うちの猫は液体です

秋葉夕雲

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第一章

第15話 占い

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「え? それじゃあどうやってギフトを使うの?」
 ギフトを使うには代償が必要。そういう話だったはずだ。
「オーナーが危機に陥るとギフトが強化される。あれの最終形はオーナーが殺害されることです。その場合ギフトは恒常的に強化され、代償が必要なくなります」
 五月とアポロちゃんとの闘いでは常にさつまを狙っており、私を標的にしなかった。さつまの能力が液体化で、倒すことが難しいと分かってからもそうだった。
 合理的にギフテッドを狙わなければならない理由があったのだ。
 だが。
「不満そうですね」
 五月の指摘は正鵠を射ていた。
「そうね。ペットを戦わせて自分は安全圏にいるっていうのは気に食わないわ。しかもそれが明確に正しい行為に認定されているのがね……まあこれは私の感傷だから気にしなくていいわよ」
「では、話を続けます。忠一のギフトで取得した情報は相手が死ぬまで保存されます。だから治療のギフテッドは生きて……」
「その前にいい加減そのギフテッドの名前教えてよ」
 葵の質問に答えたのは忠一だった。
「マーチェ。スズメのギフテッドでちゅう」
「あら。仲良かったの?」
「はいでちゅう。あっちが死にそうになった時に助けてくれたでちゅう」
「ふうん。もしかしてマーチェちゃんを助けるためにこいつに協力してるの?」
「それは、まあ……はいでちゅう」
 ちらりと五月を見たが、弁明する様子さえなかった。ネズミを脅迫しているのになんたる厚顔。
「忠一。もうそろそろ結果が出ているのではありませんか」
「はいでちゅう」
 がさごそとキャリーバッグの奥の袋を漁るとコインのようなものが出てきた。そこには文字が書いてあった。どうやらこのコインに占いの結果が書いてあるらしい。
「これでちゅう。今回は居場所みたいでちゅう」
「ここから西……二十五キロ? 結構遠いわね。っていうかその辺、めちゃくちゃ田舎じゃない」
「ですが電車でも行ける距離です。すぐに行きましょう」
 すっくと立ちあがった五月を引き留める。
「ちょっと待ちなさいよ。あんたやアポロちゃんと忠一ちゃんは朝ごはん食べたの?」
「いえ、食べてませんが」
 ちらりと時計を見ると、ちょうどいい時間だった。思ったよりも早起きだったらしい。
「なら、食べていきなさいよ」
「え?」
「何よ。もしかして朝抜くタイプ? それともなんかアレルギーでもあるの?」
「いえ、そうではありませんが……あなた、料理できるんですか?」
「人並程度ならね。でも忠一ちゃんやアポロちゃんの分は用意できるかどうかわからないわよ」
「アポロはドッグフードがあるので大丈夫です。忠一は何か野菜があれば……いえ、そのあたりにタンポポがあったのでそれも食べられるはずです」
「そ。じゃあ適当に作るわね。忠一ちゃん用の野菜も余ってるでしょ」
 すたすたと台所に向かった。



あとがき

この話で集中投稿は一旦停止します。次回からの投稿は水曜、金曜、日曜の零時に投稿予定です。
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