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39 お義兄様から贈り物が届きました
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ふふっ、私、中々良いことしたんじゃないかしら?
猫の絵を描いていた時に、思い出したのよ。
船乗りは、動物に向けて話していたけれど、いつも動物は、少し聞いてどこかに行くのよ。
動物だからね。
そう、私は動物だったのだから、勝手に離れなければいけないわ。
理解を示しては、動物のふりも出来ないじゃない!?
船乗りは、いつも話を聞いてくれてありがとう、言葉を発するだけで気持ちが楽になったと、無人島を脱出する時に言って別れたわ。
きっと、言葉を発すれば解決よ。
間違いないわ!
…溜息の時は気づかなかったけど、まさか男子学生だったなんて…驚いてしまったわ。
…いえ、男女差別で友達になるとかではないのだけど、やっぱり、友達作りって難しいわ。
男性ってだけで、一段階上のハードルが上がるのよ、私には。
だけど、リリエットが言う最新の流行りの石鹸とスノードームを置いてきたし…
贈り物ってサプライズ感があって、気が紛れると思うのよ。
まぁ、少しは元気出るわね。
決して友達の数を誤魔化したいから、置いてきたわけではありません。
…
中々手に入らないって言っていたし、本当に好意で置いてきました。
(言い訳じゃないのよ)
*
「お嬢様、ディライド様より贈り物と手紙が届きましたよ」
ラナの弾む声。
「ラナ、お義兄様、ウランダル王国からお戻りになったわけではないのね?」
聞くと、
「荷物だけです」
残念。
「それは大変ね。お義兄様も学校に行きたがっていたから…残念だわ。今日ね、お義兄様にお預かりした封筒を先生に渡したら、お義兄様、まだテストを受けたことがないのですって、勉強とか心配よね。優秀である事は、わかっているのだけど、ほら、友達作りとか、学校って色々体験出来る楽しい所でしょう!お義兄様が可哀想だわ。あぁ、こうやってアンドル王子様の側近をやっていたから、お昼を一緒に取る友達が作れなかったのね」
と言えば、ラナが、真面目な顔して否定した。
「いいえ、それは、お嬢様と通いたいが為の学校であって、屋敷内で一緒にいるだけでも、きっと良いと思っているのだと思いますけど」
「まぁ、何を言っているの。お義兄様は、ご自身の為に学校に通うのよ。私のためなんかじゃないわ。全くラナは、お義兄様は、そんな出不精じゃないし」
全く!
確かにお義兄様は、とても家族思いだけど、流石に私の為に学校に通うなんてことはないわ。
もう、そんなこと言われたら、お義兄様が可哀想よ。
手紙を開けると…
自分は、元気だということと、私への心配と早く帰りたいという思いと、やっぱり私が事件に巻き込まれることの心配と注意と、今の状況の愚痴?文句?と、早く帰りたいという(再び)思いが綴ってあった。
要は、仕事辛い、帰りたいだわ。
きっと。
返事はいらない、か。宿屋を転々としているなんて…私が考えているより危険な事をしているのかしら?
贈り物を開けると、板が入っていた。
「ラナ、これは何かしら?」
「お嬢様、この板を鞄に入れて置くようにと書いてあります。防犯板ですって。ナイフや投石などを防ぐ。盾として活用して欲しいと」
ラナが、黒い板を軽く叩く。
金属音なのかしら?ナイフを通さないの?
でも、随分と薄い。
それなら、騎士団に送った方がいいのではないかしら?
「ラナ、お義兄様は、私がいつも暴漢と戦っているイメージがあるのかしら?」
先程の手紙も、心配事を書いてあったし。
「そうですね。確かに、眼鏡で顔が隠れていても、巻き込まれるお嬢様ですから。人攫いに迷子でも、海岸の砂浜でもゴロツキが現れましたもの、心配ですよ。これ意外に軽いですし、鞄を持つ際は、トレーニングだと思って運んで下さい。いざという時は、頭と顔、心臓を守るのですよ。こう目の前に、出す。わかりましたね、こうですよ」
とラナが実践してくれる。
他の侍女達も板を触り、頷いている。
もう、事件関係の体験は、十分よ。
危ないことはしませんから!
「大丈夫、ラナ。きっと綺麗なままお義兄様に返すわ。でも頭と顔を庇ったら前は見えないわね」
人は、これをフラグというらしい。
*
学校は、朝から騒がしくなった。
夏季休暇後、ある方が、転入してきて学校の雰囲気が、悪くなったというべきか…噂第一位が変わって、王女様と侯爵令嬢の争いの話ばかり。
「ミランダ、朝から、マユリカ王女様とマリアーノ様の睨みあいは見た?言葉も一言づつ吐き捨てよ」
楽し気に語るのは、他人事だからかしらね。
「リリエット、覗きは良くないわよ」
と言えば、慌て否定された。一応、冗談だけど?
「違うわよ。学校に入る前の一幕よ。みんな見ていたのだから!マユリカ王女様が、『侯爵令嬢ごときが、私の前を歩かないでくださる』と言えば、マリアーノ様が、『あら、王女様ではありませんか。纏う気品が見えなくて、庭木のごとく自然な気配で気づきませんでしたわ』ですって。
マリアーノ様ったら。不敬なことを口にして大丈夫なのかしら?相手は、他国の王族なのよ。こんな調子でもう一週間よ。朝から気持ちが昂って、この状態でお互い授業をどんな風に受けているのか、不思議よ…
あの二人、どちらかが時間を変えればいいのにね」
それは、それは。相変わらずですね。最近の名物光景。学年が違うし、食堂にお二人とも来ないから、登校か下校の光景なのだけど、何故か時間が被る。
そして何度かアンドル王子様達が、止めに入ったのは、見る人にとっては、一人の男性を巡って女生徒が喧嘩しているという、三角関係、婚約者決めの争いとみんながこの話題に食いついている。
やはり下世話ね。
「本当ね、時間を変えるだけで会わないのに」
何故、マリアーノ様は、時間を譲らないのかしら?身分的なことを考えると、マユリカ王女様に一歩引いて対応するべきな気がする。
「お待ち下さーい、マユリカ王女様~」
と廊下をバタバタ走り忙しくしている男爵令嬢。
もう一人の賑やかな人、ダイアナさんは、マユリカ王女様の取り巻きになったようだ…
猫の絵を描いていた時に、思い出したのよ。
船乗りは、動物に向けて話していたけれど、いつも動物は、少し聞いてどこかに行くのよ。
動物だからね。
そう、私は動物だったのだから、勝手に離れなければいけないわ。
理解を示しては、動物のふりも出来ないじゃない!?
船乗りは、いつも話を聞いてくれてありがとう、言葉を発するだけで気持ちが楽になったと、無人島を脱出する時に言って別れたわ。
きっと、言葉を発すれば解決よ。
間違いないわ!
…溜息の時は気づかなかったけど、まさか男子学生だったなんて…驚いてしまったわ。
…いえ、男女差別で友達になるとかではないのだけど、やっぱり、友達作りって難しいわ。
男性ってだけで、一段階上のハードルが上がるのよ、私には。
だけど、リリエットが言う最新の流行りの石鹸とスノードームを置いてきたし…
贈り物ってサプライズ感があって、気が紛れると思うのよ。
まぁ、少しは元気出るわね。
決して友達の数を誤魔化したいから、置いてきたわけではありません。
…
中々手に入らないって言っていたし、本当に好意で置いてきました。
(言い訳じゃないのよ)
*
「お嬢様、ディライド様より贈り物と手紙が届きましたよ」
ラナの弾む声。
「ラナ、お義兄様、ウランダル王国からお戻りになったわけではないのね?」
聞くと、
「荷物だけです」
残念。
「それは大変ね。お義兄様も学校に行きたがっていたから…残念だわ。今日ね、お義兄様にお預かりした封筒を先生に渡したら、お義兄様、まだテストを受けたことがないのですって、勉強とか心配よね。優秀である事は、わかっているのだけど、ほら、友達作りとか、学校って色々体験出来る楽しい所でしょう!お義兄様が可哀想だわ。あぁ、こうやってアンドル王子様の側近をやっていたから、お昼を一緒に取る友達が作れなかったのね」
と言えば、ラナが、真面目な顔して否定した。
「いいえ、それは、お嬢様と通いたいが為の学校であって、屋敷内で一緒にいるだけでも、きっと良いと思っているのだと思いますけど」
「まぁ、何を言っているの。お義兄様は、ご自身の為に学校に通うのよ。私のためなんかじゃないわ。全くラナは、お義兄様は、そんな出不精じゃないし」
全く!
確かにお義兄様は、とても家族思いだけど、流石に私の為に学校に通うなんてことはないわ。
もう、そんなこと言われたら、お義兄様が可哀想よ。
手紙を開けると…
自分は、元気だということと、私への心配と早く帰りたいという思いと、やっぱり私が事件に巻き込まれることの心配と注意と、今の状況の愚痴?文句?と、早く帰りたいという(再び)思いが綴ってあった。
要は、仕事辛い、帰りたいだわ。
きっと。
返事はいらない、か。宿屋を転々としているなんて…私が考えているより危険な事をしているのかしら?
贈り物を開けると、板が入っていた。
「ラナ、これは何かしら?」
「お嬢様、この板を鞄に入れて置くようにと書いてあります。防犯板ですって。ナイフや投石などを防ぐ。盾として活用して欲しいと」
ラナが、黒い板を軽く叩く。
金属音なのかしら?ナイフを通さないの?
でも、随分と薄い。
それなら、騎士団に送った方がいいのではないかしら?
「ラナ、お義兄様は、私がいつも暴漢と戦っているイメージがあるのかしら?」
先程の手紙も、心配事を書いてあったし。
「そうですね。確かに、眼鏡で顔が隠れていても、巻き込まれるお嬢様ですから。人攫いに迷子でも、海岸の砂浜でもゴロツキが現れましたもの、心配ですよ。これ意外に軽いですし、鞄を持つ際は、トレーニングだと思って運んで下さい。いざという時は、頭と顔、心臓を守るのですよ。こう目の前に、出す。わかりましたね、こうですよ」
とラナが実践してくれる。
他の侍女達も板を触り、頷いている。
もう、事件関係の体験は、十分よ。
危ないことはしませんから!
「大丈夫、ラナ。きっと綺麗なままお義兄様に返すわ。でも頭と顔を庇ったら前は見えないわね」
人は、これをフラグというらしい。
*
学校は、朝から騒がしくなった。
夏季休暇後、ある方が、転入してきて学校の雰囲気が、悪くなったというべきか…噂第一位が変わって、王女様と侯爵令嬢の争いの話ばかり。
「ミランダ、朝から、マユリカ王女様とマリアーノ様の睨みあいは見た?言葉も一言づつ吐き捨てよ」
楽し気に語るのは、他人事だからかしらね。
「リリエット、覗きは良くないわよ」
と言えば、慌て否定された。一応、冗談だけど?
「違うわよ。学校に入る前の一幕よ。みんな見ていたのだから!マユリカ王女様が、『侯爵令嬢ごときが、私の前を歩かないでくださる』と言えば、マリアーノ様が、『あら、王女様ではありませんか。纏う気品が見えなくて、庭木のごとく自然な気配で気づきませんでしたわ』ですって。
マリアーノ様ったら。不敬なことを口にして大丈夫なのかしら?相手は、他国の王族なのよ。こんな調子でもう一週間よ。朝から気持ちが昂って、この状態でお互い授業をどんな風に受けているのか、不思議よ…
あの二人、どちらかが時間を変えればいいのにね」
それは、それは。相変わらずですね。最近の名物光景。学年が違うし、食堂にお二人とも来ないから、登校か下校の光景なのだけど、何故か時間が被る。
そして何度かアンドル王子様達が、止めに入ったのは、見る人にとっては、一人の男性を巡って女生徒が喧嘩しているという、三角関係、婚約者決めの争いとみんながこの話題に食いついている。
やはり下世話ね。
「本当ね、時間を変えるだけで会わないのに」
何故、マリアーノ様は、時間を譲らないのかしら?身分的なことを考えると、マユリカ王女様に一歩引いて対応するべきな気がする。
「お待ち下さーい、マユリカ王女様~」
と廊下をバタバタ走り忙しくしている男爵令嬢。
もう一人の賑やかな人、ダイアナさんは、マユリカ王女様の取り巻きになったようだ…
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