1 / 65
第1話 再会と買収のレシピ
しおりを挟む
世紀末の東京は、春の嵐のような喧騒と、どこか浮足立った熱気に包まれていた。
ノストラダムスの大予言なんて誰も本気にしていないけれど、何かが終わって何かが始まる、そんな予感が街全体に漂っている。
港区の高台に聳え立つ、総戸数わずか30戸の超高級マンション『グラン・エターナル麻布』。
その最上階、ペントハウスの一室。
広大なリビングの窓からは、東京タワーとその足元に広がる街並みが一望できた。眼下を行き交う車のライトが、まるで血管を流れる赤血球のように見える。
「……悪くない眺めだ」
グラスの中のミネラルウォーターを揺らしながら、俺――西園寺玲央は独りごちた。
今日からここが俺の城だ。
実家である西園寺の本邸も居心地は悪くなかったが、やはり使用人の目を気にせず寛げる空間が必要だった。それに、これから本格化するビジネスの拠点としても、都心の隠れ家は都合がいい。
15歳の高校入学祝いに、マンションの一室をねだる子供はいなかっただろう。
だが、俺が提示した『今後の資産運用計画書』と、自分自身の個人資産だけで購入するという条件に、父は何も言わずにハンコを押した。
「さて、まずは腹ごしらえといきたいところだが……」
アイランドキッチンの広さは申し分ない。ドイツ製の最新オーダーキッチンは、プロのシェフを呼んでも十分に対応できるスペックだ。
まだ何もない冷蔵庫を見つめ、今夜のメニューを思案していた、その時だった。
ピンポーン、と重厚なチャイムが鳴り響く。
エントランスのオートロックではない。玄関前のチャイムだ。
コンシェルジュには来客を通さないように言っておいたはずだが……いや、このセキュリティを顔パスで突破できる人間は限られている。
嫌な予感を覚えながら、俺は重厚な扉を開けた。
「Surprise! レオ、引っ越しおめでとう!」
「あんたー! ついに一人暮らしなんて生意気よ!」
案の定だった。
両手に抱えきれないほどの花束とシャンパンを持った女性が二人、いや三人。
台風のような勢いで玄関になだれ込んできたのは、俺の母である西園寺ソフィアと、姉の摩耶。そしてもう一人、見慣れない……いや、記憶の片隅にある顔立ちの女性が立っていた。
「あら、ごめんなさいねレオ。入居初日くらい、家族で祝ってあげようと思って。……ほら、素敵なゲストも連れてきたわよ」
母、ソフィアがウインクをする。
42歳の彼女だが、その美貌は時間を止めているかのようだ。ブロンドの髪をラフにまとめ、シンプルなワンピースを纏っているだけなのに、そこだけ映画のワンシーンのように華やいで見える。現役ハリウッド女優のオーラは、玄関の照明すらもスポットライトに変えてしまうらしい。
「お邪魔しまーす。……うわ、なにこのリビング! サッカーできそうじゃん!」
続いて靴を脱ぎ捨てたのは、姉の摩耶だ。
東大に入学したばかりの才女だが、家ではこの通りだ。ショートボブの髪を揺らし、好奇心いっぱいの大きな瞳で室内を見回している。整った顔立ちは十分に美人の部類に入るのだが、その言動のせいで「残念な美人」という評価が定着しつつある。
そして、最後に残った女性が、少し気まずそうに俺を見上げていた。
「……久しぶりね、レオ。覚えてる?」
その女性を見て、俺は一瞬、息を呑んだ。
記憶にある「彼女」は、泥だらけになって男子と喧嘩をしていた、男勝りな少女だったはずだ。
だが、目の前にいる女性は、そんな過去を微塵も感じさせないほど、洗練された大人の女性へと変貌を遂げていた。
天童くるみ。
姉の高校時代の友人で、現在は芸能事務所に所属するタレントだ。
ブラウン管越しに見るよりもトレンドの茶髪を緩く巻き、体にフィットしたニットとミニスカートを着こなす姿は、まさに時代のアイコンたる「イイ女」の風格が漂っている。
大きな瞳は猫のように愛らしく、それでいてどこか挑戦的な光を宿していた。男性なら誰もが一度は振り返るであろう、完成された美貌だ。
「くるみ……さん、ですか?」
「ぶっ! 何その敬語! 気持ち悪っ!」
俺が丁寧に応対すると、くるみさんは吹き出した。
緊張が解けたのか、彼女はズカズカとリビングに入り込み、イタリア製の革張りソファにドカッと腰を下ろした。
「あんたさー、昔は『おいババア、どけよ』とか言ってたくせに。何よその猫かぶった態度は。あたしよあたし、くるみ!」
「……お久しぶりです。俺ももう高校生ですから、昔のような失礼なことは言いませんよ」
「はいはい、お利口さんになっちゃって。つまんないの」
くるみさんは頬杖をつきながら、俺を品定めするようにじろじろと眺める。
その視線が、不意に止まった。
「……ていうか、あんた。近くで見るとマジで顔良いわね。ソフィアさんの遺伝子、仕事しすぎじゃない?」
彼女は少し顔を赤らめ、視線を逸らした。
どうやら、外見の成長ぶりには驚いてくれたらしい。俺は苦笑しながら、彼女たちのために紅茶の準備を始めた。
リビングでは、女性陣による姦しいお喋りが始まっていた。
キッチンで湯を沸かしながら、俺は自然と彼女たちの会話に耳を傾ける。
「でね、聞いてよ摩耶! うちの事務所、マジでヤバいのよ」
くるみさんが声を荒らげた。
「社長が株で失敗したらしくてさー。資金繰りがショート寸前なんだって。で、新しいスポンサーを見つけてきたって言うんだけど、それがどう見てもヤクザまがいの不動産屋なわけ」
「ええっ、大丈夫なのそれ? くるみ、逃げたほうがいいんじゃない?」
「逃げるって言っても、契約があと2年残ってるし……違約金なんて払えないよ。その不動産屋の社長、あたしのこと『愛人にしたい』とか平気で言うような奴なのよ? もう最悪!」
くるみさんがクッションを抱きしめながら、深いため息をついた。
その表情には、テレビでは見せない疲労と焦燥が滲んでいる。
華やかな芸能界で、弱小事務所の稼ぎ頭として踏ん張る18歳の少女。その双肩にかかるプレッシャーは計り知れないだろう。
「……資金難、ですか」
俺はトレイにティーカップを載せ、リビングへと戻った。
淹れたてのダージリンの香りが漂う。
「あら、ありがとうレオ。……ごめんね、暗い話しちゃって」
「いえ。それで、その不動産屋からの出資はもう受け入れたんですか?」
「来週の月曜に契約する予定。……あたしが我慢すれば、後輩たちも路頭に迷わずに済むし」
悲壮な決意を秘めた瞳。
それは美しいが、あまりにも危うい。
自分の犠牲で組織を守ろうとする自己犠牲の精神は嫌いではないが、無能な経営者の尻拭いをさせられるのは御免だ。何より、俺の目の前で女性が不幸になる選択をするのは、どうにも座りが悪い。
「少し、失礼します」
俺はソファの前のローテーブルに紅茶を置くと、胸ポケットから携帯電話を取り出した。
最新型の端末だ。
「え、誰に電話?」
「……もしもし、明智か? 俺だ」
電話の相手は、俺の資産管理会社の代表を務める代理人だ。
「今から送る社名の興信所データを洗ってくれ。『スターダスト・プロモーション』……ああ、そうだ。資金繰りが悪化しているはずだ。その債権、すべて買い取れ」
「は?」
くるみさんがポカンと口を開けた。
「条件? 向こうの言い値で構わん。ただし、経営権はこちらが100%握る。現経営陣は刷新。所属タレントの契約内容は現状維持、ただし不当な拘束条項は破棄だ。……ああ、その悪徳不動産屋に関しては、国税の方に情報を流しておけ。二度と表舞台に出てこれないようにな」
俺は淡々と指示を出し、通話を終えた。
携帯電話を閉じ、くるみさんに向き直る。
「……え、ちょっと待って。今、なんて?」
「解決しましたよ、くるみさん」
俺は静かに告げた。事実だけを淡々と、ビジネスライクに。
「これでくるみさんの事務所の筆頭株主、および実質的なオーナーは俺です。月曜日の契約は白紙に戻りました」
「は、はぁ!? あんた何言ってんの!? 債権を買い取るって、億単位の話よ!?」
「ええ。ですが、くるみさんがつまらないスキャンダルに巻き込まれて潰れてしまう損失に比べれば、これくらい安い投資ですよ」
俺は紅茶を一口啜り、彼女の目を見つめた。
「タレントは商品です。商品が余計な傷を負うのは困りますからね。……くるみさんは、芸を磨くことだけに集中してください」
リビングに沈黙が落ちた。
くるみさんは信じられないものを見る目で俺を凝視し、摩耶姉さんは「またやった……」と頭を抱え、母さんは「That's my boy!」と手を叩いて喜んでいる。
「あんた……何者?」
震える声で問うくるみさんに、俺は肩を竦めてみせた。
「ただの、生意気な年下のガキですよ。さて、お祝いのディナーといきましょうか」
一件落着したところで、俺は立ち上がった。
時間は既に夕方を回っている。
デリバリーでも頼もうかという空気が流れたが、母と姉が「レオの手料理が食べたい!」と騒ぎ出したため、急遽俺が腕を振るうことになった。
「買い出しに行きましょう。くるみさんも、お好きなものをリクエストしてください」
「え、あ、うん……じゃあ、中華? 最近忙しくてまともなご飯食べてないから、ガッツリしたのがいいかも」
「承知しました」
マンションの地下駐車場から、愛車ではなく、来客用のハイヤーを手配させる。
向かった先は、麻布にある高級スーパー『ナショナル麻布』だ。
大使館御用達のこの店なら、品質の確かな食材が手に入る。
「うわー、高っ! なにこの豚肉、100グラムのお値段!?」
くるみさんが精肉コーナーで素っ頓狂な声を上げる。
俺はその横で、鹿児島県産の最高級黒豚バラ肉ブロックをカゴに入れた。脂身の甘みが段違いなのだ。
「中華なら、まずはこれですね。あとは……春の食材を使いましょうか」
野菜コーナーで、朝採れの立派なタケノコを見つける。まだ土の香りが残っていそうなほど新鮮だ。
さらに、春雨、キクラゲ、干しエビ、パクチーなどを次々とカートに入れていく。
酒類コーナーでは、ヴィンテージ物の紹興酒『古越龍山』の15年物をチョイス。さらに、姉さんたちが飲みやすいよう、果汁100%の高級フルーツジュースと、ベースとなるウォッカも購入した。自家製チューハイを作るためだ。
「レオ、このフカヒレも買っていい?」
「母さん、それは戻すのに3日かかります。今日は諦めてください」
「ちぇっ」
まるで遠足に来た子供のように燥ぐ女性陣を引き連れ、俺は会計を済ませた。
レシートの桁を見てくるみさんが白目を剥いていたが、見なかったことにする。
帰宅後、俺はすぐにエプロンを締め、キッチンに立った。
女性陣はリビングでテレビを見ながら、先ほど購入したウォッカと生搾りグレープフルーツで作った特製チューハイを楽しんでいる。
「レオくんの手料理なんて、何年ぶりかしら~」
「あいつ、料理だけは昔から異常に上手いんだよね」
そんな声を背に受けながら、俺は中華鍋に火を入れた。
プロ用の高火力コンロが、ゴオッという頼もしい音を立てる。
まずは下準備だ。
黒豚バラ肉は厚めにスライスし、紹興酒と醤油で下味をつけてから、片栗粉を薄くまぶす。これで肉の旨味を閉じ込め、口当たりを滑らかにする。
タケノコは穂先の柔らかい部分を使い、繊維に沿って櫛形に切る。
ピーマンとパプリカは色鮮やかに乱切りに。
「さて、いくか」
十分に熱した鍋に油を馴染ませ、豚肉を投入する。
ジュワアアァァッ! という激しい音が響き渡り、香ばしい肉の香りがリビングまで届いたのか、三人が一斉に振り返った。
肉の色が変わったら一度取り出し、同じ鍋で香味野菜を弱火で炒める。香りが立ったら豆板醤を加え、油が赤くなるまで炒める。これが味の決め手だ。
そこへタケノコを投入。強火にし、鍋を煽る。
カンッ、カンッ、と五徳に鍋が当たる軽快なリズム。
野菜に油が回ったら肉を戻し入れ、合わせ調味料を一気に回しかける。
ジューッ!
爆発的な蒸気とともに、食欲をそそる濃厚なオイスターソースの香りがキッチンを満たす。
最後に香り付けのごま油を垂らし、青ネギを散らせば完成だ。
『鹿児島産黒豚と朝採れタケノコのオイスター炒め』。
並行してコンロにかけていた寸胴鍋では、中華スープが仕上がっている。
干し貝柱と丸鶏から取った黄金色のスープに、ふわふわの卵とトマト、そして絹ごし豆腐を浮かべた『トマトと卵の酸辣スープ』。黒酢の酸味が疲れた体に染み渡るはずだ。
副菜は『春雨と海老のヤムウンセン風サラダ』。
茹でたての春雨に、プリプリの海老、イカ、そしてたっぷりのパクチーと赤玉ねぎを和える。ドレッシングはナンプラーとライム、唐辛子でキリッと辛く仕上げた。
「お待たせしました。ディナーの準備が整いましたよ」
大皿に盛り付けた料理をテーブルに運ぶと、歓声が上がった。
「嘘でしょ……お店より美味しそうなんだけど」
くるみさんが目を丸くして、湯気を立てるオイスター炒めを見つめている。
テレビでは、人気クイズ番組『世界・ふしぎ発見!』のオープニングテーマが流れていた。
「さあ、冷めないうちにどうぞ」
「いっただきまーす!」
4人で食卓を囲む。
くるみさんがオイスター炒めを一口食べた瞬間、その大きな瞳が見開かれた。
「……んんっ! 何これ、お肉柔らかっ! タケノコしゃきしゃき! ……ヤバい、白飯ほしい!」
「ふふ、ご飯も炊けてますよ。最高級の魚沼産コシヒカリです」
「最高かよ……あんた、私のお婿さんになりなさいよ」
冗談めかして言うくるみさんだが、その箸は止まらない。
母さんも姉さんも、「美味しい!」を連呼しながら、紹興酒のグラスを傾けている。
賑やかな食卓。
テレビのクイズに突っ込みを入れ、美味しい料理に舌鼓を打ち、他愛のない話で笑い合う。
独り静かに過ごすはずだった引越し初日の夜は、予想外に騒がしいものとなった。
ふと、くるみさんと目が合った。
彼女は少し顔を赤らめ、紹興酒のグラス越しに、小さな声で囁いた。
「……ありがとね、レオ。……今日のことは、一生忘れないから」
それは、事務所のことか、それともこの料理のことか。
どちらにせよ、彼女の心に楔を打ち込むことには成功したようだ。
ノストラダムスの大予言なんて誰も本気にしていないけれど、何かが終わって何かが始まる、そんな予感が街全体に漂っている。
港区の高台に聳え立つ、総戸数わずか30戸の超高級マンション『グラン・エターナル麻布』。
その最上階、ペントハウスの一室。
広大なリビングの窓からは、東京タワーとその足元に広がる街並みが一望できた。眼下を行き交う車のライトが、まるで血管を流れる赤血球のように見える。
「……悪くない眺めだ」
グラスの中のミネラルウォーターを揺らしながら、俺――西園寺玲央は独りごちた。
今日からここが俺の城だ。
実家である西園寺の本邸も居心地は悪くなかったが、やはり使用人の目を気にせず寛げる空間が必要だった。それに、これから本格化するビジネスの拠点としても、都心の隠れ家は都合がいい。
15歳の高校入学祝いに、マンションの一室をねだる子供はいなかっただろう。
だが、俺が提示した『今後の資産運用計画書』と、自分自身の個人資産だけで購入するという条件に、父は何も言わずにハンコを押した。
「さて、まずは腹ごしらえといきたいところだが……」
アイランドキッチンの広さは申し分ない。ドイツ製の最新オーダーキッチンは、プロのシェフを呼んでも十分に対応できるスペックだ。
まだ何もない冷蔵庫を見つめ、今夜のメニューを思案していた、その時だった。
ピンポーン、と重厚なチャイムが鳴り響く。
エントランスのオートロックではない。玄関前のチャイムだ。
コンシェルジュには来客を通さないように言っておいたはずだが……いや、このセキュリティを顔パスで突破できる人間は限られている。
嫌な予感を覚えながら、俺は重厚な扉を開けた。
「Surprise! レオ、引っ越しおめでとう!」
「あんたー! ついに一人暮らしなんて生意気よ!」
案の定だった。
両手に抱えきれないほどの花束とシャンパンを持った女性が二人、いや三人。
台風のような勢いで玄関になだれ込んできたのは、俺の母である西園寺ソフィアと、姉の摩耶。そしてもう一人、見慣れない……いや、記憶の片隅にある顔立ちの女性が立っていた。
「あら、ごめんなさいねレオ。入居初日くらい、家族で祝ってあげようと思って。……ほら、素敵なゲストも連れてきたわよ」
母、ソフィアがウインクをする。
42歳の彼女だが、その美貌は時間を止めているかのようだ。ブロンドの髪をラフにまとめ、シンプルなワンピースを纏っているだけなのに、そこだけ映画のワンシーンのように華やいで見える。現役ハリウッド女優のオーラは、玄関の照明すらもスポットライトに変えてしまうらしい。
「お邪魔しまーす。……うわ、なにこのリビング! サッカーできそうじゃん!」
続いて靴を脱ぎ捨てたのは、姉の摩耶だ。
東大に入学したばかりの才女だが、家ではこの通りだ。ショートボブの髪を揺らし、好奇心いっぱいの大きな瞳で室内を見回している。整った顔立ちは十分に美人の部類に入るのだが、その言動のせいで「残念な美人」という評価が定着しつつある。
そして、最後に残った女性が、少し気まずそうに俺を見上げていた。
「……久しぶりね、レオ。覚えてる?」
その女性を見て、俺は一瞬、息を呑んだ。
記憶にある「彼女」は、泥だらけになって男子と喧嘩をしていた、男勝りな少女だったはずだ。
だが、目の前にいる女性は、そんな過去を微塵も感じさせないほど、洗練された大人の女性へと変貌を遂げていた。
天童くるみ。
姉の高校時代の友人で、現在は芸能事務所に所属するタレントだ。
ブラウン管越しに見るよりもトレンドの茶髪を緩く巻き、体にフィットしたニットとミニスカートを着こなす姿は、まさに時代のアイコンたる「イイ女」の風格が漂っている。
大きな瞳は猫のように愛らしく、それでいてどこか挑戦的な光を宿していた。男性なら誰もが一度は振り返るであろう、完成された美貌だ。
「くるみ……さん、ですか?」
「ぶっ! 何その敬語! 気持ち悪っ!」
俺が丁寧に応対すると、くるみさんは吹き出した。
緊張が解けたのか、彼女はズカズカとリビングに入り込み、イタリア製の革張りソファにドカッと腰を下ろした。
「あんたさー、昔は『おいババア、どけよ』とか言ってたくせに。何よその猫かぶった態度は。あたしよあたし、くるみ!」
「……お久しぶりです。俺ももう高校生ですから、昔のような失礼なことは言いませんよ」
「はいはい、お利口さんになっちゃって。つまんないの」
くるみさんは頬杖をつきながら、俺を品定めするようにじろじろと眺める。
その視線が、不意に止まった。
「……ていうか、あんた。近くで見るとマジで顔良いわね。ソフィアさんの遺伝子、仕事しすぎじゃない?」
彼女は少し顔を赤らめ、視線を逸らした。
どうやら、外見の成長ぶりには驚いてくれたらしい。俺は苦笑しながら、彼女たちのために紅茶の準備を始めた。
リビングでは、女性陣による姦しいお喋りが始まっていた。
キッチンで湯を沸かしながら、俺は自然と彼女たちの会話に耳を傾ける。
「でね、聞いてよ摩耶! うちの事務所、マジでヤバいのよ」
くるみさんが声を荒らげた。
「社長が株で失敗したらしくてさー。資金繰りがショート寸前なんだって。で、新しいスポンサーを見つけてきたって言うんだけど、それがどう見てもヤクザまがいの不動産屋なわけ」
「ええっ、大丈夫なのそれ? くるみ、逃げたほうがいいんじゃない?」
「逃げるって言っても、契約があと2年残ってるし……違約金なんて払えないよ。その不動産屋の社長、あたしのこと『愛人にしたい』とか平気で言うような奴なのよ? もう最悪!」
くるみさんがクッションを抱きしめながら、深いため息をついた。
その表情には、テレビでは見せない疲労と焦燥が滲んでいる。
華やかな芸能界で、弱小事務所の稼ぎ頭として踏ん張る18歳の少女。その双肩にかかるプレッシャーは計り知れないだろう。
「……資金難、ですか」
俺はトレイにティーカップを載せ、リビングへと戻った。
淹れたてのダージリンの香りが漂う。
「あら、ありがとうレオ。……ごめんね、暗い話しちゃって」
「いえ。それで、その不動産屋からの出資はもう受け入れたんですか?」
「来週の月曜に契約する予定。……あたしが我慢すれば、後輩たちも路頭に迷わずに済むし」
悲壮な決意を秘めた瞳。
それは美しいが、あまりにも危うい。
自分の犠牲で組織を守ろうとする自己犠牲の精神は嫌いではないが、無能な経営者の尻拭いをさせられるのは御免だ。何より、俺の目の前で女性が不幸になる選択をするのは、どうにも座りが悪い。
「少し、失礼します」
俺はソファの前のローテーブルに紅茶を置くと、胸ポケットから携帯電話を取り出した。
最新型の端末だ。
「え、誰に電話?」
「……もしもし、明智か? 俺だ」
電話の相手は、俺の資産管理会社の代表を務める代理人だ。
「今から送る社名の興信所データを洗ってくれ。『スターダスト・プロモーション』……ああ、そうだ。資金繰りが悪化しているはずだ。その債権、すべて買い取れ」
「は?」
くるみさんがポカンと口を開けた。
「条件? 向こうの言い値で構わん。ただし、経営権はこちらが100%握る。現経営陣は刷新。所属タレントの契約内容は現状維持、ただし不当な拘束条項は破棄だ。……ああ、その悪徳不動産屋に関しては、国税の方に情報を流しておけ。二度と表舞台に出てこれないようにな」
俺は淡々と指示を出し、通話を終えた。
携帯電話を閉じ、くるみさんに向き直る。
「……え、ちょっと待って。今、なんて?」
「解決しましたよ、くるみさん」
俺は静かに告げた。事実だけを淡々と、ビジネスライクに。
「これでくるみさんの事務所の筆頭株主、および実質的なオーナーは俺です。月曜日の契約は白紙に戻りました」
「は、はぁ!? あんた何言ってんの!? 債権を買い取るって、億単位の話よ!?」
「ええ。ですが、くるみさんがつまらないスキャンダルに巻き込まれて潰れてしまう損失に比べれば、これくらい安い投資ですよ」
俺は紅茶を一口啜り、彼女の目を見つめた。
「タレントは商品です。商品が余計な傷を負うのは困りますからね。……くるみさんは、芸を磨くことだけに集中してください」
リビングに沈黙が落ちた。
くるみさんは信じられないものを見る目で俺を凝視し、摩耶姉さんは「またやった……」と頭を抱え、母さんは「That's my boy!」と手を叩いて喜んでいる。
「あんた……何者?」
震える声で問うくるみさんに、俺は肩を竦めてみせた。
「ただの、生意気な年下のガキですよ。さて、お祝いのディナーといきましょうか」
一件落着したところで、俺は立ち上がった。
時間は既に夕方を回っている。
デリバリーでも頼もうかという空気が流れたが、母と姉が「レオの手料理が食べたい!」と騒ぎ出したため、急遽俺が腕を振るうことになった。
「買い出しに行きましょう。くるみさんも、お好きなものをリクエストしてください」
「え、あ、うん……じゃあ、中華? 最近忙しくてまともなご飯食べてないから、ガッツリしたのがいいかも」
「承知しました」
マンションの地下駐車場から、愛車ではなく、来客用のハイヤーを手配させる。
向かった先は、麻布にある高級スーパー『ナショナル麻布』だ。
大使館御用達のこの店なら、品質の確かな食材が手に入る。
「うわー、高っ! なにこの豚肉、100グラムのお値段!?」
くるみさんが精肉コーナーで素っ頓狂な声を上げる。
俺はその横で、鹿児島県産の最高級黒豚バラ肉ブロックをカゴに入れた。脂身の甘みが段違いなのだ。
「中華なら、まずはこれですね。あとは……春の食材を使いましょうか」
野菜コーナーで、朝採れの立派なタケノコを見つける。まだ土の香りが残っていそうなほど新鮮だ。
さらに、春雨、キクラゲ、干しエビ、パクチーなどを次々とカートに入れていく。
酒類コーナーでは、ヴィンテージ物の紹興酒『古越龍山』の15年物をチョイス。さらに、姉さんたちが飲みやすいよう、果汁100%の高級フルーツジュースと、ベースとなるウォッカも購入した。自家製チューハイを作るためだ。
「レオ、このフカヒレも買っていい?」
「母さん、それは戻すのに3日かかります。今日は諦めてください」
「ちぇっ」
まるで遠足に来た子供のように燥ぐ女性陣を引き連れ、俺は会計を済ませた。
レシートの桁を見てくるみさんが白目を剥いていたが、見なかったことにする。
帰宅後、俺はすぐにエプロンを締め、キッチンに立った。
女性陣はリビングでテレビを見ながら、先ほど購入したウォッカと生搾りグレープフルーツで作った特製チューハイを楽しんでいる。
「レオくんの手料理なんて、何年ぶりかしら~」
「あいつ、料理だけは昔から異常に上手いんだよね」
そんな声を背に受けながら、俺は中華鍋に火を入れた。
プロ用の高火力コンロが、ゴオッという頼もしい音を立てる。
まずは下準備だ。
黒豚バラ肉は厚めにスライスし、紹興酒と醤油で下味をつけてから、片栗粉を薄くまぶす。これで肉の旨味を閉じ込め、口当たりを滑らかにする。
タケノコは穂先の柔らかい部分を使い、繊維に沿って櫛形に切る。
ピーマンとパプリカは色鮮やかに乱切りに。
「さて、いくか」
十分に熱した鍋に油を馴染ませ、豚肉を投入する。
ジュワアアァァッ! という激しい音が響き渡り、香ばしい肉の香りがリビングまで届いたのか、三人が一斉に振り返った。
肉の色が変わったら一度取り出し、同じ鍋で香味野菜を弱火で炒める。香りが立ったら豆板醤を加え、油が赤くなるまで炒める。これが味の決め手だ。
そこへタケノコを投入。強火にし、鍋を煽る。
カンッ、カンッ、と五徳に鍋が当たる軽快なリズム。
野菜に油が回ったら肉を戻し入れ、合わせ調味料を一気に回しかける。
ジューッ!
爆発的な蒸気とともに、食欲をそそる濃厚なオイスターソースの香りがキッチンを満たす。
最後に香り付けのごま油を垂らし、青ネギを散らせば完成だ。
『鹿児島産黒豚と朝採れタケノコのオイスター炒め』。
並行してコンロにかけていた寸胴鍋では、中華スープが仕上がっている。
干し貝柱と丸鶏から取った黄金色のスープに、ふわふわの卵とトマト、そして絹ごし豆腐を浮かべた『トマトと卵の酸辣スープ』。黒酢の酸味が疲れた体に染み渡るはずだ。
副菜は『春雨と海老のヤムウンセン風サラダ』。
茹でたての春雨に、プリプリの海老、イカ、そしてたっぷりのパクチーと赤玉ねぎを和える。ドレッシングはナンプラーとライム、唐辛子でキリッと辛く仕上げた。
「お待たせしました。ディナーの準備が整いましたよ」
大皿に盛り付けた料理をテーブルに運ぶと、歓声が上がった。
「嘘でしょ……お店より美味しそうなんだけど」
くるみさんが目を丸くして、湯気を立てるオイスター炒めを見つめている。
テレビでは、人気クイズ番組『世界・ふしぎ発見!』のオープニングテーマが流れていた。
「さあ、冷めないうちにどうぞ」
「いっただきまーす!」
4人で食卓を囲む。
くるみさんがオイスター炒めを一口食べた瞬間、その大きな瞳が見開かれた。
「……んんっ! 何これ、お肉柔らかっ! タケノコしゃきしゃき! ……ヤバい、白飯ほしい!」
「ふふ、ご飯も炊けてますよ。最高級の魚沼産コシヒカリです」
「最高かよ……あんた、私のお婿さんになりなさいよ」
冗談めかして言うくるみさんだが、その箸は止まらない。
母さんも姉さんも、「美味しい!」を連呼しながら、紹興酒のグラスを傾けている。
賑やかな食卓。
テレビのクイズに突っ込みを入れ、美味しい料理に舌鼓を打ち、他愛のない話で笑い合う。
独り静かに過ごすはずだった引越し初日の夜は、予想外に騒がしいものとなった。
ふと、くるみさんと目が合った。
彼女は少し顔を赤らめ、紹興酒のグラス越しに、小さな声で囁いた。
「……ありがとね、レオ。……今日のことは、一生忘れないから」
それは、事務所のことか、それともこの料理のことか。
どちらにせよ、彼女の心に楔を打ち込むことには成功したようだ。
0
あなたにおすすめの小説
異世界帰りの俺、現代日本にダンジョンが出現したので異世界経験を売ったり配信してみます
内田ヨシキ
ファンタジー
「あの魔物の倒し方なら、30万円で売るよ!」
――これは、現代日本にダンジョンが出現して間もない頃の物語。
カクヨムにて先行連載中です!
(https://kakuyomu.jp/works/16818023211703153243)
異世界で名を馳せた英雄「一条 拓斗(いちじょう たくと)」は、現代日本に帰還したはいいが、異世界で鍛えた魔力も身体能力も失われていた。
残ったのは魔物退治の経験や、魔法に関する知識、異世界言語能力など現代日本で役に立たないものばかり。
一般人として生活するようになった拓斗だったが、持てる能力を一切活かせない日々は苦痛だった。
そんな折、現代日本に迷宮と魔物が出現。それらは拓斗が異世界で散々見てきたものだった。
そして3年後、ついに迷宮で活動する国家資格を手にした拓斗は、安定も平穏も捨てて、自分のすべてを活かせるはずの迷宮へ赴く。
異世界人「フィリア」との出会いをきっかけに、拓斗は自分の異世界経験が、他の初心者同然の冒険者にとって非常に有益なものであると気づく。
やがて拓斗はフィリアと共に、魔物の倒し方や、迷宮探索のコツ、魔法の使い方などを、時に直接売り、時に動画配信してお金に変えていく。
さらには迷宮探索に有用なアイテムや、冒険者の能力を可視化する「ステータスカード」を発明する。
そんな彼らの活動は、ダンジョン黎明期の日本において重要なものとなっていき、公的機関に発展していく――。
異世界ハズレモノ英雄譚〜無能ステータスと言われた俺が、ざまぁ見せつけながらのし上がっていくってよ!〜
mitsuzoエンターテインメンツ
ファンタジー
【週三日(月・水・金)投稿 基本12:00〜14:00】
異世界にクラスメートと共に召喚された瑛二。
『ハズレモノ』という聞いたこともない称号を得るが、その低スペックなステータスを見て、皆からハズレ称号とバカにされ、それどころか邪魔者扱いされ殺されそうに⋯⋯。
しかし、実は『超チートな称号』であることがわかった瑛二は、そこから自分をバカにした者や殺そうとした者に対して、圧倒的な力を隠しつつ、ざまぁを展開していく。
そして、そのざまぁは図らずも人類の命運を握るまでのものへと発展していくことに⋯⋯。
悪役貴族に転生したから破滅しないように努力するけど上手くいかない!~努力が足りない?なら足りるまで努力する~
蜂谷
ファンタジー
社畜の俺は気が付いたら知らない男の子になっていた。
情報をまとめるとどうやら子供の頃に見たアニメ、ロイヤルヒーローの序盤で出てきた悪役、レオス・ヴィダールの幼少期に転生してしまったようだ。
アニメ自体は子供の頃だったのでよく覚えていないが、なぜかこいつのことはよく覚えている。
物語の序盤で悪魔を召喚させ、学園をめちゃくちゃにする。
それを主人公たちが倒し、レオスは学園を追放される。
その後領地で幽閉に近い謹慎を受けていたのだが、悪魔教に目を付けられ攫われる。
そしてその体を魔改造されて終盤のボスとして主人公に立ちふさがる。
それもヒロインの聖魔法によって倒され、彼の人生の幕は閉じる。
これが、悪役転生ってことか。
特に描写はなかったけど、こいつも怠惰で堕落した生活を送っていたに違いない。
あの肥満体だ、運動もろくにしていないだろう。
これは努力すれば眠れる才能が開花し、死亡フラグを回避できるのでは?
そう考えた俺は執事のカモールに頼み込み訓練を開始する。
偏った考えで領地を無駄に統治してる親を説得し、健全で善人な人生を歩もう。
一つ一つ努力していけば、きっと開かれる未来は輝いているに違いない。
そう思っていたんだけど、俺、弱くない?
希少属性である闇魔法に目覚めたのはよかったけど、攻撃力に乏しい。
剣術もそこそこ程度、全然達人のようにうまくならない。
おまけに俺はなにもしてないのに悪魔が召喚がされている!?
俺の前途多難な転生人生が始まったのだった。
※カクヨム、なろうでも掲載しています。
チート魅了スキルで始まる、美少女たちとの異世界ハーレム生活
仙道
ファンタジー
リメイク先:「視線が合っただけで美少女が俺に溺れる。異世界で最強のハーレムを作って楽に暮らす」
ごく普通の会社員だった佐々木健太は、異世界へ転移してして、あらゆる女性を無条件に魅了するチート能力を手にする。
彼はこの能力で、女騎士セシリア、ギルド受付嬢リリア、幼女ルナ、踊り子エリスといった魅力的な女性たちと出会い、絆を深めていく。
ブラック国家を制裁する方法は、性癖全開のハーレムを作ることでした。
タカハシヨウ
ファンタジー
ヴァン・スナキアはたった一人で世界を圧倒できる強さを誇り、母国ウィルクトリアを守る使命を背負っていた。
しかし国民たちはヴァンの威を借りて他国から財産を搾取し、その金でろくに働かずに暮らしている害悪ばかり。さらにはその歪んだ体制を維持するためにヴァンの魔力を受け継ぐ後継を求め、ヴァンに一夫多妻制まで用意する始末。
ヴァンは国を叩き直すため、あえてヴァンとは子どもを作れない異種族とばかり八人と結婚した。もし後継が生まれなければウィルクトリアは世界中から報復を受けて滅亡するだろう。生き残りたければ心を入れ替えてまともな国になるしかない。
激しく抵抗する国民を圧倒的な力でギャフンと言わせながら、ヴァンは愛する妻たちと甘々イチャイチャ暮らしていく。
幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕だけ別な場所に飛ばされた先は異世界の不思議な無人島だった。
アノマロカリス
ファンタジー
よくある話の異世界召喚…
スマホのネット小説や漫画が好きな少年、洲河 愽(すが だん)。
いつもの様に幼馴染達と学校帰りの公園でくっちゃべっていると地面に突然魔法陣が現れて…
気付くと愽は1人だけ見渡す限り草原の中に突っ立っていた。
愽は幼馴染達を探す為に周囲を捜索してみたが、一緒に飛ばされていた筈の幼馴染達は居なかった。
生きていればいつかは幼馴染達とまた会える!
愽は希望を持って、この不思議な無人島でサバイバル生活を始めるのだった。
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕の授かったスキルは役に立つものなのかな?」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は幼馴染達よりも強いジョブを手に入れて無双する!」
「幼馴染達と一緒に異世界召喚、だけど僕は魔王から力を授かり人類に対して牙を剥く‼︎」
幼馴染達と一緒に異世界召喚の第四弾。
愽は幼馴染達と離れた場所でサバイバル生活を送るというパラレルストーリー。
はたして愽は、無事に幼馴染達と再会を果たせるのだろうか?
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる