今日も楽しくいきまshow!?

犬野きらり

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1 いきなり牢屋スタートです

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「えっ!?な、ぜ、」

突然、私の意識は刈り取られて、しまった…



鼻につく匂い…カビ?水の腐敗?

身体中が痛い。
目を開けてみるけど、真っ暗で、ここが夢なのか現実なのかわからない。
手が地面に触れた。

「んっ、冷た、金属?」

現実決定です…

何かで結ばれた手首。
動かない。…サァーーッと今、私に起こっていることを思い浮かべた。

『誘拐!』

何故、私が!さっきまで…


何していた?

いや、それよりも今どうしたらいい…
ブルブルと身体中が震える。
自分の身体から発生する震えの布の擦りと足からのカタカタ音のみ。

ヒューとどこからか風を感じる。
「私は生きているわ」

目が慣れてきたのか、やっと少しだけ周りを見渡せた。
「…スゥー」

えっ?
誰かいる?

…耳を澄ます、スゥーとした静かな息使い…

「…ねぇ、誰かいますよね、助けてください!」

縋る気持ちで、控えめに出した声で助けを求めた。
…反応がない。

でも、息みたいなものは聞こえる。
必死に体勢を変える。聞こえるのは、私の頭の方。

んっ、んっと足や身体全体を使って、その方角を見る。
大分暗闇に慣れた目に映ったのは、黒い塊…

「ひっ」

思わず、声を上げてしまった。

ジッと見つめる。
息使いと少し塊が動くのが見えた。誰か、いや何かはいる…

「人よね?」

何分経ったのだろう、ずっと見てしまった。
生き物の気配は、アレしかこの場では感じない。
ここまできたら、頼るのはアレしかないと藁にも縋る思いで、再び声をかけた。

「あの!」

少し大きめに声をかけても反応がない。
焦ってしまう。助けて欲しいのよ!家に帰りたい!まだ15才よ、外の世界を生きたいのよ!

怖いのよ!

火事場の馬鹿力というべきか、足に力が入って上半身を起き上がることに成功した。

「やったわ」

靴は履いている、制服も着ている。
私の状態がどうなっているかはわからない。
でも、あの場所には何かがいるわ。
どうにか足裏とお尻を使って、黒い塊に近づく。
見ると、

「…ダイアナさん」

黒く汚れた麻袋に入った同級生が、そこにいた。

なんでこうなったのか…

私、この方の後を尾けていたんだわ…マリアーノ様に命令されて!この方の不貞の証拠を掴んで来なさいって…我が家の馬車に乗らずに歩いて尾行した。
乗り合い馬車の近くを通って、その後、細い路地に…

あの場所で誘拐されたのね…
なんてことなの…馬鹿なことをしてしまったわ…
とにかく、ダイアナさんを起こして、ここから逃げ出さなきゃ。

「ダイアナさん、起きて、ねぇ!ダイアナさん」

彼女の頭に向かって呼びかけた。にも関わらず、呑気に寝ている!何故この状況で、

「もう!」

足に力が入った。
ズルっと滑り私の上半身、いや頭が、勢いよくダイアナさんにぶつかる。

ゴツーン

「「痛ーーい」」

ドンと身体が倒れた。

頭が痛い。

ズキッ

気持ち悪い感覚と痛み


ズキッ

『ダイアナは、マリアーノの取り巻きの手首の縄を解き、仲良くなる。そして二人でこの牢からの脱出を試みる。ここで暴漢三名現れる。「私が引き付けるからあなたは先に逃げて」と言う。大きな声で!ここが大事。すぐにグレゴリー様とサイファ様が衛兵を連れて現れるからきちんと聞こえるように!慌て逃げる友人は、暴漢に向かって行って殺されるだろうし、ダイアナは友達を助けてあげようとしたのに不幸にも友達を目の前で失った可哀想なヒロインとして、お二人と近づきそして』

「ぐぅふっ、ああ!やっぱり!」

すぐ隣で大きな声を出された。

今のは何?

「痛いじゃない…
…全くもう、仕方ないのか、こんな描写あったのね…」

と呟いてから、
「誰?」
と聞かれて、
「ミランダですけど…」
と答えた。

彼女は、再び声を大きく出して、

「ミランダ様、大丈夫?何がどうして私達こんなところに閉じ込められたのかしら?ねぇ?…ミランダ様、大丈夫?
…ねぇ、ったら!」

こちらを見たダイアナさんは、言葉は心配を投げかけるけど、手は自分の頭を撫でている。しかも、一度私を見ただけ。髪を撫で自由な手で自分のポニーテールを解いた。

どうして彼女は縛られていないのだろう?

すぐに汚い麻袋を脱ぎ捨て、匂いを嗅ぎ、

「うわぁ~最悪、凄い臭いわ、これからお二人が来るっていうのに~」

とまた呟いた。

二人が来る?どういうこと?

「ダイアナさん、あなた何か知っているの?この状況」

聞くと、何かを誤魔化すように、

「あー、あぁ、いえ…確かマリアーノ様の取り巻きさんの…先程名前…
ミランダ様!ただの状況を見ただけですよ。あっ、そうそう、ミランダ様、手首の紐を取りますよ」

突然解説のようにマリアーノ様の取り巻きって言われた。

ブチッ

「あ、ありがとう…」

「当然ですよ!あら、綺麗な髪の毛…水色?なんて珍しい、野暮ったい眼鏡に似合わないわね」

機嫌良さ気に、私の腕の紐を取るダイアナ…

「ダイアナさん、そのナイフは…?」

「あー、これですか、ペーパーナイフ代わりなんです」

ペーパーナイフ代わりにナイフを制服に入れておくの?そんな令嬢いるかしら!?私が、驚いているのに気づくと言い訳のように話す。

「ええ、ほら、私って男爵家じゃないですか!マリアーノ様からも、はしたないとか礼儀知らずとかご注意受けていて、少しばかり危機管理を持ちまして、自己防衛ですよ、でもあって良かったですよ、こうやってミランダ様にお使い出来ましたから!」

物凄く嬉しそうに言う。
こんな状況で何が嬉しいのだろうか、背中がゾワゾワしてくる。私と違って怖がっていないのが…

「…ねぇ、私、助けていますよねー、ミランダ様…」

何故か圧を感じる。

「ええ、ありがとう、ござい、ま、す?」

「いえ、いえ、どういたしまして!仲良くしましょう。これから逃げなきゃいけませんよねー、どうしましょうか!」

と嬉しそうに聞いてくる。
圧が無くなった。御礼を言ったことが正解だったようだわ。

まだ機嫌良く話してくる。
何だろう、この方、気味が悪い…
今、私達は知らない場所にいて、攫われているというのに、何故こんなに明るいの?

「早く立って下さい。ミランダ様、ほら逃げましょうよ」

促され立ち上がる。ズキズキッとした頭の痛み…

「ミランダ様って無口なんですね、ああ、ここがどこかわからないから怖いんですね、私もです、怖いですねー」

と誘導するように腕を絡ませられた。

ガチャ、ガチャ

どこかの扉が開き、僅かに灯りが見えた。
下衆な笑い声…
雑な足音…

「来たわ」

ダイアナさんの呟き…

私の脳内で思い出される…

『ここで暴漢三名現れる。「私が引き付けるからあなたは先に逃げて」と言う。大きな声で!』

「おい、お嬢様方、お目覚めになりましたか、ブフッフッフ」

閉じ込められていた牢の鍵が開き、男達三名が、中に入り込んで来た。

「ミランダ様ー、ここは私が引き付けますからミランダ様は、先に逃げてーー」

とダイアナさんが叫んだ。

それって、先程の言葉!
そして、私を絡ませた腕を解き、すぐに背中を押した。

それも力いっぱいに…
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