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第壱章 屋上に
閉じ込められた
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スマホの時計は16時40分になっていた。
この屋上を調べるために入ったのは16時40分だったはずが、そこから時計が全く進んでいない。
この事実を目の当たりにしてから突然、屋上がどんよりと湿った空気になった気がした。
これはもしかしたら本当に…、メモが心霊現象を呼び寄せているのか…?
気絶している豪以外、全員同じことを考えていた。
緊張で全員固まっている中、真木が最初に動き出す。
スマホのボイスレコーダーを再生しようとする。
少し操作して、真木は残念そうな顔をする。
真木「時計が止まってるからか、ボイスレコーダーも屋上に入ってからの記録がない…。」
他の四人は真木のスマホを覗く。
確かに、真木がボイスレコーダーをオンにしてから数秒後に屋上に入っているため、オンのままだが、3秒ほどしか時間が進んでいない。
それどころか、ボイスレコーダーを停止することもできない。
真木は他のアプリが開けるかも試したが、全てローディング画面が出たまま動かない。
時 間 が 止 ま っ て い る ?
明日香はこの怪奇現象にワクワクが止まらないという顔をしている。
真木もなぜかのようなことが起きているのか興味津々である。
東貴とレナは流石に笑えなくなっていた。
東貴「そこのチキン起こして、早いとこここを出た方が良くないか…?」
レナは賛成のようで、東貴の言葉に頷く。
しかし、明日香と真木はまだ何か発見があるかもしれないと残りたがる。
二人が残るのに先に逃げるのは男が廃ると思い、東貴は渋々残る。
明日香「ねえ!今屋上の外と会話できるか知りたい!!!レナ先輩はちょっと扉から出て会話してみよ!?」
明日香はレナが少し怯えているのを見て、機転を利かせたのか、自分の好奇心のためにたまたま声かけたのかは不明だが、提案をした。
レナはなるほどと思い、承諾した。
扉の前にレナが立つ。
レナ(なんかすっごく嫌な予感がする…)
ドアノブに手をかける。
予感通り、ドアノブは開かなかった。
レナは泣きそうになりながらみんなの方を振り向く。
明日香はそのレナが可愛いすぎて抱きしめてあげる。
レナは普段、とても大人な振る舞いをし、先輩としてみんなを導いたりもするが、実は怖いものは得意ではなかった。
なぜ開かないのか、真木が気付いてみんなに伝える。
真木「この屋上の時間が止まってるとしたら、ドアノブも回らないのは納得できる。多分誰かにこの扉を開けてもらわないとダメなんじゃないかな…?」
流石の明日香もギョッとする。
掃除の人は次の日の夕方15時半まで来ず、お昼休みは屋上は解放されていない。
と じ こ め ら れ た ?
気絶してる豪以外の四人は一旦集まる。
今持っているものを持ち寄って何か出来ないか考えることにした。
明日香
ハンカチ、ティッシュ、ペン、スマホ、スマホケース(手帳型)、ICカード、学園七不思議の古びたメモ
東貴
ハンカチ、スマホ、スマホケース(手帳型)、通学定期
真木
ハンカチ、スマホ、腕時計(アナログ)、秘密ポーチ(いざという時の真木の秘密のポーチ。中身は秘密)
レナ
ハンカチ、ティッシュ、家の鍵、シュシュ、スマホ、絆創膏
これでこの状況を打破できるのか…?
財布は荷物になると思い、全員部室の貴重品入れに閉まってしまっているのと、カバンを部室に置きっぱにしているため、ほとんどみんな何も持っていない。
学園七不思議の古びたメモを見ても、なにも変わっていない。
東貴「そういえば、真木の秘密のポーチに何かないのか?」
真木「時間止まってるこの空間で使えるものはない…」
東貴「そうか…、某漫画の主人公の腕時計みたいに中に針とメモ帳入ってたりしないのか?」
真木「そんなハイテクな時計つけてないし針とメモ帳入ってたとしても役に立たないでしょ!私をなんだと思ってるの!?」
東貴はごめんごめんと笑いながら謝る。
なんとなく真木は万能系でなんでも持ってるイメージが強い。事実、秘密のポーチというものも持っているわけで…
真木は東貴に腕時計と言われ、思い出したように言った。
真木「そういえば、腕時計は16時40分を指してないんだよね。」
他三人はえっ!?と思わず声を上げる。
なぜ気づいた時に言わなかったのか…。
明日香「何時を指してるの?」
真木は腕時計を腕から外し、みんなに見やすいように差し出す。
腕時計は8時45分を指している。
この時間は、この学園の朝のホームルームが始まる時間だ。
スマホの時計は動いてないのに、腕時計はなぜ全然違う時間を指しているんだ…?
東貴「この時間はなにかを指してるのかな…?」
東貴のその一言で明日香と真木はピンときた顔をした。
明日香は一度読んだ本の内容を忘れない。それだけではなく、新聞など本ではないものも忘れない。
真木は、一度見たものは絶対に忘れない。それは景色だけでなく写真や文字もそれに当たる。
明日香「ここ、いつか読んだ新聞に載ってた場所だ。」
真木「私もその新聞の記事覚えてる。確かその記事は7年前の冬」
7年前って小学生の頃じゃん…、なんで覚えてるんだ…。
東貴とレナは同時に思う。
記事の大まかな説明を明日香と真木に説明してもらい、要点をまとめた。
・この学園で生徒が一人屋上から飛び降りている。
・朝の最初のチャイムと同時に飛び降りたらしい
・その生徒はその記事の時点では意識不明の重体だった。
・この記事は、新聞の隅に少し記載されていただけで、以後は全く取り上げられていない。
生徒が飛び降りてたのに噂になったりしてなかったのはもしかして学園が隠蔽工作でもしてたのか…?
レナ「この学園の朝の最初のチャイムは朝のホームルームの時間だもんね。だから、8時45分に生徒が一人飛び降りてるってことなんだね…。」
明日香「じゃあ、その時飛び降りた人の霊がこの現象を起こしてるのかな…?なにか私たちに伝えたいのかな…?」
本当に心霊現象が起きていると四人は認めざるおえなかった。
未だに時計は進まず、腕時計は飛び降りた時間を指している。
きっと何かを伝えたいと思い、自分たちを閉じ込めているんだと悟った。
しかし、それだけわかったところで、この空間から脱出するすべを見つけたわけではない。
4人が悩んでいると、気絶していた豪が目を覚ました。
この屋上を調べるために入ったのは16時40分だったはずが、そこから時計が全く進んでいない。
この事実を目の当たりにしてから突然、屋上がどんよりと湿った空気になった気がした。
これはもしかしたら本当に…、メモが心霊現象を呼び寄せているのか…?
気絶している豪以外、全員同じことを考えていた。
緊張で全員固まっている中、真木が最初に動き出す。
スマホのボイスレコーダーを再生しようとする。
少し操作して、真木は残念そうな顔をする。
真木「時計が止まってるからか、ボイスレコーダーも屋上に入ってからの記録がない…。」
他の四人は真木のスマホを覗く。
確かに、真木がボイスレコーダーをオンにしてから数秒後に屋上に入っているため、オンのままだが、3秒ほどしか時間が進んでいない。
それどころか、ボイスレコーダーを停止することもできない。
真木は他のアプリが開けるかも試したが、全てローディング画面が出たまま動かない。
時 間 が 止 ま っ て い る ?
明日香はこの怪奇現象にワクワクが止まらないという顔をしている。
真木もなぜかのようなことが起きているのか興味津々である。
東貴とレナは流石に笑えなくなっていた。
東貴「そこのチキン起こして、早いとこここを出た方が良くないか…?」
レナは賛成のようで、東貴の言葉に頷く。
しかし、明日香と真木はまだ何か発見があるかもしれないと残りたがる。
二人が残るのに先に逃げるのは男が廃ると思い、東貴は渋々残る。
明日香「ねえ!今屋上の外と会話できるか知りたい!!!レナ先輩はちょっと扉から出て会話してみよ!?」
明日香はレナが少し怯えているのを見て、機転を利かせたのか、自分の好奇心のためにたまたま声かけたのかは不明だが、提案をした。
レナはなるほどと思い、承諾した。
扉の前にレナが立つ。
レナ(なんかすっごく嫌な予感がする…)
ドアノブに手をかける。
予感通り、ドアノブは開かなかった。
レナは泣きそうになりながらみんなの方を振り向く。
明日香はそのレナが可愛いすぎて抱きしめてあげる。
レナは普段、とても大人な振る舞いをし、先輩としてみんなを導いたりもするが、実は怖いものは得意ではなかった。
なぜ開かないのか、真木が気付いてみんなに伝える。
真木「この屋上の時間が止まってるとしたら、ドアノブも回らないのは納得できる。多分誰かにこの扉を開けてもらわないとダメなんじゃないかな…?」
流石の明日香もギョッとする。
掃除の人は次の日の夕方15時半まで来ず、お昼休みは屋上は解放されていない。
と じ こ め ら れ た ?
気絶してる豪以外の四人は一旦集まる。
今持っているものを持ち寄って何か出来ないか考えることにした。
明日香
ハンカチ、ティッシュ、ペン、スマホ、スマホケース(手帳型)、ICカード、学園七不思議の古びたメモ
東貴
ハンカチ、スマホ、スマホケース(手帳型)、通学定期
真木
ハンカチ、スマホ、腕時計(アナログ)、秘密ポーチ(いざという時の真木の秘密のポーチ。中身は秘密)
レナ
ハンカチ、ティッシュ、家の鍵、シュシュ、スマホ、絆創膏
これでこの状況を打破できるのか…?
財布は荷物になると思い、全員部室の貴重品入れに閉まってしまっているのと、カバンを部室に置きっぱにしているため、ほとんどみんな何も持っていない。
学園七不思議の古びたメモを見ても、なにも変わっていない。
東貴「そういえば、真木の秘密のポーチに何かないのか?」
真木「時間止まってるこの空間で使えるものはない…」
東貴「そうか…、某漫画の主人公の腕時計みたいに中に針とメモ帳入ってたりしないのか?」
真木「そんなハイテクな時計つけてないし針とメモ帳入ってたとしても役に立たないでしょ!私をなんだと思ってるの!?」
東貴はごめんごめんと笑いながら謝る。
なんとなく真木は万能系でなんでも持ってるイメージが強い。事実、秘密のポーチというものも持っているわけで…
真木は東貴に腕時計と言われ、思い出したように言った。
真木「そういえば、腕時計は16時40分を指してないんだよね。」
他三人はえっ!?と思わず声を上げる。
なぜ気づいた時に言わなかったのか…。
明日香「何時を指してるの?」
真木は腕時計を腕から外し、みんなに見やすいように差し出す。
腕時計は8時45分を指している。
この時間は、この学園の朝のホームルームが始まる時間だ。
スマホの時計は動いてないのに、腕時計はなぜ全然違う時間を指しているんだ…?
東貴「この時間はなにかを指してるのかな…?」
東貴のその一言で明日香と真木はピンときた顔をした。
明日香は一度読んだ本の内容を忘れない。それだけではなく、新聞など本ではないものも忘れない。
真木は、一度見たものは絶対に忘れない。それは景色だけでなく写真や文字もそれに当たる。
明日香「ここ、いつか読んだ新聞に載ってた場所だ。」
真木「私もその新聞の記事覚えてる。確かその記事は7年前の冬」
7年前って小学生の頃じゃん…、なんで覚えてるんだ…。
東貴とレナは同時に思う。
記事の大まかな説明を明日香と真木に説明してもらい、要点をまとめた。
・この学園で生徒が一人屋上から飛び降りている。
・朝の最初のチャイムと同時に飛び降りたらしい
・その生徒はその記事の時点では意識不明の重体だった。
・この記事は、新聞の隅に少し記載されていただけで、以後は全く取り上げられていない。
生徒が飛び降りてたのに噂になったりしてなかったのはもしかして学園が隠蔽工作でもしてたのか…?
レナ「この学園の朝の最初のチャイムは朝のホームルームの時間だもんね。だから、8時45分に生徒が一人飛び降りてるってことなんだね…。」
明日香「じゃあ、その時飛び降りた人の霊がこの現象を起こしてるのかな…?なにか私たちに伝えたいのかな…?」
本当に心霊現象が起きていると四人は認めざるおえなかった。
未だに時計は進まず、腕時計は飛び降りた時間を指している。
きっと何かを伝えたいと思い、自分たちを閉じ込めているんだと悟った。
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