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第18話 所有の錯覚とフリーミアムの夜明け
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ゴールデンウィーク前の慌ただしさが街を包む中、俺は、揺れるハイヤーの車内で事業計画書の最終チェックを行っていた。
テーマは『携帯で服を買う文化』の創出。
PCベースのインターネット通販が主流となりつつある今、iモードという小さな窓口を通してアパレルを販売するという発想は、多くの大人たちには滑稽に映るだろう。
画面は小さく、画像は粗く、通信速度は遅い。
だが、ターゲットである女子高生たちは、その不自由さを親指一本の高速入力と、類稀なる想像力で補完している。
「……彼女たちは、端末のスペックではなく、そこに流れる『空気感』を買う」
俺は赤ペンで資料に書き込んだ。
カリスマ店員や読者モデルが着用した画像を掲載し、テキストでその魅力を煽る。
タップひとつで購入完了。
この手軽さが、衝動買いを誘発する。
これは後に訪れるスマートフォン時代、ZOZOTOWNやメルカリが覇権を握るための原始的なモデルケースとなる。
今のうちにこの市場を押さえ、ユーザーの購買データを蓄積しておけば、デバイスが進化した瞬間に圧倒的なスタートダッシュを切れる。
「社長。……サーバーの増強計画ですが、見積もりが出ました」
運転席の如月舞が、信号待ちのタイミングで口を開いた。
今日の彼女は、ダークネイビーのピンストライプのスーツだ。
知的な美貌と、陶器のように白い肌。バックミラー越しに見える切れ長の瞳は、常に冷静に状況を分析している。
19歳とは思えないその落ち着きは、俺の精神年齢とも波長が合う。
「想定の範囲内ですか?」
「はい。ですが、急激なトラフィック増加に対応するため、さらに冗長性を持たせる必要があります。……そこで提案なのですが、自社サービスのインフラを強化するついでに、余剰リソースを外部に貸し出す事業も検討してはいかがでしょうか」
舞の提案に、俺は口角を上げた。
さすがだ。俺が考えていたことと同じ答えに辿り着いている。
「格安レンタルサーバー事業、そしてITエンジニア特化の人材派遣か」
「はい。ビットバレーの熱気に惹かれて上京してきたものの、働く場所やインフラを持たない優秀な技術者が溢れています。彼らを囲い込み、サーバーと共にセットで企業に提供する。……需要はあるかと」
素晴らしい。
俺は彼女の背中に向かって、心からの賞賛を送った。
「採用です。舞、本当に優秀なパートナーだ」
「……恐縮です。社長の描く絵図を、なぞっているに過ぎません」
彼女の声が、ほんの少し弾んだ気がした。
忠誠心と能力を兼ね備えた彼女の存在こそが、俺の最大の資産かもしれない。
学校に到着し、1年A組の教室に入る。
朝のホームルーム前、教室の一角が妙に騒がしかった。
中心にいるのは、日向翔太だ。
彼は数人の男子生徒に囲まれ、得意げに声を張り上げていた。
「だーかーら! マナは俺の幼馴染だから! 手出すなよ?」
耳を疑うような言葉だった。
男子たちが「えー、付き合ってんの?」と冷やかすと、翔太はニヤニヤしながら否定も肯定もしない。
「ま、そういうことだから。あいつのことは俺が一番分かってるし、あいつも俺がいないとダメだからさー。他の奴が入る隙間なんてねーよ」
所有権の主張。
そこに、桜木マナ本人の意思は介在していない。
彼女を一個の人格としてではなく、自分の付属品として扱っている。
マナ本人はまだ登校していないが、もし聞いていたらどれほど傷つくだろうか。
いや、先日の一件ですでに傷つき、離れようとしている彼女に対し、この期に及んでまだ「自分のモノ」だと思い込んでいるその鈍感さが、何よりも罪深い。
バンッ!
突然、乾いた音が響いた。
教室の空気が凍る。
音の発生源は、窓際の席。
高城藍が、読んでいたハードカバーの本を机に叩きつけた音だった。
彼女は席を立ち、静かな足取りで翔太たちの輪に近づいた。
切り揃えられた黒髪のボブカット。知性を宿した涼しげな瞳は、今は絶対零度の冷徹さを湛えている。
クラスでも一目置かれるクールビューティーの接近に、男子たちが道を空ける。
「……おい日向」
藍の声は低く、そして鋭かった。
「あ? なんだよ高城。また小言か?」
翔太はヘラヘラと笑っている。空気が読めていない。
「マナは、貴方のモノじゃないわ。……勘違いしないで」
藍は翔太の目を真っ直ぐに見据えて言い放った。
その言葉には、親友としての怒りと、翔太への軽蔑が凝縮されていた。
だが、翔太はその意味を理解できない。
「はぁ? 何マジになってんの? 俺たち幼馴染だし、昔から一緒だし、普通だろ?」
「普通じゃない。……貴方がしていることは、ただの執着よ。マナの気持ちを考えたことがあるの?」
「あるよ! あいつも俺と一緒にいれて嬉しいはずだろ? 幼馴染なんだから!」
会話が成立していない。
翔太の辞書には「マナが自分を嫌う」という可能性が存在しないのだ。
その盲目的な自信は、ある種の狂気すら感じさせる。
「……話にならないわね」
藍は深く溜息をつき、冷ややかな視線で翔太を一瞥した。
「警告したわよ。……これ以上、マナを自分の都合で縛り付けるなら、私が許さない」
藍は踵を返し、自分の席へと戻っていった。
翔太は「なんだよアイツ、怖ぇーな」と肩をすくめているだけだ。
俺は自分の席から、その一部始終を見ていた。
藍の怒りはもっともだ。そして、彼女が動いてくれたことで、クラスメイトたちも「翔太の言い分はおかしいのでは?」と感じ始めている。
外堀は埋まりつつある。
俺が手を下すまでもなく、翔太の「王国」は崩壊の時を迎えようとしていた。
放課後。
俺は舞と合流し、渋谷のオフィスではなく、落ち着いたホテルのラウンジに来ていた。
ここなら誰に聞かれることもなく、重要な戦略を練ることができる。
「……NTTドコモへのロビー活動、順調なようですね」
「はい。iモード事業部の担当者と接触し、当社の技術力とコンテンツの質をアピールしております。……特に、先日社長が指摘された『サーバーの安定性』に関しては、非常に高い評価を頂きました」
舞が手帳を開きながら報告する。
当時のドコモにとって、アクセス集中によるサーバーダウンは頭の痛い問題だった。
「絶対に落ちないサーバー」を持つコンテンツプロバイダは、喉から手が出るほど欲しい存在だ。
公式メニュー入りの内諾も近いだろう。
「よし。では次のフェーズだ。……夏休みに向けて、『通信し放題』キャンペーンを打つ」
「通信料の負担を、当社が持つということですか?」
「いや、パケット代はユーザー負担だが、サイト内の有料コンテンツを期間限定で開放する。まずはユーザーを囲い込む」
そして、そこからが本番だ。
俺はナプキンにボールペンで図を描いた。
「ここからは『フリーミアム』の導入を考える。……基本的な閲覧と書き込みは無料。だが、より深く楽しむための機能を有料化する」
「月額課金ですね」
「ああ。月300円。高校生のお小遣いでも払える金額だ」
俺は具体的な特典を挙げた。
「第一に、『あしあと』機能。誰が自分のプロフィールを見たかが分かる機能だ。これは承認欲求と好奇心を強烈に刺激する」
「なるほど……。気になっている人が見たかどうかが分かる、というのは強力ですね」
「第二に、プロフィールのカスタマイズ権。背景色を変えたり、文字を装飾したりできる機能だ。……そして第三に、画像の保存容量アップだ」
1999年現在、カメラ付き携帯電話はまだ市場に出ていない。
だが、プリクラをスキャンした画像や、デジカメで撮った写真をPC経由でアップロードし、待受にする文化は生まれつつある。
そして近い将来、携帯電話にカメラが搭載される時代が必ず来る。
その時、画像の保存場所を持っていることは、最強の武器になる。
「今年度中のKPIとして、会員数10万人を設定する。……舞さん、いけるか?」
「社長がそう仰るなら、必ず達成してみせます」
舞は迷いなく答えた。
その瞳には、俺への絶対的な信頼が宿っている。
仕事の話をしている時の彼女は、冷徹な秘書そのものだ。
だが、ふとした瞬間にカップを持つ指先が優雅だったり、髪を直す仕草に色気があったりと、女性としての魅力も隠しきれていない。
「……少し、休みましょうか。仕事の話ばかりでは疲れます」
「いえ、私は社長のお役に立てることが喜びですので」
「では、これは俺の個人的な要望です。……舞さんと、他愛のない世間話がしたい」
俺がそう言うと、舞は虚を突かれたように瞬きをし、それからふわりと頬を染めた。
「……社長はずるいですね。そんな風に言われては、断れません」
彼女は秘書の仮面を少しだけ外し、一人の19歳の女性として微笑んだ。
それからしばらくの間、俺たちは最近観た映画の話や、街で見かけた面白いものの話に花を咲かせた。
ビジネスの戦場における、束の間の休息。
この時間が、俺の鋭敏すぎる神経を癒やしてくれる。
帰宅後。
俺は自室のPCに向かい、今日の構想を具体的な仕様書に落とし込んでいた。
『プロフィールサイト』の構築。
名前、年齢、住み、趣味、そして「今の一言」。
これらを登録し、相互にリンクを張り合うことでコミュニティを形成する。
後の『前略プロフィール』や『mixi』、そして現代のSNSに繋がる源流だ。
「……鍵は『繋がり』への渇望だ」
世紀末の若者たちは、孤独を恐れ、繋がりを求めている。
iモードという常時接続デバイスを手に入れた彼らに、居場所を提供する。
そこに課金ポイントを設ければ、莫大な収益源となる。
キーボードを叩く手が止まらない。
画面の中で、未来の巨大プラットフォームの原型が組み上がっていく。
窓の外には、東京の夜景が広がっている。
あの光の一つ一つに、携帯電話を握りしめた若者たちがいる。
彼らの指先が、俺の作ったシステムの上で踊る日も近い。
テーマは『携帯で服を買う文化』の創出。
PCベースのインターネット通販が主流となりつつある今、iモードという小さな窓口を通してアパレルを販売するという発想は、多くの大人たちには滑稽に映るだろう。
画面は小さく、画像は粗く、通信速度は遅い。
だが、ターゲットである女子高生たちは、その不自由さを親指一本の高速入力と、類稀なる想像力で補完している。
「……彼女たちは、端末のスペックではなく、そこに流れる『空気感』を買う」
俺は赤ペンで資料に書き込んだ。
カリスマ店員や読者モデルが着用した画像を掲載し、テキストでその魅力を煽る。
タップひとつで購入完了。
この手軽さが、衝動買いを誘発する。
これは後に訪れるスマートフォン時代、ZOZOTOWNやメルカリが覇権を握るための原始的なモデルケースとなる。
今のうちにこの市場を押さえ、ユーザーの購買データを蓄積しておけば、デバイスが進化した瞬間に圧倒的なスタートダッシュを切れる。
「社長。……サーバーの増強計画ですが、見積もりが出ました」
運転席の如月舞が、信号待ちのタイミングで口を開いた。
今日の彼女は、ダークネイビーのピンストライプのスーツだ。
知的な美貌と、陶器のように白い肌。バックミラー越しに見える切れ長の瞳は、常に冷静に状況を分析している。
19歳とは思えないその落ち着きは、俺の精神年齢とも波長が合う。
「想定の範囲内ですか?」
「はい。ですが、急激なトラフィック増加に対応するため、さらに冗長性を持たせる必要があります。……そこで提案なのですが、自社サービスのインフラを強化するついでに、余剰リソースを外部に貸し出す事業も検討してはいかがでしょうか」
舞の提案に、俺は口角を上げた。
さすがだ。俺が考えていたことと同じ答えに辿り着いている。
「格安レンタルサーバー事業、そしてITエンジニア特化の人材派遣か」
「はい。ビットバレーの熱気に惹かれて上京してきたものの、働く場所やインフラを持たない優秀な技術者が溢れています。彼らを囲い込み、サーバーと共にセットで企業に提供する。……需要はあるかと」
素晴らしい。
俺は彼女の背中に向かって、心からの賞賛を送った。
「採用です。舞、本当に優秀なパートナーだ」
「……恐縮です。社長の描く絵図を、なぞっているに過ぎません」
彼女の声が、ほんの少し弾んだ気がした。
忠誠心と能力を兼ね備えた彼女の存在こそが、俺の最大の資産かもしれない。
学校に到着し、1年A組の教室に入る。
朝のホームルーム前、教室の一角が妙に騒がしかった。
中心にいるのは、日向翔太だ。
彼は数人の男子生徒に囲まれ、得意げに声を張り上げていた。
「だーかーら! マナは俺の幼馴染だから! 手出すなよ?」
耳を疑うような言葉だった。
男子たちが「えー、付き合ってんの?」と冷やかすと、翔太はニヤニヤしながら否定も肯定もしない。
「ま、そういうことだから。あいつのことは俺が一番分かってるし、あいつも俺がいないとダメだからさー。他の奴が入る隙間なんてねーよ」
所有権の主張。
そこに、桜木マナ本人の意思は介在していない。
彼女を一個の人格としてではなく、自分の付属品として扱っている。
マナ本人はまだ登校していないが、もし聞いていたらどれほど傷つくだろうか。
いや、先日の一件ですでに傷つき、離れようとしている彼女に対し、この期に及んでまだ「自分のモノ」だと思い込んでいるその鈍感さが、何よりも罪深い。
バンッ!
突然、乾いた音が響いた。
教室の空気が凍る。
音の発生源は、窓際の席。
高城藍が、読んでいたハードカバーの本を机に叩きつけた音だった。
彼女は席を立ち、静かな足取りで翔太たちの輪に近づいた。
切り揃えられた黒髪のボブカット。知性を宿した涼しげな瞳は、今は絶対零度の冷徹さを湛えている。
クラスでも一目置かれるクールビューティーの接近に、男子たちが道を空ける。
「……おい日向」
藍の声は低く、そして鋭かった。
「あ? なんだよ高城。また小言か?」
翔太はヘラヘラと笑っている。空気が読めていない。
「マナは、貴方のモノじゃないわ。……勘違いしないで」
藍は翔太の目を真っ直ぐに見据えて言い放った。
その言葉には、親友としての怒りと、翔太への軽蔑が凝縮されていた。
だが、翔太はその意味を理解できない。
「はぁ? 何マジになってんの? 俺たち幼馴染だし、昔から一緒だし、普通だろ?」
「普通じゃない。……貴方がしていることは、ただの執着よ。マナの気持ちを考えたことがあるの?」
「あるよ! あいつも俺と一緒にいれて嬉しいはずだろ? 幼馴染なんだから!」
会話が成立していない。
翔太の辞書には「マナが自分を嫌う」という可能性が存在しないのだ。
その盲目的な自信は、ある種の狂気すら感じさせる。
「……話にならないわね」
藍は深く溜息をつき、冷ややかな視線で翔太を一瞥した。
「警告したわよ。……これ以上、マナを自分の都合で縛り付けるなら、私が許さない」
藍は踵を返し、自分の席へと戻っていった。
翔太は「なんだよアイツ、怖ぇーな」と肩をすくめているだけだ。
俺は自分の席から、その一部始終を見ていた。
藍の怒りはもっともだ。そして、彼女が動いてくれたことで、クラスメイトたちも「翔太の言い分はおかしいのでは?」と感じ始めている。
外堀は埋まりつつある。
俺が手を下すまでもなく、翔太の「王国」は崩壊の時を迎えようとしていた。
放課後。
俺は舞と合流し、渋谷のオフィスではなく、落ち着いたホテルのラウンジに来ていた。
ここなら誰に聞かれることもなく、重要な戦略を練ることができる。
「……NTTドコモへのロビー活動、順調なようですね」
「はい。iモード事業部の担当者と接触し、当社の技術力とコンテンツの質をアピールしております。……特に、先日社長が指摘された『サーバーの安定性』に関しては、非常に高い評価を頂きました」
舞が手帳を開きながら報告する。
当時のドコモにとって、アクセス集中によるサーバーダウンは頭の痛い問題だった。
「絶対に落ちないサーバー」を持つコンテンツプロバイダは、喉から手が出るほど欲しい存在だ。
公式メニュー入りの内諾も近いだろう。
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「通信料の負担を、当社が持つということですか?」
「いや、パケット代はユーザー負担だが、サイト内の有料コンテンツを期間限定で開放する。まずはユーザーを囲い込む」
そして、そこからが本番だ。
俺はナプキンにボールペンで図を描いた。
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「なるほど……。気になっている人が見たかどうかが分かる、というのは強力ですね」
「第二に、プロフィールのカスタマイズ権。背景色を変えたり、文字を装飾したりできる機能だ。……そして第三に、画像の保存容量アップだ」
1999年現在、カメラ付き携帯電話はまだ市場に出ていない。
だが、プリクラをスキャンした画像や、デジカメで撮った写真をPC経由でアップロードし、待受にする文化は生まれつつある。
そして近い将来、携帯電話にカメラが搭載される時代が必ず来る。
その時、画像の保存場所を持っていることは、最強の武器になる。
「今年度中のKPIとして、会員数10万人を設定する。……舞さん、いけるか?」
「社長がそう仰るなら、必ず達成してみせます」
舞は迷いなく答えた。
その瞳には、俺への絶対的な信頼が宿っている。
仕事の話をしている時の彼女は、冷徹な秘書そのものだ。
だが、ふとした瞬間にカップを持つ指先が優雅だったり、髪を直す仕草に色気があったりと、女性としての魅力も隠しきれていない。
「……少し、休みましょうか。仕事の話ばかりでは疲れます」
「いえ、私は社長のお役に立てることが喜びですので」
「では、これは俺の個人的な要望です。……舞さんと、他愛のない世間話がしたい」
俺がそう言うと、舞は虚を突かれたように瞬きをし、それからふわりと頬を染めた。
「……社長はずるいですね。そんな風に言われては、断れません」
彼女は秘書の仮面を少しだけ外し、一人の19歳の女性として微笑んだ。
それからしばらくの間、俺たちは最近観た映画の話や、街で見かけた面白いものの話に花を咲かせた。
ビジネスの戦場における、束の間の休息。
この時間が、俺の鋭敏すぎる神経を癒やしてくれる。
帰宅後。
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これらを登録し、相互にリンクを張り合うことでコミュニティを形成する。
後の『前略プロフィール』や『mixi』、そして現代のSNSに繋がる源流だ。
「……鍵は『繋がり』への渇望だ」
世紀末の若者たちは、孤独を恐れ、繋がりを求めている。
iモードという常時接続デバイスを手に入れた彼らに、居場所を提供する。
そこに課金ポイントを設ければ、莫大な収益源となる。
キーボードを叩く手が止まらない。
画面の中で、未来の巨大プラットフォームの原型が組み上がっていく。
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