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第二章
116 コインの裏表
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白い都の一室でタスト付きの女官は自らの額に<光剣>の平を押し当てて謝罪の意を示していた。
「申し訳ありません教皇様。国王様の孫娘様には逆らえずテゴ村の件を話してしまいました」
教皇からの反応はない。ただ冷厳に女官を見すえるだけだ。
あまりの沈黙の長さに冷や汗が滴るほどになったころ、ようやく教皇は口を開いた。
「銀髪は必ず我らルファイ家が手に入れなければなりません。どんな手を使っても。それが神と救世主の御意思でしょう。意味が分かりますね?」
タスト付きの女官だけでなく、自らの女官にも横目で視線を送る。
「お任せください。必ずやお言葉のままに」
「今度こそ。命に代えましても」
二人の決意を耳にしても眉一つ、唇の形を変えもせず、教皇はどこか遠くを見据えていた。
「……あの、ティキーさん? お話、よろしいですか?」
「いいわファティちゃん。そろそろ来るかもしれないって思ってた」
ファティは一人でティキーの部屋を訪れた。
あの会話からそう時間は経っていないがファティはすでに何度も眠れぬ夜を過ごしたかのような顔をしていた。
「あれから色々考えましたけど……何度考えてもわからないんです。どうやったら間違わないのかって」
「そう」
「もしも、私が何の力もなければ、とも思いましたけど……今更そんなことはできませんよね」
「無理ね。あなたはもう舞台に出てしまった」
ティキーは否定しない。ただ話しやすいように促すだけだ。
「だからその、村のみんなともう一度ちゃんと話をしてみた方がいいなって、そう、思いました。それからもっと自分自身で考えようって。それにあの人たちを助けたいって気持ちは本当なんです」
「そうね。ちょっと忠告。人は本心を隠すもの。一度信用できると思ってもちょっとしたことで心変わりしたりする。疑ったりするのは悪いことじゃないわよ。疑うことは信じることと同じくらい大事なこと。きついこと言いすぎて悪かったわね。……行く気なのね」
「……はい」
「そうみたいよ。藤本さん。準備が無駄にならなくてよかったわね」
振り向くとそこにはタストが立っていた。
「一応教皇にも納得してもらえたよ。最速でテゴ村に帰れるようにも手配してもらえるって」
「藤本さん……ありがとうございます!」
ファティは涙さえ浮かべるほど感激していた。少なくとも味方はここに二人いる。
「最後に聞くけど、ファティちゃんあなたはどうしてテゴ村に行くの?」
「みんなを守るためです! ……それが魔物を傷つけることになるのはわかっています」
「本気で魔物と仲良くなれるって思ってるの? 虎とかライオンと一緒に暮らすようなもんよ?」
「それも含めてちゃんと考えます。確かに襲うばかりの魔物もいるかもしれませんけど、ちゃんと会話できる魔物だっていると思うんです」
これは彼女たちが魔物について何も知らないが故の言葉だ。何しろ彼女たちは魔物が紙を作っているどころか、農作業の手伝いをしていることさえ知らなかったのだ。それほどまでに魔物と隔離されていることに気付いてさえいなかった。
「わかったわ。じゃあテゴ村の人たちにそれだけの価値があると思うの?」
「命はどんな人でも大切です。例え悪人でも、生きて償うってことが大事だと思います」
「頑固ねえ。まあそういうのは嫌いじゃないけど」
「それに、テゴ村の人たちも、トゥーハ村の人たちも優しかった。それはうわべだけじゃないと思います。もちろんそれが本当なのかどうかもちゃんと考えないといけないと思いますけど」
あの人たちとの思い出は瞼を閉じれば思い出せる。
「ククルさんは腰が悪いのにいつも私に美味しい料理を作ってくれました。ミーコさんは私を気遣いながら畑仕事のことを教えてくれました。セアさんはいつでもきれいな祈りを見せてくれました。アグルさんは私の為に怒ってくれました。ティマチさんはとっても優しかった」
気がかりなのはサリのことだ。彼女とは心から会話できていない気がする。
「だからやっぱり、私の力はあの優しい人たちを守るために神様がくれたと思うんです。だから、行きます」
「りょーかい。頑張っておいで」
「うん。僕もここから応援してるよ」
「はい! 行ってきます!」
そして、彼女の語るところの優しい人たちは、
「神に仇なす悪魔を殺せえ!」
「そっちに行ったぞ! 神の愛を示せ! 悪石を砕き、救うのだ!」
「あの魔物はもはや悪魔に憑りつかれているに違いない! 直ちに討伐せよ!」
肉屋のセアも、大工だったククルも、畑をよく耕すミーコも、村長にして団長であるティマチは誰よりも大きな声を張り上げ、顔に怒りをみなぎらせていた。
「……いや、別に神に仇なすつもりはないんだけどなあ」
あまりにも血気盛んな様子にドン引きしてしまう。どこのバーバリアンだこいつら。
ここまでイっちゃったのはティマチとかいう超美人なヤベー奴が原因だ。
「この蟻は体色が灰色で、邪悪な意思によって敬虔なる信徒に害をなしていた! 悪魔が憑りついたに違いない! 一匹たりとも逃してはならん!」
そう宣告すると、雄たけびと共に突進し始めた。どうも魔物は救うもの、悪魔は殺すもの、らしい。肌の色で他人の善悪を判断するのは差別だぞティマチさんよ。まあなんにしても殺すんだろうな。
「ティマチ様! お下がりください! 悪魔に憑りつかれた魔物に近づけば穢れてしまいます!」
「心配ありません。神への祈りを欠かさなければ決して穢れることなどありません! さあ進むのです! 今でも戦っておられるであろうタミル殿をお救いし、真の愛を示すのです!」
「ティマチ様。この者らは負傷によって動けません。下がらせてもよいですか?」
「いいえ。ここにグモーヴがあります。これを食せば傷の痛みなど忘れ、すぐさま戦いに復帰できるでしょう」
倒れている負傷者に白いグミのような食べ物を食べさせると、何事もなかったかのように立ち上がった。おお! これぞまさに神の奇跡!
「私どもの為にグモーヴをお使いいただけるとは……感謝いたします!」
「お任せくださいティマチ様! 直ちに戦いに加わりましょう!」
今まで負傷して動くのも精一杯だったはずの村人が再び戦列に加わり、<剣>を煌めかせ、<弾>を撃ち始めた。血まみれのまま、目を血走らせるその様子は傍目には狂っているようにしか見えなかった。
「「「穢れた悪魔を打ち倒し、神の御心を示せ!」」」
殿の蟻はやがて狂信者の波に呑まれた。
これだけを見ればトゥーハ村の住人が蛮族のように思えるかもしれない。しかし、彼女は、彼は、決して血が通っていないわけでも殺戮を好むわけでもない。
これらの人々は普段慎ましく日々を暮らし、祈り、隣人を愛する。
隣人には優しく、魔物には敵意しか持たない。相手によって態度を変える、ただそれだけ。
言いたいことは色々あるけどさあ。まず穢れって何なの? タミルとかも言ってたけど。
意味的にはわかるよ? 単純に不衛生だとか、悪辣な人間やその心をさす言葉。前者なら具体的になんなのさ? グルーミングちゃんとしてるから清潔だぞ? 後者だとそもそも会話できないから判断できないだろ。つまり知識や経験則で判断していないはずだ。
結論を言うと、穢れ、というのはヒトモドキを魔物と接触させない、あるいはヒトモドキと魔物を戦わせるための方便のようなものかな。
指揮官らしき聖職者の女性と魔物が接触することを明らかにヒトモドキは忌避していた。聖職者は清らかな人間であり、穢れることがあってはならない、そういう考えのようだ。
サージから聞き出した話によるとこの世界における貴族とは聖職者の家系らしい。
つまり上流階級になればなるほど魔物と接する機会は減っていく。魔物と接することが十分あるはずの一般市民でさえ紙を作っているのが海老だとは知らなかった。それこそ上流階級などの大事に扱われている連中なら、魔物が田畑を耕していることさえ知らないことさえあり得るのかな。例え知ったとしても神の偉大な御力(笑)とか言い出すんだろうな。
そしてあのグモーヴだったか。なんかいきなり立ち上がったけど……あれってこの前拾ったグモーヴと色は違うけど同じものだよな? まさかファンタジー的な回復アイテムがあるのか?
馬鹿なこの世界にそんなアイテムが!? と思ったのもつかの間。めっちゃ血がドバドバ出てる。怪我が治ってません。そのうち死ぬわあいつ。
あれ? んん?
「おい、小春。あのグモーヴを食った奴らの声が聞こえるか?」
「……聞こえないよ?」
やっぱりか。多分グモーヴの魔法だ。ジャガオみたいに精神に干渉するタイプだ。む? テレパシーが効かなかったのは魔法の優先順位の関係かな。グモーヴの魔法の優先順位が高ければ一部の精神に働きかける魔法を無効化できるかもしれないし、テレパシーで話しかけられることもなくなる。
なるほど、魔物を徹底的に排斥したがる連中にとっては確かに聖なる食べ物だろうな。
んで、その効果は……多分痛覚の遮断や精神の高揚だな。
……あれえ? なんだかとても嫌な予感がするぞ?
最高にハイって感じにするキノコか。それってマジックマッ……ぶっちゃけ違ほ……ゲフンゲフン。
「魔法ってすごいな!」
「どうしたの紫水」
「魔法ってすごいって思っただけだ」
「?? よくわからないけど良かったね」
うんそうだ。そうに違いない。痛みが飛んだり、ハイになるのも全て魔法の効果だ。魔法、地球において魔法を規制する法律がないからどんな魔法を使っても違法じゃない! はい問題解決! いや問題なんてどこにもなかった!
「戯れもたいがいにせぬか。そろそろ指示を出せ」
「さーせん」
千尋の言う通りだ。まず敵戦力は大体把握できた。基本は数の力を頼んだごり押し。隊列を組んだり、敵を取り囲むくらいはできるから全くのド素人ではない。弱い魔物や強くても数が少なければ戦える程度の力量はあるけど、軍隊としては力不足だ。
趣味でフットサルをやってるおっさんのサッカー程度だな。寄せ集めじゃあそんなもんか。数が同じなら対処できる自信はある。
とはいえ兵隊の質はともかく量はなかなか多い。戦いは数だよという名言があるように数の力は圧倒的だ。いかに安全に敵の数を減らすか。
よし。ならこうしよう。
「作戦を伝える。まずは逃げるぞ。そしてオレたちは戦わない。上手くいけばそれだけで勝てるかもな」
「申し訳ありません教皇様。国王様の孫娘様には逆らえずテゴ村の件を話してしまいました」
教皇からの反応はない。ただ冷厳に女官を見すえるだけだ。
あまりの沈黙の長さに冷や汗が滴るほどになったころ、ようやく教皇は口を開いた。
「銀髪は必ず我らルファイ家が手に入れなければなりません。どんな手を使っても。それが神と救世主の御意思でしょう。意味が分かりますね?」
タスト付きの女官だけでなく、自らの女官にも横目で視線を送る。
「お任せください。必ずやお言葉のままに」
「今度こそ。命に代えましても」
二人の決意を耳にしても眉一つ、唇の形を変えもせず、教皇はどこか遠くを見据えていた。
「……あの、ティキーさん? お話、よろしいですか?」
「いいわファティちゃん。そろそろ来るかもしれないって思ってた」
ファティは一人でティキーの部屋を訪れた。
あの会話からそう時間は経っていないがファティはすでに何度も眠れぬ夜を過ごしたかのような顔をしていた。
「あれから色々考えましたけど……何度考えてもわからないんです。どうやったら間違わないのかって」
「そう」
「もしも、私が何の力もなければ、とも思いましたけど……今更そんなことはできませんよね」
「無理ね。あなたはもう舞台に出てしまった」
ティキーは否定しない。ただ話しやすいように促すだけだ。
「だからその、村のみんなともう一度ちゃんと話をしてみた方がいいなって、そう、思いました。それからもっと自分自身で考えようって。それにあの人たちを助けたいって気持ちは本当なんです」
「そうね。ちょっと忠告。人は本心を隠すもの。一度信用できると思ってもちょっとしたことで心変わりしたりする。疑ったりするのは悪いことじゃないわよ。疑うことは信じることと同じくらい大事なこと。きついこと言いすぎて悪かったわね。……行く気なのね」
「……はい」
「そうみたいよ。藤本さん。準備が無駄にならなくてよかったわね」
振り向くとそこにはタストが立っていた。
「一応教皇にも納得してもらえたよ。最速でテゴ村に帰れるようにも手配してもらえるって」
「藤本さん……ありがとうございます!」
ファティは涙さえ浮かべるほど感激していた。少なくとも味方はここに二人いる。
「最後に聞くけど、ファティちゃんあなたはどうしてテゴ村に行くの?」
「みんなを守るためです! ……それが魔物を傷つけることになるのはわかっています」
「本気で魔物と仲良くなれるって思ってるの? 虎とかライオンと一緒に暮らすようなもんよ?」
「それも含めてちゃんと考えます。確かに襲うばかりの魔物もいるかもしれませんけど、ちゃんと会話できる魔物だっていると思うんです」
これは彼女たちが魔物について何も知らないが故の言葉だ。何しろ彼女たちは魔物が紙を作っているどころか、農作業の手伝いをしていることさえ知らなかったのだ。それほどまでに魔物と隔離されていることに気付いてさえいなかった。
「わかったわ。じゃあテゴ村の人たちにそれだけの価値があると思うの?」
「命はどんな人でも大切です。例え悪人でも、生きて償うってことが大事だと思います」
「頑固ねえ。まあそういうのは嫌いじゃないけど」
「それに、テゴ村の人たちも、トゥーハ村の人たちも優しかった。それはうわべだけじゃないと思います。もちろんそれが本当なのかどうかもちゃんと考えないといけないと思いますけど」
あの人たちとの思い出は瞼を閉じれば思い出せる。
「ククルさんは腰が悪いのにいつも私に美味しい料理を作ってくれました。ミーコさんは私を気遣いながら畑仕事のことを教えてくれました。セアさんはいつでもきれいな祈りを見せてくれました。アグルさんは私の為に怒ってくれました。ティマチさんはとっても優しかった」
気がかりなのはサリのことだ。彼女とは心から会話できていない気がする。
「だからやっぱり、私の力はあの優しい人たちを守るために神様がくれたと思うんです。だから、行きます」
「りょーかい。頑張っておいで」
「うん。僕もここから応援してるよ」
「はい! 行ってきます!」
そして、彼女の語るところの優しい人たちは、
「神に仇なす悪魔を殺せえ!」
「そっちに行ったぞ! 神の愛を示せ! 悪石を砕き、救うのだ!」
「あの魔物はもはや悪魔に憑りつかれているに違いない! 直ちに討伐せよ!」
肉屋のセアも、大工だったククルも、畑をよく耕すミーコも、村長にして団長であるティマチは誰よりも大きな声を張り上げ、顔に怒りをみなぎらせていた。
「……いや、別に神に仇なすつもりはないんだけどなあ」
あまりにも血気盛んな様子にドン引きしてしまう。どこのバーバリアンだこいつら。
ここまでイっちゃったのはティマチとかいう超美人なヤベー奴が原因だ。
「この蟻は体色が灰色で、邪悪な意思によって敬虔なる信徒に害をなしていた! 悪魔が憑りついたに違いない! 一匹たりとも逃してはならん!」
そう宣告すると、雄たけびと共に突進し始めた。どうも魔物は救うもの、悪魔は殺すもの、らしい。肌の色で他人の善悪を判断するのは差別だぞティマチさんよ。まあなんにしても殺すんだろうな。
「ティマチ様! お下がりください! 悪魔に憑りつかれた魔物に近づけば穢れてしまいます!」
「心配ありません。神への祈りを欠かさなければ決して穢れることなどありません! さあ進むのです! 今でも戦っておられるであろうタミル殿をお救いし、真の愛を示すのです!」
「ティマチ様。この者らは負傷によって動けません。下がらせてもよいですか?」
「いいえ。ここにグモーヴがあります。これを食せば傷の痛みなど忘れ、すぐさま戦いに復帰できるでしょう」
倒れている負傷者に白いグミのような食べ物を食べさせると、何事もなかったかのように立ち上がった。おお! これぞまさに神の奇跡!
「私どもの為にグモーヴをお使いいただけるとは……感謝いたします!」
「お任せくださいティマチ様! 直ちに戦いに加わりましょう!」
今まで負傷して動くのも精一杯だったはずの村人が再び戦列に加わり、<剣>を煌めかせ、<弾>を撃ち始めた。血まみれのまま、目を血走らせるその様子は傍目には狂っているようにしか見えなかった。
「「「穢れた悪魔を打ち倒し、神の御心を示せ!」」」
殿の蟻はやがて狂信者の波に呑まれた。
これだけを見ればトゥーハ村の住人が蛮族のように思えるかもしれない。しかし、彼女は、彼は、決して血が通っていないわけでも殺戮を好むわけでもない。
これらの人々は普段慎ましく日々を暮らし、祈り、隣人を愛する。
隣人には優しく、魔物には敵意しか持たない。相手によって態度を変える、ただそれだけ。
言いたいことは色々あるけどさあ。まず穢れって何なの? タミルとかも言ってたけど。
意味的にはわかるよ? 単純に不衛生だとか、悪辣な人間やその心をさす言葉。前者なら具体的になんなのさ? グルーミングちゃんとしてるから清潔だぞ? 後者だとそもそも会話できないから判断できないだろ。つまり知識や経験則で判断していないはずだ。
結論を言うと、穢れ、というのはヒトモドキを魔物と接触させない、あるいはヒトモドキと魔物を戦わせるための方便のようなものかな。
指揮官らしき聖職者の女性と魔物が接触することを明らかにヒトモドキは忌避していた。聖職者は清らかな人間であり、穢れることがあってはならない、そういう考えのようだ。
サージから聞き出した話によるとこの世界における貴族とは聖職者の家系らしい。
つまり上流階級になればなるほど魔物と接する機会は減っていく。魔物と接することが十分あるはずの一般市民でさえ紙を作っているのが海老だとは知らなかった。それこそ上流階級などの大事に扱われている連中なら、魔物が田畑を耕していることさえ知らないことさえあり得るのかな。例え知ったとしても神の偉大な御力(笑)とか言い出すんだろうな。
そしてあのグモーヴだったか。なんかいきなり立ち上がったけど……あれってこの前拾ったグモーヴと色は違うけど同じものだよな? まさかファンタジー的な回復アイテムがあるのか?
馬鹿なこの世界にそんなアイテムが!? と思ったのもつかの間。めっちゃ血がドバドバ出てる。怪我が治ってません。そのうち死ぬわあいつ。
あれ? んん?
「おい、小春。あのグモーヴを食った奴らの声が聞こえるか?」
「……聞こえないよ?」
やっぱりか。多分グモーヴの魔法だ。ジャガオみたいに精神に干渉するタイプだ。む? テレパシーが効かなかったのは魔法の優先順位の関係かな。グモーヴの魔法の優先順位が高ければ一部の精神に働きかける魔法を無効化できるかもしれないし、テレパシーで話しかけられることもなくなる。
なるほど、魔物を徹底的に排斥したがる連中にとっては確かに聖なる食べ物だろうな。
んで、その効果は……多分痛覚の遮断や精神の高揚だな。
……あれえ? なんだかとても嫌な予感がするぞ?
最高にハイって感じにするキノコか。それってマジックマッ……ぶっちゃけ違ほ……ゲフンゲフン。
「魔法ってすごいな!」
「どうしたの紫水」
「魔法ってすごいって思っただけだ」
「?? よくわからないけど良かったね」
うんそうだ。そうに違いない。痛みが飛んだり、ハイになるのも全て魔法の効果だ。魔法、地球において魔法を規制する法律がないからどんな魔法を使っても違法じゃない! はい問題解決! いや問題なんてどこにもなかった!
「戯れもたいがいにせぬか。そろそろ指示を出せ」
「さーせん」
千尋の言う通りだ。まず敵戦力は大体把握できた。基本は数の力を頼んだごり押し。隊列を組んだり、敵を取り囲むくらいはできるから全くのド素人ではない。弱い魔物や強くても数が少なければ戦える程度の力量はあるけど、軍隊としては力不足だ。
趣味でフットサルをやってるおっさんのサッカー程度だな。寄せ集めじゃあそんなもんか。数が同じなら対処できる自信はある。
とはいえ兵隊の質はともかく量はなかなか多い。戦いは数だよという名言があるように数の力は圧倒的だ。いかに安全に敵の数を減らすか。
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