第、発表とさせて頂きます。報告を聞きますと、秘密通路にある奥の大広間には、魔物を呼ぶ魔法陣のトラップがあるみたいですな。しかも、かなり強力な魔物を呼ぶ魔法陣。準備をせずに、発表してしまいますと、何も知らない冒険者が殺到して、いらぬ被害が出てしまう事が、安易に予想出来ますからな」
「確かに…アレはきつかったです」
苦笑いをしている俺を見て、マルガとマルコもウンウンと頷いている。
「ですから、あの銅像の下から出て来た階段を、魔法で強化した鉄格子で封印し、ギルドの許可を与えた者のみ、秘密通路の奥に入れるようにします。秘密通路の入退室を管理出来れば、何かあってもすぐに解りますからな。ですから、銅像の階段を、魔法の鉄格子で封印が終わるまでは、発表は致しません。今は、冒険者ギルドの関係者が、一日中交代で、銅像の階段を、監視、警護している状態です」
確かに、それをしてからの発表が、一番良いだろう。他の皆を見ると、同じ様に頷いている。
「理解して頂けた様で良かったです。それと次に、発見した秘宝の事ですが、ルチア様とマティアス様に聞きますと、秘宝の所有権は葵さんだと聞いたのですが、間違い有りませんか?」
「え…ええ…。そうだと思いますけど…」
「葵の言う通りよ。私達は報酬は貰わないと言う条件で、同行していたしね。秘宝の所有権は葵よ」
「…ありがとうルチア」
「ま~この貸しは、利子を付けて返して貰うわ。近々ね!」
「お…お手柔らかに…」
苦笑いをしている俺を見て、ニヤニヤ笑っているルチア。そのニヤケ顔怖いんですけど!
…ひょっとして、とんでもない子に、貸しを作っちゃったのかもしれない…
少しその事を考えて、寒気がしてブルっとなっていると、苦笑いをしながら話を続けるアガペト。
「なるほど。では、秘宝の所有者である葵様に、お願いがあります。秘宝の真実の心は、非常に価値のある宝石であるのと同時に、凄い力を持ったマジックアイテムでもあります。それこそ、他国がそれを欲して、戦争を仕掛けて来る位に。それほど危険な秘宝でもあります。なので、葵様には、発見された秘宝は、価値のある宝石ではあったが、それだけだったと言う事にして欲しいのです」
「つまりは…秘宝の正体である真実の心の存在を隠して、別の物であった様にすればいいのですね?」
俺の言葉に肯定して頷くアガペト。
確かに、ルチアやマティアスが言っていた様な、とてつもない兵器なら、その力を得ようと戦争になっても可笑しくはない。地球でさえ核の問題で戦争になる事だってあるのだ。こんな未発達な世界なら尚更だろう。
「それでいいですよ。その件は、アガペトさんにお任せします。マルガもマルコもそれでいいよね?」
「私はご主人様が良ければ、問題ありません!」
「オイラも葵兄ちゃんに、任せるよ」
「ありがとうございます」
そう言って頭を下げるアガペトに、ニコっと微笑んでいるマルガとマルコ。アガペトも微笑んでいた。それを見守っていたルチアが、俺の方を向く。
「それでね、私から葵にお願いしたい事があるのよ」
「うん?何?出来る事ならなんでもするよ?」
「ま~見た目のパッとしない所を直してとか言う、無理な事じゃないから、安心して」
そうか~それなら安心だ~。って、なんでやねん!思わず一人で乗りツッコミしたわ!
そうですか…俺の見た目のパッとしないのは、直せないんですね…ウウウ…神様恨みますYO!!
俺がズーンと項垂れているのを、ニヤニヤしながら見ているルチアは、
「それでね、その真実の心は、葵に所有権が有るじゃない?で…お願いなんだけど、真実の心を、私に売ってくれない?」
「へ?どういう事?」
「…さっきも説明したけど、この秘宝、真実の心は非常に危険なマジックアイテム。こんな物の存在が外に漏れたら、コレを欲して戦争にもなりかねない物なのは解ってくれたでしょ?此れがもし悪意のある者に渡ったらどうなると思う?」
ルチアはきつい目をして俺に問う。
「…それは…目も当てられない様な事になるだろうね。人も一杯死にそうだ。考えたくないね」
苦笑いする俺。マルガとマルコも想像して、顔を歪めている。マティアスも頷いている。
「そういう事。でね、私がこの宝石を買い取って、フィンラルディア王国に献上して、フィンラルディア王国の王都ラーゼンシュルトにある、フィンラルディア王家の王宮、ヴァレンティーノ宮殿の地下の、天使の封印の間に、厳重に保管、封印して貰う事にしたいのよ」
なるほど…大国フィンラルディア王国、最大の都市であり、最大の防御力を誇る王都ラーゼンシュルトなら、この国で一番安全って事か。その中でも、ヴァレンティーノ宮殿の警備は、この国の何処よりも厳重だって、聞いた事がある。そこの地下なら、まず手は出せないだろう。
俺がルチアの提案に、考えていると、俺を見ていたルチアは話を続ける。
「貴方のご執心のエルフの一級奴隷が、買える価格が金貨500枚。私に売ってくれるなら、金貨500枚に、さらに金貨50枚を付けるわ。金貨550枚で買い取るけど、どう?」
ルチアの提案に、出して貰っていた紅茶を、吹き出しそうになる。横を見ると、マルガとマルコも同じ様だった。
「俺はリーゼロッテを買える金貨500枚有れば、なんでも良いと言えばそうだけど、そこに金貨50枚も付けてくれるの!?そりゃ~ありがたいけど、ルチアは損したりしないの?」
「私はこの真実の心を、フィンラルディア王家に、有利に取引するから大丈夫よ。ま~貴方が直接、単身でフィンラルディア王国と商談してもいいけどね」
ニヤッと笑うルチア。コイツはきっと俺がどう言うか解ってて言ってるんだろうな…ムキー!
「いや…ルチアの言う通りでいいよ。その秘宝は危険過ぎる。それに、なんの繋がりもない俺が、王家と交渉なんかしたら、殺されちゃうかも知れないしさ。俺もその秘宝は封印した方が良いと思うしね」
苦笑いしている俺に、満足そうな笑みを向けるルチア。マルガとマルコもウンウンと頷いている。
「じゃ~取引成立ね!はい!金貨550枚!」
そう言って、アイテムバッグから金貨の入った袋を取り出し、ドン!とテーブルの上に置くルチア。
その重量感と存在感に、俺もマルガもマルコも、目が点になっていた。暫くボーっとなっていたが、気を取り直して、俺とマルガとマルコは金貨を数えて行く。それをニコニコしながら見ているルチア。
「確かに金貨550枚。でも…何時もこんな大金持ち歩いてるの!?…ルチア…何処の御嬢様なんだよ…」
「フフフ…私が本気になったらもっとすごいわよ?ま~それが本当に必要な事ならだけどね!」
俺達の呆れ顔を見て、楽しげにドヤ顔で笑っているルチア。
「さて、私の話はこれで終わりよ。アガペトはまだ、葵達に話があるでしょ?」
「そうですな。私からは、秘宝の発見者として、発表して良いかと、今回の大発見に対しての報奨の話ですな」
アガペトの話を聞いて、若干2名の耳が、ピクピクと動いて居るのを、俺は見逃さなかった。
「わ…私…有名になっちゃうんですか~ど…どうしましょうご主人様!この服で恥ずかしくないですか!?」
「オ…オイラも、こ…心の準備が!イケンジリの村とかにも、伝わったら嬉しいな!ま~手紙にも書くけど!」
若干2名は、想像しただけで、既に浮き足立っている。その嬉し恥ずかしの顔と言ったら…こっちまで思わず微笑んでしまう。同じようにアガペトも微笑んでいる。
「ハハハ。マルガさんとマルコさんは、公表する方向で良い様ですな。葵さんもそれでよろしいですかな?」
「はい、お願いします」
俺も二つ返事で応える。
有名になる事で、ギルドでの信頼や、商売上での信頼に繋がるのなら、顔を売っておいて損は無い。
マルガとマルコをとりあえず落ち着かせながら、苦笑いして言う俺を観て、ニコニコしているアガペト。
「それと、今回の偉業に対する報奨なのですが、まず報奨金として、金貨20枚。そして、葵さん、マルガさん、マルコさんの、冒険者ランクを、2階級特進とさせて貰います。但し、特進につきましては、少し此方の試験をさせて頂きますので、此方の準備が整い、葵さん達の都合が合えばと、言う事で。期限は付けませんので、安心して下さい」
それを聞いたマルガとマルコは、顔を見合わせて喜んでいる。
「じゃ~これで、全部話しは済んだわね。明日、朝食を食べて休憩してから、モンランベール伯爵家の別邸の別邸に向かいましょうか。帰るわよ皆」
俺達はアガペトと挨拶をして、冒険者ギルドを後にした。
翌日、朝食を取って、休憩も終わった俺達は、時間通りにモンランベール伯爵家の別邸迄来ていた。
モンランベール伯爵家の別邸の門迄行くと、そこには、執事のアニバルが待っていた。
執事のアニバルと挨拶を交わし、豪華なモンランベール伯爵家の別邸の中に入っていく。
そして、接見室の前で少し待ち、執事のアニバルの案内で接見室に入って行くと、部屋の奥の豪華なソファーに、ランドゥルフが肘をついて座っていた。その左側には、ラウテッツァ紫彩騎士団、団長のコルネリウスが立っていて、その右側には、アロイージオが申し訳なさそうな顔をして立っている。
俺達がランドゥルフの前に行くと、きつい目をして俺を見ながら、
「…ずいぶん早くに、私の前に来るのだな。まだ期日は半分弱残っていると言うのに。…それに今日は、前に見ていない者もおる様だが…」
そう言って、ルチアとマティアスを、値踏みする様に見ているランドゥルフ。
「此方は僕の仲間で、ルチアとマティアスと言います。この港町パージロレンツォで知りあって、一緒に訓練したり、ラフィアスの回廊に探索に行ったり、休暇も一緒に過ごしたりと、仲良くさせて貰ってます」
俺がそう紹介すると、一歩前に出て、綺麗にお辞儀をする、ルチアとマティアス。
そして、ランドゥルフを見て、ニヤッと笑うルチアを見て、きつい目をするランドゥルフ。
「ご機嫌麗しゅう御座いますわ、ランドゥルフ卿。私はルチアと申します。此方は、私の共をしています、マティアスです」
「マティアスです。ルチア様の共をさせて頂いています」
俺やマルガ、マルコとは違う、何処か高貴な気品を、感じさせる2人の立ち振る舞いに、ランドゥルフの眉がピクっと動く。そして、ルチアとマティアスの顔を、食い入る様に見ている。
「…ルチア殿に、マティアス殿か…。気のせいかも知れぬが…何処かでお見受けした様な…」
そう言いながら、まじまじとルチアとマティアスを見ているランドゥルフに、ルチアは小悪魔の様な微笑を浮かべる。その次の瞬間、ランドゥルフの表情が一変する。肩肘をつきながら横たわっていたソファーから、ガバっと立ち上がるランドゥルフは、何かに気がついた様であった。
「ま…ま…まさか!?あのルチア様と、マティアス殿なのですか!?…ま…間違いない!ルチア様に、マティアス殿ではありませんか!…何故その様な格好をして…一体何をされているのですかお二方は!?」
ルチアとマティアスを見て、狼狽しているランドゥルフ。それを楽しそうに眺めるルチアは、
「今の私達は、この行商人の葵の仲間で、一介の冒険者としてここに居るの。それ以上でも、それ以下でも無いと、思って貰えるかしら?」
小悪魔な笑みを浮かべるルチアを見て、ハア~と深い溜め息を吐き、ソファーに座り直すランドゥルフ。
「…どういった意図があるのか解り兼ねますが、ルチア様がそう言われるのであれば、そう対応させて頂きましょう」
「助かるわ~。ランドゥルフ卿」
俺とマルガとマルコは、訳が解らずに、困惑の表情を浮かべている。一方、小悪魔の笑みを浮かべるルチアを見て、半ば呆れ顔のランドゥルフは、話を続ける。
「…横道にそれたが、葵殿が期日前に、私の元に来ると言う事は、大魔導師アーロンの秘宝を見つけたか、金貨500枚を用意する事が出来たかの、何方かと思って良いのかな?」
「はい、金貨500枚用意出来ました。なのでリーゼロッテの、引渡しをお願いしようと思いまして、今日は伺わせて頂きました」
俺はアイテムバッグから、金貨500枚の入った袋を取り出し、テーブルに置くと、執事のアニバルが金貨を数えて行く。暫く待つと、数え終わった執事のアニバルが
「確かに金貨500枚で御座います」
そう言って、後ろに下がる執事のアニバル。ソレを聞いたランドゥルフは、フンと鼻で言うと
「良く一行商人である葵殿が、30日位の間に、金貨500枚を稼ぐ事が出来ましたな。何処からかの、資金の援助でも有りましたのかな?」
そう言って、目を細めてルチアを見るランドゥルフ。その言葉に、俺は少しカチンと来ときたが、リーゼロッテを手に入れさえすれば、もう用は無いし会う事も無いだろうと思って、聞き流そうとしたら、若干一名がその言葉に噛み付いた。
「ご主人様は、誰にもお金を借りていません!その金貨は、ラフィアスの回廊で、皆で力を合わせて、大魔導師アーロンの秘宝を見つけて、それを売って得たお金です!ご主人様は楽をして得たお金を、此処に出して居るのではありません!」
マルガは必死にそう言うと、ウウウと少し唸って、金色の毛並みの良い尻尾を逆立てている。
俺はマルガの気持ちが嬉しくて、優しく頭を撫でると、落ち着いてきたのか、ハウウと可愛い声を出して、気まずそうにしている。その思いもよらぬ者からの言葉に、呆気に取られているランドゥルフの顔を見て、可笑しそうに眺めていたルチアが
「そのキツネちゃんの言う通りよ。葵達はラフィアスの回廊で、大魔導師アーロンの秘宝を見つけたのよ」
「で…ですが…そんな大発見なら、冒険者ギルドから、何か発表されそうですが…」
「少し事情があってね。準備が整い次第、冒険者ギルドから、発見者名と共に、発表されるわ。私とマティアスも同行していたので、保証するわよ」
ルチアのその言葉を聞いランドゥルフは、戸惑っている。
「ま~その大魔導師アーロンの秘宝は、私が買い取らせて貰ったけどね。ランドゥルフ卿には、金貨500枚でも良かったみたいだったし」
ニヤッと微笑んでいるルチアに、軽く貯め息を吐くランドゥルフ。
「そうなのですか…解りました。ルチア様とマティアス殿が言うのであれば確かな事でしょう。…しかし…まさか…本当に大魔導師アーロンの秘宝を見つけるとは…。フフフ…」
少し笑いながら目を閉じたランドゥルフは、ゆっくりと瞼を上げると、
「アニバル!リーゼロッテを連れて来い!葵殿にリーゼロッテを引き渡す!」
「かしこまりましたランドゥルフ様」
執事のアニバルは一礼をして、部屋から出ていく。暫く待っていると、そこには、赤いドレスで着飾った、女神とみまごう金色の妖精が居た。俺と視線が合うと、嬉しそうに瞳を潤ましている。俺も思わず微笑んでしまう。リーゼロッテを見たルチアは、
「これが、噂の葵がご執心している、エルフの女の子なの?…ふうん…確かに美少女ね!」
少し気に食わなさそうに言うルチアを気にせず、ランドゥルフは話を続ける。
「では葵殿、ネームプレートと、制約魔法契約の羊皮紙を出して頂こう」
ランドゥルフの指示に従い、ネームプレートと制約魔法契約の羊皮紙を提示する。すると、ネームプレートが光り、リーゼロッテの所有権が俺に移る。それと同時に、契約の履行された、制約魔法契約の羊皮紙が燃えて、消滅する。それを各々が確認する。
「これで取引は完了だ。葵殿ネームプレートを確認してくれ」
ランドゥルフの言葉に頷き、俺はネームプレートを開く。
『名前』 葵あおい 空そら
『LV』 LV35
『種族』 ヴァンパイアハーフ
『年齢』 16歳
『性別』 男
『身体』 身長 168㎝ 体重 59㎏
『戦闘職業』 タッスルマークスマン(Tussle Marksman)
『取得スキル』 ☆
『住民登録』 無し
『その他1』 冒険者ギルド登録済、 冒険者ランク ブロンズ、 所属チーム無し
『その他2』 商取引許可登録済、 商組合 無し、 商会 無し
『その他3』 取得財産、 一級奴隷 マルガ、 遺言状態 所有者死亡時奴隷解放
『その他4』 取得財産、 一級奴隷 リーゼロッテ、 遺言状態 所有者死亡時奴隷解放
「確かに。確認しました」
俺はきちんとリーゼロッテの所有権が、俺に移った事を確認する。
そして、瞳を潤ませて俺を見ているリーゼロッテの傍まで行く
「リーゼロッテ、今君の所有権は俺にある。…リーゼロッテにもマルガ同様に、選ばせてあげる」
そう言って少し深呼吸する俺。そして、ゆっくりと話しだす。
「…君には2つの道を選ばせてあげよう。二つの道というのは、このまま俺の奴隷として、永遠に俺に服従するか、奴隷から解放されて自由に生きるかだ。自分の意思で俺に永遠の服従を誓うのか、自由を選ぶのか。奴隷から解放されて自由を選ぶなら、多少のお金も持たせてあげる」
俺の言葉を黙って聞いているリーゼロッテは、静かに目を閉じる。
「さあ…選んで…。永遠の服従か…自由か…」
その言葉を聞いたリーゼロッテは、ゆっくりと瞳を開け、俺を見るとクスクスと笑い出した。
俺が困惑している顔を見て、楽しそうな顔をしたリーゼロッテは
「…私には好きな人が居ます。その人は随分と変わっていて、商人なんかしているのに、大切な物の為なら、全てを簡単に投げ出しちゃう様な、困った人なんです。そんな困った人には、私の様な者がついて居てあげないと、きっと駄目になってしまいます」
ゆっくりと俺の傍に来たリーゼロッテは、俺の頬に手を添える。
「しかも、恋人は奴隷にしたいと言う、困った趣味も持っているんです」
ニコっと微笑みながら、顔を近づけるリーゼロッテ。
「そんな困った人は、私が傍に居ないと、駄目だと思いませんか?」
吐息を感じる距離まで迫るリーゼロッテ。
「俺も…好きな子が居てさ。その子は何時も強情で、助けて欲しいくせに言い出せなくて、ホントは泣きたいのに、我慢して凛と微笑んだりしている、困った女の子なんだ。そんな女の子には、俺みたいな奴がついててあげないと、駄目だと思うんだ」
俺はギュッと、リーゼロッテの腰を引き寄せる。リーゼロッテの透き通る様な金色の美しい瞳に、俺の姿が写っている。
「そんな困った女の子は、俺が傍にいて、素直にしてあげないと駄目だと思うんだよね」
その言葉を聞いたリーゼロッテがフフフと笑う。
「私を傍に置いて、奴隷にしたいのでしょう?素直に言えば、すぐになってあげますよ?」
「リーゼロッテこそ、俺の傍に居たいんでしょ?素直に言えば、すぐに俺の物にしてあげるよ?」
それを聞いて、クスクスと笑うリーゼロッテは、幸せそうな顔を俺に向けると、
「…好きです…葵さん。私を貴方の奴隷にして下さい…」
「…俺も好きだよリーゼロッテ。俺の奴隷にしちゃうけどいい?」
その言葉を聞いたリーゼロッテは、綺麗な金色の瞳を潤ませながら、静かに頷く。
俺は愛しいリーゼロッテを胸に抱きしめる。リーゼロッテも、今迄我慢していた分を、取り返すかの様に、強く抱き返してくる。リーゼロッテの甘い香りが、俺を優しく包み込む。
「…お帰り…リーゼロッテ。もう…離さないからね…」
「はい…もう…離さないで下さい。ただいまです…葵さん…」
リーゼロッテはそう言うと、俺の胸の中で、嗚咽混じりに泣いている。リーゼロッテの頭を優しく撫でると、瞳から涙を流しながらも、ニコっと極上の微笑みを見せてくれるリーゼロッテがい愛おしい。
「は~暑い暑い。何かしら?此処は火山の中なのかしら?…全く…少しは人目を気にしなさいよね!」
ルチアが俺とリーゼロッテを見ながら、盛大に溜め息を吐いて、呆れている。
俺とリーゼロッテは、顔を赤らめて、気恥ずかしそうに、顔を見ていた。
「葵はもう此処に用は無いでしょ?話も終わったなら、もうすぐ昼食だし、先に何時ものレストランテに行ってて」
「ルチアは一緒に行かないの?」
「私は少し、ランドゥルフ卿と、話があるから、先に行ってて」
俺が頷くと、マルガとマルコが俺とリーゼロッテの傍まで小走りに近寄ってきた。
「リーゼロッテさんおかえりなさいです!」
「はい、ただいまですマルガさん。マルガさんにも迷惑を掛けてしまいましたね」
「いいのです!私もリーゼロッテさんには、2回も命を助けて貰って居るんですから!…でも、ご主人様の一番は私です。リーゼロッテさんは2番ですからね!」
ちょっと複雑そうな表情で、アワアワしているマルガの頭を、優しく撫でるリーゼロッテ。
「解ってますよマルガさん。私が2番で、マルガさんが1番。私はそれで満足ですよ」
クスっと笑いながらマルガに言うと、気恥ずかしそうにハウウと小さく声を出すマルガ。そんなマルガをリーゼロッテはギュっと抱きしめている。マルガもニコッと微笑み、同じ様に抱き返している。
「マルコさんにも迷惑かけましたね」
「ううん!オイラもイケンジリの村では、リーゼロッテ姉ちゃんの世話になったしさ!それにリーゼロッテ姉ちゃんのお陰で、物凄い冒険が出来たんだ。後で一杯聞かせて上げるね!」
「はい、楽しみにしてますねマルコさん」
ニコッと笑うマルコの頭を撫でているリーゼロッテ。俺もその光景に心を和ませられる。
「さあさあ!貴方達は帰りなさい!そういう事は外でしなさい」
ルチアの言葉に俺達は苦笑いしていた。ランドゥルフも、溜め息を吐いて、呆れ気味だ。
俺達は、ランドゥルフに向き直り、綺麗にお辞儀をし、挨拶をして、謁見室から退出した。
「全く…仕方無い人達なんだから…」
葵たちの出て行った扉を眺めながら、嬉しそうにフフフと笑うルチア。そんなルチアを見て、溜め息を吐くランドゥルフは、
「しかし、ルチア様。これは一体どういう事なのですが?ルチア様が、関与しているのであれば、すぐにあの奴隷はお渡ししたんですがね。当然対価は頂きますが」
「ま~その件に関して、私が知ったのは、ランドゥルフ卿と葵が、既に取引の契約を済ませた後だったのよ。それに、葵達は私とマティアスの素性は知らないの。何処かの貴族のご令嬢としか、思ってないの。だから、秘宝を探しに、わざわざラフィアスの回廊に行ったって訳」
「なるほど…それで…行ったラフィアスの回廊で、本当に秘宝を見つけなさったのですか。流石はマティアス殿と言った所ですかな?」
ランドゥルフはマティアスを見ながら言うと、フっと笑ってマティアスは
「…私などの力は、ほんの少しです。ランドゥルフ卿は、葵殿の力を軽く見過ぎですな」
「そういう事ね!…それから葵達は、私がもう既に唾をつけてるから、手を出さないでね?無いとは思うけど、儲け損なった分を取り返すとか、Sランクのマジックアイテムを狙うとか…そう言う人が、居無いとも限らないから」
ルチアがニヤッと微笑みながら、ランドゥルフ卿を見る。その瞳は冷たく笑っては居なかった。それを見たランドゥルフは、フフっと笑い
「…ルチア様にそこまで言わせるのですかあの行商人は……まあ、結果的に私も、金貨200枚以上安く、リーゼロッテを買われてしまった訳ですがね」
フンと、鼻で言うと、少し気に食わなさそうな顔をするランドゥルフ。
「私もフィンラルディア王国の六貴族の誇りを持っています。ルチア様が言われる様な事は、無いと誓いましょう」
「あらそう…なら安心ね。じゃ~ランドゥルフ卿もお忙しいでしょうから、私達も帰らせて貰うわ。お邪魔したわねランドゥルフ卿」
「いえ…お気になさらずに。お気をつけてお帰りになられて下さい。ルチア様、マティアス殿」
互いに挨拶を交わし、部屋から出ていくルチアとマティアス。落ち着きを取り戻し、何時もの日常に戻っている謁見室。ランドゥルフは、まだ右で固まっている、アロイージオに視線を向ける。
「…一行商人であり、平民の葵殿が、どの様な経緯であのルチア様を懐柔したかは解らぬが…アロイージオよ。お前の言う通り、あの行商人を、全滅したラウテッツァ紫彩騎士団、第5番隊の隊長に任命して、手元に置けば良かったかも知れぬな…。ま…過ぎた事だがな」
フっと笑うランドゥルフに、気まずそうに笑う事しか、出来無いで居るアロイージオだった。
モンランベール伯爵家の別邸から帰って来た俺達は、俺達の合流したルチアとマティアスらと一緒に、何時ものレストランテで昼食を食べていた。
「…おかしいわ!世の中にこんな事があって、良い筈が無い!」
ルチアは俺を見ながら、少し声高に言う。ルチアのその瞳には、俺の右側に超美少女のマルガが腕に抱きつき、左側には超美少女のリーゼロッテが腕に抱きついている、そんな光景が映し出されていた。
「…マティアス。私達は今、世にも珍しい世界の神秘と言う奴を、見ているのかもしれないわよ?」
「…こんな身近な所で、世界の神秘が見れて良かったねルチア。見学料貰っても良い?」
マティアスに真顔で言うルチアに、少しの権利を主張してみた俺。
「ほんと…こんなパッしない奴の何処が良いのかしら。キツネちゃんやエルフちゃん位の超美少女なら、もっと良い男が、居てそうな物なのにねえ~」
そう言って呆れながら紅茶を飲むルチアに、ムムムとなって、何かを言おうとしたマルガの口に、優しく人差し指を置くルチア。
「解ってるってキツネちゃん。『ご主人様の悪口はやめて下さい!ご主人様は魅力的です!』でしょ?もう、何千回と聞いたわよ」
ルチアが呆れながら言うと、コクコクと頷くマルガ。モグモグ。昼食は美味しい様である。
もう何千回って回数になっちゃったんだね~。俺の強化ガラスのハートも、防弾ガラスまでLVUPする筈だね!…って、いい加減諦めて下さいルチアさん!マルガちゃんは頑張ってね!
そのやり取りを見ていたリーゼロッテは、楽しそうにフフフと笑うと。
「私もマルガさんと、同じ意見ですね。葵さんは私達に取っては…何よりも…誰よりも魅力的ですから」
リーゼロッテはそう言うと、頭を俺の肩にコテっと、もたれかけさせる。
ブホ!…やばい!…リーゼロッテが可愛すぎる!か…顔が熱い…
そんな俺を見たルチアは、盛大な溜め息を吐いて
「葵…なに鼻の下を伸ばしてるのよ…。まるで、港町パージロレンツォの市壁みたいになってるわよ」
「そんな、何十㎞の長さに伸びているなら、ルチアを囲んで、通過税でも取ろうかな」
「そんな変態の壁に囲まれる位なら、裸になって野山で寝てる方が安全な気がするわ…」
考えただけで、寒気がしますって言う顔をしているルチア。
俺を一体、どんな度合いの変態だと思っているんだ!そんなLVの低い変態じゃないぜ!…ゲフンゲフン…
「所で葵、貴方此れからどうするつもりなの?」
「うん?どうするとは?」
「だって貴方、そのエルフちゃんを手に入れちゃったでしょ。だから今後どう行動するのかなって思ってさ」
ルチアは紅茶を飲みながら言う。
確かにそうだ。当初の目的は、マルガを戦闘職業に就けて、ある程度LVを上げるのだけが目的だったけど、マルガもLV25、マルコも既にLV29だ。俺もLV35に上がっていいる。リーゼロッテ奪還の為に、ラフィアスの回廊に篭りまくったのが功をなして、予定よりかなり早く目標を達している。
「そうだな~。俺はもうラフィアスの回廊じゃLVUPは見込めない。当面は、リーゼロッテを戦闘職業に就かせて、LVを上げるとして、港町パージロレンツォにはまだ、30日位は滞在するかな?」
「なるほど…後30日ね…。その後はどうする予定なの?」
俺がルチアの言葉に考えていると、リーゼロッテがニコっと笑いながら
「もう人も4人になって、荷馬車も2台あります。私やマルガさんの人頭税も掛りますし、出費も多くなるでしょう。今回は特別儲かった様ですが、こんな事はそうそう在りません。普通の行商や、LVの低いダンジョンを探索するだけでは、もう実入りが少なくなってしまでしょう。此処はそう言った意味を踏まえて、もう一段階、前に進む事を提案します」
それを聞いたルチアがニヤッと笑う。
「さすがは…上級亜種のエルフちゃんね、賢しいわ。貴女が居れば、馬鹿の葵もランドゥルフ卿とした様な取引も、しなくて済みそうね」
「はい。あの様な取引は、今後私が二度とさせません」
ルチアの言葉にニコっと微笑むリーゼロッテは、苦笑いしている俺の腕をギュっと抱いている。
「ま~リーゼロッテの言う事は尤もだね。今回儲けれたのは、本当に運が良かったからだしね…。って事は…そろそろ、何処かの町で住居登録をして、何処かの商組合に入る時期なのかな…」
「私もそうした方が良いと思います葵さん。税金は多くなりますが、その分出来る事が多くなるので、可能性は広がりますね」
リーゼロッテの言葉に俺も頷く。マルガやマルコもウンウンと言った感じだ。それを聞いていたルチアが、
「じゃ~この辺で、貴方に貸した借りを、利子を付けて返して貰おうかしら」
ルチアは、小悪魔の様な微笑で、俺を見る。その微笑みに寒気が走る。
背中に…変な汗が出ちゃってるよ!此れが噂に聞く、蛇にアソコを舐められた蛙!…もとい睨まれた蛙!
ルチアは俺のキョドっている顔を見て、至極愉しそうだ。
「王都ラーゼンシュルトで、住民登録して、商組合に入って、私の専任商人になって貰うからよろしく!」
「へえ!?俺が、ルチアの専任商人!?」
また変な声を出してしまった…恥ずかしい。
貴族には、自分の配下に近い商人達が居る。それが専属商人であったり、専任商人だ。
専属商人は、その貴族のみに仕え、その貴族が指示する物のみを取引する商人だ。
専任商人は、その貴族のみに仕えるのは一緒だが、その貴族が指示する物以外に、自分で他の物を取引しても良いと言った商人。
専属商人は、当主クラスの貴族に仕える者に多く、専任商人は、当主以外の貴族に仕える者が多い。
しかし、何方も貴族に認められ、貴族の力になるべく選ばれているので、世界の情報、知識、知恵を豊富に持ち、貴族にも意見出来る様な、極一部の歴戦の商人がなれる、商人達の一種の憧れでもある。
「で…でも…ルチアは、俺なんかでいいの!?俺は自分で言うのもなんだけど、まだまだ勉強中だし…」
俺がアタフタしながら、困惑していると、少し背線を下にさげるルチアは、
「そんなの解ってるわよ!そんな事は…別に良いのよ!勉強して覚えたら良いだけじゃない!……私ね…明日、王都ラーゼンシュルトに帰る予定なの…」
「え!?本当に!?そんな急に!?」
俺だけじゃなく、他の皆も顔を見合わせて驚いて、戸惑っていた。そんな俺達を見て、フっと笑うルチア。
「うん。例の秘宝を届けないといけないのも理由なんだけど、もともと、此処に来たのも修行の為って言う名目だったのよね。目的は十分達成してるから、一度家にも帰らないと駄目なのよ」
淋しげに言うルチア。その表情を見た俺は、ルチアが何を言いたいのかを、すぐに理解した。
しかし、そんな俺の心を読むルチアは、フンと、鼻で言うと、
「此れはあくまでも、貴方に貸した借りを返して貰う為なんだからね!調子に乗らないでよね!」
そう言って横を向くルチアの頬は、プクっと可愛らしく膨れている。
ありゃ…お拗ねになられたんですね。解ります。
そんな少し拗ね気味のルチアを見て、他の皆はクスクスと声を殺して笑っている。
その声を聞いて、少し顔の赤いルチア。ほんと…素直じゃ無いんだから…
「…当然…拒否権や異論は認めてくれないんでしょ?」
俺のその言葉を聞いたルチアは、パアアと表情を明るくする。
「当たり前じゃない!貴方の人権は、私の掌の中にしか無いんだから!当然ね!」
腰に手を当てて、ドヤ顔で嬉しそうに笑うルチア。
そうですか…まるで、何処かの大仏の、掌で踊らされている、石猿みたいなんですね。…ムッキー!
そんな事言ってると、何時か俺の如意棒が火を噴くぜ!?…ルチアなら折りそうで怖いけど…ウウウ…
そんな感じで、股間を抑えている俺を、汚いものを見る目で見ているルチア。他の皆が、アハハと楽しそうに笑っている。
「…と、言う事になりますと、王都ラーゼンシュルトで、家を買うか、借りるかしないといけませんね…」
リーゼロッテは軽く顎に手を当てて、考えている。ルチアはリーゼロッテが何を考えているのかが解っている様で
「エルフちゃん心配しなくても大丈夫よ!貴方達の住む家は私が用意して上げるわ。私に心当たりがあるから。そこは大きな建物で、馬小屋や馬車置き場もあるからね。しかも、そこなら家賃は無料よ!そして…大きな湯浴み場迄付いているんだからね!」
腰に手を当てて、ドヤ顔で笑っているルチア。その話を聞いて、若干2名が耳をピクピクさせていたのを、俺は見逃さなかった。
「…大きな湯浴み場って…何処かの貴族みたいだね!泳げたりするのかな~!気持ち良さそうだな~!」
「…大きな湯浴み場でご主人様と…あんな事やこんな事…ウフフフフ…」
マルガとマルコは、口をニヘラと開けて、惚けている。
もう入ってるね!…もう泳いじゃってるね!…一足先に入っちゃってるね!気持ち良さそうな顔だね2人共!
…因みに、マルガちゃん。それは俺が思う事だからね?嬉しいけどさ!
そんな2人と微笑ましく、フフフと笑いながら見ていたリーゼロッテは、ルチアの方を向き、
「しかし…何か…怪しい香りが若干するのは、気のせいでしょうか?」
「…きっと、気のせいよ…エルフちゃん」
少し目を細めているリーゼロッテに、小悪魔の様な微笑みを返すルチア。お互い、フフフと含み笑いを浮かべている。
「家の方の問題は無いけど、食費や税金は面倒見れないから、そこは頑張りなさいよね!」
「解ってるよ。しっかり稼ぎますよ!」
俺の苦笑いに、一同が笑っている。
「とりあえず、そこの家は抑えて有るんだけど、手直しやら、他の準備もあるから、60日位空けてくれたら助かるわ」
「…となると、此処で30日リーゼロッテのLVを上げるとして…港町パージロレンツォから、王都ラーゼンシュルト迄は、荷馬車で30日だからちょうど良いね」
そう言って俺が頷いていると、何かが引っ掛った。
「…家は抑えてあるって…俺の返事を聞く前に、抑えちゃってたのルチア!?」
「はあ!?そんなの当たり前でしょ!?先の事を読んで、常に先手を取って行くのが、物事の基本でしょ!?…貴方…そんな事も解らない何て…」
顔に手を当てて、はあ~と大きく貯め息を吐き、呆れているルチア。
本当ゴメンネ!馬鹿でゴメンよ!どうせ俺は、見た目だけじゃなくて、頭もパッとしませんよ!
俺がそんな感じで項垂れていると、優しく頭を撫でてくれる、マルガとリーゼロッテ。
「大丈夫ですよご主人様!誰でも得手不得手は有るって、教えてくれたのはご主人様じゃないですか」
「そうですよ。そんな葵さんの足りない部分は、私が埋めますから、安心して下さいね」
ニコっと微笑みながらマルガとリーゼロッテが癒してくれる。
ああ~!マルガにリーゼロッテ!ありがとう!癒されちゃったよ僕ちゃん!……………って。
…あれ?…良く考えたら、馬鹿なのは否定してくれていない様な気が…まあいっか!アハハ!…泣きたい…
「さ~話も決まったし、明日はちゃんと遅れずに見送りに来なさいよ!」
ルチアは、俺に釘を刺す様に言うと、他の皆と楽しげに話していた。
ま~この時は、王都ラーゼンシュルトで、あんな事になってるとは、夢にも思わなかったんだけどね。
宿屋に帰って来た俺達は、それぞれの部屋に戻り、ゆっくりとくつろいでいる。
宿屋の主人に無理を言って、リーゼロッテの分の追加料金を支払い、ベッドも1つ追加して貰った。
当然、そのベッドも、俺とマルガのベッドにピタっとくっつけられ、3人で一緒に寝れる様になっている。6帖のこの部屋に3つのベッドはかなりスペースを取るが、リーゼロッテとマルガと一緒に寝れるのであれば、そんな事は気にもならない。
リーゼロッテとマルガはベッドに腰を掛けながら、紅茶を飲んで楽しそうに話をしている。
ふと羊皮紙の張られた窓の外に視線を移せば、この世界独特の土星の様にリングの付いた、青い月の優しい光が射し込んでいる。
そんな優しい月の光と、揺らめく蝋燭の灯りが交じり合う部屋で、綺麗な透き通る様なライトグリーンの瞳と、綺麗な金色の瞳と視線が合った。
その美しく吸い込まれそうな瞳は、俺を見つけて嬉しそうな色をして微笑む。
「葵さんどうしたのですか?私の顔に何かついてますか?」
「ムウウ…ご主人様!私も見て下さい!」
リーゼロッテは楽しそうに俺に言い、マルガは少し拗ねマルガに変身している。
「いや…リーゼロッテが傍にいて、マルガも傍にいると思ったら…何だか嬉しくなっちゃってさ」
どんな顔をして言ったのかは解らない。心の底からそう思った事を口にした。
それな俺を見たリーゼロッテとマルガは、俺にギュっと抱きついてきた。
「そんな求められる様な瞳をされたら…襲っちゃいますよ?葵さん…」
「そうです!リーゼロッテさんの言う通りです。その瞳は反則なのです~」
マルガとリーゼロッテは、とても嬉しそうな顔をして微笑むと、頭を俺の胸に埋めている。
マルガとリーゼロッテの甘い匂いが俺を包み込む。2人の超美少女の柔肌がとても心地良い。
俺もマルガとリーゼロッテを抱きしめると、2人共幸せそうな顔で俺に微笑んでくれるのが愛おしい。
「…ご主人様。そろそろ体を拭く用意をしましょうか?」
マルガは顔を赤らめて、モジモジしながら上目遣いで聞いてきた。
体を拭く…つまりエッチな事をしましょうと言う、マルガの可愛いおねだりなのです。
当然、こんな可愛いおねだりに勝てる訳は無いし、むしろ嬉しい位なのでマルガにお願いすると、ハイ!と、嬉しそうに返事をして、金色の毛並みの良い尻尾をフワフワ揺らしながら、用意に取り掛かる。
そんな俺とマルガを見ていた勘の良いリーゼロッテは、この後の事を思っているのか、若干顔を赤らめている。
「どうしたの?リーゼロッテ。…顔が赤いみたいだけど?」
「…葵さんって、意外と意地悪なのですね」
俺がニヤっと微笑んで言うと、顔を赤らめながらも、嬉しそうに微笑むリーゼロッテ。
そんな俺とリーゼロッテの後ろで、石鹸水の入った桶と布の用意の終わったマルガが、スルスルと服の擦れる音をさせて着替え始める。俺とリーゼロッテの見え無い所で着替えているマルガが、今日はどの様な寝衣で楽しませてくれるのか、俺は心待ちにしていると、マルガから声が掛る。
「ご主人様…用意が出来ました…」
恥ずかしそうなその声に俺とリーゼロッテが振り向く。そのマルガの可愛さに俺は歓喜していた。
淡いピンク色のシースルーのビスチェを纏い、それとお揃いの淡いピンク色のシースルーのオープンショーツ。真っ白なフリルで可愛く飾られていて、幼女体型のマルガに良く似合っていて、俺の性欲が掻き立てられる。華奢で綺麗な足には、太ももの中頃までの白いタイツをガータベルトで繋ぎ、首の俺の奴隷の証である、赤い豪華な革のチョーカーと形見のルビーの宝石が、強いアクセントとなって、光り輝いている。
「今日も可愛いよマルガ…。とても良く似合ってるよ」
「ありがとうございますご主人様…」
俺の感想を聞いたマルガは、顔を赤らめながら近づいて来て、俺にキュット抱きつく。
俺もマルガを優しく包み込む様に抱くと、艶めかしい微笑みを湛えて嬉しそうにしていた。
「ほんと…マルガさん可愛いですわ…」
マルガのエッチな寝衣を見て、少し羨ましそうに言うリーゼロッテを引き寄せる。
「…リーゼロッテにも明日一杯買ってあげる。…リーゼロッテが着たら、マルガみたいに可愛く着こなせると思うよ。楽しみにしててね」
俺はリーゼロッテの耳元でそう囁くと、リーゼロッテのエルフの特徴である、長く伸びた耳を甘噛みする。ピクっと軽く身を悶えさせるリーゼロッテは、嬉しそうに俺に微笑んでいた。
そんなリーゼロッテを見て、今日俺の一番欲しかった初めて…リーゼロッテの処女を奪える事に、喜びを噛み締めながら、マルガを引き寄せ、俺のしたい事を耳打ちすると、ニヤっとマルガらしからぬ悪戯っぽい微笑みを浮かべている。
「ご主人様、それは楽しみです~」
リーゼロッテは自分を見て、ニヤニヤ笑っている俺とマルガに、少し苦笑いしながら
「葵さんにマルガさん…一体何を企んでいるんですか?」
「「秘密ですね!」」
声を揃えてニヤニヤしながら言う俺とマルガに、更に苦笑いしているリーゼロッテ。
俺はアイテムバッグから、ソレを取り出すと、マルガに使い方を説明する。
元々使いやすいソレに加えて、マルガも物覚えが俺なんかより良いので、すぐに使い方を覚えてくれた。
「どうマルガ。綺麗に録れてる?」
「ハイ!ご主人様!」
「じゃ~よろしくねマルガ」
俺の言葉に、ハイ!っと元気良く返事をして、ソレを構えている。
俺はリーゼロッテを優しく引き寄せ、此方を向けさせる。
「リーゼロッテ…。今日…リーゼロッテの残されて、奪えなかった処女を、奪っちゃうけど良い?」
「はい…私の処女を…貰って…奪ってください…葵さん…」
俺が優しくキスをしながら言うと、金色の美しい透き通る瞳を潤ませながら、嬉しそうに頷くリーゼロッテ。その微笑みがとても愛おしい。
俺はリーゼロッテの服を脱がせていく。リーゼロッテも俺の服を脱がしてくれる。お互い脱がせ合って、一糸纏わぬリーゼロッテの美し体を見て、性欲が高まる。
この女神の様なリーゼロッテを犯せる…前に奪えなかった…処女を奪える…全てを…手に入れれる…
そんな喜びに浸っていた俺を見て、嬉しそうなリーゼロッテが俺にキスをして、舌を忍び込ませてきた。リーゼロッテの柔らかく甘い舌が、俺の口の中を堪能して、舌を絡めている。
俺もリーゼロッテの舌を味わい堪能しながら、リーゼロッテの豊満な胸に手を掛け、鷲掴みにする。
「前に教えた様に、俺に奉仕するんだリーゼロッテ。…まずは胸で、俺のモノにね」
「はい…葵さん…」
金色の美しい透き通る瞳を、艶めかしい色に染めているリーゼロッテは、ベッドの上で立っている俺の前で膝を折り、その美しく豊満な胸で、俺のモノを挟み込み、先っちょを口と舌で舐めて愛撫している。リーゼロッテの胸と口の感触は素晴らしく、俺はリーゼロッテの頭を優しく撫でてあげると、嬉しそうな微笑みを浮かべるリーゼロッテ。
「…リーゼロッテさん綺麗です…。ご主人様の立派なモノを胸と口で…奉仕する姿…」
ソレ…つまりデジカメを使って、リーゼロッテの『初めてを奪う』所を、録画しているマルガの綺麗な透き通る様なライトグリーンの瞳は、艶かしく光っている。
「そうでしょマルガ。でも綺麗なだけじゃないんだよリーゼロッテは。ほら…こうすると…」
「うんっはあんんん!!」
俺はパイズリをしてくれているリーゼロッテの両方の乳首を、両手でキュっと摘んでコリコリと力を入れている。快感に身を捩れさせるリーゼロッテ。
「リーゼロッテ休んじゃダメだよ?俺に乳首を掴まれながら…きちんと胸で奉仕しないと…」
「…葵さんの…意地悪…」
リーゼロッテは少し拗ねながらも、俺に言われた通り、乳首を摘まれながら、胸で俺のモノを奉仕する。胸上下に動かすたびに、俺に掴まれている乳首が引っ張られて、快感が体を走る。
その快楽に身悶えながら、必死に胸と口で俺に奉仕するリーゼロッテにゾクゾクと性欲が高まる。
俺は、リーゼロッテの頭を掴み、強引に腰を振る。リーゼロッテの豊満な胸と口で奉仕されている俺のモノは、急激に快感が高まり、我慢出来無くなって絶頂を向かえ、リーゼロッテの美しい顔と胸に、精子をぶちまけてしまう。余りの気持ち良さに、口元がほころぶ俺。
「リーゼロッテさん…ご主人様の精を一杯かけて貰って…いいなあ~」
リーゼロッテをデジカメで撮影しながら羨ましそうに言うマルガ。
「マルガも後で一杯可愛がってあげるから…今はリーゼロッテの可愛い所を…一杯録画してあげてね」
「はい…リーゼロッテさんの…イヤラシイ所を、一杯録画しちゃいます~」
嬉しそうに、艶めかしい瞳をリーゼロッテに向け、デジカメで録画していマルガ。
俺は、リーゼロッテの顔や胸に飛び散っている精を指で拭うと、綺麗に全て、リーゼロッテの口の中に入れていく。リーゼロッテの開かれている口の中には、波々と精が湛えられている。
「リーゼロッテ。前に教えた通りに、よく味わってから飲むんだよ?」
俺の言葉にコクっと頷くリーゼロッテは、俺の精子を口の中でクチュクチュと音をさせて味わうと、コクコクと喉を鳴らして、飲み込んでいく。そして、全て飲み終わったリーゼロッテは、飲みましたと解る様に、俺に口を開けて確認させる。
「リーゼロッテさん…ご主人様の精子…美味しそう…。とてもイヤラシイ顔になってますよ…リーゼロッテさん…」
「マルガさん…ソノ道具…ひょっとして…」
「そうだよ。この道具は、映像を記憶出来る道具なんだ。今日リーゼロッテの初めてを奪う所全部、残してあげるからね…」
俺の言葉を聞いたリーゼロッテは、今も撮られている事に恥ずかしさを覚えているのか、顔どころか、エルフの特徴である長く尖った綺麗な耳迄、真っ赤にしている。
「フフフ…リーゼロッテさん…真っ赤っ赤なのです~可愛いのです~」
マルガが悪戯っぽく言うのを、更に恥ずかしそうにしているリーゼロッテ。
「大丈夫だよリーゼロッテ。もっと恥ずかしい事をしてあげるから…」
俺はリーゼロッテをぐいっと引き寄せると、ワンワンスタイルでお尻を俺に向けさせる。
リーゼロッテの秘所は既にヌレヌレなっており、洪水の様に流れ出ている、煌く愛液が、両太ももに滴っている。
俺にお尻を向けて、四つん這いになっているリーゼロッテのお尻に、俺は顔を持っていく。
「あ!あっんんはあんんっっん…」
リーゼロッテが艶かしくお尻を振り、身を悶えさせ、気持ち良さそうに甘い吐息をあげる。
俺はリーゼロッテの秘所に顔をつけ、タップリと愛撫してあげている。
「リーゼロッテの処女膜…美味しいよ…」
「…嬉しい…うはっあはんんんっん…」
リーゼロッテは更に身悶えて、甘い吐息をあげる。俺はリーゼロッテの処女膜を堪能し、可愛くヒクヒクしているアナルも舌で舐めてあげ、クリトリスを指でキュっと摘んで上げると、マルガに恥ずかしい所を録画されている興奮もあってか、小刻みに体を震わすリーゼロッテ。
「葵さん…私…もう…我慢…出来ません…」
「…いいよ。一杯イカせてあげる!」
俺は再度リーゼロッテの膣に舌を忍ばせ、処女膜を味わいながら、左手でアナルニ指を入れて動かしてあげ、右手で可愛く膨らんでいるクリトリスを、キュウウっと虐めてあげると、泉のように愛液を溢れさすリーゼロッテの体は、ビクっと強張り
「葵さん!イキます!イカせて貰いますね!葵さん!!…うはあああんんんっっんんんん!!!」
リーゼロッテは大きく体を弾けさせて、ベッドにクタっと伏せてしまう。
体を揺らして息をして、真っ白い肌を紅潮させて、金色の透き通る様な美しい瞳をトロンとさせていた。
「…リーゼロッテの絶頂の全部を録画しちゃいました~。リーゼロッテさん…気持ち良さそう…とても綺麗で…可愛かったですよ」
マルガがデジカメで録画しながら言うと、顔を真赤にして微笑んでいるリーゼロッテ。
俺はリーゼロッテを仰向けにして、上に覆いかぶさる。そして、我慢出来無い位に大きくなっているモノを、リーゼロッテの膣口に持って行き、滴って居る愛液をモノに塗りつける。
俺のモノは、リーゼロッテの愛液によって、艶かしく光っている。
「リーゼロッテ…リーゼロッテの処女を奪うからね。マルガ同様、優しくはしない…全力で犯すからね…一生に一度の…リーゼロッテの処女の喪失している時の顔を、存分に見たいから…さあ…おねだりしてごらん…」
その俺の言葉に、金色の透き通る様な美しい瞳を歓喜に染めたリーゼロッテは、両足を開いて、両手で自身の秘所を広げる。
「葵さん…私の処女を捧げます…私の処女を…奪ってください…」
「うん…リーゼロッテの処女を…貰う…奪うからね…」
俺はリーゼロッテの足の間に腰を入れていく。リーゼロッテの秘所の入り口に俺のモノを持って行くと、リーゼロッテは体を一瞬強張らせる。
俺はリーゼロッテの愛液で光っているモノを、リーゼロッテの誰も入った事の無い膣に、捩じ込んでいく。リーゼロッテは、キュッと足の指を強張らせている。ミチミチと音を立てているリーゼロッテの秘所に、グイグイとモノを入れていく。そして、亀頭が入った所で一気に奥まで貫く。
「イッッ…はんん…んっああうん…」
リーゼロッテは少し甲高い声を上げて、身を強張らせる。
俺のモノはリーゼロッテの処女膜を突き破って、リーゼロッテの大切な秘所の一番奥に到達している。リーゼロッテの膣の中は、初めての男を向かえ入れた喜びを表す様に、ピクピクと俺のモノを刺激する。その快感に俺は歓喜する。
「リーゼロッテの処女を奪ったよ…俺のモノで、女になっちゃったね…リーゼロッテ」
「はい…葵さんに…処女を奪って貰えて…女にして貰えて…とても…嬉しいですわ…」
そう言って、俺の首に両手を回し、キスをしてくるリーゼロッテ。
リーゼロッテの甘く柔らかい舌が、俺の口の中を味わっている。俺も舌を絡め味わうと、嬉しそうな表情のリーゼロッテーが愛おしい。
「リーゼロッテ…此れから全力で動くから…その初めての表情をもっと俺に見せて…」
「はい…存分に見て、私を味わって…感じてください…葵さん…」
リーゼロッテはそう言うと、全てを任せる様に、ギュっと抱きついてきた。
俺もリーゼロッテを抱きしめながら、腰を動かし始める。
「あ!!…うっっはんんあんん」
リーゼロッテが涙を流しながら、声を上げる。そのリーの表情に、ゾクゾクとした俺は、容赦なく腰を振り続ける。辺りにはパンパンと、乾いた心地良い音が鳴っていた。
「リーゼロッテの秘所…ご主人様のモノを美味しそうに咥えちゃってます…。ご主人様のモノに…破瓜の血と…愛液をこんなにつけて…リーゼロッテさん…羨ましいです…」
マルガはデジカメで録画しながら言うと、リーゼロッテは恥ずかしそうにしながら、キュっと膣を締め付け、俺のモノを刺激する。俺はリーゼロッテの口に吸い付き、上の口と舌の口を同時に激しく犯していると、俺の体に快感が集まってきて、我慢出来無くなってきた。
「リーゼロッテ出すよ!リーゼロッテのまだ誰も出した事の無い子宮の奥に精を!いっぱい注ぐからね!」
「はい!私の子宮に、葵さんの精子で…焼印を押してください!葵さんの物で有るという証明に!」
リーゼロッテはそう叫ぶと、俺に抱きつき、キスをせがむ。
俺はリーゼロッテの口に吸い付き、舌をねじ込ませる。リーゼロッテを味わいながら、激しく腰を振ると、リーゼロッテの膣は、全てを受け入れる様に、キュンキュンと俺のモノを締め付ける。
俺は我慢出来無くなって、強引にねじ込んだ子宮に、ありったけの精子を注ぎ込む。激しい快楽が俺を突き抜ける。リーゼロッテの上の口に沢山の唾を飲ませてあげながら、下の口の子宮に精子を染付ける様に飲ませてあげると、リーゼロッテは透き通る様な金色の美しい瞳を、艶かしく歓喜の色に染めて、涙を流していた。
「リーゼロッテ…一杯出してあげたよ…リーゼロッテの子宮に…俺の印を…染み込ませたからね…」
「はい…葵さんの熱い精が…焼印の様に、私の子宮に染み入ってます…葵さんの物になれて嬉しい…」
涙を流しているリーゼロッテに優しくキスをする。
そして、リーゼロッテの可愛い膣から俺のモノを引き抜くと、ヌロロロと精と愛液が糸を引いて、とてもイヤラシク見える。
「リーゼロッテさんの秘所から…ご主人様の精が溢れています…」
「マルガ…。リーゼロッテの初めてを、きちんと録画出来た?」
「はい。上手く撮れました。…でも、上手く撮れすぎて、私も…ご主人様~」
デジカメを持ちながら、艶かしく切ない声をあげるマルガ。
そのマルガの秘所は既にヌレヌレで、リーゼロッテ同様、太ももまで滴らせて、モジモジしている。
俺はリーゼロッテを横に寝かせ、マルガをぐいっと引き寄せる。
「頑張ったマルガにご褒美を上げないとね」
俺は用の無くなったデジカメを、返して貰ってテーブルに置くと、マルガを抱き寄せる。
俺とリーゼロッテの行為を見て、欲情していたのか、マルガのクリトリスや乳首は、既にコリコリになっていた。
「マルガ…可愛いよ。じゃ~まずは、俺のモノを、ソノ可愛い口で綺麗にして」
「…はい、ご主人様」
マルガは嬉しそうに言うと、リーゼロッテの愛液と、破瓜の血と、俺の精液がついたモノを口に咥え、舌と口で舐めとっていく。
「…ご主人様の立派なモノから…リーゼロッテさんお愛液と…破瓜の血の味がします…」
「リーゼロッテの最初で最後の味だから、マルガも良く覚えていてあげて」
俺の言葉に、艶めかしい瞳で、コクっと頷くマルガを見て、リーゼロッテは耳まで真っ赤にして、恥ずかしそうにしていた。
俺は綺麗になったモノを確認して、マルガを上に抱きかかえ、正面座位の格好にする。
そして、マルガの可愛い膣口にモノを持って行くと、嬉しそうにパクパクと膣口を開いたり閉じたりさせているマルガが愛おしい。
「じゃ~マルガに…ご褒美をあげるね!」
俺はそう言って、一気にマルガの可愛い膣に、モノを捩じ込む。
「うはああんっつうんんん!!!」
マルガはいきなり子宮の奥に、俺のモノを捩じ込まれた快感に、口をパクパクさせて、小刻みに震えている。俺はそんなマルガに、性欲が掻き立てられ、マルガの体を激しく揺さぶり、腰をグイグイとマルガの秘所に押し当てて犯していく。
マルガは、恍惚の表情を浮かべ、俺がマルガを犯すたびに、甘い吐息を辺りに撒き散らす。
「…マルガさん…気持ち良さそう…」
回復してきたリーゼロッテが、気持ち良さそうなマルガを見て言う。
「…今日はリーゼロッテの初めての表情が見たかったから、目一杯犯したから痛かっただろうけど、明日は、とても気持ち良くなる事を、リーゼロッテにもしてあげる。この…マルガの様にね!」
俺はそう言いながら、マルガを激しく犯すと、マルガは少しオシッコを流して、口から涎を流しながら、俺のモノに犯される快楽に浸っていた。
俺はマルガの可愛く流れている涎を舐めとり、マルガの口に吸い付き、マルガの上の口も一緒になって犯すと、マルガの体は小刻みに震えてきた。
「ご主人様!私も…もう…ダメです…もう…もう…イカセて…ください…」
透き通る様なライトグリーンの綺麗な瞳を、艶かしく切なそうにしているマルガに、ゾクゾクと性欲が高まる。
「いいよマルガ!いっぱいイカせてあげる!俺の精を子宮で飲み込みながら、イクんだ!」
俺はマルガの体を激しく揺さぶり、マルガの子宮をコンコンと抉じ開け犯す。
マルガはソノ快楽に耐え切れなくなって、大きく体を弾けさせる。
俺も同時にマルガの子宮の奥の奥に、精をし見つける様に注ぎ込む。
「ご主人様!イキます!イカセて頂きます!!!!!イク!!!…うはああんはああああんん!!」
マルガは大きな甘いと吐息をまき散らすと、ビクビクと体を痙攣させながら、俺に力なく体を預ける。
ソノ瞳はトロンとしていて、俺に精を注ぎ込まれた喜びからか、至高の表情を俺に向けるマルガ。
「マルガ…今日も可愛かったよ…」
そう言って優しくキスをすると、クテっとなりながらも、俺に可愛らしい微笑みを向けてくれるマルガ。
俺は、マルガからモノを引き抜くと、俺の精子でヌロロと糸の引いているモノを、リーゼロッテの口の前に持っていく
「さあリーゼロッテ。今度はリーゼロッテが、オレのモノを綺麗にするんだ。その…可愛い口で…存分に味わって…」
俺のがそう言うと、リーゼロッテは金色の透き通る様な美しい瞳を、艶かしく光らせ、俺の精子とマルガの愛液まみれになっているモノを、口の中に咥え、口と舌で舐めとっていく。
リーゼロッテの何時もから想像の付かない、ソノ従順プリに、俺の性欲と支配欲がゾクゾクと掻き立てられる。
俺はリーゼロッテの顎を掴み、ソノ金色の透き通る様な美しい瞳に命令する。
「まだまだ寝かせないからねリーゼロッテもマルガも。一杯犯してあげる…」
「はい…一杯犯してください葵さん…私はもう…貴方だけの…奴隷なのですから…」
歓喜に染まった瞳で俺を見ながら、両足を開いて、両手で秘所を広げるリーゼロッテ。
先ほど注いであげた俺の精子がトププと流れ出ていて、イヤラシイ。
俺はリーゼロッテに跨り、一気に犯していく。犯される事に、喜びを感じているリーゼロッテ。
俺はマルガとリーゼロッテを心ゆくまで犯し、蹂躙して、その夜は眠りにつくのであった。
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