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1章

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『じゃあどれくらい私は気を失っていたの?学園はどうなってる?』


「お嬢様は3日お目覚めになりませんでした。学園には暫く休学すると伝えてあるはずです。」


『そう。じゃあそんなに急ぐことはな《ガチャッ
「起きたのか。何も異常はないと医者から聞いたぞ。何も無いなら早く復学をしなさい。」


突然扉が開いた。
「旦那様!お嬢様であっても女性の部屋にノックなしにご入室されるのは...」

そうアンが慌てて立ち上がって頭を下げながら言った事で、ノックもなしに入ってきて早々に私に心無い言葉を掛けたのが父だと分かった。


『ご迷惑をお掛けしました。お父様。』
そう言った私に、面を食らった顔をした父は少し黙った後、

「迷惑だと分かっているならさっさと学園に戻り皇子との関係をより強いものにしてこい。」《バタンッッ
と強くドアを締めながら出ていった。

私とは会話をする時間も惜しいということだろう。
こんなことは想定内だ。むしろ花梨菜だった時に慣れている。



「お嬢様.....」

ああ、また余計な気を遣わせてしまったな。





カリナの両親は政略結婚ゆえ、お互いに、そして二人の間に生まれた娘にさえ愛情の欠けらも無い人達だった。


理由は単純。お互いに最愛の恋人がいるからだ。
家のため、仕事のため、体裁のために形だけの家族を演じている。


だからこそ社交場では、いつも可愛がられている娘のようにカリナはわがままを言う。
唯一そこにだけ、笑って許してくれる両親が存在するからだ。


両親がいない場所ではそれが悪い方向にエスカレートしまう。

そして世間にそのままの傲慢なお姫様というイメージが着いてしまっている。






『大丈夫よ。体はなんともないから、休日が明けたら学園に戻るわ』


オロオロするアンを横目に、これからの事を考えていた。




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