カニバリズム殺人鬼とロリっ娘OLの監禁生活

みけ

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ダメ。絶対ダメ!!

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 ユートに無理やり薬を飲まされた私は、ベッドの上でグッタリとしていた。

 壁に追いやられて私が吐き出す度に、ユートは何度も何度も口に薬を押し込み、私が吐き戻さなくなると満足気な顔をしてベッドに運んた。私はベッドに置いてあった手帳とペンを掴みながら、痙攣する手で文字を書きなぐる。

「ン? ナニナニ? 『クスリは大量に摂取したら、死ぬかもしれない』? え、えェ!? そうなの!?」

 「まだ死ンじゃダメだよッ!」と言いながら、彼は私をトイレへと連れて行った。私の顔を便器に埋めさせ、背中を思い切りバンバンと叩く。強い力で叩かれ、ただただ痛い。私はそんなのじゃ無理だと、彼に首を振る。

「どうシよう……。そ、そうだ!」
「!?」

 彼は私に無理やり薬を飲ませた時のように、私の口の中に手を突っ込む。

「さっきこうシてたら、何回も吐き出シてたよね?」

 彼は指で私の舌の根をギュッギュと押し込む。何度も吐き出した薬が数個、便器の中へと吐き出された。

「あ、出たァ! もっといっぱい出シて! 頑張れ、アイちゃん!」

 ユートは私を励ましながら、吐き戻した私の口を再び掴み、指を再び突っ込む。やがて胃液しか出てこなくなって、やっとユートに解放される。ユートは私の口元をトイレットペーパーを使って拭き、グッタリとした私をベッドへと運んだ。

 目をわずかに開き力なく瞬きをする私をユートはジィッと見つめ、少し申し訳そうな顔をする。

「アイちゃん、ゴメンネ……? オレ、おクスリいっぱい飲めば、すぐ良くなるモンだと思って……。怒っテル……?」

 死に目には合わされたが、彼の言葉や表情からは申し訳ないという意思が伝わってくる。口に手を突っ込まれた時は殺されると思ったのに、まさか再び突っ込まれ救われるとは。

 あまりにも理解できない行動を取る目の前の男の問いに、私首を縦に振る。

「……ッ」

 ショックを受けたような顔をするユートを放って、私は重たい体を引きずり、手帳に文字を書く。

『水を飲んで、少し寝たい』
「水、持ってくるね!」

 彼は私の文字を見るとすぐに立ち上がり、水を入れたコップを手に私の元へ戻ってくる。今度は意地悪をせず、すぐさま私に手渡してくれた。私は重たい体を起こし、コップを受け取り、ゴクゴクと喉を潤わしていく。

 気持ち悪かった口の中が少しマシになり、再びベッドに横たわる。ユートは一連の動作を黙ってずっと見つめていた。

――疲れた……。

 私は目を閉じる。すると、ユートの手がゆっくりと私の頭を撫で、「ゴメンネ」と小さく呟いた。
 

◇◆◇◆

 ――んんっ……。

 目をゆっくり開くと、頭一つ分ほどの距離に手に顎を乗せたユートの顔があり、こちらを見ていた。

「おはよゥ」

 私は目を見開き、バッと起き上がる。

 ドッドッドッドッ。

 起きた瞬間に目が合い、至近距離で見られているとは露程も思わなかった。跳ねる心臓を落ち着かせ彼を再び見ると、捨てられた子犬のような目でこちらを見ており、私は手帳を手に取る。

『いつからそうしてたの?』
「アイちゃんが目を閉じてカラ、ずっと」

――なっ……。

 私がどれぐらい寝ていたのか分からないが、あれからずっと私の顔を見ていたのか。私が目を閉じる前からしていた、申し訳なさそうな顔は今も変わらない。

「アイちゃん。まだ、怒ってる?」
 どうして私が彼を虐めているような、こんな気持ちにならなければならないのか。監禁されて泣きたいのは私のはずなのに、なぜ許しを請われているのか。よくわからないじれったい気持ちをどうにかしたくて、私は彼がそんな顔をしなくて済むように、文字を書き連ねる。

『怒ってない』
「ホント!?」
『うん』
「~~! よかったァ♪」

 彼の表情は私の言葉一つで、しなびた花が太陽と水を与えられ元気を取り戻すかのように、パァッと明るくなる。その子供のような無邪気な姿に、思わず微笑んでしまいそうになるが、慌てて手を当て緩んだ口元を隠す。

 小躍りを始めそうな程に愉快なユートに、「アイちゃんとおしゃべりシたいな」と言われる。どうせすることもないのだ、私は『いいよ』と手帳に綴った。

「じゃあ~、アイちゃんは何色がスキ?」
『白かピンク』
「ほんとォ!? オレの髪、真っ白だよ! オレの髪スキってこと!? えへへ~いっぱい触ってイイよォ」

 私が首を振ると、プゥと口を膨らませ尖らせた。

「次! アイちゃんは兄弟はいる?」
『いない』
「そっかそっか~。オレも~! でも、ドクはオレにとってお兄ちゃんみたいな存在だなァ~。アイちゃんはオレの妹♪」
『どっちかと言うと妹と言うより、お姉ちゃんになるのでは?』
「なンで?」
『多分、私の方が年上でしょ?』
「でも、アイちゃんは小っちゃいシ、可愛いもん! ソレに守ってあげなきゃ~って思うシ、妹ってカンジだよ?」
『そうですか……』
「ウン♪」
『そう言えば、ユートは漢字ではどう書くの?』
「ちょっと貸シて?」

 私は手帳とペンを彼に差し出すと、彼はサラサラとペンを滑らせる。

「確か……こう!」

 そこには『唯人』と書かれていた。なるほど、ゆうとなのか。

『苗字は?』
「ヒ・ミ・ツ♪」
『なんで?』
「え~だって、教えたらユートって呼ンでくれなくなりそうだカラ」
『聞いても、ユートって呼ぶよ』
「ウ~ン。また今度ね♪」

 彼は苗字を教えるつもりはないようで、口元にバツを作る。

「う~ん、そろそろお風呂入ろっかァ」
『どうぞ。私はトイレに行きます』
「じゃあ、トイレ行こっか~!」

 私を抱えようと手が伸ばされ、私は慌ててそれを制止して、手帳に書きなぐる。

『何してるの?』
「抱っこシなきゃ」
『私はもう歩けるよ。それに、お風呂入るんでしょ?』
「ウン。トイレの後に」
『トイレ行きたいの?』
「エ? アイちゃんが行きたいンでショ??」

 彼は眉根を寄せ、理解できないといった風に私を見る。私は彼と全く同じ顔をしていると思う。

『えっと、トイレもお風呂も一人で入れます』
「え、ダメ。絶対ダメ!!」

 ブンブンと首を横に振って、彼は私の肩を掴む。

「目ェ離シちゃダメってドクから言われたシ、オレがお世話するって決めたもン! 一人でヤルとか言うなら、またアノ檻の中に入ってもらうか、足枷をつけてもらうコトになるよ? ソッチの方がイイの?」

 彼は不満げに口を尖らせて、こちらを見る。

――そんなの絶対嫌だよ……。

 彼は二つの選択肢を私に提示するが、実質私には選択肢はない。私は仕方なく手帳に「一緒に入る」と書いて、彼の目の前に掲げると、彼は満足そうにうんうんと頷いた。
 
 彼は私を抱き上げ、部屋を出てトイレへと向かう。片手で便座の蓋を開け、私を座らせる。彼は私の前に立ったまま、上から私を見ている。

――え? ちょっと待ってよ。私このまましなきゃいけないの!?

 確かに一緒に入るとは言ったけど、こんな状況じゃ、恥ずかしくて出るものも出ない。ユートにはお漏らしも見られたし、なんなら裸も見られて洗われた。だけど、だけどさ、あれは不可抗力だったわけだよ。今彼の目の前でおしっこするのはちょっと違うというか。

 私が頭の中で議論を繰り広げていると、ユートは目の前で腰を下ろす。彼の目線が丁度私の股の位置だったので、慌てて膝を閉じる。

「アイちゃんおしっこシないの?」

――いや、しますとも! したいですとも!

 しかしこんな状況では、出るものも出ない。私がなんとかこの状況から脱する術はないか、頭をグルグルと働かせ、私の頭から名案が浮かぶ前にユートが口を開いた。

「わかったァ! アイちゃんおもらしシちゃうくらいだもンね。オレが手伝ってあげないと♪」

――は……?

「ほォら! 足を開いて?」

 彼は私の両膝を掴み、ガッと左右に広げる。

――な、?!

「ン~っと力んで、おしっこ出すンだよ♪」

 中々尿を出さない私の股を覗き込んで、「オ~イ、出てこ~イ」とユートが声をかける。恥ずかしすぎて私の顔、耳までもが熱を持ち、真っ赤になっているのが分かる。

 そして、彼は膝から片手を離し、私のお腹に手を当てる。そこは丁度膀胱辺りの場所で――

「エイッ♪」

――あぅっ♡♡

 ジョロッ。ジョボボボボ。

 私の膀胱が必死で塞き止めていたのにもかかわらず、ユートによる手の圧迫で難なく放水を始める。きちんとおしっこは開始されたのに、ユートは私の腹部から手を離さない。

 ジョボジョボと便器の水に私の尿が当たる音が響く。もちろん彼にもこの音は届いているはずだ。誰もが行う排泄行為であるのに、人に見られているとなるとこんなにも恥ずかしくなるのはどうしてなのか。ましてやそれがいやらしく、隠微な行為だと錯覚をし始める私の頭はどうなっているのか。

 ポタッポタッ。

 全ての尿が排出された膀胱を、ユートはまるで隠している罪を聞き出そうと事情聴取する警察官のように、追撃をかけ、残尿はないか手を押し込んで確認してくる。最後にピュッピュッと自白させられ残尿が押し出された後、完全に膀胱は沈黙した。

 放心する私の代わりにユートはトイレットペーパーを巻き取り始める。

カラカラカラカラ。

「女の子は確か、おしっこの後、拭くんだよね♪」

 十分に巻き取られた紙を持って、彼は私の股の間に手を入れる。前から後ろへと彼の手が動き。使命を果たした紙はそのまま便器へと落とされ、彼は私を抱きかかえる。蓋を閉め便器の水を流し、彼は放心したままの私を抱え風呂場へと向かった。


◇◆◇◆
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