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11 元婚約者として馬鹿にされる
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ウィルソン様とルーナさんの処分が、公表された日、食堂で、いつも通り四人で食事をしていると、私を見ながら、
「ハァー、今日も隣の男子生徒と話せなかったわ。全然好みじゃないのよ。だけど、何を話していいかわからないの。リディ、よくウィルソン様と話せたわね。なんかすごいわ。あんな事を起こす人と、話せていたなんて、リディは怖いもの知らずよ。婚約って大変なのね。やっぱり私は、婚約期間は短い方がいいわ。見たくないところが、どんどん見えてくるじゃない。それって逆もそうってことでしょう。私、こんなに男性と話せないなんて思わなかったわ。面白味もない、つまらない女よ」
としみじみとキャロラインが言った。
あなた達かなり私を馬鹿にしているわね。
クロエが、同意しながら話した。
「私も兄弟関係で、話せるぐらいでまだ男子生徒とは、全然話してはいないわよ。大丈夫よ。キャロライン、私達はじっくり観察しましょうよ。だってたいして知らないけど、ウィルソン様が、あんな人だと思わなかったし、リディだって女子生徒とは話すけど、男子生徒とは全然会話はないわよ」
完全に馬鹿にしているわね。身分は私が一番上なんですけどね。マリーダが、
「ウィルソン様はリディが好きだったのか、ルーナさんとは遊びだったのか、結局人の気持ちはわからないけど、あの人は、最低な人間だとはわかったわ。すぐ横にあったおもちゃが、急に取り上げられて、癇癪を起こした子供だったんじゃない?今までリディの好意が当たり前で、自分が選ばれない、捨てられるなんて経験がなくて、感情のままに行動したって感じ。あれに夢中になったリディは、異常よ、見る目がない!いや、あったから解消して、縁を切ろうとしたのかしら」
と言った。みんな考察どうも。まぁあんな非常識を起こした後だから、元婚約者の私だって、馬鹿にされるだろう。
「三人の思う通り、プライドの高い人だったんだと思う。ルーナさんにも命令口調だったし…婚約経験のある私から助言を一つ。
みんなも徳を積んだ方が良いわよ、いつどこで善行が、自身を救ってくれるかわからないから。これは本当の話なのよ。私の誕生日に、気付かされたの。馬鹿な行動はやめなさい、冷静に考えなさいって昔の善行が私の考えを諌め包んだのよ、本当に徳は積むべきよ」
と大事な事なのでニ回言った。
三人は、まだわかっていないようだけど、これは、後々本当の話になった。新たな出会いに大切な人との出会いは、結局、私が言った徳を積んだ結果、結びついた縁だったと、三人には未来で感謝されることになったのだから。
まぁ、今、私は彼女達に馬鹿にされ、物凄く同情されているのだけど…
両親もなんてことだと力なく座り、どこか遠くを少し見てから、
「「本当に縁が切れてて良かった」」
と言っていた。ボリシュ侯爵家なんてどうなっているのだろう?怖くて聞けない。
「これで、本当に二度と顔も見ないことになったわ」
と言えば、キャロラインが、
「良かったわね」
と言われて、頷く。でも、心でも頭でも申し訳ないという感情はある。
結局変えたのは、私だ。
それは、私のストーカーをしていた日常を隠滅したからか、彼という人を拒否したからか、転生者として彼の物語を破滅させたからなのか、私には、誰にも言えなかった。
その答え、彼の未来を目を閉じ耳を塞ぎ、遮断した。
誰しも自分が可愛い、自分に甘いから、私は、この感情を隠して彼女達に笑い、同意し、一緒に歩く。
そして毎日過ごせば、そんな感情も何かに塗り替えられて、忘れてしまうのかな?
「リディ、何、ぼんやりしているの?」
「ほら、窓の外を見てよ。あの方、この前ルーナさんと腕絡ませて歩いていた男子生徒じゃない?」
と言えば、
「うわぁ~どっちもどっちって事。今、男爵令嬢って停学中だものね。別れたってことかな?」
とマリーダが興味深々で、外の景色を見ていた。
「広く浅くって、モテて羨ましいって思ったけど、外から見ても寂しいね。夢中じゃない、遊びだってわかるんだから」
「少しも羨ましくない」
「私はやっぱり少し羨ましい。和気藹々と話してみたい」
と誰かと誰かが言った。私達は窓の景色から、こちら側に戻して、笑いあってしまった。
「いつも同じ話してるよ、私達」
興味があるお年頃ですから。
「「「「勉強になるわ~」」」」
残りのお茶を飲み、食堂を後にした。
もう、本当にこの話題は最後。
誕生日から半年も経ってないけど、多分だれも口にしないと思う。
四人で教室に向かって歩いていると、前から上級生の一団が、先に足を止めて、まるで私達を誘うように待っていた。
初めての経験で驚いた。
「リディア・ガルドニ様、この度は大変残念な結果になりましたね。元婚約者が、まさかあんな非常識な方だったなんて、心中お察ししますわ。私も去年、お二人には、再三注意をしていたので、今回の件、私も僅かながら、もっと注意しとけば、ボリシュ侯爵令息も道を踏み外さなかったと後悔してますの」
「アンネリーネ・コンドール様、いつもお気に留めて頂きありがとうございます。ガルドニ家では、学園入学前に婚約解消出来たこと、心より安心しております。一重に皆様がお茶会で、有力な情報を下さったおかげで、我が家にとっては、益にしかならない婚約解消に持ち込めました。心より感謝申し上げます」
と再び礼をした。クロエ達は緊張しているようだったが、目の前にいたのは、アンネリーネ様の取り巻きの令嬢ばかりで、お茶会で顔を見た事はあったので、私はそんなに萎縮していなかった。
「本当に、私達が学園でのウィルソン様の浮気の情報を与えなかったら、今、あなたは、馬糞を持った男との三角関係のもつれの馬糞まみれの可哀想な婚約者だったわよ」
とアンネリーネ様の横にいた令嬢が言えば、みんなクスクスと笑った。まさかの攻撃!?
…
「本当に、ありがとうございます。逆恨みをされたのは、納得いきませんが、ボリシュ侯爵家からは、多大な慰謝料を頂くことになりましたし、もう二度と会うこともありませんから、毎日安心して過ごせます」
アンネリーネ様から、
「今回のこと落ち込んでないのかしら?あなたは」
えっ?これどっち?
落ち込んで欲しいって聞こえるのだけど。
「もちろんショックです」
と言えば、またクスクス笑われた。多分これで正解なんだろう。
馬鹿にしたいのね。どうぞご自由に。
「あの男爵令嬢が退学にならなかったのが、おかしいですよね」
と取り巻きの一人が言うと、私に、
「何か知っているかしら?」
と聞かれて、
「生徒会の人の後ろをついて歩いてました」
答えれば、アンネリーネ様から誰?という圧力を感じて、ルーナさんが名前を言っていたな。
「確か、グレリュード様とルーナさんが呼んでいました」
と伝えると、笑っていたはずなのに、私に鋭い視線を向けて「そう」と一言言って、私達を押し退けるように歩いていった。
「「「怖かったわー」」」
という友達の反応に同意しながら、アンネリーネ様のあの反応、馬鹿にしていた笑いから怒っているような変化?何なのかと疑問に感じた。
「ハァー、今日も隣の男子生徒と話せなかったわ。全然好みじゃないのよ。だけど、何を話していいかわからないの。リディ、よくウィルソン様と話せたわね。なんかすごいわ。あんな事を起こす人と、話せていたなんて、リディは怖いもの知らずよ。婚約って大変なのね。やっぱり私は、婚約期間は短い方がいいわ。見たくないところが、どんどん見えてくるじゃない。それって逆もそうってことでしょう。私、こんなに男性と話せないなんて思わなかったわ。面白味もない、つまらない女よ」
としみじみとキャロラインが言った。
あなた達かなり私を馬鹿にしているわね。
クロエが、同意しながら話した。
「私も兄弟関係で、話せるぐらいでまだ男子生徒とは、全然話してはいないわよ。大丈夫よ。キャロライン、私達はじっくり観察しましょうよ。だってたいして知らないけど、ウィルソン様が、あんな人だと思わなかったし、リディだって女子生徒とは話すけど、男子生徒とは全然会話はないわよ」
完全に馬鹿にしているわね。身分は私が一番上なんですけどね。マリーダが、
「ウィルソン様はリディが好きだったのか、ルーナさんとは遊びだったのか、結局人の気持ちはわからないけど、あの人は、最低な人間だとはわかったわ。すぐ横にあったおもちゃが、急に取り上げられて、癇癪を起こした子供だったんじゃない?今までリディの好意が当たり前で、自分が選ばれない、捨てられるなんて経験がなくて、感情のままに行動したって感じ。あれに夢中になったリディは、異常よ、見る目がない!いや、あったから解消して、縁を切ろうとしたのかしら」
と言った。みんな考察どうも。まぁあんな非常識を起こした後だから、元婚約者の私だって、馬鹿にされるだろう。
「三人の思う通り、プライドの高い人だったんだと思う。ルーナさんにも命令口調だったし…婚約経験のある私から助言を一つ。
みんなも徳を積んだ方が良いわよ、いつどこで善行が、自身を救ってくれるかわからないから。これは本当の話なのよ。私の誕生日に、気付かされたの。馬鹿な行動はやめなさい、冷静に考えなさいって昔の善行が私の考えを諌め包んだのよ、本当に徳は積むべきよ」
と大事な事なのでニ回言った。
三人は、まだわかっていないようだけど、これは、後々本当の話になった。新たな出会いに大切な人との出会いは、結局、私が言った徳を積んだ結果、結びついた縁だったと、三人には未来で感謝されることになったのだから。
まぁ、今、私は彼女達に馬鹿にされ、物凄く同情されているのだけど…
両親もなんてことだと力なく座り、どこか遠くを少し見てから、
「「本当に縁が切れてて良かった」」
と言っていた。ボリシュ侯爵家なんてどうなっているのだろう?怖くて聞けない。
「これで、本当に二度と顔も見ないことになったわ」
と言えば、キャロラインが、
「良かったわね」
と言われて、頷く。でも、心でも頭でも申し訳ないという感情はある。
結局変えたのは、私だ。
それは、私のストーカーをしていた日常を隠滅したからか、彼という人を拒否したからか、転生者として彼の物語を破滅させたからなのか、私には、誰にも言えなかった。
その答え、彼の未来を目を閉じ耳を塞ぎ、遮断した。
誰しも自分が可愛い、自分に甘いから、私は、この感情を隠して彼女達に笑い、同意し、一緒に歩く。
そして毎日過ごせば、そんな感情も何かに塗り替えられて、忘れてしまうのかな?
「リディ、何、ぼんやりしているの?」
「ほら、窓の外を見てよ。あの方、この前ルーナさんと腕絡ませて歩いていた男子生徒じゃない?」
と言えば、
「うわぁ~どっちもどっちって事。今、男爵令嬢って停学中だものね。別れたってことかな?」
とマリーダが興味深々で、外の景色を見ていた。
「広く浅くって、モテて羨ましいって思ったけど、外から見ても寂しいね。夢中じゃない、遊びだってわかるんだから」
「少しも羨ましくない」
「私はやっぱり少し羨ましい。和気藹々と話してみたい」
と誰かと誰かが言った。私達は窓の景色から、こちら側に戻して、笑いあってしまった。
「いつも同じ話してるよ、私達」
興味があるお年頃ですから。
「「「「勉強になるわ~」」」」
残りのお茶を飲み、食堂を後にした。
もう、本当にこの話題は最後。
誕生日から半年も経ってないけど、多分だれも口にしないと思う。
四人で教室に向かって歩いていると、前から上級生の一団が、先に足を止めて、まるで私達を誘うように待っていた。
初めての経験で驚いた。
「リディア・ガルドニ様、この度は大変残念な結果になりましたね。元婚約者が、まさかあんな非常識な方だったなんて、心中お察ししますわ。私も去年、お二人には、再三注意をしていたので、今回の件、私も僅かながら、もっと注意しとけば、ボリシュ侯爵令息も道を踏み外さなかったと後悔してますの」
「アンネリーネ・コンドール様、いつもお気に留めて頂きありがとうございます。ガルドニ家では、学園入学前に婚約解消出来たこと、心より安心しております。一重に皆様がお茶会で、有力な情報を下さったおかげで、我が家にとっては、益にしかならない婚約解消に持ち込めました。心より感謝申し上げます」
と再び礼をした。クロエ達は緊張しているようだったが、目の前にいたのは、アンネリーネ様の取り巻きの令嬢ばかりで、お茶会で顔を見た事はあったので、私はそんなに萎縮していなかった。
「本当に、私達が学園でのウィルソン様の浮気の情報を与えなかったら、今、あなたは、馬糞を持った男との三角関係のもつれの馬糞まみれの可哀想な婚約者だったわよ」
とアンネリーネ様の横にいた令嬢が言えば、みんなクスクスと笑った。まさかの攻撃!?
…
「本当に、ありがとうございます。逆恨みをされたのは、納得いきませんが、ボリシュ侯爵家からは、多大な慰謝料を頂くことになりましたし、もう二度と会うこともありませんから、毎日安心して過ごせます」
アンネリーネ様から、
「今回のこと落ち込んでないのかしら?あなたは」
えっ?これどっち?
落ち込んで欲しいって聞こえるのだけど。
「もちろんショックです」
と言えば、またクスクス笑われた。多分これで正解なんだろう。
馬鹿にしたいのね。どうぞご自由に。
「あの男爵令嬢が退学にならなかったのが、おかしいですよね」
と取り巻きの一人が言うと、私に、
「何か知っているかしら?」
と聞かれて、
「生徒会の人の後ろをついて歩いてました」
答えれば、アンネリーネ様から誰?という圧力を感じて、ルーナさんが名前を言っていたな。
「確か、グレリュード様とルーナさんが呼んでいました」
と伝えると、笑っていたはずなのに、私に鋭い視線を向けて「そう」と一言言って、私達を押し退けるように歩いていった。
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という友達の反応に同意しながら、アンネリーネ様のあの反応、馬鹿にしていた笑いから怒っているような変化?何なのかと疑問に感じた。
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