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第三章
第8話 トリニティ
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真子が歌い終わると、点数が表示される。
「うえええ!? は、189点!? あたしが一番高いの!? そ、そもそも百点より上があったの!?」
「いや、どう考えても真子が一番うまかったでしょう」
「そうですね。単純に歌のうまさで点数が上がるシステムのようでしたし、この結果は当然でしょう」
「お疲れさまでした。お嬢さん」
「あ、ありがとう……で、結局出られるんですか……?」
窓に描かれていた数字がぐねぐねと歪む。そしてまた少年のような声が聞こえた。
『ぐ、ぐぬぬぬ! や、やるじゃないでしか!』
「あ、デッシー。さ、これで試練は終わりよね」
『いいえ! これで一つ目の試練が終わっただけでし!』
「ま、そうよね」
デッシーはこのカラオケを最初の試練と言っていた。なら、まだまだ試練はあるのだろう。
『くくく! これは試練の中でも最弱! これからお前たちが受ける試練はこんなものではないでし! ……と、その前に、試練の説明でし』
そういうのは最初にしておけ、と思ったが多分ギフトの都合か何かなのだろう。
『まず、試練の参加者はお前たち三人! それ以外に連絡することは禁止でし! そして試練に成功すれば報酬が、失敗すればペナルティがあるでし! そして試練の最中にギフテッドやオーナーが傷ついたとしても試練を攻略すれば元に戻るでし!』
「それは正直ありがたいわね」
どういう試練なのかはともかく、最終的に元に戻るのなら、リスクはかなり小さくなる。
『ちっさい頭で理解したでしね。では、次の試練の開始は一時間後でし! せいぜいそれまで首を洗って待っているでし!』
しゅぼん、という音がしてデッシーが消える。
それと入れ替わるように私たち三人の前にギフテッド同士の戦いでアクションを行った時に現れるカードが出現した。
そこに書かれていた文字はすべて同じ。
『三位一体』
「三位一体かあ。これがギフトのヒントでデッシーが言ってたご褒美なんでしょうけど、これはまた、厄介な単語が来たわね」
「厄介ですか? 普通に救世教の単語では?」
「うーん……そうなんだけどね」
「きゅ、救世教を理解するのに、だ、大事な単語ってことですか?」
「……いえ、逆かしら。救世教を理解するためには、三位一体を理解していないことが重要かもしれないわね」
謎かけのような葵の言葉に五月と真子は首をかしげたのだった。
「まず一神教について解説しましょうか。一神教の宗派はめちゃくちゃ多いけど、代表的なものは三つに分けられるわ。救世主を神の子とする救世教。聖典を重んじ、預言者を神の使いと信じる預言教。民族宗教であり、ただ一つの神を信じる唯民教。これくらいは知ってるわよね」
「もちろんです」
「ま、まあ一応……」
五月と真子は葵の話に耳をそばだてていたが、アポロとさつまは一緒に床に伏せており、ククニも二人に物理的に絡んでいた。
「そして三位一体を信じているのは救世教だけなの。それもなんとなくはわかってるわね」
これにも二人は頷いた。
「とりあえず前提はこれまでね。まずは……そうね、三位一体という単語はどの視点から解説するのが大切なのよ」
「見方によって意味が変わるのですか?」
「解釈がちがうっていう言い方が正しいかしら。まず、本職である神父や敬虔な信者ならこうこたえるわ」
葵は息を吸い込み、ようやく本題に入ったことを察した二人は耳をそばだてる。
「あまりにも高位の概念であるため人間には理解できないとされているわ!」
「うえええ!? は、189点!? あたしが一番高いの!? そ、そもそも百点より上があったの!?」
「いや、どう考えても真子が一番うまかったでしょう」
「そうですね。単純に歌のうまさで点数が上がるシステムのようでしたし、この結果は当然でしょう」
「お疲れさまでした。お嬢さん」
「あ、ありがとう……で、結局出られるんですか……?」
窓に描かれていた数字がぐねぐねと歪む。そしてまた少年のような声が聞こえた。
『ぐ、ぐぬぬぬ! や、やるじゃないでしか!』
「あ、デッシー。さ、これで試練は終わりよね」
『いいえ! これで一つ目の試練が終わっただけでし!』
「ま、そうよね」
デッシーはこのカラオケを最初の試練と言っていた。なら、まだまだ試練はあるのだろう。
『くくく! これは試練の中でも最弱! これからお前たちが受ける試練はこんなものではないでし! ……と、その前に、試練の説明でし』
そういうのは最初にしておけ、と思ったが多分ギフトの都合か何かなのだろう。
『まず、試練の参加者はお前たち三人! それ以外に連絡することは禁止でし! そして試練に成功すれば報酬が、失敗すればペナルティがあるでし! そして試練の最中にギフテッドやオーナーが傷ついたとしても試練を攻略すれば元に戻るでし!』
「それは正直ありがたいわね」
どういう試練なのかはともかく、最終的に元に戻るのなら、リスクはかなり小さくなる。
『ちっさい頭で理解したでしね。では、次の試練の開始は一時間後でし! せいぜいそれまで首を洗って待っているでし!』
しゅぼん、という音がしてデッシーが消える。
それと入れ替わるように私たち三人の前にギフテッド同士の戦いでアクションを行った時に現れるカードが出現した。
そこに書かれていた文字はすべて同じ。
『三位一体』
「三位一体かあ。これがギフトのヒントでデッシーが言ってたご褒美なんでしょうけど、これはまた、厄介な単語が来たわね」
「厄介ですか? 普通に救世教の単語では?」
「うーん……そうなんだけどね」
「きゅ、救世教を理解するのに、だ、大事な単語ってことですか?」
「……いえ、逆かしら。救世教を理解するためには、三位一体を理解していないことが重要かもしれないわね」
謎かけのような葵の言葉に五月と真子は首をかしげたのだった。
「まず一神教について解説しましょうか。一神教の宗派はめちゃくちゃ多いけど、代表的なものは三つに分けられるわ。救世主を神の子とする救世教。聖典を重んじ、預言者を神の使いと信じる預言教。民族宗教であり、ただ一つの神を信じる唯民教。これくらいは知ってるわよね」
「もちろんです」
「ま、まあ一応……」
五月と真子は葵の話に耳をそばだてていたが、アポロとさつまは一緒に床に伏せており、ククニも二人に物理的に絡んでいた。
「そして三位一体を信じているのは救世教だけなの。それもなんとなくはわかってるわね」
これにも二人は頷いた。
「とりあえず前提はこれまでね。まずは……そうね、三位一体という単語はどの視点から解説するのが大切なのよ」
「見方によって意味が変わるのですか?」
「解釈がちがうっていう言い方が正しいかしら。まず、本職である神父や敬虔な信者ならこうこたえるわ」
葵は息を吸い込み、ようやく本題に入ったことを察した二人は耳をそばだてる。
「あまりにも高位の概念であるため人間には理解できないとされているわ!」
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