学園七不思議〜7人の幽霊と5人の研究会員〜

シロロ

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第壱章 屋上に

豪の過去

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4人は豪が気絶していることを忘れていた。

豪はホラーは苦手だが、ホラー映画や話などで気絶することはない。

それなのに今回は時間が止まっているだけ?で気絶してしまった。

思えば豪はビビりすぎなのではないだろうか。

ここに来る前も、古びたメモに学園七不思議と書かれていただけですごく怯えていたが、いくらなんでもおかしくないか?

東貴は豪に今起きてる状況を説明した。

豪「で、出れないって…、マジ…?」

豪の顔は絶望している。

しかし気絶はしない。

聞いてみるか…。

そう思い話しかけようとしたら、先に真木が口を開けた。

真木「ねえ豪くん。さっき何か見えてた?」

みんなその質問にギョッとした。

何か見えていた?その質問はなんなんだ…?

見えてたってもしかして幽霊…?

豪もその質問に対して困惑している。

真木は続けてみんなに言う。

真木「みんなも気づいていると思うけど、多分ここには私たちに見えないもう一人がいる気がするんだよね…。」

明日香「も、もう一人!?それって、幽霊!?」

真木「それはわからないんだけど…。なんとなく思ったのが、豪くんって実は霊感があって、その霊を見たり感じたりすると意識的に怯えたり気絶したりするんじゃないかなって。」

真木に言われるまで全員もう一人いることに気がついていなかった。

しかし、思い返すとおかしなところはあったのかもしれない。

明日香は考え込む。

その間に豪が喋り始める。

豪「思い当たる節は、ある。でも、今回のことに関係あるかわからないんだけど、、、」

ーーーー7年前ーーーー

豪は鏡高学園の近くに住んでおり、小学校もすぐ近くにあった。

親は共働きで、学校が終わって家に帰っても誰もいない為、祖父が務めていた鏡高学園に遊びに行っていた。(学園公認)

その時期は小学校の運動会の練習が重なり、なかなか遊びに行けなかったが、久しぶりに時間が開き、

豪は祖父の元へ遊びに行く。

校門で生活指導の先生が立っているが、公認の為、挨拶すれば入れてもらえる。

でも今日はいなかった。

今までいない日は無かったので、疑問に思ったが、気にせず入る。

裏口入ってすぐのところに事務室がある為、いつも裏口に靴を置いて事務室に入る。

今日も裏口から入ると、その少し先の校長室にスーツの男が何人か入っていくのが見えていた。

気にせず事務室に入る。

豪「おじいちゃん!遊びに来たよ!」

事務室の扉を開け、元気よく声をあげた。

しかし、いつもこの時間にいるはずの祖父はいない。

おかしいなと思いつつも、祖父には1人でうろちょろしてはいけないと約束していた為、事務室で待っていることにした。

椅子に座って待っていると、5分くらいしたら祖父は事務室に来た。

豪「おじいちゃん!遊びに来たよ!」

豪は祖父を見て飛び付きながら言った。

この時、祖父は少し困った顔をしているような気がした。

おじいちゃん「おお豪、運動会の練習は順調かい?」

ニコニコしながら祖父は色々お話を聞いてくれる。

豪も楽しくてたくさん喋ってしまう。

いつもは30分ほど相手をしてくれるんだけど、今日は何かあったみたいで、15分ほどしたらまた行かなくちゃいけないから今日は帰りなさいと言われた。

何かあったの?と聞くと、少しお仕事が忙しくなっちゃったんだよ。と言われた。

祖父を困らせたくなかったので、俺は頷いて帰ることにした。

祖父は事務室を出て校長室の方に向かっていた。

豪は裏口に向かい、自分の靴を履こうとした。

豪「あれ?右の靴が無い…」

たしかに一緒にここに置いていたはずなのに、無くなっている。

誰かが間違えて持って行っちゃったのかな?と辺りを見回すと、少し遠目に自分の靴を片方持った女子高生が学園の裏の方に歩いていくのが見えた。

豪「それ僕の靴だから返してー!!!!」

大きな声で叫んだが、女子高生は振り向かない。

そしてそのまま学園の裏に行ってしまい、見えなくなってしまった。

豪は残った左の靴を履き、けんけんでその女子高生を追いかけた。

けんけんは小さい頃から得意だった為、苦じゃ無い。

豪はそのまま学園の裏に入っていく。
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