Sオナ! ~SランクDNAの精子だけど、今回どう見てもオ○ニーです~○~○

巻き爪たろう

文字の大きさ
39 / 53
幕間~○2

婆や(キヨ子)の過去 その1

しおりを挟む
 ――アレックスと初めて出会ったのは…… そう。子宮城しきゅうじょうの第1の城門にあるとりでだった。

 若くして士官学校を首席で卒業し、オ・マーン公国の軍事指揮官に着任したばかりの私の最初の仕事は、この最初の、第1の城門に到着する精子を全滅させることだった。

「あら。今度来た指揮官さんはなんともかわいらしいお嬢さんだこと」
「おいおい! 精子と戦う前にオムツを交換した方がいいんじゃねーのか!?」
「「「ワハハハ!!」」」

 歳が若い上に童顔だった私が、指揮官にまで登り詰めたのが気に入らなかったのだろう。
 部下であるはずの白血球ゴリラたちは皆、私を見てヤジを飛ばした。

「おい! 偵察ゴリラ! 現在の精子の数を教えろ!」
「ウッホ!? ウホウホウッホ? ウホオオオオオ!」(あ? なんだって? 偵察ゴリラ様だろがぁあああ!と言っています)
 ※頭の悪い白血球ゴリラはしゃべれません

「おい! 誰か敵の数を知っている者はいないのか!? 作戦が立てれないじゃないか!」
「へへ……」
「くっくっく……」

 私の必死の問いかけに対し、白血球ゴリラたちは薄気味悪い笑みを浮かべるだけであった。

「へいへい新しい指揮官さんよ。数なんてどうでもいいじゃんかよ。精子たちが来たら突っ込んで抹殺する。それだけでいいんじゃねーの? 俺らは今までそうやってきたんだぜ?」
「「「そうだそうだ!」」」
「「「ウッホウッホ!」」」(そうだそうだ!と言っています)

「馬鹿者! そんなだから前の指揮官が殺されてしまったのだ! そんなことも分からないのか!!」
「前のアイツ指揮官が死んだのは弱えから悪いんだよ!」
「「「ウッホウッホ!」」」(そうだそうだ!と言っています)

 間もなく精子たちがここを攻めてくるというのにも関わらず、私は部下の白血球ゴリラたちをまとめることすらできていなかった。バナナの皮を投げてくるゴリラまで出る始末だった。
 私はそこで悟った。
 “ここ”では精子も含めて全てが敵であると。頼れるのは自分だけだと……
 そう落胆しているその時だった――

カンカンカン! カンカンカン!

 !!

 見張り塔の報せが鳴った。
 精子たちがもうそこまで来ているという合図だ。私は自身の初陣に息を飲み、手がじんわりと汗ばんでいるのが分かった。
 一方、白血球ゴリラたちは、まるで待ちに待ったオモチャでも到着したかのように甲高い雄たけびを上げ、砦から飛び出し突っ込んで行った。

「キタ来た! 行くぞぉぉおおおお!」
「ウホッ! ウホッ! ウホォォオオオ!」(あとに続けぇぇえええ!!と言っています)
「ま、待て! おい! 勝手に行くな! まだ作戦を伝えてないだろうがっ!」

 ――が、気が付けば砦の屋上にいるのは私一人だけになってしまった。

(クソッ! アイツら……)

 出遅れた私は、鉄の女アイアン・レディ第5形態:おデコに一重ひとえの千里眼 ※通称ハッブルの能力を展開し、城門の遥か向こうで精子と白血球ゴリラが戦闘を繰り広げる様子を観察することとした。

 精子はざっと見積もって3,000体はいた。士官学校で習った通り移動速度が早い。
 が、精子たちには悪いがこちらの戦力は圧倒的だ。精子たち3,000体に対し、白血球ゴリラは精子たちの倍の6,000頭はいる。アイツらがうれしそうに突っ込んでいくわけだ。

(私が出る幕もないか……)

 そう、安堵したその時だった――


ッズゥゥウウウウウンンン!!


「なっ!!」

 一瞬ピカッと光ったと同時に凄まじい爆風が私のいる砦まで到達した。
 私は何が起こったのか分からずその場で身を伏せ、爆風が通り過ぎるのをじっと待った。

(な、何が起こったというのだ!?)

 そう思いながら爆風が通り過ぎたのを確認し、ゆっくり立ち上がり戦況の確認を行った。
 が――

「え……?」

 私がさっきまで眺めていた景色から一変しており、地面には巨大なクレーターができ、そこから黒い禍々しい煙が上がっていた。
 クレーターの周りには、黒焦げになった白血球ゴリラが数百頭と倒れている。

(あ、あれは……)

 火の魔法であるということはすぐに分かった。しかし、あれほどの規模の魔法を出せるのは恐らくこの国にはいない。

「っということはまさか精子が!?」

 その時だった――

「マラゾーマっていう名前にしたんだ」

!!

 私の背後から突然聞き慣れない声がした。
 突然現れたからは凄まじい殺気が溢れだしており、生まれて初めて後ろをとられた私は動くことすらできなかった。

(いつ後ろをとられた? いやでも動いたら…… 殺される!!)

 しかし、そいつは私に構うことなく背後から近づき、私の右肩をポンと触り、

「ねえ? 聞いてる?」

 と言ったのだ。思わず私は「キャッ!」という乙女チックな甲高い声を出してしまったが、右肩に置かれたそいつのその手を振り払い、睨み付けた。

「あっ! ごめんごめん。殺気を消すの忘れてた!」

 そいつが軽いノリでそう言った途端、先ほどまでとはウソのように殺気が消えていった。
 ニコッと軽い笑みを浮かべたそいつは紛れもないだった。

「君がここの指揮官だね? 初めまして。俺は精子のアレックス!」
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

性別交換ノート

廣瀬純七
ファンタジー
性別を交換できるノートを手に入れた高校生の山本渚の物語

クラスメイトの美少女と無人島に流された件

桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
 修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。  高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。  どうやら、漂流して流されていたようだった。  帰ろうにも島は『無人島』。  しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。  男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?

服を脱いで妹に食べられにいく兄

スローン
恋愛
貞操観念ってのが逆転してる世界らしいです。

再婚相手の連れ子は、僕が恋したレンタル彼女。――完璧な義妹は、深夜の自室で「練習」を強いてくる

まさき
恋愛
「初めまして、お兄さん。これからよろしくお願いしますね」 父の再婚によって現れた義理の妹・水瀬 凛(みなせ りん)。 清楚なワンピースを纏い、非の打ち所がない笑顔で挨拶をする彼女を見て、僕は息が止まるかと思った。 なぜなら彼女は、僕が貯金を叩いて一度だけレンタルし、その圧倒的なプロ意識と可憐さに――本気で恋をしてしまった人気No.1レンタル彼女だったから。 学校では誰もが憧れる高嶺の花。 家では親も感心するほど「理想の妹」を演じる彼女。 しかし、二人きりになった深夜のキッチンで、彼女は冷たい瞳で僕を射抜く。 「……私の仕事のこと、親に言ったらタダじゃおかないから」 秘密を共有したことで始まった、一つ屋根の下の奇妙な生活。 彼女は「さらなるスキルアップ」を名目に、僕の部屋を訪れるようになる。 「ねえ、もっと本気で抱きしめて。……そんなんじゃ、次のデートの練習にならないでしょ?」 これは、仕事(レンタル)か、演技(家族)か、それとも――。 完璧すぎる義妹に翻弄され、理性が溶けていく10日間の物語。 『著者より』 もしこの話が合えば、マイページに他の作品も置いてあります。 https://www.alphapolis.co.jp/author/detail/658724858

至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件

こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

入れ替わり夫婦

廣瀬純七
ファンタジー
モニターで送られてきた性別交換クリームで入れ替わった新婚夫婦の話

処理中です...