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○~第5章~○ 射精の苦悩
6射精目! 宇宙とは
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急に降り出したどしゃ降りの雨に打たれながら、俺とエイデンはなんとか俺の家まで辿り着いた。
「ほら、エイデン。バスタオル」
「あ、ありがとうさ」
大き目のバスタオルを渡したつもりだったけど、いざエイデンが使うのを見ると本当にハンドタオルにしか見えなかった。
「雨、止みそうにないさ」
「……だな。それよりエイデン、さっきの魔法俺にも教えてくれないか?」」
「サンダーのことさ?」
(いや正式にはディスクグラインダーだろ)
※やっぱり電動工具はmakita一択やで
とは言えなかった。だけど……
あの魔法は使える! 俺はサンダーを見た瞬間そう直感した。
そう。
コンドームに射精されたときに使うのだ。シュミレーションはこうだ。
①射精で“世界”に飛び出した瞬間サンダーを発動させる。
②射精の勢いを利用してコンドームに切り込みを入れる。
③開いた穴から抜け出しオ・マーン公国へ!
※これが世に言う
「は? 俺あの日ちゃんとゴムしたよね? ね?」
「でも来ないんだもん……」
の原理である。
#諸説あり(まくり)
「教えるも何もアレックスの冒険を読んだら分かってるはずさ」
「ごめん。実は魔法のところはあんましよく分かってなくて…… その…… 飛ばし読みしちゃってたんだ」
「なんだ。だったらいいさ。今からでも練習しようさ」
「よろしく頼むよ」
「OKさ。それじゃあ……」
俺はエイデンの言うとおりにし、部屋の中央に立ったまま目をつむり意識を集中させた。
暗闇が広がる。
(そう言えば膣美さんが夢に出てきてた空間と似てるかも?)
「テツオ、余計なことを考えてはいけないさ。意識が散漫になりそうだったら“息を吸って吐く”だけを考えるといいさ」
(ごめん。OK…… 息を吸って吐く。 息を…… 吸って…… 吐く…… 息を…… 吸って……)
(吐く…………………………)
正直驚いた。
“息を吸って吐く”これだけを考えるだけでこれほど意識を集中させることができるとは。
そうやって呼吸のことだけを考えること約5分。俺は考えることも考えなくなっており、なんとも心地よい穏やかな気持ちになっていた。
「うん。今とてもいい状態さ。続けてさ」
隣に座っているエイデンがそう言っているはずなのに、どこかとても遠いところから言われているような気がした。
そのとき俺はある現象に気付いた。
(あれ? 俺、上に移動してる? いや下がってる?)
俺がいま立っているのは部屋の中央だから、上や下に移動するはずなんてない…… だけど体の感覚的には上下どちらかに垂直移動しているような感覚にとらわれ、よろよろと体勢を少し崩してしまった。
「ここ大事さ! 集中を怠ってはいけないさ!」
(そうそう。集中集中……)
体勢を立て直したが、尚も上下どちらかに垂直移動している感覚は続いた。どちらかと言えば下へ落ちて行っているような感覚が勝ってるかな?
そうして再び意識を集中させ、考えることをやめ、ただただ下に落ちて行っている感覚だけを味わっていた。
↓
↓
↓
↓
↓
「そろそろ到達していると思うさ。テツオ、手や足の感覚はあるさ?」
(なに言ってるんだエイデン。そんなのあるに決まっ…… あれ? ない……)
自分の手足の感覚、いや体全ての感覚がなくなっていた。
そう。
自分という個体の境界線がなくなっていた。どこからがエイデンで、どこからが自分で、どこからが部屋の床で、壁で、天井でという境界線がなく、全て1つになっているのを感じた。
(怖い)
不思議とそうは思わなかった。むしろとても気持ちが良かった。
この感覚を例えて言うならそうだな……
ヨーグルト。そう。ヨーグルト。それも粒々の砂糖が入っていない酸っぱいガチのヨーグルトだ。
何が言いたいかというとつまりこうだ。
蓋を開けたヨーグルトの中身はヨーグルトだ。どこまで行ってもヨーグルトだ。
それが今の状態なんだ。
誰が他人でどれが自分という境界線はない。みんな同じ1つのヨーグルトなんだ。
ただ普段の俺たちは、スプーンですくわれたヨーグルトなんだ。だから境界線が始まり、自分が生まれ、他人が生まれるんだ。
下に落ちて行った感覚。あれはスプーンですくわれた場所から元のヨーグルトへ向かって還って行っていたんだ。
つまりヨーグルト、それは……
「エイデン。分かったよ。ここが“宇宙”だ」
「ようやく辿り着いたさね。まずはおめでとうさ。そしたら次に……」
「ううん。エイデン。分かるよ…… ここから先はもう分かってる」
俺の宇宙の中には魔法となる物質がたくさん存在していた。ヨーグルトで言うなら乳酸菌だ。
みんな意思を持っているかの如く自由に動き回っていた。これは……
(いける!)
「エイデン見ていてくれ! 俺の初めての魔法!」
「了解さ!」
俺は右手を自分の胸の高さまで上げ、思いっきり手の平を広げた。そして魔法の名前を叫ぶ!
「サンd」
「ただいみゃー。いやー入れ歯の調整の帰りにめっちゃ雨降って大変じゃったわい。おっ! テツオも帰ってたんじゃな!」
「…………」
「…………」
俺はまたスプーンにすくわれたヨーグルトになった。
「ほら、エイデン。バスタオル」
「あ、ありがとうさ」
大き目のバスタオルを渡したつもりだったけど、いざエイデンが使うのを見ると本当にハンドタオルにしか見えなかった。
「雨、止みそうにないさ」
「……だな。それよりエイデン、さっきの魔法俺にも教えてくれないか?」」
「サンダーのことさ?」
(いや正式にはディスクグラインダーだろ)
※やっぱり電動工具はmakita一択やで
とは言えなかった。だけど……
あの魔法は使える! 俺はサンダーを見た瞬間そう直感した。
そう。
コンドームに射精されたときに使うのだ。シュミレーションはこうだ。
①射精で“世界”に飛び出した瞬間サンダーを発動させる。
②射精の勢いを利用してコンドームに切り込みを入れる。
③開いた穴から抜け出しオ・マーン公国へ!
※これが世に言う
「は? 俺あの日ちゃんとゴムしたよね? ね?」
「でも来ないんだもん……」
の原理である。
#諸説あり(まくり)
「教えるも何もアレックスの冒険を読んだら分かってるはずさ」
「ごめん。実は魔法のところはあんましよく分かってなくて…… その…… 飛ばし読みしちゃってたんだ」
「なんだ。だったらいいさ。今からでも練習しようさ」
「よろしく頼むよ」
「OKさ。それじゃあ……」
俺はエイデンの言うとおりにし、部屋の中央に立ったまま目をつむり意識を集中させた。
暗闇が広がる。
(そう言えば膣美さんが夢に出てきてた空間と似てるかも?)
「テツオ、余計なことを考えてはいけないさ。意識が散漫になりそうだったら“息を吸って吐く”だけを考えるといいさ」
(ごめん。OK…… 息を吸って吐く。 息を…… 吸って…… 吐く…… 息を…… 吸って……)
(吐く…………………………)
正直驚いた。
“息を吸って吐く”これだけを考えるだけでこれほど意識を集中させることができるとは。
そうやって呼吸のことだけを考えること約5分。俺は考えることも考えなくなっており、なんとも心地よい穏やかな気持ちになっていた。
「うん。今とてもいい状態さ。続けてさ」
隣に座っているエイデンがそう言っているはずなのに、どこかとても遠いところから言われているような気がした。
そのとき俺はある現象に気付いた。
(あれ? 俺、上に移動してる? いや下がってる?)
俺がいま立っているのは部屋の中央だから、上や下に移動するはずなんてない…… だけど体の感覚的には上下どちらかに垂直移動しているような感覚にとらわれ、よろよろと体勢を少し崩してしまった。
「ここ大事さ! 集中を怠ってはいけないさ!」
(そうそう。集中集中……)
体勢を立て直したが、尚も上下どちらかに垂直移動している感覚は続いた。どちらかと言えば下へ落ちて行っているような感覚が勝ってるかな?
そうして再び意識を集中させ、考えることをやめ、ただただ下に落ちて行っている感覚だけを味わっていた。
↓
↓
↓
↓
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「そろそろ到達していると思うさ。テツオ、手や足の感覚はあるさ?」
(なに言ってるんだエイデン。そんなのあるに決まっ…… あれ? ない……)
自分の手足の感覚、いや体全ての感覚がなくなっていた。
そう。
自分という個体の境界線がなくなっていた。どこからがエイデンで、どこからが自分で、どこからが部屋の床で、壁で、天井でという境界線がなく、全て1つになっているのを感じた。
(怖い)
不思議とそうは思わなかった。むしろとても気持ちが良かった。
この感覚を例えて言うならそうだな……
ヨーグルト。そう。ヨーグルト。それも粒々の砂糖が入っていない酸っぱいガチのヨーグルトだ。
何が言いたいかというとつまりこうだ。
蓋を開けたヨーグルトの中身はヨーグルトだ。どこまで行ってもヨーグルトだ。
それが今の状態なんだ。
誰が他人でどれが自分という境界線はない。みんな同じ1つのヨーグルトなんだ。
ただ普段の俺たちは、スプーンですくわれたヨーグルトなんだ。だから境界線が始まり、自分が生まれ、他人が生まれるんだ。
下に落ちて行った感覚。あれはスプーンですくわれた場所から元のヨーグルトへ向かって還って行っていたんだ。
つまりヨーグルト、それは……
「エイデン。分かったよ。ここが“宇宙”だ」
「ようやく辿り着いたさね。まずはおめでとうさ。そしたら次に……」
「ううん。エイデン。分かるよ…… ここから先はもう分かってる」
俺の宇宙の中には魔法となる物質がたくさん存在していた。ヨーグルトで言うなら乳酸菌だ。
みんな意思を持っているかの如く自由に動き回っていた。これは……
(いける!)
「エイデン見ていてくれ! 俺の初めての魔法!」
「了解さ!」
俺は右手を自分の胸の高さまで上げ、思いっきり手の平を広げた。そして魔法の名前を叫ぶ!
「サンd」
「ただいみゃー。いやー入れ歯の調整の帰りにめっちゃ雨降って大変じゃったわい。おっ! テツオも帰ってたんじゃな!」
「…………」
「…………」
俺はまたスプーンにすくわれたヨーグルトになった。
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