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家族が揃う日、チャイムが鳴る
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家族が揃う、という出来事は、年を重ねるほどに希少になる。
同じ屋根の下で暮らしていた頃は、夕飯の時間に顔を合わせるだけで十分だった。けれどそれぞれが社会に出て、仕事に追われ、生活の速度が別々になっていくと、「揃う」には理由がいる。調整がいる。気力がいる。そして、ほんの少しの運がいる。
だから今日――玄関に並ぶ靴の数を見たとき、胸の奥がふっと温かくなった。
私は葛石悠一郎。医師として働いている。
救急に関わる日も多く、休みのつもりでいても、急に呼び出しが入ることがある。命は時間割通りに壊れてくれない。そんな現場にいると、脳のどこかが常に警戒したままになる。けれど今日だけは、その警戒をいったん机の引き出しに押し込んだ。携帯の通知は最小限、頭の中の「次の対応」は静音。――せめて家族の前では、医師ではなく“家の長男”でいたい。
妹の月子は私鉄の会社で働いている。
運行、遅延、乗客対応。人の流れと時間の正確さに、毎日体ごと挟まれているような仕事だ。現場は綺麗事だけでは回らない。怒鳴られることもある。理不尽だってある。それでも月子は、場を壊さずに立て直す側に回る。帰宅しても、足取りがやや早いのが癖だ。
母のジェイミーは設計士だ。
図面を引き、現場を歩き、光の入り方や動線、ものの置き場所、暮らしの中で起きる“事故の芽”を見つけて潰していく。彼女が部屋にいると、空間そのものが少し整う気がする。椅子の位置をほんの数センチずらすだけで、空気の通りが変わる――そういう小さな調整を、母は当たり前のようにやってのける。
父の次郎は専業主夫。
葛石家の家事を一手に担い、生活の詰まりを先回りして解消する。洗濯物が溜まる前に干され、皿が重なる前に洗われ、冷蔵庫の中身はいつも“次の日の自分”を助ける配置になっている。誰かが困ってから動くのではなく、困る前に整える。父のそれは、才能と言っていい。
そして、ポメラニアンの愛犬・コハク。
小さな毛玉のような体で、家族の感情の揺れをいち早く察知する。今日は特にご機嫌で、月子にすりすりされるたび、喉の奥で小さく鳴った。
リビングには父が淹れたコーヒーの香りが漂い、母が買ってきた焼き菓子が皿に並ぶ。冬の陽射しが斜めに差し込み、床の上に柔らかな光の島ができていた。
「……やっぱり家って落ち着く」
月子がコハクの腹を撫でながら言った。声が柔らかい。普段の月子は、職場の空気に合わせて無意識に“張って”いる。切り替えが速く、必要な言葉を必要な高さで出す。そんな彼女が、今日は少しだけ、幼い頃のままに見えた。
「駅はずっと気が抜けないもんね」
私が言うと、月子は苦笑して肩をすくめた。
「うん。なんかずっと、誰かの焦りが浮いてる感じがする。遅延とかトラブルって、時間だけじゃなくて空気まで詰まるんだよ。詰まったら、みんな余裕なくなる」
「余裕がなくなると、ぶつかる」
母が、焼き菓子を小さく割りながら当然のように続ける。
「ぶつかると、声が大きくなる。声が大きくなると、判断が遅れる。だから設計でも現場でも、最初に潰すのは“詰まり”なの」
設計士らしい言い方だと思う。人の暮らしを、流れとして捉える。
「月子はよくやってるよ」
父が静かに言った。褒め方が押しつけがましくない。事実を置くような言い方。だから月子も照れずに、ただ「ありがと」と返した。
父はミカンの皿をテーブルの真ん中に置き、手を拭きながら続ける。
「今日は揃ったんだ。昼、外で食うか。たまには」
その一言で、部屋の空気がぱっと明るくなった。
家族が揃うだけでも嬉しいのに、そこに“外食”が乗ると、休日らしさが一段濃くなる。
「ラーメン!」
月子が即座に手を挙げた。子どもみたいな反応速度だった。
「この近くの、チャーシュー分厚い店。ずっと行きたかったんだよね。私、最近ずっと社員食堂かコンビニだったし」
私は医師らしい小言を言いかけて、慌てて飲み込んだ。今日は説教をする日じゃない。
「たまに食べるから美味しいのよ」
母が笑う。
「帰ってから、夜は軽くすればいい」
「帳尻合わせは任せろ」
父も軽く胸を叩いた。生活を回す人間の余裕だ。
私は頷いた。
「じゃあ昼はラーメン。久しぶりに全員で行きましょう」
その瞬間だった。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
音としては、いつものチャイムだ。だがタイミングが悪すぎる。まるでこちらの“家族の時間”に合わせて押されたみたいに。
「……誰?」
月子が眉を寄せる。父も手を止め、母も視線だけをインターホンの方へ向けた。コハクも、さっきまで喉を鳴らしていたのに、急に顔を上げて耳を立てた。
近くにいた私が立ち上がり、インターホンのモニターを覗く。
映った瞬間、胃の奥が冷えた。
派手な格好をした男が立っていた。
明るい色のジャケット、艶のある靴、住宅街の昼間に似合わないサングラス。本人は“似合っている”と信じて疑わない顔をしている。
そしてその背後、道路脇に停まっているのは有名なドイツの外車。エンブレムが誇らしげに光っている。
きっと向こうも、家族が勢揃いしてる。
そう思ったのは偶然ではない。玄関前に車がある。靴も複数。窓のカーテンの隙間。生活の匂い。そういうものを“見つける嗅覚”だけは、あの男は妙に鋭い。
「……直だ」
私が低く言うと、寝そべっていたコハクにすりすりしていた月子が、呆れたように声を上げた。
「うわ、最悪。新方直? なんで今日……わざとでしょ」
母が何も言わず、ただ息を吐く。父の目も細くなる。
家族の空気が、目に見えない膜みたいに一枚、張り詰めた。
新方直。
自分勝手で我が儘で、こちらの都合や予定を平気で踏み荒らす男だ。
彼の厄介さは、“声が大きい”とか“乱暴”とか、そういう単純な種類ではない。言い分だけはそれなりに整っていて、こちらが反論しづらい形で押し通してくる。自分の不快を正当化し、人の善意を当然のように受け取って、返さない。しかも本人はそれを悪いと思っていない。
直には、私達家族全員、迷惑を被っている。
私の職場でも。月子の現場でも。母の仕事でも。父の生活でも。
そしてコハクは、直の姿がモニターに映っただけで、喉の奥に小さな唸りを溜めた。
ピンポーン。
間を置かず、もう一度。
さらにもう一度。
「……押し続ける気だね、あいつ」
月子が呆れと苛立ちを混ぜて言う。
父は言葉少なに頷いた。母は静かに立ち上がり、テーブルの上の皿を端へ寄せた。――“入れない前提”で、家の中の配置を守る動きだ。
「無視したら近所迷惑だな」
父がぽつりと言う。
私はモニターの中の直を見つめた。サングラスの奥の視線が、こちらを覗き込んでいる気がする。車があるから、家にいるって分かっているだろうし、返事をするまでチャイムを押し続けそうだ。
私は一度、呼吸を整えた。
今日という日を壊されたくない。家族が揃った、この貴重な時間を。
それでも――このまま放置すれば、もっと厄介になる。
仕方ない、出るか。
同じ屋根の下で暮らしていた頃は、夕飯の時間に顔を合わせるだけで十分だった。けれどそれぞれが社会に出て、仕事に追われ、生活の速度が別々になっていくと、「揃う」には理由がいる。調整がいる。気力がいる。そして、ほんの少しの運がいる。
だから今日――玄関に並ぶ靴の数を見たとき、胸の奥がふっと温かくなった。
私は葛石悠一郎。医師として働いている。
救急に関わる日も多く、休みのつもりでいても、急に呼び出しが入ることがある。命は時間割通りに壊れてくれない。そんな現場にいると、脳のどこかが常に警戒したままになる。けれど今日だけは、その警戒をいったん机の引き出しに押し込んだ。携帯の通知は最小限、頭の中の「次の対応」は静音。――せめて家族の前では、医師ではなく“家の長男”でいたい。
妹の月子は私鉄の会社で働いている。
運行、遅延、乗客対応。人の流れと時間の正確さに、毎日体ごと挟まれているような仕事だ。現場は綺麗事だけでは回らない。怒鳴られることもある。理不尽だってある。それでも月子は、場を壊さずに立て直す側に回る。帰宅しても、足取りがやや早いのが癖だ。
母のジェイミーは設計士だ。
図面を引き、現場を歩き、光の入り方や動線、ものの置き場所、暮らしの中で起きる“事故の芽”を見つけて潰していく。彼女が部屋にいると、空間そのものが少し整う気がする。椅子の位置をほんの数センチずらすだけで、空気の通りが変わる――そういう小さな調整を、母は当たり前のようにやってのける。
父の次郎は専業主夫。
葛石家の家事を一手に担い、生活の詰まりを先回りして解消する。洗濯物が溜まる前に干され、皿が重なる前に洗われ、冷蔵庫の中身はいつも“次の日の自分”を助ける配置になっている。誰かが困ってから動くのではなく、困る前に整える。父のそれは、才能と言っていい。
そして、ポメラニアンの愛犬・コハク。
小さな毛玉のような体で、家族の感情の揺れをいち早く察知する。今日は特にご機嫌で、月子にすりすりされるたび、喉の奥で小さく鳴った。
リビングには父が淹れたコーヒーの香りが漂い、母が買ってきた焼き菓子が皿に並ぶ。冬の陽射しが斜めに差し込み、床の上に柔らかな光の島ができていた。
「……やっぱり家って落ち着く」
月子がコハクの腹を撫でながら言った。声が柔らかい。普段の月子は、職場の空気に合わせて無意識に“張って”いる。切り替えが速く、必要な言葉を必要な高さで出す。そんな彼女が、今日は少しだけ、幼い頃のままに見えた。
「駅はずっと気が抜けないもんね」
私が言うと、月子は苦笑して肩をすくめた。
「うん。なんかずっと、誰かの焦りが浮いてる感じがする。遅延とかトラブルって、時間だけじゃなくて空気まで詰まるんだよ。詰まったら、みんな余裕なくなる」
「余裕がなくなると、ぶつかる」
母が、焼き菓子を小さく割りながら当然のように続ける。
「ぶつかると、声が大きくなる。声が大きくなると、判断が遅れる。だから設計でも現場でも、最初に潰すのは“詰まり”なの」
設計士らしい言い方だと思う。人の暮らしを、流れとして捉える。
「月子はよくやってるよ」
父が静かに言った。褒め方が押しつけがましくない。事実を置くような言い方。だから月子も照れずに、ただ「ありがと」と返した。
父はミカンの皿をテーブルの真ん中に置き、手を拭きながら続ける。
「今日は揃ったんだ。昼、外で食うか。たまには」
その一言で、部屋の空気がぱっと明るくなった。
家族が揃うだけでも嬉しいのに、そこに“外食”が乗ると、休日らしさが一段濃くなる。
「ラーメン!」
月子が即座に手を挙げた。子どもみたいな反応速度だった。
「この近くの、チャーシュー分厚い店。ずっと行きたかったんだよね。私、最近ずっと社員食堂かコンビニだったし」
私は医師らしい小言を言いかけて、慌てて飲み込んだ。今日は説教をする日じゃない。
「たまに食べるから美味しいのよ」
母が笑う。
「帰ってから、夜は軽くすればいい」
「帳尻合わせは任せろ」
父も軽く胸を叩いた。生活を回す人間の余裕だ。
私は頷いた。
「じゃあ昼はラーメン。久しぶりに全員で行きましょう」
その瞬間だった。
ピンポーン。
チャイムが鳴った。
音としては、いつものチャイムだ。だがタイミングが悪すぎる。まるでこちらの“家族の時間”に合わせて押されたみたいに。
「……誰?」
月子が眉を寄せる。父も手を止め、母も視線だけをインターホンの方へ向けた。コハクも、さっきまで喉を鳴らしていたのに、急に顔を上げて耳を立てた。
近くにいた私が立ち上がり、インターホンのモニターを覗く。
映った瞬間、胃の奥が冷えた。
派手な格好をした男が立っていた。
明るい色のジャケット、艶のある靴、住宅街の昼間に似合わないサングラス。本人は“似合っている”と信じて疑わない顔をしている。
そしてその背後、道路脇に停まっているのは有名なドイツの外車。エンブレムが誇らしげに光っている。
きっと向こうも、家族が勢揃いしてる。
そう思ったのは偶然ではない。玄関前に車がある。靴も複数。窓のカーテンの隙間。生活の匂い。そういうものを“見つける嗅覚”だけは、あの男は妙に鋭い。
「……直だ」
私が低く言うと、寝そべっていたコハクにすりすりしていた月子が、呆れたように声を上げた。
「うわ、最悪。新方直? なんで今日……わざとでしょ」
母が何も言わず、ただ息を吐く。父の目も細くなる。
家族の空気が、目に見えない膜みたいに一枚、張り詰めた。
新方直。
自分勝手で我が儘で、こちらの都合や予定を平気で踏み荒らす男だ。
彼の厄介さは、“声が大きい”とか“乱暴”とか、そういう単純な種類ではない。言い分だけはそれなりに整っていて、こちらが反論しづらい形で押し通してくる。自分の不快を正当化し、人の善意を当然のように受け取って、返さない。しかも本人はそれを悪いと思っていない。
直には、私達家族全員、迷惑を被っている。
私の職場でも。月子の現場でも。母の仕事でも。父の生活でも。
そしてコハクは、直の姿がモニターに映っただけで、喉の奥に小さな唸りを溜めた。
ピンポーン。
間を置かず、もう一度。
さらにもう一度。
「……押し続ける気だね、あいつ」
月子が呆れと苛立ちを混ぜて言う。
父は言葉少なに頷いた。母は静かに立ち上がり、テーブルの上の皿を端へ寄せた。――“入れない前提”で、家の中の配置を守る動きだ。
「無視したら近所迷惑だな」
父がぽつりと言う。
私はモニターの中の直を見つめた。サングラスの奥の視線が、こちらを覗き込んでいる気がする。車があるから、家にいるって分かっているだろうし、返事をするまでチャイムを押し続けそうだ。
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