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2章
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しおりを挟む「よし!次はあっちに協会があるんです!」
お揃いのブレスレットを買った私たちは店を後にした。
アイリは私の手を引いて今にも走り出しそうだった。
「アイリ!転ぶからゆっくり!」
「はーい!」
『フフフ』
次に連れて来てもらったのは、大きな噴水の向こう側にある協会だった。
「ここにも来たことはないですか?」
とレイカが顔を覗くように聞いてきた。
『多分、ないと思います。』
小説に描かれていないカリナの事は分からないので、来たことがあるかは正直分からない。
協会に入ると、高い天井には無数のステンドグラスが張り巡らされていて太陽の光が乱反射していた。
『わあ.....』
「とっても綺麗でしょう?クリスマスのミサなんて、人がいっぱいでパイプオルガンも鳴っててとても賑やかなんですよ。」
『それも見てみたいですね。』
「私たちは悩み事があったりするとすぐここを頼ってしまうんです。
祈らなくても、来るだけで心が安らぐので。」
私たち3人は真ん中の方の椅子に座って、両手を胸の前で握りお祈りを捧げた。
私は、こんなに素敵な友人との出会いに感謝します。とただただそうお礼を胸に祈り続けた。
教会を後にすると外は日が傾き初めていてそろそろ戻らなくては、ということになった。
アイリがどうしても食べて欲しいと言ったイチゴ飴を3人で齧りながら学園へ戻って行った。
「今日の夜会は参加されないのですか?」
アイリとレイカが侍女にドレスを着せられている所を眺めながら、
『ええ、なんだか今日は胸がいっぱいで。』
「お腹は空いていないのですか?何か持ち帰って来ましょうか?」
『ありがとう、でも大丈夫です。お昼に少し食べすぎてしまったので。』
お昼はあんな騒ぎがあったから私は行かない方がいいだろうと思った。
『2人は今日も頑張ってくださいね』
「今日はどんな料理が出てくるか楽しみです!」
「もう、アイリ。そういうことじゃないでしょう?」
『ふふ、どんな料理があったかも帰ってきたら教えてください。』
そういうと2人は会場へ行ってしまった。
さて、カリナとの約束までの時間何しようと考えていた。
ワンピースにシワを付けたくないから寝転がることも出来ない。
あと1時間と少し。
と思っているといつの間にか座っていたソファに体を預けて眠っていた。
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