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1章
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しおりを挟む(愛されたい。
どうして愛してくれないの。
私はこんなにも好きなのに。
私には貴方しかいないのに。)
目を開くとそこは見慣れない天井と違和感のある布団の感触だった。
正しくは布団ではなくふかふかのキングサイズのベッドで、小説の中に出てくるような天蓋のレースの刺繍が綺麗で見入ってしまっていた。
「お嬢様!お目覚めですかッ?!」
お嬢様.....?
なんだそれは。
私は石本 花梨菜。
うちは資産家ではあるけどお嬢様と呼んでくる使用人なんて雇っていない。
私はついさっきまで学校の踊り場にある大きなガラス窓の前に居たはず....
いや、違うな。
私の好きな小説「雪の中の貴方に」の登場人物カリナ・ロンベルクをガラス窓の中に写っているのを見た時、
誰かに背中を押されて階段から落ちたんだ。
勿論小説の中の人物だから
自分の頭の中のイメージでしか無かったのに、そっくりそのまま写って居たから、遂に頭がおかしくなったかと驚いていた。
『..............』
『鏡を、お借り出来ませんか...?』
「えっっ」
『?』
「あっ!はいっ!申し訳ございませんっお持ちしますっっ」
怯えたメイドから手渡された手鏡で自分の顔を確認してみると
窓ガラスで見えたカリナ・ロンベルクになっていた。
光輝くブロンドの髪に赤色の猫目。
それだけでキツい印象を与えてしまうのに加えてニコリともしない口。
ああ、私の中のカリナ・ロンベルクそのものだ。
ずっと憧れていた人物になれて、どうしてカリナ・ロンベルクになっているのかという疑問よりも嬉しさが勝ってしまい鏡の中の自分に向かって微笑んだ。
「?!!」
「お、お嬢様.....まだどこか具合がよろしくないのでは.....?」
『いいえ、ありがとう。もう大丈夫よ。鏡も返しておくわね』
言葉遣いなどは大丈夫だろうか、、そう思っていると
「お嬢様がお礼を.......!!やはりどこかお悪いのでは?!すぐにお医者様をお呼びしますのでお待ちくださいッッ」
『えっ大丈夫だってば....!」
そう言い切る前にメイドは出て行ってしまった。
そうか。そういえば、カリナ・ロンベルクはメイドにキツく当たって怯えられてた人だった。
暴言暴力は日常茶飯事。
虫の居所が悪いと理不尽なことで怒られてしまう。そんな雇い主の娘に誰も何も言えなかった。
でもそれには両親に与えられなかった愛に飢えての行動だったんだろうと私は思っている。
だって生きてる世界は違えど、私も同じ境遇だったから。
カリナに1番憧れているのは私。カリナの事を1番理解してあげられるのも、この私なのだ。
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